2006年11月24日

幼児期の療育を考える(9)

3.療育とはどんなものか?

自閉症の療育には、「○○法」と名前がついて世間で広く行なわれているものだけでも、さまざまなものがあります。
それ以外にも、例えば私自身もいくつかの療育アイデアを開発して紹介していますし、そのような「小ネタ」的に紹介されているものまで含めれば、それこそ無数にあると言ってもいいでしょう。

具体的な療育法について詳しく書いていく前に、この章では、自閉症の療育法にはどのようなものがあるのかを全体として眺めて、その中でどんな療育法を選ぶべきかについて書いていきたいと思います。

が、実は、療育については、「どんな療育を選ぶか」よりも、「どんな療育を選ばないか」のほうがはるかに重要です。

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2006年11月23日

幼児期の療育を考える(8)

2)自閉症という障害と療育の意義

次に、「療育などの働きかけによって、何をどこまで伸ばすことができるのか?」という問題について考えます。

視覚や聴覚、記憶や学習のための基本ネットワーク構造といった脳の最も基本的な構造は、恐らく胎児の頃から生後2年程度で急速に発達・固定し、その後は変化する力(可塑性)を失っていくと考えられます。このような時期を「臨界期」と呼びます。脳をコンピュータに例えるとすれば、この臨界期までに作られるのは、「ハードウェアとしての脳」だと言っていいでしょう。
そして、自閉症というのは、恐らくこの臨界期までに構築される脳の基本構造の障害から生じるものだと考えられますので、そういう意味ではやはり「一生続く障害」であると言え、働きかけによって「完治」するものではないと考えられます。

その一方で、そのような基本構造以外の脳の要素、例えば環境から学習することや、さまざまなスキルを身に付けることのような広い意味での学習・社会適応能力は乳児期を過ぎても続き、むしろたくさんの経験を積むことによって一生発達を続けていきます。同じようにコンピュータに例えるとすれば、これらは「ソフトウェアとしての脳」の側面を表していると言えるでしょう。
こちらの能力についていえば、いくつになってもトレーニングによって発達・適応度の向上を図ることができます。それは自閉症児であっても例外ではありません

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2006年11月21日

幼児期の療育を考える(7)

自閉症の療育を考えるときに、私がとても大切だと思うのは、自閉症という発達障害は「量的なおくれ」ではなく「質的なおくれ」である、という視点です。
もちろん自閉症児も、療育を続け、年齢が上がるにつれて成長・発達してきますが、その発達のしかたは、必ずしも健常児のたどる道すじと同じものを「ゆっくりたどってくる」わけではなく、健常児とは異なった道を歩いて発達してくるのです。その発達の進みかたも能力によってまちまちで、特に対人コミュニケーション(社会性)やことばの発達は大きく遅れることが多いといわれています。

そして、残念なことですが、このような自閉症児が持っている「困難」は、一生を通じて消えることはありません。自閉症については、厳密な意味での発症機序も、障害の起こっている場所も、認知障害の詳細も分かっておらず、「治療」という意味においては現時点ではまだまだ手も足も出せない状況です。このことを突き詰めて考えると、自閉症というのがどんな障害なのかという疑問そのものが、厳密にはまだ解けていないのです。
本当に効く自閉症の治療薬・医学的治療法を開発すれば、恐らくノーベル賞は確実でしょう。

※このことを知っておけば、現時点で自閉症が「治る」と自称している治療法はすべて眉唾だということが理解できると思います。自閉症に関して「治る」と言ってしまうことは、その発言者が自閉症に関して無知であるということを判断する、もっとも簡単な指標だとさえ言えます。


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2006年11月20日

幼児期の療育を考える(6)

2. 自閉症について知る

1)自閉症とはどんな障害か

ここで、具体的な療育について説明する前に、自閉症とはどんな障害なのかについて簡単に触れたいと思います。

といっても、学術的な定義を書こうというのではなく、子どもの障害を理解すること、そして療育を進めるための基礎知識として知っておいたほうがよさそうな内容を中心に書きたいと思います。
また、下記の内容には私なりの解釈がある程度含まれています。このあたりについてさらに深く知りたい方は、複数の本を読み比べて比較されることをおすすめします。

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2006年11月19日

幼児期の療育を考える(5)

3)ファースト・アクション

さて、それでは、M-CHATのような自閉症の早期診断のためのセルフ・チェックの結果、自閉症である可能性がある、もしくは高いと考えられる場合、親としてはどのような対策をとるべきでしょうか。

先にも書いたとおり、最初の検討事項は、病院や公的な福祉施設にコンタクトし、必要なサポートを受けられるよう準備を進めるか、あるいは当面「様子見」するかを決めることでしょう。

言うまでもありませんが、正式な診断やそれに基づくサポートは子どもにとって必要なものであって、親自身の感情や損得勘定で選ぶべきものではありません。
ただその一方で、さまざまな不安や抵抗感から、当面はそういった行動を取りたくないと考える親御さんがいることも理解できます。

この問題に対する唯一の「正解」というのは存在しないと思います。

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2006年11月17日

幼児期の療育を考える(4)

前回は、一歳半から試すことができる自閉症のセルフチェックとして、M-CHATとCHATという2つのテストをご紹介しました。

(M-CHATテスト項目の抜粋-質問の全項目については前回の記事を参照してください)

<特に重要だとされる6つの症状>
 他の子どもに興味を示さない。
 何か興味があるものを人さし指で指差して伝えない。
 あなた(親)に何かを見せるために、物を持ってこない。
 真似をしない(顔で表情の真似など)
 名前を呼ばれても反応しない。
 離れたところにあるおもちゃを指差しても、その方を見ない。


ところで、親御さんが、M-CHATのような列記型の「症状リスト」を見るときには注意しなければならないことがあります。それは、リストの中に当てはまらない項目があることを過大評価して、安心してしまいがちだということです。

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2006年11月16日

幼児期の療育を考える(3)

2)自閉症リスクのセルフ・チェック

それでは、「子どもが自閉症の可能性があるかどうか」はいつ頃から判定できるのでしょうか? 違う観点から言えば、いつ頃から子どもの自閉症の可能性を心配すべきなのでしょうか? 繰り返しますが、これは診断を受けるかどうかとは別に考えるべき問題です。

恐らく、1歳後半、つまり一歳半検診を受けて、ことばや対人関係のおくれが目立ち始めた頃というのが1つの節目になるのではないかと思います。
多くの自閉症児の親御さんの話を見聞きしていると、だいたい1歳くらいまではいわゆる検診項目の中で特定の遅れが目立つことはあまりなく、1歳半検診でことばや対人関係に関する質問が含まれるあたりから、できないことが目立ち始めることが分かります。
そもそも、症状としての自閉症というのは一種の社会適応障害ですので、母親と子どもの間の非常に小さな社会関係性しか存在しない1歳前半くらいまでは、特に知的な遅れの少ない子どもの場合は問題が表面化しにくいということもあります。

もう1つ、一歳半が1つの節目だと言える理由は、一歳半以降であれば、ご家庭でお子さんの自閉症の可能性をセルフ・チェックできるような、いくつかの簡単なテストが利用できるということがあげられます。その代表的なものがM-CHATと呼ばれるテストですが、これについては、以前の記事で詳しくご紹介しました。

記事リンク:自閉症の早期診断について(CHATとM-CHAT)

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2006年11月14日

幼児期の療育を考える(2)

1. 我が子が自閉症だと気づくとき-最初の一歩

1) はじめに-「療育的子育て」のすすめ

自閉症児への療育(治療教育の略で、教育よりも深い、生活全体への介入や医療的行為まで含めた子どもへの発達のための働きかけをいいます)は、早く開始すればするほど効果が高くなると言われています。これは、どのような療育技法を採用するかを問いません。

後で改めて書きますが、自閉症は環境の知覚やかかわりに深刻な質的おくれが生じる障害です。ですから、通常の子育てのやり方では、子どもへの働きかけが不十分だったり不適切になってしまうことがあります。言い換えると、子どもへの働きかけを適切なものに変えることによって、自閉症という脳の障害によって生じてくるさまざまな症状を軽減したり、既に生じている問題をうまく解決できる可能性があります。

ですから、子どもが自閉症かもしれないということにできるだけ早く気づき、子どもへの働きかけのスタイルを「普通の子育て」から「特別な療育」に早期に切り替えることが、とても重要なのです

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2006年11月13日

幼児期の療育を考える(1)

はじめに

当ブログではこれまで、自閉症児に対する療育の働きかけについて、さまざまなテーマをさまざまな切り口で書いてきました。
その結果、トピックごとの記事は非常に充実させることができたと自負しています(ブログ右の「記事検索」ボックスをぜひご活用ください!)が、その一方、自閉症の療育についてまとまった内容を知りたいと思ったときに、記事があまりに多すぎて目的の情報にたどりつけない、あるいは把握できる領域が中途半端になってしまうのではないかということがずっと気になっていました。

また私は、療育「技法」のプロではありませんから、本来は、必ずしも個別の療育技法のトピックを取り上げて何か詳しく言いたいというよりは、自閉症という障害をどう考えるべきか、家庭での療育はどんな風に取り組めばいいのか、そして少し大げさですが、親と子のこれからの人生を最大限幸せなものにするためにはどうすればいいのか、そういったことにより強い関心と問題意識があります。
自閉症の原因について追いかけているのも、それで自閉症を治そうといったことではなくて、原因を究明することが自閉症児の療育をより適切な方向に導くと確信しているからです。

そろそろ、個別の話ではない自閉症児の療育全体について、書いてみたいと思いました。

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2006年11月12日

一般化障害仮説:まとめページ

当ブログでは、自閉症という障害がどのように生じているのかについて、脳のネットワークをコンピュータによってシミュレーションする「コネクショニスト・モデル」のアプローチから立てられた「一般化障害仮説」という仮説をご紹介しています。

一般化障害仮説 自閉症のモデルの例
↑「一般化障害仮説」に基づいた自閉症の障害モデルの例。

この仮説に関連する記事の数が非常に多数にわたり、一覧性に乏しくなってしまったので、まとめページを作って整理することにしました。

※この仮説を解説した本を書きました。



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2006年11月09日

新しい認知心理学から自閉症を考える(21)

当ブログ史上?最も長いシリーズ記事となった今回の「一般化障害仮説」ですが、ようやくまとめの最終回です。

一般化障害仮説 モデル図

私たちは、環境に働きかけ、環境から、働きかけに対するフィードバックを含めたさまざまな入力を受けます。
私たちの脳は、この環境からの入力に対して、大きく分けて「抽象化」「一般化」という2つの情報処理を行ないます。

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2006年11月07日

新しい認知心理学から自閉症を考える(20)

前回、前々回で、「弱い一般化処理」のモデルに適合するカナー型自閉症児への療育の3本柱として、以下のものを示しました。

①構造化
②(方法論的)行動療法
③無理な汎化を求めない


驚くべきことに、TEACCHの理念や方法論とほとんど重なってしまいました。特に、③のような「療育哲学」に近いようなものまで重複しているという事実は、現場の深い経験から導かれたTEACCHの考え方の妥当性、合理性、先見性について、理論面から新たな光を当てるものなのではないかと思います。

さて、それでは最後に、アスペルガー型の「強すぎる抽象化処理」のモデルが適合する自閉症児への療育アプローチについても考えてみましょう。

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2006年11月06日

新しい認知心理学から自閉症を考える(19)

前回、カナー型に近いと思われる「弱い一般化処理」のモデルの自閉症児への療育にとって最も重要なのは「構造化」だ、という話をしました。

「弱い一般化処理」の自閉症児への介入法

この図で分かるとおり、構造化は「環境からの入力」への介入ですが、もう1つ重要なことは、子どもからの「環境への働きかけ」の結果への介入、つまり、フィードバックです

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2006年11月05日

新しい認知心理学から自閉症を考える(18)

それではまずは、カナー型に近いと思われる「弱い一般化処理」のモデルを持つ自閉症児に対する療育について考えてみましょう。

「弱い一般化処理」の自閉症児への介入法

このモデルにおいて、阻害されている「フィードバックループ」を回すために最も大切なことは、左下の「環境からの入力」の部分です。
この入力を意図的に操作することで、「抽象化処理」によって作り出される情報の量と質をコントロールし、弱い「一般化処理」でも情報が適切に処理され、オーバーフローを起こさない状態を作り出し、先に「精神遅滞のモデル」で示したような「小さなサイクルが健全に回る状態」を作り出すことです。
それにより、環境との相互作用が可能になり、意味のある環境からの入力が次々と入ってくることによって脳が活性化され、やがては脳全体の処理能力を引き上げる(知的な面での遅れを回復する)効果が生まれてくるでしょう。やはり大切なのは「小さく始める」ことです。

では、自閉症児の脳への「環境からの入力」をコントロールするとは、具体的にどんなことを考えればいいのでしょうか?

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2006年11月02日

新しい認知心理学から自閉症を考える(17)

ここからは、この仮説を自閉症児への療育にどう応用するかということについて考えます。

その前に、まず確認しておきたいのは、私たちは自閉症児の「脳内」に直接働きかけることはできない、という大原則です。

つまり、この仮説で自閉症の原因だとされる「弱い一般化処理」とか「強すぎる抽象化処理」といった脳の情報処理の問題について、脳自体を直接いじって治すことはできないのです。
もちろん、脳には可塑性があり、「脳を鍛える」という言葉が流行語になるくらいですから、脳に働きかけ、脳の情報処理能力を改善したり調整したりすることもある程度は可能です。でもそれはやはり、脳を開いて手術することではなく、外部から課題を与えたり有効な働きかけを行なうことによってなされるのであって、我々ができるのは、「外部からの働きかけ」だけなのです。


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2006年10月31日

新しい認知心理学から自閉症を考える(16)

新しい仮説を使って、自閉症のさまざまな症状や謎について考えることで、この仮説の「説明力」と妥当性について検証しています。
今日も、残るいくつかの「謎」について考えていきたいと思います。

i.多動
 これは難問です。

 私の知る限り、自閉症児が多動である理由を理論的に説明した仮説というのはあまりないのではないかと思います。そして、この「一般化障害仮説」をもってしても、自閉症児の多動の理由を、「これしかない」というくらい明快に説明することは、正直にいって難しいように思います。

 自閉症児の多動に対するもっとも安易な説明は、脳に何らかの障害があるために多動が引き起こされているのではないか、という考え方です。ただ、この説明は単に「多動」というのを「多動になるような(よく分からない)脳の障害がある」と言い換えているだけなので、本質的には同語反復(トートロジー)です。
 とはいえ、薬によって多動がおさまる例が多数あるのは事実であり、そういった薬が効くような脳の興奮傾向が多動の原因になっている可能性は高いと思います。

 ただ、「これしかない」という明快な説明はできなくても、いくつかの可能性のある仮説から、ある程度「外堀を埋める」くらいのことはできそうなので、その可能性について書いていきたいと思います。

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2006年10月30日

新しい認知心理学から自閉症を考える(15)

前回からの続きです。
今回は、新しい仮説を使って、「自閉症の三つ組の障害」以外のさまざまな現象を説明したいと思います。

2) 自閉症児に見られるその他の行動

d.呼びかけに反応せず、物音(冷蔵庫を開ける音など)には敏感に反応する
 「冷蔵庫の音を聞いたときにそこにいけばジュースがもらえる」という行動は多義性が低く、得られる報酬も明快で、一般化処理に負担をかけなくてもルール化が可能です。一方、「呼びかけに反応する」というのは、それに伴うシチュエーションも、それによって得られる結果もいつも違うでしょうから、多義性が高く、一般化は容易ではありません。「冷蔵庫は見えていて、動かない」「人の声は見えないし、発せられる場所もいつも違う」というのもポイントです。
 この2つを比べると、自閉症児にとっては「呼びかけに反応する」ことのほうが、はるかに難しい課題なのだと思われます。

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2006年10月29日

新しい認知心理学から自閉症を考える(14)

前回にひき続き、自閉症児が示すさまざまな困難、症状について、一般化障害モデルから説明していきたいと思います。

1) 自閉症の三つ組の障害(続き)

b.ことばの障害
 ことばほど、「一般化」の能力が問われるスキルはありません。
 白い犬、黒い犬、テレビの中の犬、犬のぬいぐるみ、犬のイラスト、私たちは子どもの前でこれらすべてを「いぬ」と呼び、その一方で「犬」とは何であるかの百科事典的な説明など一切しません(大人自身、「犬」を定義しろと言われたら返事に困るでしょう)。子どもは、いろいろな対象が「いぬ」と呼ばれる、あるいは呼ばれない、という経験を繰り返していきながら、「犬とは何であって、何でないか?」という一般化されたルールを取得します。そして、このルールが取得されて初めて、「いぬ」という言葉を理解し、使えるようになるわけです。
 ですから、一般化モジュールが機能不全に陥った場合、ことばに障害が出るのは自然なことだと言えます。

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2006年10月27日

新しい認知心理学から自閉症を考える(13)

ここまでで、コネクショニズムの心理学が注目する自閉症への仮説に私なりの解釈を加えた「一般化障害仮説」の大枠をご紹介することができました。

ところで、仮説というのは、理論内での整合性が取れていることが確認できれば、次に、現実の事象をうまく説明できるかという観点から検証されなければなりません

この仮説は既に、自閉症の4つの二重解離(①社会適応は悪いのに個別的な記憶は優れている、②脳の中に萎縮している部分と発達している部分がある、③ことばの有無や知能などに著しい幅を持つにも関わらず多数の共通症状を持つ「自閉症スペクトラム」を形成している、④順調に見える発達の過程から退行して自閉症になるような「折れ線現象」が見られる)という難問を合理的に説明しています。
さらに、一般化処理に失敗したときのニューラルネットの挙動(過剰な適応/誤ったルール化/ルール化の失敗)と自閉症児の学習困難との間に強い類似性があることも分かっています。

このように、仮説の説明力としては相当なものがあると言っていいのではないかと思いますが、改めていくつかのトピックについて考察を加えたいと思います。

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2006年10月26日

新しい認知心理学から自閉症を考える(12-c)

前回、そして今回の記事では、ジェフ・ホーキンス氏のモデルをベースに、これまで説明してきた「一般化処理障害仮説」を少し拡張して解説しています。

大脳は、非常に小さなコンピュータ(柱状構造)が膨大に集まった情報処理システムだといえます。そして、その柱状構造が横方向(同じ階層)と高さ方向(上下の階層)にそれぞれ広がって、抽象化処理・一般化処理を行なうようなピラミッド型の階層をもったネットワークを形成していると考えられます。

並列接続と直列接続

さて、ここで考えてみましょう。
ここに、ピラミッドを作るためのブロックが100個あるとします。
このブロックを使って作れるピラミッドの形は1つしかないでしょうか?

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子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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