2016年06月27日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(74)

さて、家を設計するにあたって、間取り面でこだわったポイントについて書いています。

7)階段下スペースを使った広い玄関

これはよくある設計の工夫ですが、階段の下にはけっこう大きなスペースができますので、これをどう活用するかということを考えました。

そして最終的にたどりついたのが、「玄関の土間スペースとして活用する」というアイデアでした。

それまでの経験からも、我が家の場合、玄関に広めのスペースが取れるのが望ましいということが分かっていました。
娘を外出させるとき、個室に連れて行って着替えさせて荷物を持たせて…という流れを作るのは容易ではなく、「出かける」→「まっしぐらに玄関に向かう」→「玄関で外出準備もろもろを整える」という一本道のルートみたいなものができてしまうので、かなり多くの「外出タスク」を玄関でこなさなければなりません。
そのために、玄関には娘の外出用のジャンパーとかかばんといったモノがたくさん並ぶことになります。
同時に、下の娘のこれからを考えると、ベビーカーや三輪車といった乗り物も、玄関に収納しなければならないことが予想されるわけです。

とはいえ、あまり玄関に広いスペースをとってしまえば、当然に他の部屋が狭くなります

このトレードオフを解決するために思いついたのが、

階段下のスペースで玄関を広げる。

という設計でした。

階段下のスペースは、だいたい1〜1.5畳くらいは取れるのでそれなりの広さがあるわけですが、当然「階段下」なので天井は低く、形も(空間的に)三角形になります。
物置スペースとしてはこの天井の高さがけっこうネックとなり、意外と使いにくくなるものです。

ところが、これを「玄関」に持ってくると、かなり様相が違ってきます。
その最大の理由は「土間の高さ」にあります
玄関の土間は、玄関よりも20〜30cmくらい下にあります。つまり、1階のフロアレベルよりも土間のほうがかなり低いわけです。
そして、階段というのは1階のフロアレベルから始まります。
ですから、階段を玄関の土間の上にもってくると、それだけで「階段下スペース」は20〜30cm分高さを余計に稼げるわけです。

我が家の玄関は、この工夫によって、玄関の「通常部分」として2畳、さらに階段下の天井が低い部分として1.5畳を確保して、合計3.5畳というかなりの広さをとることができました
階段下部分には、ハンガーを付けてヘルメットやレインコートを掛けたり、ベビーカーや三輪車を置いたりしています。土間をあがったたたき部分に、上の子のかばんやジャンパーをかけるポールハンガーを置いています。
そういった物を置いても、玄関の「通常の土間部分」はすっきりしたままなので、見た目的にもかなり広々とした印象になりました。
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2016年06月20日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(73)

療育的視点からこだわった家づくりのポイント、次はこちらです。

6)2台以上駐車可能な駐車スペース

これはもう言うまでもありませんが、療育的サポートが必要な娘と暮らしていくためにはマイカーは欠かせません(1台)。さらに、妻の実家の家族にサポートしてもらったり、何らかの支援サービスで家に来てもらったりするときに、その車を停めるスペースも必要です(もう1台)。

ですから、新しい家には、絶対に駐車スペースを2台分は最低確保しようと考えていました。

広い駐車スペースを確保するための基本は、建物を敷地の境界にできるだけ寄せて、駐車スペース以外の敷地部分のスペース効率を最大化させるような間取り+配置にすることです。
そのうえで、門塀とか玄関前の庭といった余分な設備をできるだけ作らずに、「何もない、ただの広い空間」を確保することがポイントになります。
そういう風に駐車スペースを作っておけば、例えば軽自動車のような小さい車なら1台分のスペースに無理すれば2台止められたり、逆にマイクロバスみたいな大きな車がきたとしても何とか押し込めたりと、駐車スペースの自由度が広がるのです。
門塀を作らない代わりに、我が家では引っ越す前の家でも使っていた「移動式ポール」に、鉄製っぽく見える濃い銀色のプラスチックチェーンをかけて、道路と駐車スペース(敷地)を仕切っています


↑こういうやつですね。

今回、最終的には、余裕をもった普通車2台分の駐車スペースが確保できましたし、さらに駐車スペースと連続した「駐輪スペース」から自転車を移動させれば、駐輪スペースに軽自動車や小型車が止められるようになったので、駐車スペースを「通常2台、最大3台」分、確保することができました
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2016年06月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(72)

さて、家づくりのなかでの療育的視点からのこだわり、次のポイントはこれです。

5)道路から距離をおいた玄関アプローチ

室内から玄関を通って外に出たときに、そこから車が往来するような道路までのアプローチをどうするのか、という、安全の観点からのポイントになります。

いわゆる都心の3階建ての狭小住宅などの場合、1階はピロティ構造にした駐車場と玄関のみみたいな感じになって、その玄関のすぐ前が道路になってしまうことがしばしばです。
これに対し、低層地域の住宅の場合、玄関の前は平置きの駐車スペースになることが多く、道路まではそのぶん距離が取れることが多いです。
引っ越す前の家は、ちょうどそんな感じでした。

でもこれでも、玄関を出てそのまま同じ方向に数m走っただけで道路に出てしまうんですね。
門をつけるという対応法もありますが、そうなると今度は自転車で出入りしたりするのが面倒になってしまったりします。

ですので、今回の家では、道路に対してかなり奥まったところに玄関を横向きに設置し、

・道路(敷地境界)から玄関までの距離を長めにとる。

ことに加えて、

・玄関を出て、90度折れた向きにアプローチを設定する。

という工夫を加えることで、ただ玄関を出て前に走り出しただけでは道路に出られない(玄関を出て、身体の向きを変えて、さらにしばらく走ってようやく道路に出る)ように玄関アプローチを設定したわけです。

さらに加えて言えば、今回買った土地の場合、そうやって「飛び出した」先の道路は「行き止まり」になっていて、周辺の数件の家の車以外は通らない、非常に安全な道路になっています。(実際、住んだあとは、周辺の家の子どもが道路に落書きをしたり三輪車を放置したりして遊んでいるくらいです)
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2016年06月06日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(71)

さて、注文住宅を選んだ(というか、諸事情により選ばざるを得なくなった)ことで間取りを自由に設計できるようになり、さらにその間取りをメーカー任せにせず自分たちで細かいところまで決めて、療育的視点もいろいろ取り入れていくことになったわけですが、そんななかでの「こだわり」の4つめがこちらです。

4)標準よりもぐっと広いバスルーム

まあこれはそんなに難しい話ではないです。
住宅のバスルームというのはいまはほとんど全てが既製品(ユニットとして完成しているものをはめこむだけ)になっていますが、そんななかで「標準的な広さ」というのは、大体1坪タイプです。
タテヨコがそれぞれ1.8mで、半分が浴槽、半分が洗い場という形ですね。コンパクトマンションや狭小住宅ではこれより狭いタイプが採用されることもありますが、一般的な注文住宅のプランではだいたいこの1坪タイプが主流です。

これに対し、我が家は浴室を広げて「1.25坪タイプ」にすることにこだわりました。
1.25坪の場合、浴槽は1坪タイプと同じ大きさで、洗い場が1.5倍の広さになります。

この広さにしたかった理由は、言うまでもなく、娘との入浴をやりやすくするためです。
1坪タイプの浴室の洗い場では、大人1人と子ども1人が同時に洗うというのが無理なく使える限界で、大人2人とか、大人1人と子ども2人が同時に体を洗おうとすると、かなり狭くなります。
我が家の場合、上の娘が入浴するときには必ず妻と一緒になります(もう娘もいい歳なので、ここは女性である妻の仕事です)。さらに下の娘も生まれたので、特に平日などは、3人が同時に入浴するシチュエーションが想定されます。
それを考えたとき、やはり浴室は1.25坪をぜひ確保したいと考えました。

1.25坪の浴室というのは標準プランを外れるので追加費用が発生します。
ここで、1.25坪の浴室というプランをまったく想定していないハウスメーカーや工務店の場合、1.25坪のプランのコストをショールームなどでゼロから全額見積もったうえで、オリジナルのプランに含まれている浴室費用(まとめて発注することでかなり安くなっていることが多い)を差し引いた額を全部上乗せされてしまうので、ものすごく高額(50〜100万円)になることがあるのですが、今回選んだハウスメーカーの場合は「オプションプラン」として最初から1.25坪浴室の設定があり、それを選んでも25万円程度の上乗せで済みました。これはありがたかったですね。

また、浴室については、最終的な設計においてものすごく強引なことを2つ行なって、なんとか設計をまとめた経緯があるのですが、それについてはあとで書きたいと思います。
posted by そらパパ at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年05月30日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(70)

新居を注文住宅にしたことで、コストは上昇しましたが、一方であらゆる「こだわり」を盛り込むことができるようになりました。

そのなかには、療育的視点によるものもたくさんあります。

その1つは、すでにご紹介した「リビング内階段・リビング内水回り」でしたが、それ以外にも、以下のような「療育的こだわり」を盛り込んでいます。

3)独立した、締め切り可能なクローズドキッチン
4)標準よりもぐっと広いバスルーム
5)道路から距離をおいた玄関アプローチ
6)2台以上駐車可能な駐車スペース
7)階段下スペースを使った広い玄関


順にご説明していきたいと思います。

まず、3)ですが、キッチンについては、最近はやりのオープンキッチンではなく、LDからある程度区切られた、クローズドキッチンをあえて採用しました。
そして、LDからキッチンへの入口はあえて半間(90cm)程度と狭めにし、張り出した左右の間仕切り壁に、しっかりとチャイルドゲート等を固定できる間取りにしました。
これによって、包丁など危険なものが置いてあるキッチンに娘が不用意に入らないようにコントロールする(当面は下の娘を入らせないことにも有効)ことができるようになります。

とはいえ、キッチンがLDと完全に切り離されると孤独なスペースになってしまうので、ちょうどキッチンの動線の真横にダイニング、リビングを配置することで、キッチンからリビングもダイニングも当たり前に見える間取りにしています。

なお、これはあえて選んだものではなく、選んだハウスメーカーの仕様だったのですが、我が家はオール電化住宅のため、キッチンにガスコンロはなく、IH調理器しかありません
これもキッチンの安全性向上に、結果的に大きく貢献しています。

また、キッチンとダイニングは、朝の気持ちいい光が入ってくることと、まだ気温が高くない時間帯の光をちゃんと取り入れて湿度の上昇を防ぐために理想的な「東向き」の配置としています。
キッチンを北向きにすると日の光が入らず寒くて湿気がこもりやすくなり、西向きにすると西日で気温が上昇し、食材が腐りやすくなると言われています。(そして南側はリビングなど生活する場を配置しないともったいないです)
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2016年05月23日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(69)

さて、新居の間取りでもっともこだわったのは、前回までで触れたとおり、廊下がなく、階段もトイレも浴室もリビングから直接つながる構造でした。
なお、この間取りの採用によって、あるスペックが建物に要求されることになりますが、それはあとで書きます。

間取りに関して、次にこだわったのが、

2)法令で許される上限ギリギリまで広げた、広いグルニエ(屋根裏部屋)と固定階段

です。
住環境と広い駐車スペースにこだわって選んだので、買った土地は一種低層地域で、2階建以上の家は建てられません。
でも、一種低層地域であっても、一定の要件を満たす屋根裏部屋なら作ることができます。
具体的には、

・天井の高さが140cm以下
・面積が下の階(=2階)の半分以下


という条件になります。
逆の言い方をすると、最大で2階の広さの半分の広さのグルニエまでは作ってもいいということになるのです。

通常、グルニエというのは補助的な物置扱いで、作ったとしてもせいぜい2畳とか4畳程度のものがほとんどです。
また、グルニエのアクセスについても、利用するときだけ下ろすロフトばしごようなものを使う場合が多いですね。

でも、我が家は(というか、私が)ものすごくモノが多いので、グルニエを目一杯広くしようと考えました。
そのために、屋根の形や傾斜角度、家全体の高さや2階の間取り(柱の位置によってグルニエの自由度が変わるため)にまでこだわり、最終的に12畳オーバーのものすごく広いグルニエを作ることができました。

さらに、2階からグルニエへ、1階から2階と同じように固定階段で行けるようにしました。(そのために、階段の配置にも細心の注意を払って設計することになりました)
これで、「ほぼ3階建て」という2階建ての家を、合法的に建てることができました

ちなみに、この間取りを採用したことでも、建物に対して、2つの「あるスペック」が求められることになりましたが、それもあとで書きたいと思います。
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2016年05月16日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(68)

さて、新居の間取りを考えるときに、最初に私が決めたのは、

1)リビング内階段・リビングから続く水回りを含む、廊下のない1階。

ということでした。

これは、逆にそれまで住んでいた家には廊下があり、リビングと水回り・階段が廊下をはさんで分かれていたことで感じていた不便を解消するためでした。

すなわち、

・親が介助で寒い・暑い思いをしなくて済むように。
・娘がリビングのドアを閉め忘れるのを毎回注意しなくて済むように。


という2点が大きな理由です。

我が家では、娘がトイレにいくのにも入浴するのにも介助が必要です。トイレでは近くで見守って終わったら後始末や手洗いをサポートする必要があり、入浴については一緒に入る必要があります。

このうち、特にトイレについては1日に何度も発生するイベントなうえ、親はドアの外で待っていなければならないので、そこが玄関直結の廊下だと、夏は暑く冬は寒いです。
また、トイレの中も更衣室も、冷暖房が届かないのでどうしても夏暑く冬寒いです。

加えて、娘は気分にあわせて1階のリビングでくつろいだり2階の家族の個室に来たりとあちこち移動します。
さらに、下の娘をトイレやお風呂に連れて行くのが気になるらしく、いちいちトイレや更衣室まで様子を覗きに来たりします。
そのとき、しばしば娘がリビングから廊下につながるドアを閉め忘れるんですね。そして熱気や冷気が流れ込んできます。
そのたびに注意するのですが、家族にとっても本人にとっても気持ちのいいことではありません。

新居では、そもそもこういったことが起こらないよう、階段も、トイレも、更衣室〜浴室も、ぜんぶリビングにつなげました
これで、玄関からリビングにつながるドアは、外出するとき以外は開けないで済むことになり、また、トイレも更衣室もリビングの冷暖房が回り込むので暑さ・寒さから解放されます
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2016年05月09日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(67)

さて、家づくりで、建物のプランとして考えなければならないことは、

・建物の仕様(構造や断熱仕様、外壁、屋根、防火性能、防犯性能、耐震性能など)
・間取り
・設備の仕様(浴室、キッチン、トイレ、内装、照明など)
・外構(門塀、駐車場(舗装方法を含む)、駐輪場、玄関アプローチ、機能門柱(表札とポストとインターホンがまとまっている門柱)、植栽、物置など)


といったものになります。

このうち、何よりも最初に決まっていかないと話にならないのが、間取りです
間取りが決まって初めて、どんな大きさ・どんな形のキッチンが入るのか・使いやすいか、どの場所にどんな窓をどう配置するか、玄関アプローチと駐車場をどう配置するかなどが決められるようになるわけです。

というよりも、土地を買う時点で、その土地にどんな間取りを入れるつもりなのか(その間取りがちゃんと入るのか)がわかっていなければ、土地の売買契約を結んだあとで希望する間取りが入らなかったなんていう悲劇が起こってしまうわけですから、まずは何よりも、土地を検討している時点から本気で間取りを考えていかなければならないわけですね。

間取りのプランニング方法については、既にこれまでに書いていますから、ここでは実際に私が建てた家について、間取りを決めるにあたってこだわったポイントをまとめておきたいと思います。

1)リビング内階段・リビングから続く水回りを含む、廊下のない1階。

玄関を入るとすぐにドアがあって、そこを入るとLDKがあり、2階に上がる階段はそのリビングの中にある、という構造です。
同様に、洗面室やトイレ、浴室も(ドアはつけるものの)リビングから続いていて、玄関前の小さなホールを除いて、1階には廊下がない間取りにしました。

これは実は、娘の療育(生活支援)と大きな関係のある間取りプランです。
その点については次回エントリ以降で。
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2016年05月02日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(66)

というわけで、ようやく、建物の建築請負契約も終わり、残すところは間取りや建物の仕様の最終化、設備の仕様の決定といった、「建てる家の詳細を決めていく」作業になってきました。

間取りや建物の仕様(断熱仕様など)については、請負契約締結までに何度も打ち合わせを重ね、また、契約時の書面にも図面が添付されています(契約金額も、その図面に基づいて決められています)から、ここから先はどちらかというと微調整ということになります。
間取りや建物の仕様について、どんなところにこだわって決めていったかについては、このあとのエントリでも書いていきたいと思っています。

一方、設備の仕様については、この時点では間取りに影響を与えるようなものしか確定的には決まっておらず、大部分は契約締結後に最終化していくことになります。
具体的にいうと、浴室については、標準仕様の1坪サイズから、オプションの1.25坪サイズへのサイズアップは、契約締結までに決めました。当然ですが、浴室を1.25坪で設計して間取りに入れ込んでおかないと、あとで建物や間取りの形を変えなければならなくなってしまうからです。(そしてそれは、契約締結後だと断られてしまう場合もあります)
その一方で、浴室の内装を何色にするかとか、浴槽の形をどうするか、シャワーヘッドをミスト機能付きにするか、タオル掛けの位置をどこにするかといった、建物の構造・設計に影響を及ぼさなない「設備の仕様」については、契約締結後に続く「仕様決定の打ち合わせ」のなかで最終化していくことになるわけです。

そして、設備の仕様を決めるためにやらなければならないことがあります。
それが「ショールーム巡り」なのです。
ショールーム巡りについても、このあと(それ以外のことを先に書く予定なので、だいぶ後になってしまうと思いますが)書いていきたいと思っています。
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2016年04月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(65)

そんなわけで、ローンについてのゴタゴタの話がまとまらないうちに、建物の建築請負契約の時間になってしまいました。

とはいえ、これで話が頓挫した、というわけではありません。
分割融資やつなぎ融資(場合によっては系列ノンバンク経由になる場合もあるようですが)のできる銀行もあることはわかっていますし、ローンの審査についても、万一通らなかった場合には建物の契約を白紙撤回できる「ローン条項」というのが、建築請負契約にもついているのが一般的なので。

A社のモデルハウスに着き、契約手続き前の雑談のときに、相手方にこの話をしました。

「実は住宅ローンが最終一括融資オンリーだということが分かり、分割融資前提のAさんとは組み合わせられないということになったので、キャンセルの連絡を入れたところです。これから融資先を探し直すことになるので、ちょっと大変なんですが」

すると、A社から新たな提案がありました。

「そういう事情なら、こちらで社内と銀行とで調整して、支払いを最終一括とすることはできる。つなぎ融資も不要とできるかもしれないが、この部分については当社提携のつなぎ融資の利用もありうることは承諾してほしい」

これは、いいお話です。
改めていまからローン申込をするリスクを考えれば、間違いなくその提案に乗ったほうがいいだろう、ということで、その場で銀行に電話を入れ、ローンのキャンセルを撤回し、同じ銀行で建物のローンを組む(方向で今後、銀行、A社、私の3者間で調整する)ということになりました。
時間的にももう8時前でしたが、幸いローンの担当者と電話がつながったので、話を整理することができました。新しいローンの調整を始めてくれていた不動産業者にも連絡を入れました。

これで、ローンの心配がほぼなくなったので、安心して建築請負契約に進むことができます。
契約書については、本当は事前にもらっておいて読むつもりでしたが、前回訪問したときにその話をするのをうっかり忘れてしまっていたので、その場で慌てて読み込むことになりました。
といっても、業界統一の標準契約書が使われているということも確認し、個人的に一番気になっていた建築中の建物損害についての賠償責任の条項が特段不利に書かれていないことが確認できたので、契約の読み込みには10分も時間をかけず、契約締結に進みました。
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2016年04月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(64)

そんなわけで、家造りのパートナーはローコスト系ハウスメーカーであるA社に決まり、いよいよ建築請負契約締結の当日を迎えました。
諸々の事情があり、だいたい家づくりに関する契約を締結するときは土日ではなく平日が指定されます。この建築請負契約の締結もとある平日の夜に決まり、仕事を早めに切り上げて職場から直接モデルハウスに向かうことになりました。

ここで、この日の午後、たまたま土地の住宅ローンを融資してくれた銀行の融資担当者から電話で連絡がありました。
もともと、建物の融資もここでやってもらう前提で、この担当者からは2週間に1回ほど「建物の契約はどうなりそうですか」という電話が入っていて、この日も同じようなリマインダーの電話だったのですが、当然私の方からは「実は今日の夜に契約を締結することになりましたので、今後の手続きについて教えてください」という話をしました。

すると、こちらの想定とはまったく異なる返事が返ってきて、びっくりすることになりました。
A社の建築請負契約をみると、建築費用については、まず契約締結時に着手金として一部を、次に上棟時に中間金としてさらに一部を、そして完成時に残額を全部支払い、全額が支払われた後に引き渡し、という流れになっていました。
このうち、着手金についてはいったん手持ちの現金で建て替え、そのうえで銀行からのローンを分割融資してもらって埋め合わせ、中間金はローンの分割融資で、そして引き渡し前の残額精算は分割融資もしくはつなぎ融資で支払うことを想定していました。
ところが、銀行としては分割融資もつなぎ融資も扱っておらず、引き渡し後の一括全額融資しか取り扱っていない、という話だったのです。さらに、ローンの審査ももう一度やり直しになるので、そもそも融資できるというお約束もできない、との話で、なんかそれまで言ってたことと違う、という口論みたいなものになってしまいました。

建物の契約では「請負金が全額払われなければ引き渡さない」となっており、ローンの側が「引き渡されなければ融資しない」と言っているわけですから、シンプルに「詰み」です。

やむを得ず、この銀行を紹介してくれた不動産業者とも連絡をとり、あらためて別の(分割融資・つなぎ融資に対応できる)銀行を探して、そちらの審査を受けてそちらでローンを組むこととして、土地のローンを融資してくれた銀行には「建物のローンはキャンセルします」という連絡をとりました。

そしてローンの話がここまで進んだところで、建物の契約締結の時間になってしまいました。
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2016年04月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(63)

さて、家づくりのパートナーをほぼほぼA社に絞り込んだところで、次に訪れたのは以前話を伺っていた建築事務所でした。

以前ここで話をしたとき、家づくりそのものを依頼するにはコストが見合わず断念したのですが、別のビルダーに決まったときに、そこが出してきた見積もりや図面を見てもらって、プロの建築家としてのアドバイスをもらう「セカンドオピニオン」のサービスを提供してもらうことをお願いしていたのです。

私の方からは、メールで図面等一式をスキャンして送り、また私の方で質問をいくつか出しておいたうえで、1週間ほど後に時間をとってもらって、A社の提案についての意見や、私が出しておいた質問に対するアドバイスなどをいただきました。
当然、コンサルティングフィーとして費用は(数万円のオーダーで)お支払いしています。

このセカンドオピニオンを受けたことで、

・A社の提案全体、提供された図面等の品質は十分に高いこと
・A社の構造、断熱などの水準はかなり高く、それをふまえると割安な見積もりになっていること
・見積もり項目の中に、おかしな上乗せ費目や、必要なのに省かれている項目などが特に見当たらないこと


など、A社の提案に大きな問題がないことが確認できました。
さらにそのうえで、よりプランの完成度を高めるためのいくつかマイナーな箇所の修正のアドバイスが得られたことや、こちらから質問していた収納不足の具体的な解消法や、間仕切り壁の防音化などについてヒントが得られたこともあり、このセカンドオピニオンを受けたことはかかった費用以上のメリットがありました。
あとでリフォームで直すことになるような箇所を1箇所でも減らすことができればそれだけで確実に数万円のコスト削減になるわけで、今回はそういった有益な指摘がいくつも得られただけでなく、リフォームでは直せないような構造面でのアドバイスもあったからです。

プランの修正については、A社に電話で連絡し、次の打ち合わせ時の図面に間に合わせて反映してもらうことになりました。
もうこれでA社を選ばない理由がなくなったので、この段階でI社にはお断りの連絡を入れ、A社に対してはその次のアポのときに「(このあとよほどのトラブルがない限り)御社と契約させていただきます」という話を出しました。

これで、家づくりについては、「土地」に加えて、「建物」のパートナーが決まり、建築請負契約を結べる段階に入ったわけですから、さらに大きく前進したことになります。

そして、2月の最終週の平日の夜、契約締結当日を迎えるのですが、ここで信じられない大どんでん返しが待っていました
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2016年04月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(62)

ここまでのエントリで書いたような検討をふまえ、私の中では家造りのパートナーはA社がナンバーワン候補だ、という判断が固まりました。

そこで、平日に有休をとって、娘が学校に行っている間に、妻を住宅展示場のA社のモデルハウスに連れて行くことにしました。
ちなみにこの頃、妻は妊娠7〜8か月でした。
なので、そうそういろんな場所に出かけるわけにもいかないので、ビルダー巡りなどはもっぱら私のほうが行ない、妻にはもらってきた資料などを見せてあとで話し合って意見交換をしたりしていたわけですが、最終結論を出すにあたって、やはりいちどモデルハウスは見てもらったほうがいいだろう、と思ったわけです。
(書き忘れていましたが、土地を選ぶ段階でも、最後に決める直前に、現地を見てもらっています。)

アポをとっていなかったので、特段営業マンもつかず、逆に自分たちのペースでのんびりとモデルハウス内を見て回ることができました。
また、外壁材、屋根材などのサンプルやカタログがおいてある「仕様決めの打ち合わせ部屋」(この部屋は家づくりの過程で何度も利用することになりました)がたまたま使われていなかったので、中に入らせてもらって妻と一緒にそれらサンプルを実際に見ることもでき、なかなか有意義な時間をすごすことができました。

妻の印象は、建物全体の印象も悪くないし、内装もしっかりしていて、構造や断熱(実物を使ったカットモデルみたいなものがおいてあって、外壁から内装の壁紙までの間にどんなものが入っているかが分かるようになっていました)も安心できるものだったので、ここに決めていいんじゃないかと思う、ということでした。

A社の動きはなかなか速く、この飛び込み訪問のあとの2回目の打ち合わせが、最初に飛びこみで行った次の週末だったにも関わらず、この時点ですでに現地の簡易測量を済ませ、自社の建築士によるかなり詳細な図面と詳細化された見積りまで出てきました。
A社は早期契約に持ち込む気満々です。
出てきた図面が私の作成した希望間取りをほぼ完全に取り入れたものになっていたことも、ポイントが高かったです。これまで、どの工務店の提案も、私の希望からはちょっと離れた間取りばかり提案してきていたので。

私からは、最初に見積もりをとった1月よりも、現在の2月に実施しているキャンペーンのほうが値引き幅が大きいことを指摘して、2月中に契約を締結することを条件として、2月のキャンペーンを適用してもらう確約もとりつけました。

これでA社を選ぶことがほぼ決まったのですが、その決断を完全なものにするため、もう一段階ステップを踏むことにしました
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2016年03月28日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(61)

さて、こんな風に、家づくりのパートナーが徐々に絞り込まれていき、とうとうローコストハウスメーカーAと、激安工務店Iの一騎打ちというところまできました。

ここまできたのが、だいたい2月の頭くらいです。
土地が概ね決まった12月頃からパートナーを探し始めていましたので、ここまでが大体2か月といったところになります。

そしてこの時点で、IとAの見積もりの価格差は、300〜400万円くらいありました。「当初考えていた建物予算」に対してでいえば、Iは予算内、Aはやや予算オーバーといったところでした。
また、Iは格安工務店でありながら企画提案力はなかなかで、こちらの要望すべてに応え、かつ新しいアイデアを盛り込んだ間取りプランを、すべての工務店のなかで唯一提案してくれていました。

ただ、スペック的にはIとAとでは圧倒的な格差がありました。
Iは、グラスウールを並べるだけの伝統的な内断熱で、「木材の呼吸を妨げたくない」という理由で、吹付け断熱材も嫌がっていました。いちど、実際に建った家をオープンハウスで見に行ったのですが、日陰は寒く日の当たっている部屋は暑いという、断熱性能的には典型的な「建売クオリティの家」でした。
また、外壁も最低グレードのサイディングの釘打ち施工、柱はかなり細い杉材で、強度的にもかなり不安がありました。土台も檜でなく、檜にするとかなりの追加コストが発生するという、あらゆる面でスペックダウンがはっきり伺える仕様です。
今回、広いグルニエを作ることで、事実上3階建てに近い重量バランスの家になることを考えると、柱が華奢というのはかなりのマイナスポイントでした。
また、長期優良住宅+耐震性能3には微妙に届かないかもしれない、ということも言われていました。

一方、Aのスペックはこれとは一線を画した魅力的なものでした。
定評があり、厚みも十分にある部材を使った外断熱に、内側からも断熱材を吹き付けるダブル断熱に、熱交換方式の24時間換気まで導入され、高気密・高断熱となっているほか、外壁も量産クラス上位グレードのサイディングの金具止め施工、土台は当然に檜を使い、柱は(メリデメありますが)強度的には非常に強いと言われる4寸集成材、さらに面構造で耐震性も強化され、プランそのものが最初から「長期優良住宅+耐震性能3」を前提としていました

そして、見た目の印象も明らかに違うんですね。
オープンハウスで見たIの家は、外観も内装も、やっぱりかなりコストダウンして建てたことを感じるチープさがありました。
そして、ちょっといいな、と思う部分はほとんどが「施主がこだわって標準仕様からグレードアップした部分」だったのです。
そしてそのグレードアップコストだけで、数百万以上かかっていることも教えてもらいました。
一方、Aのモデルハウスは、住宅展示場に並ぶ、値段が全然違う大手ハウスメーカーの家と比べるとやや単調で工業製品的には見えたものの、あくまで趣味的な違いで、品質的に劣る印象は受けない立派なものでした。そして営業マンに確認すると「あえて標準仕様で建てています。室内の装飾や一部設備にはオプションが使われていますが、外壁や基本設備はすべて標準仕様の範囲内です」とのこと。

これらを総合的に判断すると、結論は明らかでした。

「A社でいこう」
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2016年03月21日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(60)

さて、ここまでで、家づくりのパートナー候補、5業者が出揃いました。
出てきた見積もり金額が安かった順に並べてみると、

工務店I:とにかく安さが売りの工務店。それでいて事務所に設計士もいるので間取りの提案力はなかなか。建物のスペックは建売並み。
ハウスメーカーA:格安のハウスメーカー。外断熱・フルスペックのオール電化住宅がかなり安く建てられそう。
工務店H:基礎の仕様がユニークで、基礎床断熱が標準装備なのが魅力の業者。それ以外のスペックは建売並み。
工務店Y:工務店のなかでは唯一外断熱仕様で比較的スペックが高く、設備等の仕様もそれなり高めなのが魅力の業者。
工務店B:設計事務所に近い態勢で、提案された間取りプランは最も本格的でこだわりも感じる。その分、スペックに対するコスト見積もりはやや割高。

ここからの絞り込みの過程で、まず工務店Hが消えました。
当初、かなり安価な見積もりが出てきていたのですが、よくよく見るとスペックがかなり落としてあることに気づき、その点を指摘して希望するスペックに引き上げてもらったところ、数百万円レベルで見積もり金額が上がってしまいました
さらに、ここは建築確認をとったり本格的な設計をする際には設計士が外注のようで、こちらから「長期優良住宅にしたい」と告げたところ設計料を別途50万円ほど乗せてきたので、この調子ではどこまで最終コストが跳ね上がるか分からない、という不信感が出てきてお断りすることにしました。

続いて消えたのが工務店Bでした。
ここは、渡り廊下があったり、子ども部屋がリビングから見える(ちょっとモデルハウス的な)吹き抜けがあったりといった、非常にユニークな間取りプランが出てきて面白かったのですが、やはりこちらのこだわる条件を入れていくと、コストがどんどん上がっていって、予算の範囲をかなり超えてしまったので、お断りせざるを得なくなりました。また、コストダウンのために全体的なスペックが落としてあったため、長期優良住宅+耐震等級3は必ずしも取れないかもしれない、と言われたことも大きかったです。

そして、工務店Yも消えました。
もともと、Yについては工務店だけを候補に考えていたときに、唯一、予算内のリーズナブルなコストで外断熱を提案できた業者だったので残っていたのですが、同じく外断熱のハウスメーカーAの見積もりをもらい、AのほうがYよりもスペックが上で見積もりが安いことが分かったので、Yを選ぶ理由がなくなってしまったのです。
また、Yは外断熱ではあるものの、断熱材が異様に薄く、計算上は建売レベルの内断熱よりも断熱性能が劣る恐れがあっただけでなく、外断熱といいながら、屋根については屋根裏に断熱材を吹き込む「内断熱」になっていたりと、中途半端な仕様になっていることもネガティブポイントでした。
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