2016年10月31日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(89)

在来工法かツーバイフォーか、という選択で、家づくりの当初はツーバイフォー優先で考えていたのですが、ビルダー選択の後半で残ったのは、すべて在来工法のビルダーでした。

これは、ツーバイフォーをうたう工務店の動きが鈍かった、というのも1つにはあります。
でも、より本質的な理由としては、ツーバイフォーに(在来工法と比べて)それほどの優位性はないんじゃないか、と考えるようになったことが大きいです。

在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法には次のような弱点があると感じました。

a.コストが高い。

 本来、ツーバイフォー工法というのはコストダウンのために考案された工法のはずなのですが、日本ではまったくそんなことはなく、在来工法をうたうビルダーよりも坪単価は明らかに高いです。
 その結果、ツーバイフォーの標準仕様と同じコストなら、在来工法ではワンランク以上上の仕様が選べるという状況になり、ウリであるはずの耐震性能や断熱性能も含めて、同じコストレベルでは優位性がほとんどなくなってしまうのです。

b.設計の自由度が弱い。

 ツーバイフォー工法の最大の弱みの1つとして、設計上、窓が自由に開けられないということがあります。イメージとしては、日本の一般的な住宅よりもかなり窓が少なく、またそれぞれの窓が小さな家になります。
 そういった家が洋風でおしゃれだ、というセンスもあると思いますが、思ったところに窓が開けられないというのはプランニングする立場としては嫌だな、というのがありました。

c.建築中の雨に弱い。
 これもよく言われることですが、在来工法では上棟の日に1日で屋根をつけてしまうので、以後室内が雨ざらしになることが避けられます。
 一方、ツーバイフォー工法では下から順番に組み上げていくため、屋根がつくのは家が完成する最後の段階になります。そのため、建築中に大雨が降ると床の部分が水浸しになってしまうわけです。
 雨の多い日本の気候を考えたとき、この差は非常に大きいように感じました。

d.パネル工法自体は在来工法でも採用されている。
 ツーバイフォー工法のメリット(耐震性、断熱性)を生み出しているのは、筋交いではなくパネルで家を支える「パネル工法」であるところだと言えます。
 でも、実は在来工法を採用するビルダーの多くが、筋交いとパネルをうまく組み合わあせて家を建てることで、ツーバイフォーのメリットを吸収していることが分かりました。
 在来工法を選んでも、パネル工法のメリットを享受できるのであれば、ツーバイフォーを選ぶ理由はかなり薄くなってしまいます。

他にもいろいろ理由はあるのですが、主に上記のようなことを考え、ツーバイフォーにしてもはあまりメリットはないな、と感じるようになったので、最終的には在来工法のビルダーを選ぶことになりました。

posted by そらパパ at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年10月24日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(88)

さて、間取りについての話題がひととおり終わりましたので、今度は「仕様」について書いていきたいと思います。

仕様、というのは、どういった性能や特性をもった素材や構造や特定の商品で家を構成していくか、といったことで、設計図面でいうと、部屋の形や配置がどうなっているかというのが「間取り」で、その間取りの中に書き込まれる「ここの壁にはこの商品を使って…」とか、図面の外側に表で記載される「外壁:○○、屋根:○○」みたいなのが「仕様」といえるでしょうか。

そんな「仕様」のなかの最たるものは「木造か、鉄骨造か、鉄筋コンクリート造か」というものでしょう。
これについては、コスト面を考えれば、ほとんど木造一択です
地下室と屋上を作るとか、5階建以上を作るとか、そういった特殊な目的がなければ、個人の小さな家で鉄筋コンクリートというのはほとんどありえません。
軽量鉄骨造については、コスト的にはぎりぎりないこともないレベルですが、これもまた普通の2階建ての家を建てるのであればあえて選択するメリットがあまりありません。

ということで「木造」というのはほぼ自動的に決まるのですが、こんどはその木造のなかで大きく二つの構造タイプに分かれます。
それが、「在来工法(軸組工法)」と「ツーバイフォー工法」です。

このあたりの細かいところは家づくりの本などを見ていただいた方が早いと思いますが、簡単にいうと、柱をいっぱい立てて、壁はその柱と柱の間に筋交いを入れて作るのが在来工法、柱というよりは壁を設置するための「枠」を作って、その枠に合板を張った「パネル」を作り、そのパネル状の壁がそのまま耐震構造になるのがツーバイフォー工法です。

家づくりの勉強を始めたりすると、だいたい最初に入ってくるのが「ツーバイフォーのほうが地震に強い」「ツーバイフォーのほうが断熱性が高い」といった、ツーバイフォーの優位性を強調するような世間的な評判です。

私の場合もそうだったので、家を建てることに決めた当初は「うちはぜひツーバイフォーで建てよう」と思い、ツーバイフォーに強い工務店を探したりしていました。

でも途中からは、ツーバイフォーのビルダーとは縁遠くなり、いわゆる在来工法のビルダーばかりが残っていったのです。
posted by そらパパ at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | そらまめ式 | 更新情報をチェックする

2016年10月17日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(87)

21)おまけ:地下室と屋上

さて、間取りについてはだいたいこんな感じですが、今回触れなかったアイデアとして、「地下室」と「屋上」というのがあります。

まず、屋上については木造だとほとんどナンセンスですから考慮さえしませんでした

木造建物の最大の敵は「雨」です。
家のどこかに雨が滞留すると、そこから木が腐ってしまって家がだめになってしまいます。
そして雨が最も多く当たる場所は、言うまでもなく屋根であり、木造の家は屋根に雨が滞留しないよう、屋根形状をシンプルにし、また傾斜をきつめにつけることで雨をどんどん地面に落としていく必要があります。
対して、「上がれる屋上」を作るためには、屋根をできるだけフラットにして、かつ屋根に上がるための仕組み(はしごなど)をつけ、さらに屋根の上を歩いてもいいような補強、落下を防ぐ手すりの設置まで施す必要があります。
こういったものはすべて、「屋根から雨を早く落とす」こととは真逆に働いてしまうわけです。
たまに、木造でも屋上を作るプランとかありますが、家の耐久性を考えれば、ちょっとありえない選択だと思います。

一方、地下室については、居住スペースを大きく広げることができるアイデアとして、いったんは考慮の俎上にあげました。
ただ、検討のかなり早い段階でプランからは外すことにしました

まず、大きかったことはコストの高さです。
地下室を作るためには、地下部分は基礎を兼ねた鉄筋コンクリート造にする必要があり、建築のための坪単価は通常の住宅の倍ではすみません。

そして、そこまでのコストをかけて地下室を作っても、湿度が高く漏水のリスクもある使いにくい部屋ができてしまい、用途としては趣味のスペース(オーディオルーム、シアタールーム、楽器の演奏スペース等)といったものになりがちで、部屋としての使い勝手が悪くなること、さらには大雨のときに漏水どころか「冠水」のリスクさえあることなどを考えると「割に合わない」と考え、やめることにしたわけです。

屋上を作るくらいなら、床がすのこ状で屋根のないバルコニー(グレーチングバルコニー)を思いっきり張り出すほうが面白くかつ実用的だと思いますし、地下室を作る目的は、大きなグルニエを作れば相当程度達成できると考えたので、今回はどちらもなしにしました。
(グレーチングバルコニーについては、割と本気で考えていましたが、若干建築基準法上もグレーになりますし、コストも意外と高かったのでやめました。)
posted by そらパパ at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年10月10日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(86)

20)規制との戦い

間取りについて、立体的な設計を意識することで問題をクリアしたということを書きましたが、もう1点、設計士の方に無理をお願いしたポイントとして、建築規制をクリアするために、いくつかテクニックを使っていただいたということがあります。
まあこれは、設計士の方にとっては当たり前の仕事ではあると思いますが、以下のポイントのうち、浴室のサイズの件については、私の方から提案しました。

まず1つめは、浴室について、ミリ単位でサイズを調整したことがあげられます。

我が家は真上から見ると長方形ではなく、浴室部分だけ、わずかに出っ張った形になりました。まあこれは、浴室を1坪ではなく1.25坪タイプにしたことが最大の理由です。
ところが、この間取りを素直にプランすると、建ぺい率が規制をわずかにオーバーしてしまうのです。それも、0.1%より小さいような、ごくごくわずかなレベルです。
この状態から一般的なやり方で間取りを修正すると、どこかの部屋を一回り(2畳とか3畳のレベルで)小さくするか、さらに建物を凸凹にして複雑な形にするか、どちらかになってしまいます。
それは避けたかったので、今回は、「浴室のために出っ張らせた部分の長さを、ミリ単位で縮める」というアイデアで乗り切りました。
浴室にはユニットバスがごろんと入りますが、実は1.25坪のユニットでも、1.25坪の空間に対して、5cmくらいの余裕をもって小さめに設計されています。
ですから、1.25坪のユニットは、わずかに1.25坪よりせまい、例えば1.24坪のスペースにも入れることができるわけですね。
そんなわけで、今回は浴室部分の出っ張りを「1cm」だけ縮めることで、建ぺい率を規制の範囲内に収めることができました。(建ぺい率は、規定の40%に対して、39.998%とか、そういう笑ってしまうくらいぎりぎりのレベルになりましたが。)

また、もう1点、規制をクリアするために設計士の方に汗をかいていただいたのが、「ベランダ」でした

ベランダ自体はごくオーソドックスな標準仕様で、2階の南向きの掃き出し窓に沿って規制の範囲内(張り出し1m以内)で作っただけだったのですが、敷地との関係で、そのベランダの南西の角だけが、そのままだと道路斜線規制に引っかかってしまうことが分かったのです。

こちらについては、こういった場合によくやる(ただし超低コストビルダーとかだと嫌がってやらないこともある)、「天空率」を使った制限緩和の規定を活用して、なんとか当初想定していたとおりのベランダを設置することができました
posted by そらパパ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年10月03日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(85)

19)3次元での微調整

これまで、間取りについてのこだわりポイントを書いてきましたが、これらをすべて満たすような間取りを、決まった広さの敷地に破綻なく設計していくことは非常に大変です。
いったん、「これならうまくいく」と思った間取りができても、それをハウスメーカーにもっていくと、設計士の方から問題点を指摘されてやり直しになる、といったことも何度かありました。

逆に、普通に間取りを組んだらできないはずのプランについて、設計士の方に無理を言って設計を詰めてもらって、何とか押し込んだというパターンもいくつかありました。

その際のポイントは「3次元」ということでした。

その1つは浴室です。
我が家の浴室は結果的に、その上を階段がとおることになりましたが、フルの天井高よりも低い位置を階段の一部が通っています。
こういった場合、通常の部屋であれば、天井の一部に階段の出っ張りができる、ちょっと不格好な部屋になるだけで済みますが、浴室の場合、ユニットバスですから天井を削ることができません。
天井の出っ張った部分だけユニットバスの天井をカットして、別途天井を施行することができるか、とハウスメーカーに聞いたのですが、それはちょっと難しいという回答でした。(たぶん、保証とかもできなくなるからでしょう。)
これは無理か、と思ったのですが、選択可能なユニットバスの図面を比較吟味した結果、特定のメーカーのユニットバスで、天井をドーム型ではなくフラットにして、かつ浴室換気ユニットの位置を工夫すれば、ユニットバスを加工せずにそのまま入れても何とか入ることが分かりました。

また、グルニエについても、当初の設計では階段と屋根の位置関係が悪く、平面図ではうまくできているように見えていたものの、立面図で書き起こしてみると、階段の途中で天井高さが80cmを切るというありえない状況になることが分かったため、階段の段数や回転部分の刻み方を調整して、何とか1.1m程度を確保するようにしました。

間取り図とにらみあっていると、つい間取りというのは平面的にプランニングされているものだと錯覚してしまうのですが、実際には建物は3次元の立体なので、空間をうまく使えば、思いもよらないアイデアで問題解決できたりするものなんだな、と改めて感じたりもしました。
きっと、こういったセンスが抜群に優れた建築家とかに家造りをお願いすると、スキップフロア(中二階)とか吹き抜けを駆使した、芸術的でとても魅力的な家ができたりするんだろうな、とも思ったわけです。(私にはそういうセンスはまったくないので、あくまで実用上、機能上役に立つ部分でだけ、「立体的なプランニング」の恩恵を蒙りました。)
posted by そらパパ at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年09月26日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(84)

18)防犯カメラのレイアウト

新しい家を建てるにあたって、防犯のこともいろいろ考えました。
防犯ガラスを使うなど、仕様面での配慮については別に書くとして、間取りという観点から考えたことは、

・防犯カメラの設置ポイントの決定

でした。

引っ越す前の建売住宅でも、我が家では自分でカメラと録画機を設置して、玄関前やマイカーを常時モニター・録画するシステムを手製で構築していました。
これは、ベランダの角から家の玄関・駐車スペースを見下ろすようにカメラを設置し、そのケーブルをベランダの屋根伝いにひきまわして2階の私の部屋に引き入れ、そこに録画機を設置して録画・監視すると同時に、インターネット越しにも見られるようにして、外から家の周囲を見守ることもできる、といったシステムでした。
実際、この防犯カメラにはうちの門塀やマイカーを壊して黙って逃げていくシーンや、粗大ゴミを不法投棄していくシーンなどが何度も記録され、問題解決に大いに役立ちました。

そこで今回、家を建てるにあたっては、家の四方をすべて監視できるよう、カメラを設置することにしました。
そのためには、外壁などに固定するカメラマウント(カメラ用アームなど)、そこから内部へのケーブルの引き込みボックス、さらに室内に電源コンセントと映像用のターミナルなどが必要になります。

そして、間取りを考える場合に考えなければならなかったことは、

a.カメラ設置ポイントが建物の周囲を監視できる場所になっていること。
b.設置ポイントのすぐ横に窓を設置できて、その窓からカメラの取り付け・取り外し・調整が安全にできること。
c.設置ポイントにアクセスする部屋が、子ども部屋ではないこと。


まず、a.は当然ですね。カメラを設置して、ちゃんと見たいところが見えなければ意味がありません。
そしてb.ですが、カメラは2階の高さ以上に設置しますので、室内から窓ごしにカメラの付け外し・向きの調整をやる必要があります(外から長いはしごを使うというのは危険すぎます)。カメラは数年で、雨ざらしのケーブルは10年くらいでダメになるので、メンテ性がいいことは不可欠です。
そして最後にc.ですが、カメラを微調整する「室内」は、私が自由に出入りできる部屋である必要があります。子ども部屋は、将来そうではなくなる可能性があるので、避ける必要がありました。

以上をふまえて、カメラの設置場所候補は、2階のベランダ、納戸、トイレ、そしてグルニエのそれぞれ窓の脇に決定しました。
「候補」なので、とりあえずカメラが設置できてケーブルを取りこめる設備は作りますが、実際にカメラを設置、作動させるかどうかは、家ができてカメラを試しにつけてみて決めることにします。
posted by そらパパ at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年09月19日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(83)

17)子ども部屋のレイアウト(3)

子ども部屋の設計にあたり考えたこと3つ、

1)プライバシーは適度に守られるが、完全な密室にはできないこと。
2)わざわざ快適性を損ねることはしないが、快適性に関する要素を他の部屋に優先的に割り当てることで、相対的に快適性を下げる。
3)子どもが小さいころと成長したあとで使い方が変えられるように工夫する。


のうち、1)と2)については前回触れました。
最後に3)ですが、これについては子どもの療育と少し関係があります

家のプランニングをしている時点で、上の子(障害あり)は夜寝るときに親と同じ部屋・別のベッドで寝る形、下の子はまだ小さく、必ず親が一緒に寝なければならない状態でした。(ちなみにその時点では、上の子と私が同じ部屋に、下の子と妻が別の部屋に一緒に寝ていました。)

そして、この「関係性」はもちろん子どもが成長するにつれて変わっていきます。
下の子は夜泣きしなくなり一人で寝られるようになっていくでしょうし、さらに成長すれば個室(子ども部屋)を用意する必要も出てくるでしょう。
一方で上の子は、形は変えつつも、寝るときを含めて親のサポートが一定必要であり続けると想定されます。

2階の居室は、それらのニーズをうまくすくいとれるように設計する必要がありました。

そこで採用したのが、引き戸によって仕切られた和室と子ども部屋、という間取りです。
つまり、建物の東側半分を、南から北まで基本的にひと続きの長屋みたいな大きな空間にして、南側を親の寝室(和室)、北側を子ども部屋にして、間を2枚引きの引き戸+引き戸と同じ幅の間仕切り壁で仕切る、という間取りにしたのです。

これにより、引き戸を開ければ大きな1つの部屋に、閉めれば2つの個室に変わるようになり、非常にフレキシブルに部屋の使いみちを変えていけるようになりました。

具体的には、下の子が小さいうちは子ども部屋側に上の子、和室側に下の子と親が寝て、間仕切りを開けておく(下の子に夜泣きなどがあった場合には閉める)、下の子が大きくなってきて一人で寝るようになったら、子ども部屋側に下の子を寝かせて上の子には和室で寝てもらうようにして、最初のうちは怖がらないように間仕切りを開けておく、やがてプライバシーが必要になったら、間仕切りは閉めて子ども部屋を個室にする、といった具合です。

実際には、新居に引っ越しして少し練習させたら、上の子は子ども部屋側で一人で寝られるようになったので、間仕切りは閉めた状態で寝かせています(エアコンを通すときに少しだけ開ける感じ)。
間仕切りは、昼間の時間に部屋の風通しを良くするために開けているような状態ですが、下の子がもう少し成長して、でもまだ小さい時期のための「オープンな子ども部屋」としてはうまくワークしそうだと感じています。
posted by そらパパ at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年09月12日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(82)

17)子ども部屋のレイアウト(2)

今回、子ども部屋をプランニングするにあたって考えたのは、次のようなことです。

1)プライバシーは適度に守られるが、完全な密室にはできないこと。
2)わざわざ快適性を損ねることはしないが、快適性に関する要素を他の部屋に優先的に割り当てることで、相対的に快適性を下げる。
3)子どもが小さいころと成長したあとで使い方が変えられるように工夫する。


まず1)についてですが、「プライバシーが適度に守られる」というのは、

・個室状態が作れること。

そもそもドアがない、とか、仕切りがただのカーテン、とか、カーテンのない透明な室内窓がついている、みたいに、プライバシーを作らないような部屋・空間にはせず、ちゃんとドアを閉めて個室状態を作る、ということができるように設計します。

・その状態から、第三者が部屋に入ってくる場合、「部屋に入ってくる」という目的しかありえないこと

その部屋が他の部屋に行くための動線になっていたりしないこと。これにより、誰かが部屋のドアを開ける場合は、必ず「その部屋に入る」ことそれ自体が目的であるようにします。

といったことを指します。

一方、「完全な密室にはしない」ということについては、端的にはドアに鍵をつけない、ということを指しています。

さらに、子ども部屋を完全に孤立した部屋にするのではなく、隣の部屋(妻の使う和室)と引き戸でつながるようにして、隣の部屋とも緩やかにつながっている状態にすることにしました。
これは、上記3)の目的にもつながるところなのですが、1)の目的にも適っているわけです。

続いて、2)の「相対的に快適性を下げる」という点ですが、2階に配置する居室のなかで、以下のような点で子ども部屋の「優先順位」を最下位にしました。

・方角:北向きのスペースを子ども部屋に割り当てました。

・広さ:居室として最低限の四畳半としました。さらに隣の部屋との引き戸の収納スペースを子ども部屋側に作ったので、実際には4.2畳くらいの広さになりました。

これは、子ども部屋は勉強をして寝る、あとはプライバシーを確保したい時間にいることが主たる目的で、できれば一日中こもる部屋にしたくないということから考えたことです。(勉強机を置く方角としては、北向きは優れているとも言われます。)
ベッドと机と着替えを置く場所くらいで部屋がいっぱいになるイメージです。
posted by そらパパ at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(3)

この話題、長くなったので分割して書いてきましたが、今回が最終回です。

小学校高学年のころに出た私の吃音の主たる原因が、当時私の祖母が私に対して熱心に行っていた「利き手の矯正」にありそうだ、ということが判明したため、それまでかなりべったりの「おばあちゃん子」だった私は、両親の強い働きかけにより、祖母から「分離」されました。
そして実際に、その環境修正によって私の吃音は劇的に軽快したわけです。

そんな中で、ここにはもう1つの切ない物語がありました。

この、私の吃音の問題というのは、それまで祖母が主導権を握り、実際にそれなりの成果を上げていた「私への(けっこうスパルタ的な)教育」についての、祖母の最初にして最大の挫折になりました。
そして、最後は「戦犯」みたいな雰囲気のなかで手元から孫を「奪われた」祖母は、それまでの溌剌とした雰囲気が嘘のようにあっという間に老け込んでいってしまいました。
私自身も中学生になって、反抗期というほどでもないですが親離れ的なメンタリティになっていったので祖母とも疎遠になり、祖母は一日中、かつて「祖母と私の部屋」だった離れの部屋で一人でテレビをずっと見ているようになりました。

その後、祖母は叔父の家に引き取られ、さらにそこから老人ホームに移りました。このあたりの細かい経緯は教えられていませんが、少なくとも叔父の家に引っ越すことについては、祖母自身の強い希望があったとは聞いています。
やがて大学生になって上京し、「なんちゃって反抗期メンタリティ」の抜けた私は、遠く老人ホームで暮らす祖母と年数回程度の手紙のやり取りをするようになりました。
私の手紙を祖母は大変喜んでいたようで、毎回、手紙の最初には私からの手紙が届いたことへの喜びが、最後にはまた手紙を書いてほしいということが書かれていました。
でも、そんな祖母からの手紙があるときから急に乱れて何が書いてあるか分からなくなり、こちらからの手紙にも返事が来なくなってしばらくしてから、祖母の死を知りました。
葬式が終わってから知らされたので、最後のお別れができなかったことが今でも心残りです。
私自身は祖母に対する悪い記憶はまったく残っておらず、私の好奇心を邪魔せずに、逆にいろいろなことを教えてくれた先生のような存在だったと思っています。私の「学ぶ」ということへの基礎を作ってくれたのは間違いなく祖母でしょう

ともあれ、こうして、私はいま吃音で困るということはなくなり、代わりに、箸は右でスプーンとフォークは左、鉛筆は右でチョークは左、マジックペンは左でも右でも書けるという中途半端な両手利きが残りました
私自身、利き手の矯正を受けたはずなのに中途半端に直っていないのはなぜだろう、ということを覚えていなかったのですが、そういう事情があったことを初めて知りました。

また、教育熱心でそれなりに「成果」もあげていて、教わる子どもの側もそれを楽しんでいるように見えて、さらに本人さえ楽しいと思っていたとしても、それでもその「熱心な教育」が実は子どもを精神的に追い込んでいたりすることがありうるんだ、ということを身をもって経験したことが、私の教育観、さらには療育観に影響を与えているということもあるかもしれませんね。
(了)
posted by そらパパ at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年08月29日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(2)

さて、私自身の曖昧な記憶を頼りに、親に私が過去に受けたはずの吃音の療育について実家の親に聞いてみたところ、最初に京大病院に行って医師と話をしただけで、「どうやらこれが原因らしい」というものがあっさりと特定されていたようです。

それは、

祖母による利き手の矯正

でした。

両親が共に多忙だったことと、祖母が私を離さなかったことから、私は典型的な「おばあちゃん子」でした。
ちょうど京大病院通いが始まる頃、つまり小学校の高学年まで、私は祖母と同じ部屋で寝ていたくらいです。(大きくなってから聞きましたが、それは祖母の希望だったようです。)
祖母は私の教育に非常に熱心で、祖父や曽祖父の持っていた古い本を私に読ませたり、知恵の輪やパズルなどの知育玩具で遊ばせたり、ローマ字を教えたりといったことを、私が幼稚園くらいのころからずっとやっていました。

そんななか、祖母がもう一つ熱心に取り組んでいたのが、左利きだった私の利き手の矯正でした。
祖母にとっては、左利きというのは「恥ずかしいこと」で、小さいうちに右利きに矯正しないと立派な大人になれない、といった価値観を持っていたようです。
ところがその矯正はあまりうまくいかず、祖母は熱心さのあまり、かなり激しく私にあたったりしたこともあったようです。
そして、おばあちゃん子だった私は、祖母の期待に応えようと必死だったのだろうと思います。
でも、それでも、そんなにうまくいきませんでした。

そんなころに出てきたのが、私の吃音だったのです。
その時点では、祖母の利き手矯正のスパルタ教育と私の吃音が始まったことの関係について、私自身も祖母も含めて、家族の中では誰も気づく人はいませんでしたが、さすがにそのあたりのプロである京大病院の先生には親と私へのインタビューですぐにぴんときたのでしょう。

なので、解決のソリューションとして、私自身へのトレーニング(療育)もさることながら、より原因である可能性の高い「家庭内の環境」を是正することが必要だと、医師は親に告げたわけです。

この頃、もしかすると親自身も、祖母が私を囲い込んで離さない状況をなんとかしたいと思っていたのかもしれません。
この日を堺に、私には個室が与えられ(田舎の家なので部屋はたくさんあった)、寝る部屋も祖母とは別になり、祖母には今後は子どもの教育に関わりすぎないこと、特に利き手の矯正はやめるようにということが告げられました。
親としても自分の親にそういったことを告げるのは辛かったでしょうし、もちろん祖母も抵抗しただろうと思いますが、吃音の問題を誰よりも心配していたのも祖母であり、その原因が自分にあると「専門家から」告げられたこともあって、強く反論できず、同意せざるを得なかったんだろうな、と思います。

そのような環境の切り替えとあわせて、1日10分程度の発音練習が、家庭での療育メニューとして取り入れられました。
その結果、私の吃音はみるみる軽快し、間もなくほとんど目立たないレベルになりました。
軽快のスピードの速さからいって、やはり「環境の問題」が最大の原因だったと思われます
そして、初回の来院から3か月ほどたった2回目の来院で、「もう問題ないので念のため1年ほどしたら来てください」と言われ(このあたりで自宅での発音練習も終わり)、それから1年後の「3回目」で「再発していないので治療終了」となったのです。

もう少し続けます。


【参考】吃音について知るきっかけとして、押見先生のこの作品をご紹介します。(紹介記事

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
押見 修造

また、印象的なラップが今でも語り継がれる「スキャットマン・ジョン」氏は、吃音それ自体を音楽に昇華させた稀有な存在でした。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン



(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 20:23| Comment(5) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年08月22日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(1)

今日は、「家づくり」のシリーズ記事ではなく、単発のエントリを久しぶりに書いてみたいと思います。

きっかけの一つは、この記事を見かけたことです。

http://mainichi.jp/articles/20160817/k00/00m/040/092000c

吃音という障害についてのアンケートの話題でした。

この記事を見て、私は先日、実家に帰省したときに親と交わした会話のことを思い出していました。
それは、

私はかつて「療育」を受けたことがある。

ということです。

記憶がパッチワークのようにしか残っていなくて、詳細は覚えていないのですが逆に部分的な記憶はものすごく鮮明で、電車とバスを乗り継いで病院に向かうために、母と二人でバス停でバスを待っている場面の映像をいまでも繰り返し思い出したりするのです。

でも、そのバス停の場面は思い出せる一方で、肝心の病院でのできごと、療育の内容はなかなか思い出せませんでした。
たしか、治療の対象は私の「吃音」だったはずで、時期としては小学校くらいということは覚えているのですが、それ以上はほとんど記憶になく、また、療育を受けていた割には病院に行ったのはせいぜい3回程度で、そんな少ない回数で一体何をやったんだろうというのも(覚えていないので)謎でした。

さらに言えば、中学校以降で吃音で悩んだ・困ったという記憶もほとんどなく、現在もそうです。
ろくに療育の回数も重ねられなかったのに、あっさり吃音の問題がなくなってしまったということも、まあ「自然に改善したんだろうな」くらいにしか覚えていなかったわけです。

そんななか、今回、帰省中にふとそのことを思い出したので、親にその頃のことを初めて聞いてみたのです。

そうしたら、意外なことが分かりました。
以後は、親に聞いた話、そしてその話をきっかけに私が改めて思い出した話を再構成してまとめています。

私が吃音の治療のために病院に連れて行かれたことは事実で、小学校高学年のころに吃音が目立つようになったので、学校の先生からもすすめられて、京大病院に連れていくことにしたそうです。
そこで親への聞き取りと、子ども(つまり私)へのカウンセリングなどを行ない、結果、割とあっさりと「これが原因だろう」ということが特定されました

それは、当時の(私自身を含む)家族には、ちょっと意外な「原因」でした。


【参考】吃音について知るきっかけとしては、青春とコンプレックスについて描かせたら右に出るものがいない、押見先生のこの作品がいいと思います。(紹介記事

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
押見 修造

また、吃音それ自体を武器にして成功した稀有な存在として、いまでもアーティストとしての斬新さを失っていない、(私も大好きで今でも聴いている)「スキャットマン・ジョン」氏をあげたいと思います。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン
posted by そらパパ at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年08月15日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(81)

17)子ども部屋のレイアウト(1)

このシリーズ記事の最初のころに書いたとおり、我が家に2人目の子どもが生まれたことが、今回の家づくりの1つの大きなきっかけになっています。
そんなわけで、今回の家には当然に子どもの過ごすスペースを作ることになったわけですが、最近は子ども部屋の作り方についてはさまざまな意見があります。

端的にいうと、これまでのように子ども用に個室を用意すると、子どもがそこにこもってしまって家族とのコミュニケーションがなくなるから、あえて子ども部屋を作らない、という考え方がかなり有力になっています
これは、かつての日本的な間取り(すべての部屋がつながっていて部屋の中に移動の動線があり、かつ仕切りはふすまで上部は欄干があったりしてプライバシーがない)から、団地などに代表される洋式の間取りに変わり、すべての部屋が廊下によって分断された個室になっているという「プライバシー重視」の間取りになったことへの反動として生まれてきた流れだと考えられます。

この考え方にしたがった場合、リビングの一部に子ども用のスペースを作ったり、2階の階段を上がったあたりにホールのようなオープンスペースを用意して、そこを子ども用に使わせるとか、そういった間取りプランになります。
あるいは、廊下から直接子ども部屋に入れる動線をあえて作らず、リビングを通らないと部屋に出入りできないように設計する(リビングと子ども部屋の仕切りも、ドアではない緩いものにする)といったアイデアもあります。
さらには、個室を作る場合でも、子ども部屋に内窓をあけて、階下のリビングからの吹き抜けとつなぐことで、リビングから子ども部屋の中が見えたり、内窓から子どもが顔を出してリビングと会話ができるようなプランなどもありますね。

でも私はこういった、子どもからプライバシーを取り上げる間取りにはあまり賛成ではありません
私自身、子どもの頃、自分の部屋はあったものの日本式の古い間取りだったため、弟が自分の部屋に行くときに私の部屋の中を通らなければならなくなっていたのが本当に嫌でした。
少なくとも思春期以降の子どもには、プライバシーが守られた部屋が与えられるべきだと考えています。
ただ逆に、子どもが一人で寝るようになったら、いきなり完全にプライバシーが守られた快適な個室が与えられてしまうというのは、「時期尚早」だろうとも思いました。

そこで、子ども部屋についてはこんな風に設計することにしました。

1)プライバシーは適度に守られるが、完全な密室にはできないこと。
2)わざわざ快適性を損ねることはしないが、快適性に関する要素を他の部屋に優先的に割り当てることで、相対的に快適性を下げる。
3)子どもが小さいころと成長したあとで使い方が変えられるように工夫する。

posted by そらパパ at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年08月08日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(80)

16)リビングにつながる和室の設置

新しく設計する家には、四畳半の部屋を2つ用意しました。
一つは2Fの子ども部屋で、もう一つが1Fのリビング脇の和室です。

このうち、まず1Fの和室ですが、1FのLDKのスペースをあえて広げずに、四畳半の区切りを作って和室を作りました

これにはいくつか意図がありました。

まず、個室として使う可能性です。
もしかすると将来、夫婦どちらかの親と(一時的であっても)同居することもあるかもしれません。いま実家にいる私の弟が、上京してくる可能性もゼロではありません。加えて、友人などが泊まりにくることもあるかもしれません。
そういった「誰かの(それなりの期間の)上京にも柔軟に対応できるよう、予備の個室として、一部屋作っておきたいと考えました。

もう一つは、子どもが幼い間の遊び・勉強スペースとしての用途です。
建売に引っ越す前に住んでいた3LDKのマンションには、LDKの隣に和室がありました。ここで生まれたばかりの上の子をよく遊ばせていたのですね。LDKはフローリングなので転ぶと危ないですし、長い時間直接床に座っているとお尻が痛くなったりしますが、和室ならそういった心配をあまりせずに小さい子どもを遊ばせることができます。
建売になってからはそういう部屋がなくなってしまったので、下の子はベビーベッドにいる時間が長くなってしまい、なかなか自由に遊ばせられる時間も短くなってしまいました。
新しい家ではそういったことがないよう、子どもが自由に遊べるスペースを和室で確保したいとずっと考えていました。
また、このスペースは、下の子に個室が必要になるまでは、勉強をするスペース・余暇を過ごすスペースとしても活躍することでしょう。

こういった意図をもって作る和室ですので、部屋のプランにあたってはおのずと次のような条件がついてきます。

・個室として、寝泊まりまで含めて想定する部屋なので、最低限の寝具を入れられる収納を作りたい。
 →ということで、半畳の押入れをつけることにしました。

・娘の遊び・勉強スペースとして想定する部屋なので、廊下から入る独立した部屋ではなく、LDKとつながるオープンな共用スペース的な配置にしたい。
 →LDKのとなりに和室を作り、かつ小さなドアなどではなく、広い面でLDKとつながる配置にしました。

ところで、実はこの2つの条件には、大きく矛盾する部分があります。
それは、

・LDKと和室の間をどうやって仕切るか。

という問題です。

個室性という観点からは、LDKと和室の境界には、間仕切りやドアを設置してしっかりプライバシーが守れる工夫が必要です。
一方、子どもの遊びスペースという観点からは、境界はできるだけ存在せず、あたかもLDKと連続した空間であるかのようにする工夫が必要です。

この矛盾する2つの要請を考えたとき、一番無難なのはふすまのような引き戸を並べて、普段はそれを開いておくという方法でしょう。
でもこれでも、最低限「引き戸1枚分」は常に余計に仕切られてしまいますし、枚数の多い引き戸というのはコストも高く、また戸を動かすレールだけで意外に多くのスペースをとってしまいます。

そこで、今回はどちらかというと「遊びスペース」性のほうをやや重視し、

・間仕切りはカーテンにする。

という方法で解決することにしました。
LDKと和室の境界部分の天井にカーテンレールを取り付け、そこに天井から床までカバーできる背の高いカーテンをとりつけ、必要に応じて開いたり閉じたりするというアイデアです。

これなら、「開いている」ときには境界を全開にでき、必要に応じてカーテンを閉じることで必要最低限のプライバシーを確保することもできるわけです。
posted by そらパパ at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(79)

間取りの工夫について、さらに続けていきます。

15)収納スペースの強化

我が家はとにかくモノの多い家です(というか、私がモノの多い人なのですが(笑))。
実際、これまで家の中にはモノがあふれていて、例えばルンバみたいな掃除機は絶対に使えないような状態だったわけですが、新しい家ではそういったことを極力避けられるように、とにかく収納スペースをしっかり確保することに全力を注ぎました。

その最たるものが、12畳を超えるサイズの法令ギリギリの広さのグルニエですが、さらにそれ以外に、

・2Fに2畳の独立したクローゼットルーム
・私が使う洋室、妻が使う和室、それぞれに1畳のクローゼット・押入れ
・1Fの和室に半畳の押入れ
・キッチンは収納フル装備(シンク下、シンク上、背面上、背面下(オープンシェルフ)
・トイレ収納(1Fは埋め込みボックス、2Fは枕棚)
・洗面室枕棚
・玄関階段下枕棚
・その他


など、ありとあらゆる場所に収納スペースを設けました。
その一方で、リビングのシステム収納のような、汎用性の低い家具型収納はいっさい採用しませんでした
こういった収納は時間がたつと時代遅れになることが多く、また部屋のなかの家具配置にも制約ができやすいので、収納はあくまで「四角いスペースを用意する(できるだけ多く、できるだけ広く)」だけにして、そこにメタルラックやプラケースを置くことで具体的な収納を実現するスタイルです。

また、今回選んだハウスメーカーでは、なぜか「枕棚はいくら作っても無料」という面白い条件がついていましたので、枕棚がつけられそうな空間にはすべて枕棚をつけました
結果、当初は「ただの四角い部屋」になる予定だった2Fの収納部屋は、枕棚とハンガーのついた「ウォークインクローゼット」に無料で設計変更することができました(笑)。
それ以外にも、玄関の階段下や、2Fトイレの上部の空間などにも、もともと有料で収納をつける予定でしたが、枕棚だけで十分に収納力をつけられそうだと分かったので、すべて無料で枕棚をつけることにしました。
これによって、コストをかなり(数十万円単位で)下げることができたと思います。

また、キッチンのスペース内には凹みを作って半畳分の「冷蔵庫置き場」を作ったのですが、冷蔵庫の奥行きとして半間分=90cmは必要ありません。
そこで、冷蔵庫置き場の奥行きが75cm程度になるようにして、余った15cmは冷蔵庫置き場の間仕切りの反対側=ちょうど階段下のホールになっていた場所に、奥行き10cm程度の薄い収納スペースを作りました

このようなさまざまな工夫によって、収納力を最大限に高める工夫をこらしてあります。
posted by そらパパ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年07月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(78)

間取りについてのこだわりポイントについて書いていますが、今回は少し療育(というか、子育て)に関係あります。

14)階段の回転

このあたりは常識的な話。
でも、子どもに障害があることも少し考慮して「妥協しないポイント」として考えていたのが、

・階段を直線階段にしない。

ということでした。

階段というのは、実は家のなかで非常に大きなスペースを占めます。
下の階と上の階、両方のスペースがつぶれますから、必要な「延べ面積」は2倍になりますし、階段の入口と出口はいきなり部屋にはできず、最低でも半畳の階段ホール的なスペースが必要になります。
それらをすべて合計すると、実は階段1つで四畳半くらいのスペースが使われてしまうのです。

そして、この階段の専有スペースを小さくする方法は、2つあります。

・階段の傾斜を急にして段数を減らす。
・階段を曲げずに直線階段にする。


段数については、一般的な(2.4mくらいの)天井高の場合、「13段」とするのが標準的で、14段にすると高齢者に配慮したゆとりある階段、15段にすると逆にのぼるのに若干違和感を感じるほど緩い階段になります。
逆に12段にするとかなりきつめの(昔ながらの)階段になり、11段はちょっとありえない(ロフトの梯子レベル)傾斜になります。

今回、我が家の階段は、13段にしました。
本当は14段にしたかったのですが、14段にすると必要な階段スペース自体が半畳増える(または逆に危険なくらい1段あたりの踏みしろが短くなる)ことから、実現は困難でした。

一方、直線階段だけは絶対に避けることにしました。
直線階段は、階段の途中、特に2階の一番上の段から落ちた場合に、一番下まで一直線に落ちるので、深刻なケガにつながるリスクが高くなります。
これを避けるには、L字型、U字型、Z字型など、階段を折り曲げて直線ではない形にすることで「最上段から最下段まで一気に落ちる」ということを回避するわけです。
(途中に踊り場を作るのがもっとも安全なやりかたですが、これは非常にスペースを多く使うので設計は難しいです。)

そんなわけで今回、我が家の階段は、最終的に「上の方に曲がりのあるU字型」になりました。
2階からみて、U字型をぐるりと回って「最後の直線」になるところまでで、5段程度、つまり全体の1/3以上既に降りていますから、誤って転落した時のリスクをかなり下げることができています。

また、スペースの活用のために、階段下を玄関土間に活用したというのは以前書いたとおりです。
posted by そらパパ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

fortop.gif当ブログの全体像を知るには、こちらをご覧ください。
←時間の構造化に役立つ電子タイマー製作キットです。
PECS等に使える絵カード用テンプレートを公開しています。
自閉症関連のブックレビューも多数掲載しています。

花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。