2012年05月07日

ライブ・自閉症の認知システム (20)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 21 : リソースの最適化としての療育

さて、先ほどから何回か「リソース」ということばが出てきましたが、このリソースっていうのは訳すと「資源」という意味です。
要は、私たちが利用できるヒト・モノ・カネ・サービス全般のことを指しています。

先ほど出てきた「チーム編成」にしても「リンケージ・マネジメント」にしても、要は自分の周りにあるリソースをいかに最大限有効に活用するか、ということが、療育を成功させるためのポイントになるわけです。

これはとても大切なことだと思いますので、もう一度図を見ながら考えてみたいと思います。


Slide 20 : リソースの最適化としての療育(図)

こちらの図をご覧ください。これは、先ほどの図を少し変形したものです。

中心にあるのが、私たちが取り組む療育というプロジェクトです。
このプロジェクトは、さまざまなりソースに取り囲まれています。
これらリソースからうまく支援をとりつけることで、この療育プロジェクトというのは初めて動き出すわけです。

ここで、「メンバー」っていうのも同じようにリソースに含まれている点に注目してください。この上のところですね。
メンバーというのは家族のことですから、療育プロジェクトにとっては、家族もリソースの1つだ、ということになります。

これは、家族の愛情のこもった子育てを資源のレベルにおとしめるということではなくて、療育プロジェクトからみると、専門家や専門施設からの支援と、家族の支援は同列のものとして考えるべきだ、ということです。

ちなみに、リーダーの位置づけはこんな感じになります。
リーダー自身もリソースとして療育プロジェクトに貢献しているわけですが、さらにリーダーはそのリソース全体を見渡して、できるだけたくさんの良質な支援を受けられるように働きかける役割も、あわせて担っています。

ここで大切なことは、家族やチームからの支援と、外部からの支援、その2つを合計したものが、この療育を支援する全体の力になる、ということです。

外部からの支援をたくさん取り付けられれば、家族は多少ラクをすることができます。
一方で、家族がスキルアップしていろいろなことが自分でできるようになれば、外部への依存度を下げることができます。そうすれば、得られるかどうか分からない外部からの支援の不安定さに悩まされずに、常に安定した支援を子どもに提供できるようになるわけです。

つまり、外部からの支援をとりつけつつ、家族による療育とうまく組み合わせていくことで、子どもの発達を最大限にサポートする体制を作っていくことが大切なわけです。
外部からの支援を得ることも大切なんですが、それにばかりエネルギーをかけて、家族が気持ちよく子育て、療育できる体制づくりがおろそかになってしまうようではいけません。
なんと言っても、療育の現場は家庭にあって、療育の第一当事者は親御さんなんですから。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 21:47
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