2006年06月13日

犬とふれあい体験

自閉症児へのコミュニケーション療育の一環として、動物を相手に遊ぶというのが有効かもしれない、ということを最近考えています。(詳細はシリーズ記事「オリジナル療育アイデア関連→コミュニケーション」参照)

その「根拠」を簡単にいうとすると、ヒトほど複雑ではないけれど、モノほど単純でもない、という絶妙な位置にいる動物とのかかわりが、モノの世界から出られないでいる自閉症児をヒトの世界に向かわせる「橋渡し」になるのではないか、という考え方です。

動物を使った療育、いわゆるアニマルセラピーというのは、一部に「動物の超能力」とか言っている人がいるためにオカルトっぽく受け止められがちですが、実際には人をリラックスさせ、コミュニケーション意欲を活性化するといった効果が確認されている真面目な療育法です。


↑アニマルセラピー参考図書。いろいろ読みましたがこれが一番おすすめ。

さて、そんなことで、自閉症児のためのアニマルセラピーについて模索・実感し、さらなるヒントを得るために、犬とのふれあい体験ができるスポットに、休日を利用して娘を連れて行ってみました。

室内犬ふれあいコーナー

こんな風に、明るい室内の大きなサークルに小さな室内犬がいて、そのサークルの中に入って自由に犬をかわいがることができるようになっています。

我が家ではペットを飼ったことはありませんし(私の実家では昔から番犬を飼っていますが)、娘は動物園などでも動物をさわろうとしたことはありません。
ですから、娘を最初にこの中に入れたとき、どんな反応をするのか興味がありましたが、結果は・・・

放っておくとまったく興味を示しませんでした。
それどころか、手を離すと興奮して走り回って、犬のしっぽをふんでしまいそうになりました。また、手を取って犬の近くに行かせても、決して目を合わせようとしません。

でも、私は娘のこの反応を見て、むしろやる気がわいてきました。
なぜなら、自閉症児特有のコミュニケーション障害が、非常に分かりやすい姿でまさに目の前に現れている、と感じたからです。

娘は普段、親や療育者との間でコミュニケーションがとれているように見えても、実は基礎的な要求を除けばこちらからの働きかけに受動的に反応しているだけで、「自発的なコミュニケーション」は希薄です。
ですから、自発的な働きかけが求められる「子どもとの交流」はまったく苦手で、そういう状況ではたいてい一人遊びにふけってしまいます。
これは、来年から幼稚園で健常児の中に放り込まれてしまう可能性の高い娘にとっては、克服すべき重要な問題です。

犬も子どもと同じで、初対面でこちらが自発的に働きかけない状態では、交流は生まれてこないでしょう。娘の最初の反応も、まさに子どもが相手の場合と同じだ、と感じたのです。

ここで、「動物(犬)とかかわる」ことの意義が出てきます。
(娘のように)発達段階の高くない自閉症児に「子どもとのかかわり方」を教えるのはとても大変です。でも、「犬とのかかわり方」なら簡単に教えられます。とりあえずは「優しくなでてあげればいい」のです。それだけで、犬は喜ぶでしょう。
このような「シンプルなやりとり」を通じて、自分から犬をかわいがれるようになれたとすれば、それは、コミュニケーションが受動的なものから自発的なものに変わったというとても大きな意味を持つと思うのです。
それがやがては、子どもに対しても自分から働きかける、という行動につながっていくのではないか、と期待できるわけです。

そんなわけで、犬とのコミュニケーション「優しくなでる」の練習です。





本当は正面からなでるのが「エチケット」なのですが、娘はまだ怖がるので、こちらの存在を犬に教えてから、後ろからなでることにしました。
娘は、意外にも手をそえてやらせたらそれほど嫌がらずになでていました。(添えていた手を離したら毛をつかんでしまいましたが(笑))

自分が何をしているのか、娘が分かっていたかどうかは分かりません。
でも、かなりの時間、動物臭い部屋にいて、実際に犬をなでるという経験をパニックを起こさずにできたので、初体験としてはまずまずの結果だったと思います。

この経験を家に持ち帰れないかな?と思って、そこで売っていたリアルな犬のぬいぐるみを買ってきました。(大人の手のひらに乗るくらいの小さなものです)



娘も、このぬいぐるみを気に入ったようです(普段はぬいぐるみに興味を示さないので、珍しい反応です)。
今度また行く機会が持てたら、事前にこの犬を使って「なでる練習」をしてから行けば、もっと状況がよくなるかもしれませんね。(^^)
posted by そらパパ at 21:14
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