2009年04月23日

子どもの脳にいいこと―多動児、知的障害児がよくなる3つの方法(立ち読みレビュー)

ええっと、無視していい本だと思いますけど、たまたま書店で見かけたので一言だけ。


↑この本をおすすめしているわけではありません。上記リンクからAmazonの別の本をたどってご購入いただければ、売上の一部が当ブログに還元されますので、そのようにお使いいただければ幸いです。

子どもの脳にいいこと―多動児、知的障害児がよくなる3つの方法 (単行本)
著:鈴木 昭平
コスモトゥーワン

1 こうして知的障害児が優秀児になった!!
2 脳の仕組みからいえる知的障害児の優秀性
3 今すぐ実践!!「すずき教育メソッド」
4 知的障害児の無限の可能性を引き出す日常生活のコツ

4章しかない本ですが、最初の1章はまるごとエピソード主義になっています。そして続く第2章では、知的障害の原因を「右脳が強くて左脳が弱いこと」だと断定します。ちなみに「右脳・左脳論」というのは、根拠の薄いトンデモ理論だというのが脳科学の世界では定説です。(参考記事
その後は、その「治し方」として、サプリメントを飲ませたり速読をやらせたり自分のやっている教室の宣伝をしたりと、典型的な「代替療法宣伝本」になっていくわけですが、これってどこかで見たのとそっくり・・・と思ったら、七田式の自閉症本で見たのと同じでした。で、さらにちょっと調べてみると、著者略歴にある「つくば能力開発センター(この人はここの取締役所長だそうですが)」というのは、どうやら「七田式の幼児教室」らしいですね(参考記事)。

こういう「効能本」とか「効能教室」は、小さい子どもほど効果的、急がないとダメ、と危機感をあおりますが、小さい子どもは自然にでもすごく成長・発達します。ですから、そういう子どもをとにかくたくさん「所属」さえさせておけば、自分たちがやっていることの効果がまったくなくても「すごく成長・発達したエピソード」はいくらでも集まります。端的にいえば、このブログをご覧になっている、幸いにしてたくさんの親御さんのお子さんの中には、ここ1年・2年の間にものすごく伸びたケースもきっとあると思いますけど、私がそれを「悪用」する気になれば、「読むだけでお子さんの自閉症が治るブログ」と喧伝して、エピソードをたくさん掲載することも可能なわけですね。もちろんそんなバカなことはしませんけど。

そういうことでいえば、幼児だけを対象にして、大人の自閉症、知的障害の人を相手にしない「療育法」は、それだけで眉につばをつけて考えたほうがいいのかもしれません。(意外と、この判定方法は有効かもしれません。とりあえず私がイメージする「有効な療育法」と「ダメな療育法」は、この基準でキレイに二分できそうなので)

まあ、そういう本です。それ以上は語る必要はありませんが、あえて最後に付け加えるならば、知的障害児を支援する本のはずなのに「知的障害児」の対語として「優秀児」ということばを持ってきているところに、知的障害児を頭ごなしに「劣っているもの」と見る視点が透けてみえて気分が悪いです。
あと、どうでもいいですけど、この本にAmazonで5つ星を出している2人のレビュアーの「過去のレビュー」を比較すると、かなり面白いです。というか、その本でかぶるか?(笑)

※その他の「まともな」ブックレビューはこちら
posted by そらパパ at 22:24
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