2009年03月05日

三重県での講演について&名古屋科学館の思い出

既に速報させていただいたとおり、先日、3月1日に、三重県自閉症協会からのご依頼を受け、三重県津市にて講演をさせていただきました。
大変多くの方にお越しいただき、また、午前10時から昼食をはさんで午後3時近くまでという相当に長いスケジュールだったにも関わらず、ほとんどの方に最後まで参加いただき、とても感激しました。

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今回お話しした内容は、概ね前回奈良にてお話ししたものと同じでしたが、2回目ということもあって、時間配分などについて慣れた分だけ、今回のほうが落ち着いてすすめられたんじゃないかと思います。質問の時間にも活発に発言いただき、生産的な意見交換ができたと思います。

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↑一応、今回使用した資料を公開させていただきますが、資料としては前回(奈良)のものとほぼ同じです。なお、実際に配布した資料と比較すると、誤字の修正などが一部入っています。

ちょうど、講演が電子タイマーの製作キット頒布開始の直前でもありましたので、長時間稼動のテストも兼ねて、電子タイマーをタイムキーパー代わりに使ってみました。その結果、2時間弱の設定時間に対して、誤差は10秒程度でしたので、精度もタイマーとしてはまずまずだと分かりました。(ただし個体差は出ますので、オプションで動作速度の微調整ができるようになっています)

さて、今回は朝の開始時間が早かったこともあって、前日から三重県入りしていたのですが、その道程で名古屋で電車の乗換えがありましたので、そこで途中下車して、「どうしても行きたいと思っていたところ」に行ってきました。

それが、こちらです。

名古屋市科学館

名古屋市科学館です。

子どもの頃の思い出というのは極めて断片的で、特定の「あるシーン」だけが前後のつながりなく鮮明に焼きついていたりするものですが、私にとってこの名古屋市科学館は、まさにそういう「瞬間」をもった、どうしても忘れられない場所でした

もう詳しいことは覚えていなかったのですが、小学校中学年くらいのときに遠足でバスに乗ってここへ来て、見学して、いざ帰るためにバスに乗り込んだときに、ものすごい未練、「やり残した感」に襲われて、バスの窓から科学館の建物が遠ざかっていくのを「置き忘れてきたものがある」という強い思いのなかで見ていた記憶が残っています。
その瞬間だけを鮮明に覚えていて、ここは「いつか訪れて、置き忘れてきたものを(それが何かは分からないけれども)回収すべき場所」になっていたのです

でも、気がついたらそれから30年がたってしまいました。
今回、ちょうど名古屋で乗り換えが入り、そこから先はきっぷも事前購入していなかったので、途中下車して、「思い出の地」である科学館に30年ぶりに足を運んだというわけです。

行ってみると、科学館は30年前と同じようにそこにありました。
展示を回ってみると、科学のあらゆるジャンルが展示された、本格的な博物館でした。大学の研究室にある実験機材をそのまま並べたような展示も多く、変に子どもやファミリー層に媚びることのない、硬派な内容も印象的でした。そして、多くの展示が、ただ並べて見せてあるだけでなく、実際に操作することができるのも素晴らしいと思いました(そのために、逆に「故障中」といった紙が張られていたりするものもあって、それは少し淋しかったですが)。

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↑これは「めっき」を体験できるコーナー。マニアックすぎです。

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↑水を使った動力機関がいろいろ動いている壮観なコーナー。

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↑プラスチックの製造過程の模型。

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↑ジオラマみたいな一般ウケするものももちろんあります。

また、単に展示が並べてあるだけでなく、実験ショーのようなものも開催されていて、しかもそれが各フロアごとに用意されているというのも、なかなかすごいことだと感じました。
建物は3棟もあり、「理工館」は9階建て、「天文館」は3階建て、「生命館」は6階建て(これは30年前にはなかった新しい建物で、天井が高いために理工館とフロア数が違っています)になっていて、基本的にすべてが展示室になっていますから、本気で見て回ったら間違いなく丸1日以上かかります

あちこち見てまわりながら、30年前に「置き忘れてきたもの」が何であったか、おぼろげながら分かってきました
確か当時は、この科学館に「プラネタリウムを見るため」に来たんだったと思います。午前中にバスで移動してプラネタリウムを見て、お弁当を食べて、午後は1時間程度の館内での自由時間のあと帰路につく、そんな感じの日程だったはずです。

午後の自由時間、私は館内を必死に回ったんだと思います。
当時の私は「科学大好きな子ども」でしたから、展示されているあらゆるものに魅惑され、「未来の世界」への夢を感じていたでしょう。
でも、わずか1時間程度の自由時間では、どう考えても全部の展示をしっかり見れたとは考えられません。やがて、集合の時間になり、見たかった展示のごく一部しか見れないまま、私はバスに乗り込んだんだはずです。そのときの強い「やり残した感」が子ども心にも強く焼き付けられ、30年たった今でも忘れられない「子どもの頃の1シーン」として思い出に刻み込まれていたわけです。


科学館に到着したのが3時を過ぎていましたし、まだ道程の途中だったこともあって、今回の滞在時間も1時間あまりでしたが、さすがにいまの私は科学について多少は知識も増えて、「時間を忘れて」見るというほどではないので(年を取るのは悲しいことです(笑))、何とかその時間で館内全体をざっと見て回ることができました(ものすごい駆け足でしたが)。
そして、入口の売店で分厚い「名古屋市科学館のガイドブック」を購入して(私にとっては絶対に欲しいアイテムでした)、科学館を離れました。

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↑科学館のガイドブック(1500円)。これも、ガイドブックらしからぬ「堅苦しい?」本格的な本になっていました。

外に出て初めて気づいたんですが、この科学館はもうすぐ改築されるんですね。

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来年には、古い理工館と天文館が取り壊されて新館になり、30年前にきたときにあった建物はすべて建て替わってしまうところでした。
そうなる前に、「30年前にやり残してきたこと」を現地で確認することができて、「思い出の回収」ができたことはとても幸運なことでした。

講演とは関係ないのですが、こういう機会を与えてくださったことに感謝したいと思います。

また、蛇足ですが、この科学館はある程度知能の高い自閉症のお子さんにはヒットする博物館なんじゃないかな、という印象ももちました。
いろいろな機械や装置を実際に操作して、その反応や動作を観察することができますし、有料のプラネタリウムはともかく、各フロアでやっている無料のショーについては、興味をもったものだけを気軽に覗くことができ、飽きたらすぐに離れることもできますから。

それにしても、自分が子どもの親になって改めて考えさせられるのは、「子どもの頃の思い出」って、やっぱりその後の人生に大きな影響を与えることもある、ということですね。
子どもの頃に科学館を訪れた経験(不完全燃焼ではあったわけですが)は、私のなかでは、その後の「科学的なもの」への興味をさらに強めるという影響力をもっていたと実感しますし、それがなければ大学時代に心理学を選択することもなかったかもしれません

だから、今度は親として、子どもにどんな思い出になるような経験をさせることができるか、ということを考えなければいけないと改めて思うわけです。
posted by そらパパ at 22:34
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