2015年01月12日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(2)

さて、前回も軽く触れたとおり、今回我が家が家を建てることになったのは、娘の将来の療育環境に大きな問題が生じたからでした。

…と、その前に、もう1つの「きっかけ」がありました。
それは、次女が生まれることになったことでした。
長女が重度の障害をもっていたということで、「ふたりめ」をどうしようか?ということについてなかなか決断できずにいたのですが、妻の年齢的なところも考慮して、いまチャンスがあればいいね、と話し合っていたところ、幸運にも次女を授かることになりました。

これによって、長女と12歳違いのきょうだいが家族に加わることになったことが、結果的に今回の「決断」にも大きな影響を与えることになります。

さて、話を戻して、ここで言及している長女の療育の問題の「正体」ですが、実は高校(特別支援学校の高等部)への進学についての問題でした。

娘はいま小6で、あと3年と少し先には、高等部に進学することになるでしょう。
いま通っている特別支援学校は中学までしかないため、高等部で学校が変わることになりますが、自宅住所から決められた学区に基づくと、自宅よりずっと都心寄りの学校に通うことになります。
この、我が家から高等部への交通のアクセスが極めて悪いというのが、「問題」になります。

具体的にいうと、自宅から最寄りの鉄道の駅まで徒歩15〜20分、そこから電車2本を乗り継いで35〜40分、さらにそこから学校まで徒歩25〜30分、待ち時間も含めると、合計で片道1時間半程度かかります。徒歩時間だけでも片道40〜50分、往復だと1時間半ほど必要になる計算です。
しかも、行きは時間も路線も完全に通勤ラッシュと重なってしまうため、ラッシュにもまれながら通学することになります(電車もノロノロ運転)。

そして、学校に通う長女は毎日1往復ですが、長女を送り迎えする妻はこれを2往復することになり、片道1時間半だとすると送迎だけで毎日6時間、1週間で30時間を費やすことになってしまうわけです。自宅と生活圏が重ならない学校近辺で、毎日時間つぶしするわけにもいかないでしょう。

鉄道を使う以外のルートも考えましたが、バスを乗り継いでも同じ以上の時間と手間とやはり避けられないラッシュ(バスの中も混んでいて、経路の渋滞にも巻き込まれます)、車で送迎の場合は首都高または幹線道路をラッシュ方向に向かうため渋滞必至で電車より早く出発する必要があるうえ、そもそも学校に駐車場がありません。

もし、スクールバスがあれば問題は解決するのですが、こちらの高等部についてはそれもなく、全面的に介助が必要な生徒でも、家族が送迎しなければなりません。
これは他の生徒の家族も同じ問題があるため、スクールバスの要望が毎年出ているようですが、結局実現せず現在に至っているそうなので、当面の実現は望み薄と判断せざるを得ないでしょう。

そして、我が家の場合、問題はこれだけではありません
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2015年01月05日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(1)

当ブログにお越しくださっている皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も当ブログともどもよろしくお願い致します。


さて、新年でキリのいいところでもありますので、新しいシリーズ記事をスタートしたいと思います。

今回取り上げるのは、療育のことを意識した「家づくり」についてです。

このブログで、療育にからんだ不動産の話を2回も書くことになるとは思いもよらなかったのですが、いろいろな状況の(一部は偶然も含む)重なりによって、「療育を考えた家えらび、家づくり」を行うことになりましたので、その話題を連続エントリとして書いてみることにしました。

(ちなみに1つめは「療育のためのセカンドハウス」というシリーズ記事です)

我が家は、このたび自宅を建てました。
その背景には、子どもの療育、子育てに関わるある重大な問題が生じた、ということがあります。
その状況の発生によって、どうしても「そのまま、いま住んでいる家に住み続ける」ことが困難になってしまったのです。
我が家では、その問題を解決するためにどうすればいいだろうか?ということを家族全員でじっくりと考えました。その結果、「いま住んでいる家を手放し、別の家に住み替える」のがもっとも賢明な選択である、という結論に達し、さらにその住み替えの具体的なやりかたを突き詰めていった結果、「土地から探してゼロから家を建てる」という判断をするにいたったというわけです。


上棟のころの様子です。

そして、今回の住み替えにあたっては、きっかけのみならず、その「検討」のプロセスのすべてにおいて、障害ある娘の療育や将来の生活のことを最重要の要検討ファクターの1つとして考慮し、進めていきました
乱暴ないいかたをすれば「療育のことを考えた家えらび、家づくり」を行なった、ということになると思います。

これから、この連続エントリで、今回家えらび、家づくりのプロセスを、「療育」という観点から書いてみたいと思っています。

ただそれは、「こういう風に、不動産に家庭のリソースを使うのが正しい」と主張したいわけではまったくありません。むしろ逆です。
子どもが障害をもって生まれてきて、そのことによってリソースをどこにかけるのか、ということはすべての家庭のケースごとに異なると思います。
そしてそれは、子どもや家族と向き合って決めたリソースの配分である限りにおいて、それぞれ個別に正当なものだと思います。

ですから、「こういう風に使うのが(絶対的に)正しい」ではなく、「こういう風に使うという我が家の経験を、(相対的な)1つのアイデア、経験談として提示してみる」というのが、このエントリの目的になります。

言い換えると、家庭のリソースの使い方として当ブログ以外ではあまり取り上げられていないネタとして、書いてみようと思っています。
これは、リゾートマンションの記事のときと同じです。

また、今回はエントリの中身を「療育」という話題に必ずしも限定せず、家づくりの過程で経験したさまざまなことや、「住」や不動産についての私の経験など、幅広い話題についても触れていくつもりです。
(「療育限定」のエントリをこのブログに書いて、家づくり全般の話題は別ブログで書こうかとも思ったのですが、両者は連動していて分けるのが難しいですし、それをやると「療育限定」のほうが早々にネタ切れになりそうだったので(笑)まとめてしまうことにしました。)
ですので、「療育」の話題だけを追いかけたいと考える方には、かなり遠回りな印象のエントリになりかもしれません。その点は予めご了承願います。

また、エントリの内容は、一部プライバシー等に配慮し、あえて事実と異なる記述をする場合があります。純粋なノンフィクションとしてではなく、事実に基づいたエッセイ的エントリとしてお読みいただければ幸いです。


↑いろいろ間取りを考えていた頃の案の1つ。家の真ん中に中庭があります。最終的にこの案はボツになりました。
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2014年10月27日

つながろ!にがてをかえる?まほうのくふう(ブックレビュー)

献本御礼。安心して読めるいい絵本です。


つながろ! にがてをかえる?まほうのくふう
著:しまだようこ
監修:井上雅彦
今井出版

※上記リンク先、Amazonの在庫ではなくマーケットプレイスの在庫のみ表示されるようですが、出版元の今井出版による出品としてAmazon倉庫から配送無料で配送されます。

こういった「絵本」のようなタイプの自閉症本は、私の場合、環境的にあまり読む機会がないので、今回興味深く読ませていただきました。



この本は、発達障害でない健常の子ども(と、そういった子どもを指導する先生)に向けて、発達障害とはどんなものであるか、どういった理解と支援をすればいいのか、といったことを誰にでも読んで理解できるようにまとめた「絵本」です。
対象は幼稚園~小学校低学年あたりだと思われます。

ページ数にして、本文で32ページしかない(しかも全ページ見開きの絵)ですので、すぐに読み終わることができますが、この少ないページのなかに、発達障害への特別支援教育のエッセンスがうまく濃縮して盛り込まれています


こちらのページでは、絵カードによる手順指導、タイムタイマー、表情の視覚化やルールの視覚化などがとりあげられているのが分かります。

しかも興味深いことに、その「エッセンス」がどんなものであるか、最後のページでまとめて解説がされているんですね。



こういう本は、具体的な内容をまとめても「ネタバレ」にはならないと思いますので、その全ポイントをまとめておきたいと思います。

<発達障害の理解に関連すること>

・声の調整が難しく大声を出してしまうこと
・じっとしているのが苦手なこと
・思いついたことをすぐにやってしまうこと
・同じことを繰り返すこと
・集中して周りのことが見えなくなってしまうこと
・順番やものの位置が気になってしまうこと
・他人の感情を読み取るのが苦手なこと

<発達障害の支援に関連すること>

・視界に入る無駄なものを取り除くこと
・絵カードを使うこと
・タイムタイマーを使うこと
・表情・感情を絵カードで表すこと
・ルールを文字に書いて示すこと
・相手の視界に入ってから声をかけること
・特別支援とはユニバーサル教育であること
・支援によって「ありのままで頑張れる」環境をつくること


この絵本に登場する発達障害の女の子は「まいちゃん」というのですが、この整理からすると、まいちゃんはADHDの特性をあわせもったアスペルガー症候群の女の子であるように思われます。

…はい、そしてこの写真を見て分かるとおり、この絵本は、

続きがあります・・・
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2014年01月27日

NOといえる(ようになる)療育 (23)

こちらのシリーズ記事では、後半部として、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。

ここ何回かは、「しない」と一見よく似ている、「えらぶ」というコミュニケーションが、実際にはかなり異質のものである(「えらぶ」は比較的易しく、「しない」はそれよりもずっと難しい)という話題を書いています。

さて、前回は、「えらぶ」というコミュニケーションを表す「動作」は、単に欲しいものに手を出すということと同じであり、特別な動作は必要ないのに対して、「しない」のほうは特別な動作(提示されているにもかかわらず選ばない)が必要だ、という話題に触れました。

「えらぶ」という動作は、非常に習得が容易な動作です。

なぜなら、

続きがあります・・・
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2013年12月23日

子ども観察力&支援力養成ガイド 家庭支援編(ブックレビュー)

マニュアルが書ける療育こそが、いい療育。


応用行動分析学から学ぶ 子ども観察力&支援力養成ガイド 家庭支援編 : 発達障害のある子の「困り」を「育ち」につなげる!
著:平澤 紀子
学研 ヒューマンケアブックス

はじめに
第1章 今の困りは次の育ち
 困った行動の正体
 なぜ、そのように行動するの?
 困った行動から読み解く子どもの育ち
 ABCから支援を考える
 うまくいくABCを探す
第2章 家族と考える家庭における支援
 困りを具体化する
 ABCから支援を考える
 子どもと家族が取り組みやすい方法を探る
 支援を行い、取り組みの成果が見えるようにする
第3章 ケースから学ぶ家庭支援
 母親のあいまいな「困り」を具体的な行動で考えた支援-帰宅後に泣き出すユキオ君(幼稚園4歳児)
 「イヤ」の正体を探り家庭での対応を工夫した支援-朝の洗面を嫌がるユウコさん(幼稚園5歳児)
 行動の意味がわかったことで家族が楽になった支援-延々と物の位置を直すヒロシ君(特別支援学校小学部1年生)
 自分で学ぶ楽しさを育てた家庭学習への支援-宿題に取り組まないケン君(小学校3年生)
 家庭で考えが違うきょうだい関係への支援-弟とのけんかが絶えないマミさん(小学校2年生)
 地域との連携で家族の困りを解決した支援-勝手に外へ出て行ってしまうユウキ君(特別支援学校小学部4年生)
 問題を避けることを優先した自傷行為への支援-自分の頭をたたくタカオ君(特別支援学校小学部6年生)
 母親が子どもの困りを整理し学校につなげた支援-「学校に行きたくない」と言うユキさん(小学校5年生)
 父親が主導した親子関係への支援-母親に反抗的なダイスケ君(中学校1年せい)
 家族に学校での困りを伝えられるようにした支援-会話に割り込み、延々と話すミツオ君(高校1年生)
 学校でできないことへの分析が家庭生活の改善に結びついた支援-課題の提出ができないサチコさん(高校1年生)
 学校が行う家庭支援プログラム-すぐにパニックを起こすダイチ君(特別支援学校小学部2年生)
おわりに
参考文献
著者プロフィール


学研教育出版様より献本御礼。
以前当ブログのブックレビューでもとりあげたABA療育本の「子ども観察力&支援力 養成ガイド」の続編が出ました。



このシリーズは、ABA(応用行動分析)をベースにした療育・支援について、誰でも同じように実施できるように「マニュアル化」することを強く意識した、実践寄りの療育本です。

その支援のやり方は、あらゆる問題に対して基本的にはすべて同じです。

1) 問題行動を具体的な行動として記述する(どういう状況で、どのような行動を、どれくらいの頻度で行なうのか。それによってどれくらい周囲が困っているのか等)。
2) その問題行動を、いわゆる「ABC分析」によって分解し、A,B,Cそれぞれに対してどう働きかければ問題が解決しうるかを考える。
3) それらの解決法のうち、実際に取り組みやすそうなものを選択して支援プログラムを決定。
4) 記録をとり、支援プログラムがうまくいっているかどうかを客観的に判定。
5) うまくいっていればさらに支援内容を発展させ、うまくいっていなければ再度分析・支援プログラムの策定をやり直す。


シリーズの新作である本書では、この「支援のマニュアル化」の方向性がさらにはっきりし、すべての問題について、上記の1)~5)をかっちりと当てはめて解決を目指すというやり方が徹底しています。

このようなやり方について、疑問を感じる向きもあるかもしれません。たとえば、

・なんでもかんでも同じやり方では、融通が利かなくて効果が出ないんじゃないの?
・ABAの達人の先生って、もっと柔軟にいろんなやり方で働きかけてるんじゃないの?


などなど。

それに対する私なりの整理としては、

続きがあります・・・
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2013年09月16日

ボクの彼女は発達障害(ブックレビュー)

愛だけじゃ、やってけない。でも、愛がなきゃ、やってけないかも。


ボクの彼女は発達障害: 障害者カップルのドタバタ日記
著:くらげ
マンガ:寺島ヒロ
監修:梅永雄二
学研(ヒューマンケアブックス)

はじめに
登場人物紹介

第1章 身だしなみといろいろな先入観
 かわいい服が着られない!?
 服を買いに行ったらパニック!
 化粧ができないよ
 メガネにはこだわる
 梅永先生のメッセージ1
コラム くらげとあお、二人の出会い

第2章 お出かけでドタバタ!
 チョイスができない!
 チョイスしたらそれがパターンに
 いつものレストランが満席でパニック!
 「お金を大事に使う」ってどういうこと?
 財布の中身は小銭だらけ!
 梅永先生のメッセージ2
コラム 発達障害の日常をイメージするには

第3章 日常生活、あれもこれも
 毒舌の理由
 メガネで人を認識してはいけない
 振り込め詐欺でパニック!
 朝専用コーヒーは朝しか飲んじゃダメ?
 確認することを確認するのを忘れる!
 子どもが怖い!
 梅永先生のメッセージ3
コラム 1 あお、診断を受ける
    2 あお、診断をうけて変わったこと
    3 あお、親にかミングアウトする

身近な人たちがまず理解して
特別ではなく普遍的なふたり
おわりに


ツイッターの私のタイムラインでは、発売前から大変に話題になっていた本でした。
本書の著者である「くらげ」さん(@kurage313book)は、ご本人も聴覚障害があり、そして本書のタイトルどおり、交際している女性には発達障害がある、という「障害当事者カップル」のひとりとしてツイッターで積極的に発言されている方ですが、そういう立場や境遇からかもし出されがちな「力(りき)み」みたいなものを感じさせない、とても肩の力の抜けた方です。

「肩の力が抜けている」というのは、例えば、交際相手であり、本書でも「実質的な主役」である「あお」さんのことを(ツイッターで)話題にするときも、そこには「発達障害という障害をもった女性」ではなく、「自分の恋愛対象である、他の誰でもない『あお』さん」が言及されているわけで、

要は、ほんとにただのノロケ。(笑)

でも、この「ただのノロケ」の対象になる、なれる、あたりまえの恋愛関係がつむぎ出される、ということが、どれだけの価値があることか、ということでもあって。

それを実感している「発達障害クラスタ」の皆さんから大いに支持され、くらげさんがノロケるたびに、周囲がみんなして「もげろ」とか「爆発しろ」と「温かい声援」を送る、そしてときどき「あお」さんが障害ゆえにパニックを起こしたり精神的に参ったりといったことが起こったときに、問題を乗り越えられるよう一生懸命頑張る「くらげ」さんにも、共感とある種の羨望が投げかけられる、そんな、ツイッターをぐるっと見回してみてもあまり他では見当たらないような、独特の「くらげ空間」が生み出されているのです。

本書は、簡単にいえば、そんな「くらげ空間」を紙面から追体験する本です。

全体の半分弱はとても読みやすいマンガになっていますし、それに続くエッセイ部分もくらげさんと「あお」さんの会話中心で易しくスラスラと読めます。
もちろん、「学研のヒューマンケアブックス」でもあるわけで、話題は発達障害であるがゆえの苦労話が中心になっているわけですが、それを力みなく受け止め、適切な配慮と対応で切り抜け、「それもまたあおの面白いところ」とノロけ、あろうことか最後は「XXXX、XX(自主規制)」と究極のノロケで終わっている(笑)この本を、私たちもそんなに力んで読む必要なんて全然ないはずです。

ぼくかの
↑学研ヒューマンケアブックスの一冊をコテコテのノロケで締めるという大暴挙。

すべての読者はこの結末を読んで「もげろ」「爆発しろ」と思うことでしょう(笑)。
そして同時に、とても手に入りにくい、とても大切なものに(うっかり)触れてしまったことで(うっかり)温かい気持ちになってしまうことを避けられないでしょう。
それこそが、読者もまた(うっかり)「くらげ空間」に取り込まれてしまったことに他なりません。

そんな「もげろ体験」ができれば、本書を読む意味は90%くらい達成されたと言っていいんじゃないでしょうか(笑)。

・・・

・・・さて。

これだけだとただのティーザー広告みたいなので(笑)、少しだけ本書について真面目な紹介や考察なども書きたいと思います(まあ蛇足といえなくもないですけど)。続きがあります・・・
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2013年08月26日

あたし研究2(ブックレビュー)

当ブログ殿堂入りの本、「あたし研究」の続編が出ました!

【送料無料】あたし研究(2) ...

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価格:2,100円(税込、送料込)


あたし研究2
小道 モコ
クリエイツかもがわ


↑2冊並べてみました。ほとんどの本を自炊してしまった我が家で残っている数少ない「紙の本」でもあります。

前作は、アスペルガー症候群の著者が、毎日の生活で感じている違和感、困難、周囲と異なる自分の認識傾向、そしてそのギャップを乗り越えて毎日を前向きに生きていくための工夫や考え方などを、著者自身の描くイラストと記事で紹介・解説し、さらにそれらとは独立したコラムとして著者の主治医の(より障害特性として一般化した)解説がはさまれる、という、非常にユニークな構成の本でした。

特にポイントは、「著者自身が描くイラスト」というところですね。

こういった、障害当事者自身がその障害について語る、いわゆる「当事者本」は、そこで語られるエピソードを過剰に一般化しないこと、そして当事者以外の第三者がヘタに「解釈」しないこと、この2つがとても重要だと私は考えています。

そのあたりは前作のレビューでも書いたところですが、あらためて簡単にまとめれば、次のようなことです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2013年08月05日

広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)(ブックレビュー)

たまたまツイッターのTL上で知った本ですが、これはなかなかすごい。
他のどの本にも載っていない内容が書かれた、とても貴重な本だと思います。


広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)
著:佐久間 徹
二瓶社

まえがき
第1章 広汎性発達障害について
 診断について
 人は学習によって人になる。しかし教育はセレクトしかしてこなかった
 「できの悪い子は落第」から「幸せ追求の支援」へ
第2章 応用行動分析の登場
 どうして行動療法は悪評まみれだったのか?
 応用行動分析(ABA)とは?
 ソーシャルスキルトレーニング(SST)
 ちょっとばかり付け加えます
 ロバースの行動療法
 ロバース手続きの改善
 私自身のスタート
 われわれは学者じゃない
 オペラント条件づけによる行動変容のカギ
第3章 フリーオペラント法実施への補足
 徹底的な甘やかし
 わがままが酷い例
 わがままと困難克服とは同一の行動パターンである
 自立の催促は無用
 くすぐり刺激
 皮膚刺激
 静かな抱っこ二十分
 逆模倣
 指導の優先順位
 喃語の発生頻度がその後の言語発達を大きく左右する
 単語が出だしたら
 ことばは意味を知っていても、発音がちゃんとできても、話せない
 構音障害
第4章 不適応行動への対応
 他傷行動、暴力行為
  1.思い通りにしたいための他傷行動
  2.嫌なことの回避手段としての他傷行動
  3.注意引きのための他傷行動
  4.試しの他傷行動
  5.フラッシュバックの他傷行動
  番外
 自傷行動
  1.人の存在が無関係な自傷行動
  2.苦痛の緩和手段としての自傷行動
  3.なんともお手上げの自傷行動
  4.人の存在が必須条件の自傷行動
 固執、こだわり行動
 五感のアンバランスによる不適応行動
 その他さまざまな不適応行動
 おしっこトラブルの解決策
  おねしょ
  具体的解決策その一
  具体的解決策その二
  具体的解決策その三
  具体的解決策その四
  トイレ排尿の困難
第5章 発達障害児をめぐる諸問題
 医師の診断について
 発達検査について
 児童相談所について
 民間施設について
 保育所、幼稚園について
 小学校について
 いい先生について
 お金と趣味について
まとめ


著者は「あの」久野先生のお弟子さんなのだそうです。
それを知っただけでも本書への期待が高まりますが、実際の中身はその期待通り(いい点も悪い点(笑)も)で、ものすごく個性的な本に仕上がっています。

ちなみに、本書はこの手の本としては定価840円(税込)と、びっくりするほど安いのですが、実物が届くと少し納得します。サイズ、ボリューム感が「新書」のそれなんですね。
コンパクトなので、短い時間でさっと読めて、繰り返し読み返せます(そして恐らく、繰り返し読み返すに値する本です)。

ところで、最初に、本書に関する非常に重要なポイントを指摘しておきます。
それは、この本が主に対象としている療育対象が、どのようなお子さんであるか、ということです。

続きがあります・・・
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2013年03月04日

リカと3つのルール 自閉症の少女がことばを話すまで(ブックレビュー)

自閉症へのABA療育を、「ドラマチックに」かつ「ビジネスライクに」描いた本。


リカと3つのルール: 自閉症の少女がことばを話すまで
東条 健一
新潮社

プロローグ
第1章 学習と罰の関係
第2章 アクセル全開
第3章 悪魔に取り憑かれた少女
第4章 真実の扉
第5章 ドラゴンを倒す方法
第6章 応用行動分析とばいきんまん
第7章 学習の科学
第8章 人を動かす3つのルール
第9章 行動のマネジメント
第10章 模倣の技術
第11章 だれも知らないことばの世界
第12章 心の扉が開く
参考文献


実はこの本は、ABAを「行動科学マネジメント」という名称でビジネスの世界に応用されて活躍している、ウィルPMの石田淳さん(@Ishida_Jun)から献本いただきました。ありがとうございます。
著者の東条氏は、石田氏にとっての「恩人」なのだそうです。

献本のお話をいただいたときは、あ、またABA系のビジネス本でも出たのかな、と思っていたのですが、届いた本を見て納得。
私の関心のど真ん中ストライク、「ABA(応用行動分析)で、自閉症の娘を療育する本」でした。



そして、少し読んで気がついたこと。

これ、「お父さんが書いた療育の本」なんだ。

まあ、よく考えれば著者名を見ればすぐに分かることなのですが、今まで、「お父さんが(職業的支援者としてではなく、親として自分自身が主たる療育者となって)療育する本」というのをほとんど見たことがなかったので、かなり新鮮でした。
そして、この新鮮さは、実際に本の中身にも、本書ならではのユニークさとなって現れています。

続きがあります・・・
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2012年10月29日

プロチチ 第1巻、第2巻(まんがレビュー)

面白い。でも、切ない。


プロチチ 第1巻、第2巻
イブニングKC
逢坂 みえこ

今日はひさしぶりにマンガのレビューです。

雑誌「イブニング」に掲載中のマンガですが、先日、単行本の第2巻が出たので、早速購入して読んでみました。

作者の逢坂みえこさんといえば、レディースコミック全盛期に数多くの作品をリリースしていたことが記憶に残る漫画家です。

90年代前半頃に「ヤングユー」を愛読していた(笑)私としては、逢坂みえこさんといえば「ベル・エポック」です。


ベル・エポック
ヤングユーコミックス
逢坂みえこ
(左から、単行本全巻(中古)、文庫本第1巻、文庫本全巻(中古)です。)

続きがあります・・・
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2012年10月01日

「ママ」と呼んでくれてありがとう/先生、親の目線でお願いします!(ブックレビュー)

学研様より2冊献本いただきました。ありがとうございます。


「ママ」と呼んでくれてありがとう: 自閉症の息子と歩んだABA早期療育の軌跡
著:杉本 美花
学研 ヒューマンケアブックス

先生、親の目線でお願いします!: 保護者の本音を知れば特別支援教育は変わる
著:海津 敦子
学研 ヒューマンケアブックス

まずは、「先生、親の目線でお願いします!」のほうから取り上げたいと思います。

こちらの本は、障害ある子をもつ親の、特別支援教育を担当する教師への率直な意見、本音(大部分は批判的なもの)をまとめたものになっています。

たとえば、健常児への教育で通用した我流の指導法を特別支援教育にあてはめることによる問題(そしてそれを子どものせいにしてしまう問題)、障害の特性や特別支援教育へ教師の知識不足、無意識のうちに現れる障害や障害ある子への差別意識、子ども一人一人ではなく障害ある子をまとめてレッテル貼りして配慮のない発言をしてしまうこと、親にとって大切なことを「たいしたことではない」といった風に考えてしまう配慮のなさ、といったさまざまな「教師の側の問題」を、親の声、親の本音を通じて掘り起こす、といった内容です。

まあ、一言で言えば、「親がひたすら教師を批判する本」(それを著者がまとめたという体裁の本)です(笑)。

ただ、内容を読んでいると、親の側がそんなにムチャな要求をしているわけではありません。
むしろ、もし本当にここまでレベルの低い、差別的な教師にあたってしまったら、親としてはいたたまれないなあ、というくらい、「基本的な」要望の範囲に留まっているという印象です。

1つ、具体的な例を引用してみます。(実はこの引用部分は、もう1冊のほうの本のレビューと少しだけつながっています)
 勇雄さんは子どもの特別支援学級の担任に思いを伝えることの難しさを感じています。
「子どものありのままを受け止めていただき、ご指導を願いたい」と担任に話をしたところ、「お子さんは今のままで成長する必要はないというお考えですか」と返されたのです。
 子どもが成長しないでいいなどと思う親がいるでしょうか。
 勇雄さんが伝えたかった「ありのまま」の意味は、先生が考える「~であるべき」という子ども像の枠で目標を立てて子どもを指導するのではなく、今、子どもができていること、好きなことを伸ばすことを基本に指導を組み立ててもらいたいという意味です。

 今できないことや不得手なことは、支援や配慮で補い、我が子らしい、その子らしい学校生活を築いてもらいたいという、今の教育の流れとしては当たり前の願いです。(中略)

 こうしたことを理解することも当然、教師の専門性として身につけるべき力であることはいうまでもありません。でも、教師の中には求められる専門性を理解できていない人も少なくないように思います。
 勇雄さんは、「先生なら当然、身につけているはずの考え方という前提で話をしてしまった。この学校のレベルを考えなかった自分が悪かったのだ。反省している」と学校を揶揄します。

(初版P51~52ページ)

・・・まあ、こんな感じで、親の立場(もしかすると、部分的には「わがまま」)をそのまま代弁する内容ですから、ある意味、あからさまな「ポジショントーク」なわけです。
それが正しいか間違っているかは、読者の判断に委ねられている、と言ってもいいでしょう。
ともあれ、「親の本音ってこんなところにある、親が傷ついたりするポイントはこんなところにある」ということを、先生をはじめとする支援者の方が理解するには、とてもいいまとめになっていると思います。

何より、類書がほとんどないことが、この本の価値を高めていると思います。


続きがあります・・・
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2012年07月30日

ライブ・自閉症の認知システム (29)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。
長く続けてきたこのシリーズ記事ですが、今日の記事でようやく終わりです。

page27.gif
Slide 27 : おわりに

以上で、今日用意させていただいたお話は終わりになります。
長い間おつきあいいただき、ありがとうございました。

今日お話しさせていただいた内容でお分かりのとおり、私は、療育について、ウェットかドライかといえば、かなりドライな立場をとっているということになると思います。

私は、療育のなかに「こころ」という考えかたを導入する必然性は、ないと思っています。

でもそれは、自閉症児にこころがないとか、そういう情緒的な議論ではまったくなくて効率的に療育したいなら、狙うべきポイントはそこじゃないですよ、ということを言っているにすぎません。

なぜなら、私たちは「こころ」とはどんなものなのかについて実はよく分かっていないですし、脳科学も心理学も、それに対して明確な答えを出しているわけではないからです。


続きがあります・・・
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2012年07月16日

沓掛時次郎(劇画・長谷川 伸シリーズ)(まんがレビュー)

普段、時代ものなんて読まないんですが、これは楽しめました!


沓掛時次郎 (劇画・長谷川 伸シリーズ)
著:小林 まこと、原作:長谷川 伸
講談社 イブニングKC

当ブログの以前のエントリにいただいたコメントでこの本を知り、さっそくAmazonで買ってみました。
それにしても、こういう新刊じゃないコミックを買ったりするときは、Amazon最強ですね。廃版になったものもマーケットプレイスで安く買える場合が多いし、ヤフオク以上に入手性が高いと思います。

届いた本は、コミックとしては相当な厚み。サイズも大判ですし、かなりの迫力です。


↑大判400ページの大ボリューム。

表紙には、中央に大きくタッ君(らしき着物の少年)が描かれており、物語のなかでも重要な役割を演じてくるであろうことが期待されます。

表紙を見て分からなかったのが、下の方にものすごくたくさんの名前が並んでいることで、最初は、このまんが1冊にこんなにたくさんの人が制作に関わっているの?と思ったのですが、そうではなくて、このまんががいわゆる「スターシステム」をとっていることを端的に示したものでした。

つまり、このまんがに出てくる登場人物のほとんどは、作者である小林まこと氏が過去のいろいろなまんがに登場させたキャラクターを意図的に「使い回して」いる、ということです。

同様の手法というと、手塚治虫がいろいろなまんがにチョイ役でヒゲオヤジやブラックジャックを出したりするのが有名ですが、主要な登場人物をすべて使い回している「沓掛時次郎」のほうがはるかに本格的ですね。
その「スターシステム」採用のおかげで、「タッ君」もふたたび登場することができた、とも言えるかもしれません。

さて、肝心のストーリーですが、この「沓掛時次郎」というのは「股旅物」と呼ばれるジャンルの有名な戯曲のようで、1928年に発表されてから、8回も映画化され、テレビドラマになったりもしているそうです。
ちなみに、このまんがを読み終わってから、映画作品のあらすじなんかもネットで見てみたのですが、さすがに全然別物ですね。
「本来、仇であるはずの男と子連れの女が旅を供にし、許されがたい恋が芽生える」みたいな話の骨格を除いて、ストーリーは大幅に脚色されているようです。

そしてこのまんがにおける「脚色」の最たるものが、重度知的障害を伴った自閉症の少年である「タッ君」を、ヒロインである「おきぬ」の息子として登場させている、ということになるでしょう。

さらに驚くべきことは、この「タッ君」が社会のなかに役割をみつけ、大人になっていく「成長のプロセス」が、ストーリーの一角を占めているということです。
特に、エンディングがあんな感じに展開したのには、かなりびっくりしました。


↑ネタバレになってしまうのでぼかしを入れましたが、「大人になったタッ君(太郎吉)」が登場するワンシーンです。

ネタバレになってしまうとつまらないので、あえて細かいことは書きませんが、このまんがは、自閉症児であるタッ君をメインキャラクターの一人に入れたことによって、言い方は悪いですが「ちょっと古くさい時代物」であったであろう原作に対して、一気に現代的な要素、問題提起の色彩を帯びさせることに成功しているように思われます。

まあ、率直なところをいえば、タッ君みたいなこどもが本当にこのまんがのような斬った張ったのヤクザなこの時代の環境におかれて、こんな風に無事でいられる可能性は低いだろうな・・・とは思いますが、時次郎がそんなタッ君(この話のなかでは「太郎吉」)を文字通り命を賭けて守る姿には感動させられます。

当然ですが、この本を読んで療育がどうこう、というまんがではまったくありませんが、作者・小林まこと氏の、障害ある子への暖かい視線が感じられる、読んでいて心が暖かくなるまんがでした。
「療育に関係ない」と書きましたが、実は、タッ君が「役割を見つける」プロセスには、自閉症児ならではのこだわりのなかにその「役割の芽」をみつけ、長い目でじっくりとそれを育てていく(短期的な視点でむやみに禁止したりしない)という、療育のヒントにつながるような要素も描かれていて、そこもちょっとびっくりするところだったりします。
(ちなみに、もちろん今回も小林氏の「自閉症児の描写」は完璧で、実にリアルです。なんか娘をみているよう(笑))

まあ、ストーリー自体は基本的には悲げ・・・ゴホンゴホンこれ以上はネタバレなのでやめておきます(笑)。
純粋に時代劇まんがとして楽しめる作品でもあるので、まんがが好きな方は試しに読んでみてもいいのではないでしょうか。

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2012年07月09日

ライブ・自閉症の認知システム (28)

このシリーズ記事は、先日、石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 26 : 書籍のご案内(再掲)

今回のお話と関係のある書籍を、いくつかご紹介させていただいています。

それから、一般化障害仮説の図で、「道具」とか「ニッチ」とか「からだの拡張」といった視点から環境をとらえる考えかたが出てきました。
今回のお話の中では、このあたりについてはほとんど掘り下げることができませんでしたが、こういった視点から、環境と、そこに生きるヒトや生き物をとらえる考えかたは、「アフォーダンス理論」というものと関係しています。
以下の2冊が、この「アフォーダンス理論」についての本になります。


アフォーダンス-新しい認知の理論
エコロジカル・マインド―知性と環境をつなぐ心理学

続いて後半の話題についての本です。

後半、最初にお話しした、家庭での療育をプロジェクトととらえて、お父さんにリーダーになってもらいましょう、という話題ですが、これを書いたのが、私の2冊目の本、ぶどう社さんの『自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト』になります。


自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト

続きがあります・・・
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2012年07月02日

ライブ・自閉症の認知システム (27)

このシリーズ記事は、先日、石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 26 : 書籍のご案内

最後に、今日お話しした話題と関係する本をいくつかご紹介したいと思います。

普段、こういったお話のあとにご紹介する本は、自閉症とか療育に関係するものが多いんですが、今回は私が書いた本を除いては、どれも自閉症や療育とは直接関係のないものばかりになります。

今日最初の話題は、私たちが素朴にイメージする「こころ」というのは、実は矛盾に満ちたものだ、というお話でした。
これについては、「心の哲学」という分野の本が関係してきます。
心の哲学については、読みやすい本を3冊ほどご紹介します。


心の哲学入門
ロボットの心-7つの哲学物語
心理学入門一歩手前-「心の科学」のパラドックス

次に、自閉症の人は、一般化という脳の情報処理のしくみがうまく働いていないのではないか、という私の仮説、「一般化障害仮説」についてお話ししました。
この仮説について書いているのが、私の1冊めの本、新曜社さんの『自閉症-「からだ」と「せかい」をつなぐ新しい理解と療育』になります。


自閉症-「からだ」と「せかい」をつなぐ新しい理解と療育

今日お話ししたよりもぐっと掘り下げて書かせていただいていますので、興味をお持ちいただけたら、ぜひお読みいただければと思います。

続きがあります・・・
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2012年06月18日

ライブ・自閉症の認知システム (26)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。

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Slide 25 : 療育を支える「科学の目」(続き)(再掲)

ここまで、「科学の目」をもった療育の大切さについて、お話ししてきました。

では、「科学の目」を鍛えるためには、どうすればいいのでしょうか?

実は、仮説・検証のプロセスのなかでいちばん難しいのが、仮説を設定するところです。
スジのいい仮説が設定できなければ、どんなに検証しても結果につながってきませんからね。
逆に仮説を設定する力がつくと、普段の子どもの何気ない行動から療育のヒントが見つかったりして、療育の面白みが増してきます。

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2012年06月04日

ライブ・自閉症の認知システム (24)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 24 : 療育を支える「科学の目」

いま出てきた、「仮説検証」を中心とした療育スタイルのことを、私は「科学の目」をもった療育、と呼んでいます。

「科学の目」といっても、物理や化学などの知識のことを言っているのではありません。
そうではなくて、科学の世界で一般に使われている、「ものごとの考えかたや議論のすすめかた」のことを、科学の目と呼んでいます。
具体的には、ここにあるように、「先入観にとらわれない自由な思考」「仮説・検証プロセスを大切にすること」「限られたヒントから正しく推理する力をつけること」、この3つです。

続きがあります・・・
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2012年05月28日

ライブ・自閉症の認知システム (23)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 23 : 「行動レベル」と「知覚・認知レベル」(続き)(再掲)

くり返しますが、行動レベルと知覚・認知レベル、いつも両方を考えて、子どもの行動を理解する、働きかけを考えることが大切です。

たとえば私たちは、子どもが問題行動を起こしているときは、つい、その行動にばかり目がいってしまって、その背後に子どもがどんな困難をかかえているかを見失いがちになります。
また一方で、そういった行動の背後にある自閉症児の困難について深く考えようとすると、私たちはついつい想像の世界に足を踏み入れすぎてしまって、自閉症児の世界を勝手に想像のなかに作りあげてしまったりもします。

でも、確実なのは目にみえる行動だけなんです。

続きがあります・・・
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2012年05月21日

ライブ・自閉症の認知システム (22)

このシリーズ記事は、かつて石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 22 : 「行動レベル」と「知覚・認知レベル」(再掲)

私が今日の前半でお話した自閉症のしくみと、一般にいわれる自閉症の症状・定義というのは、議論の「レベル」が違います。

こちらを見ていただくと分かるように、自閉症という障害は、行動レベルから知覚・認知のレベル、さらにそれよりもっと根源的なレベルといったように、多重構造をなしていると考えられます。

ここでは、上位のものほどより根本的な障害で、そこから下のレベルの障害が派生して生まれていく、ということを示しています。

つまり、器質レベル、つまり脳の損傷によって知覚・認知レベルの障害が引き起こされ、知覚・認知レベルの障害によって生じた発達の遅れ・偏りが、さまざまな行動レベルの障害として表面化してくる、というわけです。
そして、そのような行動レベルの問題によって社会にうまく適応することに失敗すると、さまざまな二次障害も生じてくるでしょう。

今日、前半で時間をかけてお話ししたのは、まさにこの「知覚・認知レベル」の障害がどんなものなのか、ということについての考え方になるわけです。

続きがあります・・・
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2012年05月18日

「呪い」をキーワードにした療育の議論(Twitter)

私も参加しているツイッターでは、ときどきとても興味深い議論が展開されることがあります。

今回ご紹介するのも、そういった興味深い議論の1つです。

http://togetter.com/li/299746
「呪い」というキーワードから発達障害の療育を考える


療育にまつわる、ある側面の問題を、「呪い」というキーワードを中心に考えていく、そんな議論になっています。
最近話題になった、「親学」問題とも少しかかわりがあります。

よろしければ、ご覧ください。
posted by そらパパ at 23:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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