2015年06月01日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(22)

さて、我が家の家探しが「建売住宅さがし」から「土地+注文住宅さがし」にシフトしたことで、「どんな家がほしいか?」ということを考えるプロセスは、

[建売の場合]
 いくつかの条件で絞り込んだ(実際にそこにある)物件を比較検討して、希望に合致していて最も気に入った物件を選ぶ。

というものから、

[土地からの場合]
 ゼロから、あらゆる条件を考慮して「こんな家を建てたい」という(まだ実際にあるわけではない)プランを立て、それを基準にして「そういう家が建つ土地」を探し、そのうえで「そういう家を予算内で建ててくれる業者」を探し、「実際の間取り」を設計し、設備等の仕様を決め、そして実際に家を建てる。

という、はるかに複雑なものに変わります。

ただ、実際のところ、この「土地探し」というのも、不動産仲介業者のトークをそのまま鵜呑みにしている限り、一見簡単に見えたりするのです。
というのも、不動産仲介業者が土地を紹介するときに、建物の「参考プラン」というのを用意してくれることが多いからです。

この「参考プラン」というのは、「この土地にはこういう家が建ちますよ」という間取りを仮に設計してくれているものですが、ちゃんとそれぞれの土地ごとに設計されていて、値段の見積もりもついているので、「建物参考プランつきの土地」の物件広告を見ると、あたかも建売住宅と同じような形で、「どんな家がいくらで手に入るか」が分かるようになっています。

この「参考プラン」は、土地を販売している時点で最初から用意されていることも多いですし、ある程度本気で検討している(条件が合えば申し込んでもいい、くらいの気持ちを持っている)土地であれば、自分の希望条件を伝えて、新たに最初から設計してもらうこともできます。
この「新たに設計してもらう」場合、設計してくれる業者はその不動産仲介業者と関係のあるパワービルダーや工務店などになりますが、例えば我が家なら、

・4LDKの間取り
・LDKと水回りは1階
・トイレは各階に1箇所
・カースペース2台分
・グルニエ(屋根裏部屋)を設定


くらいの、まあ大雑把な要望を伝えることで、「希望する間取りがその土地に入るかどうか」、「入るとすれば、とりあえずどんな間取りがありうるか」、「そういう建物を建てた場合、建築費はだいたいどれくらいになるか」を確認することができます。

ですから、最も簡単な流れで「土地探し」をするとすれば、

・不動産仲介業者に土地を紹介してもらう
・その仲介業者と取引のあるビルダーに、こちらの希望に合わせた参考プランを入れてもらう
・気に入ったらその土地を購入
・参考プランを入れてもらったビルダーと建築請負契約を結んで、参考プランを出発点に家を建ててもらう


というやり方も考えられるわけです。

この時点で、私には仲介業者が出してくれる参考プラン以外にその土地にどんな家が建つのかが分かる情報がありませんでした。
ですので、まずはこの「参考プラン」をまさに参考にして土地探しを始めたのですが、なかなかうまくいきませんでした
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2015年05月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(21)

さて、建売住宅、中古住宅、どちらも希望に近い条件の家が見つからず途方にくれていたところ、実は注文住宅であっても業者選び次第では建売と同等もしくは建売+αくらいの金額で家が建てられる(かもしれない)、ということが分かり、にわかに「注文住宅の研究」、そして家探しならぬ「土地探し」が始まりました。

もちろん、建売や中古住宅探しも続けていたのですが(もし希望に合うものがあれば、間違いなく注文住宅よりも安く済むわけですから)、このときからはそれに加えて、「土地+注文住宅」という選択肢に手を広げて探し始めた、ということになります。

でも、建売の場合と比べて、土地+注文住宅で家探しをするのは、難易度が飛躍的に上がります

まず、ただの「地面」として売られている土地を見て、そこにどんな家が建てられるのかが分かる、そういう知識をちゃんと持っていることが求められます。
それがひいては、「その土地の価値がちゃんとわかる」ということにもつながるわけです。

建売りの場合、土地には既に「ちゃんと各種法令をクリアした家」が建っており、買う側はその家をみて、希望に合っているかどうかを評価して買うかどうかを決めれば終わりです。
建売りの家を買った後で「思ったような家が手に入らなかった」ということはありえません。
住んでみたらちょっと違った、ということはあるかもしれませんが、例えばそもそも「4LDKでカースペース2台つきの家を買ったつもりだったのに、買ってみたら実は3LDKでカースペースは1台分しかなかった」なんていうことはないわけです。

ところが土地から始める場合は、全然状況が違います。
各種法令の制約や構造上の問題等により、素人が土地だけを見て最初に「こういう家をこんな風に建てたい」と思ったような家が建たないことはザラにあります。
というより、(これは我が家の場合でもそうでしたが)土地から始める場合は、当初イメージしていたとおりの、完全に想定のままの家が建つことは、まずないと考えたほうがいいかもしれません。

ですから、逆の言い方をすると、「どんな家を建てたいか」というイメージを強く持ち、そのなかで優先順位も決めておくことがとても重要で、実際に土地を選び、建築業者を選び、図面を引いて、家を建てていくプロセスのなかで、絶対に譲れないポイントについては時間やコストが余計にかかっても妥協せず、それほどでもないポイントについては諦めたり代替的な選択肢を選び直すなど、柔軟な対応をすることが求められるわけです。

そのうえで、土地の用途地域、建ぺい率、容積率、斜線規制、高さ規制といった建築基準法関連の土地規制について勉強し、「この土地にはこの間取りの家が建てられる」ということを自分で判断できるようになることも、間取りやコストにこだわった土地探し、家造りを実現するためには不可欠だろうと思います。

私も、「土地から探す」という選択肢を検討し始めて、不動産業者から土地を実際にいくつか見せてもらったところで勉強不足を痛感し、法令や建築についての勉強を始めると同時に、「我が家にとって必要なのは、どんな土地なんだろう?」ということをじっくりと考え始めました。
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2015年05月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(20)

ネットで物件を探し、ちょっとでも興味のある物件を見かけたら扱っている不動産店に連絡して見せてもらい、また、駅前の大手系の不動産店に飛び込みで入って希望を伝えて条件にある物件を見せてもらったりしているなかで、希望に近い物件というのは実はほとんどない、ということが分かってきました。

そのことは、物件を見せてもらった不動産店の営業の方にも話していたのですが、あるとき、営業の方から言われたことが、「だったら土地から探して注文で建てたほうがいいんじゃないですか?」という話でした。

私としては、当然に「いやー、もちろんそうできればそうしたいんですが、注文住宅となると高いですし、ぜったい予算オーバーですよねー」みたいな感じで返したわけですが、そこで向こうから言われたことは、「いや、建ててもらう相手を上手く選べば、建売りから予算を少し増やすだけで、十分注文住宅を建てることもできますよ」というお話でした。

そして、実際に見せてもらったのが、土地として売りに出ている物件に、「参考プラン」として作られていた注文住宅の見積もりでした。

…え?こんな値段で建てられるの?

そこに書かれていた金額は、単に建物の建築価格だけでなく、インフラの引込み費用や外構工事(建物以外の、駐車場の舗装やブロックフェンスや機能門柱の設置などの工事)の費用も概算で加算された、いわゆる「総額見積もり」になっており、その金額は意外なほどリーズナブルでした。
土地の値段と合算した全体の費用としても、私が建売住宅を買うつもりで想定していた予算の枠内(かなり上限に近いほうでしたが)に収まるレベルだったのです。

「こんな安い値段で注文住宅を建てられるのは、いったいどういう業者なんですか?」という質問に対して返ってきたのは、私もよく知っている業者でした。
それは、建売住宅をたくさん建てている、いわゆる「パワービルダー」と呼ばれる業者による見積もりだったのです。
建売と同じような部材を使って、建売と同等の(つまり、有名ハウスメーカーほど立派なものではないけれど、建売と同等水準はクリアした必要十分な水準の)クオリティの注文住宅を、建売の建築価格プラスアルファの値段で建てる、建売系のパワービルダーに注文住宅を依頼すると、そういうスタイルで家を建ててくれる、そういう選択肢があるということを、このとき初めて知りました。
注文住宅といえばテレビで宣伝して豪華なモデルハウスを建てているようなハウスメーカーにお願いするイメージしかなかった私にとって、それは大きな驚きでした。

そしてこの日から、我が家にとって「注文住宅で家を建てる」という選択肢が、にわかに現実味を帯びてきたのです。
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2015年05月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(19)

さて、前回、家探しを始めたころの私にとって、注文住宅といえば「3000万円」というなんとなくの相場観があったわけですが、それは、私の実家の田舎のほうで、周囲で新築で家を建てるときの相場として、何度も耳にしていた金額だったからです。

実家は関西の田舎にあり、そのエリアの地価は当然にいま住んでいる首都圏エリアよりずっと安く、1000万円以下で十分に広い土地が手に入ります(最近の地価動静はよく知らないのでわかりませんが、それほど変わっていないんじゃないかと思います)。
そんな「広い土地」に、和風の立派な家を注文住宅で建てるのが、実家の方ではごく当たり前の「新築住宅の建築」の風景であり、逆に言えばそれ以外の選択肢は事実上なかったといえるように思います。
うちのほうでも、駅に近くて多少は市街化されたエリアだと建売もそこそこあるんですが、駅から車でしばらく走るような実家近辺では、土地は土地として売られているのが当たり前で、建売になっているほうがむしろレアだったんですね。

「別の選択肢が事実上ない」ということのもう1つの影の理由は、「近所への見栄」ということもあったようです。
うちの近所では、ある特定のハウスメーカーの影響力が非常に強く、新築の家はどこもかしこもそのハウスメーカーの注文住宅でした。
そのハウスメーカーの坪単価はかなり高いのですが、どうも一度耳にはさんだところによると、そこではない、もっと安いハウスメーカーでお願いすると、近所からバカにされるということが実際にあったようです(これまた、私の学生のころの古い話ですので、最近は変わっているとは思いますが)。

「近所に恥ずかしくない家」というコンセプトは、家のスペックや装備にも影響してきます。
屋根は必ず日本瓦で寄棟造、立派な玄関、高い塀囲いと日本庭園、屋根付きカーポート、総二階を避けた立体的な造形、そういった家を建てて初めて、周囲からあそこは「ちゃんとした家」を建てた、と評価されるという、まあ都会ではあまり考えられないような風潮がありました。

そして、そういう家を建てるとなると、どうしても最低ラインで建物3000万円、実際にはそこから(豪華な装備分だけ)どんどん高くなっていく、といったことがあったわけです。

また、そういった豪華設備を抜きにしても、実家のエリアで建てられていた建物の延面積がかなり大きかったということも、当時聞いていた予算総額が大きかった理由ではありました。
一般的に、注文住宅というのは「坪単価」によって建築金額のベースが定められていて、その部分については建築コストは延床面積に対して単純に比例関係にあります。
ですから延床面積50坪の家であれば、単純計算で延床面積25坪の家の倍してもおかしくない(実際には広くなると多少は割安になりますが)わけで、50坪で3000万円と聞いて「高い」と感じても、25坪で1500万円ならむしろ「安い」と感じたりもするわけで、私の中の「注文住宅=3000万円」というイメージは、いずれにしてもあまり正確なものではなかったということになります。

ともあれ、私自身は当初、「注文住宅は高すぎて到底予算内では手が届かない」と考え、検討の対象にすら入れていませんでした。

この状況を変えたのが、建売住宅を探してとある不動産仲介業者の店を訪れたときのなにげない会話でした
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2015年05月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(18)

そんなわけで、我が家の家探しは「いくつかの候補で迷う」といった以前の段階、「そもそも候補に入れられるような物件がほとんど存在しない」というところでいきなり頓挫してしまいました。

建売には、自分たちが希望するようなスペックの家は、一言で言えば「売る側があまり儲からないから・うまみがないから」という理由でほとんど存在せず、中古住宅はそもそも流通量が少なく、希望するスペックに合った物件を細かく探すというよりは、実際に売られている物件でたまたま条件が合えばお買い得なこともある、といったものでしかなく、今回の我が家のように、「近接エリア内での戸建て→戸建ての住み替え」という、「希望する物件スペックありき」の物件探しにはどちらもまったく向いていないことが分かってきたわけです。

もちろん、この問題をダイレクトに解決する方法が1つあることは、最初から分かっています。

新築の注文住宅を建てる。

この選択肢であれば、単に「スペックを満たす」という条件だけで考えれば、間違いなく希望を満たした、条件に合致した物件を手に入れることができるでしょう。

ただ、この選択肢は、当初ははなから外して考えていました。

その理由は、やはり費用の問題です。
注文住宅というのは、建売と比べればとにかく高くて、建売(ないし中古)住宅の予算しか想定していない我が家にとっては高嶺の花でとても手が届かない、と考えていたからです。

今回は、今まで住んでいた家よりも「広い家」を探していますから、その分、土地代も高くなります。
希望エリアの土地の坪単価(実売)はだいたい110万円から135万円といったところで、現在住んでいる家のエリアより若干安いですが、それでも上記レンジの上の方に入っていますから、それほど大きな違いはありません。
このようなエリアで、現在の家よりも6坪=20m2ほど広い土地を手に入れようとすると、それだけで110〜135×6=660〜810万円余計にかかる計算です。
現在の家を売却して次の家の資金にする計画でいたわけですが、現在の家は建売かつ築10年以上たっていますから、土地代に上乗せして「売れる」価値としてはまあ500万円程度だと考えると、

・現在の家を売っても、新しい家の土地代さえ全額はカバーできない

という事態になることがほぼ確実です。(広くなる分の土地代>現在の家の建物部分の売値、となるため)

ここで、次に買う家が建売だとするなら、土地代に上乗せされる「建物代」は相場的には1500万円程度、売れ残って値下げされたお買い得物件なら1000万円程度しか上乗せされていないこともありますから、売買での仲介手数料や引っ越し費用等を考慮しても、住み替えによって生じる新たな負担は2000万円以下に抑えることが可能と思われます。

ところが、注文住宅ではこうはいかないでしょう。
当時の私の中では、「注文住宅=3000万円」というのが、1つのはっきりしたイメージとしてありました
そのイメージが生まれた理由については次のエントリで書くつもりですが、ともかく、注文住宅だと最低3000万円はかかるから、土地代と合わせた住み替え費用総額は予算をはるかに上回るものとなり、土地代の不足分や各種別途費用とあわせて、4000万円近い新たなローンを抱えなければならなくなるんじゃないか、そう考えていました。
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2015年04月27日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(17)

さて、娘のために新しい家を探して始めてみて、新築戸建に希望ぴったりの物件がないため、手を広げて中古戸建も検討対象に加えることにしたわけですが、そもそも中古戸建は流通量が少なく、同じ条件で検索すると新築戸建よりも条件に合致する物件がはるかに少ないことが分かってきました。

さらに、問題はこれだけではありませんでした。

実際に、絞り込みの条件をかなり緩めて、何とか(検索条件上)希望に近い中古戸建をピックアップしてみた結果、もう1つの興味深い結果が浮かび上がってきました。

それは、我が家の希望条件に合致する中古住宅のかなりの割合が「二世帯住宅」だった、ということです。
まず、駐車スペースを2台分確保する時点で、その家が二世帯住宅である確率が飛躍的に高まります。
これに、3階建てではなく2階建てを希望したり、土地面積を広めに想定したりといった条件が重なると、印象として、検索に引っかかってくる家のうち半分くらいが二世帯住宅になっていました。

でも、いろいろ考えてみたのですが、二世帯住宅では、かなり無理をしても我が家では「使えない」という結論になりました。
何より、通常の戸建てのせいぜい1.2倍とか1.3倍程度の床面積の家を二世帯にしているため、部屋の数は多いもののそれぞれが狭く、収納も少なく、何よりも6畳程度の「お茶の間」的LD+古いアパートのような狭さのキッチン、みたいなLDKが2つある、といった使えない間取りになっているのです。
長女と妻は自宅にいるほとんどの時間をLDKで過ごしますから、これだけはありえないでしょう。

そして最後に、なぜここまで「条件に合致する中古戸建が少ないのか」というもう1つの大きな理由として、「売り出されている価格が相場を無視して高すぎる」ということがあげられます。

戸建ての値段は、ごく簡単に計算するなら、その家の面した道路に設定された路線価を1.3倍ほどして土地の値段を求め、そこに建物の価値を加算すれば求められます
日本の木造家屋は築20年でほぼ価値がゼロになることと、有名ハウスメーカーの注文住宅で高い家を建てても、中古になってしまえばその建築価額は維持されず、建売りよりちょっといい程度の評価にしかならないことを考えると、築10年の家の建物の価値は、4LDK程度の家なら高くても1000万円が関の山でしょう。建売ならさらに下がって数百万といったところでしょうか。

だとすれば、築10年程度の4LDKの中古戸建の値付けは、土地の値段(路線価の1.3倍)+1000万円以下でなければおかしいはずですが…。

実際には、この計算から求められる適正価格で売られている物件はほぼ皆無で、それより1000万円近く高く売られている物件がザラにあります。
その結果、土地の値段+1500万円程度で売りに出されている新築建売よりも高い、築10年以上の中古戸建がぞろぞろと並ぶわけです。
下手をすると、もはや建物価値ゼロになっているはずの築20年以上の中古戸建が、土地の相場+1000万円よりも高く売られていたりして唖然とすることもしばしばです。

こうなってしまう理由は、値段をつけている売り主がプロの不動産業者ではなく、個人であることによるものが大きいのだと思います。
土地の現在の相場、建物の経年による急激な価値の下落、周囲の新築物件の価格などを考慮せずに、「買った値段がいくらだったから」という理由で、そこから少し下げただけの値段をつけて売りに出されてしまう物件がとても多い、ということを、不動産業者の方からも聞きました

ともあれ、そんなこんなで、中古戸建は流通量も少ないし、スペックも(二世帯住宅だったりして)合わないし、しかも値付けがムチャクチャで割高な物件だらけ、ということで、結局、少なくとも我が家にとっては検討対象にはほとんどならないことが分かりました。

我が家の家探しは、またもや振り出しに戻ってしまったわけです。
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2015年04月20日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(16)

さて、現在住んでいる家よりも少しだけ広い家を郊外に探そうとして、建売りではそういうスペックの家がほとんど存在せず、いま周囲に建つそういう家はすべて注文住宅だった、ということに気づいた私たちは、検討の範囲を「建売住宅のみ」から少し広げて、「中古住宅」も探してみることにしました

中古住宅のなかには注文住宅も多数存在するので、それなら私たちの希望スペックに近い物件もたくさんあるんじゃないか、という期待です。

でも、この期待は(この期待「も」?)、いくつかの角度から、裏切られることになります。

まず、戸建ての中古住宅というのは数が非常に少ない、ということ。

そして、建売りと違って注文住宅も多く含まれる中古住宅では、「売れ筋のスペック」から外れた物件も多いのですが、その「外れ方」が、我が家が希望するような方向とは合致しない場合がほとんどだということ。

そして、中古住宅というのは売り主が個人であることが多いためか、「相場観がメチャクチャ」なことが非常に多いということ。


こういった理由から、中古住宅を探してみた結論は、「これならまだ新築戸建のほうがマシ」というものでした。

いかに「中古の戸建て」が不作かということは、実際に大手不動産サイトである「SUUMO」さんで東京の不動産を検索してみるとすぐ分かります。

いまこの原稿を書いている時点で、「東京の中古の戸建て(所有権)」は、5042件でした。ただし、戸建てには大きく分けて「2階建」と「3階建」があり、この2つはまったく別カテゴリと言えますから(建っているエリアの用途地域からして違います)、「東京、所有権、2階建」という中古戸建をみることにすると、3824件となります。
ここから、「現在の家より古い家や、駅遠の立地は避けたい」ということで「築10年以内、駅徒歩10分以内」という条件を加えると、もう325件まで減ってしまいます
(ちなみに、ここまでの条件を中古マンションにあてはめると2663件となり、中古戸建の8倍以上あります)

さて、この325件をさらに絞り込んで、「5500万円以内、土地110m2以上、建物90m2以上、4LDK以上」という条件を加えると、件数はなんと31件まで減ります。「東京都全域」で、これだけしかないわけです(もちろん、首都圏の他県を加えれば増えるでしょうが、ここはあくまで検索例ということで)。

ここにさらに「私の勤務先まで通勤60分以内」という条件を加えると…たった5件!
そして、「駐車スペース2台分」を加えると、見事に0件になりました

これでは、希望する沿線とかを選ぶ以前の問題です。

ちなみに、この条件が厳しすぎるわけではないことを示すために、上記とほぼ同じ条件で「新築戸建」を検索してみましょう。
「東京の新築戸建(所有権)」で10465件、2階建に限定して7869件、駅徒歩10分以内で2898件、「5500万以内、土地110m2以上、建物90m2以上、4LDK以上」で601件、「通勤60分以内」で189件、「駐車スペース2台」で78件となりました。

中古戸建で「0件」になった条件で、まだ80件近く物件が残っています
ここから、まだ沿線を絞り込むこともできますし、通勤時間などの条件をさらに厳しくすることもできるわけです。

簡単にいうと、「中古戸建は、新築と同じ条件でさがしても、新築よりショボイ物件しか見つからない」という驚愕の結果になるわけです。

さらに、問題はこれだけではありません。
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2015年04月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(15)

さて、そんなわけで、建売住宅というのは本質的に「企画物件」であって、「売れ筋」かつ「利回りがいい」企画だけが選ばれて量産される構造があるため、以下のような似たりよったりの物件が、エリアだけを変えてずらりと立ち並ぶという、バリエーションの少ない状態になっていることが分かりました。
(まあ、これは考えてみると割とマンションでも同じですね。)

1)3階建ての狭小住宅。



 60〜70m2程度の狭い土地に建てられる3階建てのプラン。
 1階がくり抜かれて車庫と玄関(広さによっては+納戸)になっていて、2階がリビングや水回りの生活空間、3階が子ども部屋や寝室になっている間取り。
 建物の床面積は90m2程度あるものも多く、土地の狭さとは裏腹に、実は2)よりも広い家が建つ。間取りは4LDKや3LDK+Sなど。2階のLDKには吹き抜けが設定されることが多い。
 いわゆる「えんぴつハウス」であり、縦に細長い家が数件並んで分譲されるイメージ。隣家との間隔は非常に狭く人が通れないほど。

2)土地100m2、建物80m2の低層2階建て住宅。



 2階建てまでの家しか建てられない「低層地域」に建てられる2階建て住宅。
 建ぺい率に余裕があるので、建物とは独立した1台分の駐車スペース+小さな庭などがあり、隣の家との間隔にも余裕がある。
 建物の広さが80m2までしかとれないので(容積率80%の場合)、間取りは3LDKが中心で4LDKだと各部屋が残念な広さになる。
 住宅街で相続のために売りに出された広い土地が2〜4分割されて建売り分譲されるようなイメージ。

建売りで売られているのは、ほぼほぼ上記の2つのどちらかか、さらにここからスペックを落として(=狭くして)格安物件として売られているかだという印象です。

逆に、このスペックよりも「上」で売られている建売住宅は、ほとんど見当たりません。
特に「駐車スペース2台分」というのは、およそ東京エリアの建売ではほとんどないと言っても過言ではないと思います。

建売住宅が、これほどまでに「ワンパターンの狭い企画」の範囲内だけで売られているとは、これまでまったく気づきませんでした。
前回、2004年にいまの建売りを買ったときはそういうことにまったく気付かなかったのですが、それは、当時私たちが探していた物件の条件がちょうど建売の「売れ筋」に合致していたので、気付かなかっただけだったのです。

では、先にも書きましたが、なぜ周囲の家をざっと見回したときには、我が家が希望するような条件に合致した家がいくらでも見つかるのでしょうか?

この謎については、「建売りの現状」を知ってから改めてそういう家を見てみて、ものすごくシンプルな「答え」があることに気づきました。
つまり、そういう家はすべて、

建売住宅ではなく注文住宅だった。

ということ
です。

これは、家を買ったり建てたりした経験のある人には常識なのかもしれませんが、建売住宅というのはあくまでも「ミニマムの水準を満たしたベーシックな家」というラインナップ「だけ」しか存在しておらず、それよりもスペック的に(それは建物の面積も含みます)少しでも上の家は、注文住宅でのみ供給されている、ということだったわけです。

でも、この事実に最初に気づいた時点では、それでも注文住宅を建てるなんて予算は用意できないから、何とか別の選択肢がないだろうか、と悩んでいました。

そこで「建売り住宅」に続く第2の選択肢として、「中古住宅」を探し始めたわけです。
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2015年04月06日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(14)

前回書いたとおり、家探しを始めてすぐに、我が家が希望する条件に合致する建売住宅は、市場にほとんど存在しないことが分かってきました。

その理由の第一は、そういう条件に見合った家を建てるには一回り広い土地面積が必要で、そうすると建売り住宅の売り出し価格が一般的な売れ筋の価格帯よりもかなり高くなって「売れない物件」になってしまう、ということでした。

でも実際には、それだけが理由ではありません。

もしそれだけが理由なのであれば、あえてニッチな市場を狙って一定量の建売り住宅が供給されてもおかしくありません。
でも実際には、こういう「土地の広い建売り住宅」を建てるのは、業者側にとって「おいしくない、儲からない」という事情があり、だからこそ「供給されない」ようなのです

たとえばここに、400m2くらいの土地があったとします。
もしこの土地を3つに分割して、大きめのゆったりした4LDK+駐車場2台という家を建売りで建てて売りに出しても、割高感が出てまず売れません。結局、値下げして売らざるを得ないことになります。
それなら、最初から4分割して、3LDK+駐車場1台というコンパクトな4軒の家を建てた方が、値ごろ感が出て売れやすく、しかも3軒ではなく4軒も売ることができる、ということで、売り上げの合計もずっと大きくなることがほとんどです。

一般的に、家が小さければ小さいほど、売り出し価格の坪単価は割高となります。
これは、もちろん建築単価自体が割高になるということもありますが、それ以上に、家を小さくしてたくさんの人に売ったほうが土地としての「活用密度」、付加価値が上がり、投資不動産として利回りが良くなっていく、という傾向があることも見逃せません。
いわゆる投資マンションがことごとくワンルームマンションばかりで、ファミリー向けの物件を投資対象にする業者も投資家もほとんど存在しないのも、これと同じ構造です。

このような「不動産に投資する側・売る側」のメカニズムが働くために、建売りの企画というのもほとんど常に、「その土地で可能な最も細かい区画に分けて、コンパクトな家を建て、割安感を出してできるだけ多くの人に売る」といったものになってしまうわけです。

都心ではなく郊外にいけば土地が安くなるから広い建売りが選べるのでは?と思ったりもしますが、実際にはそうではなくて、郊外で家を探す人はそのぶん予算を下げて探しているので、結局同じような割安の企画の建売りばかりが流通する結果になってしまうわけです。

もちろん、「4LDKで駐車場2台」という建売りも、探せばあるにはあります。
でもそういった物件はたいてい、「駅から遠い」のです。
それは結局、建売りというのは「売れる値段帯」が決まっていて、その範囲内で「広い家」を建てようとすると、どうしても地価の安い「駅から遠い家」になってしまう、というからくりがあるわけですね。
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2015年03月30日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(13)

希望の条件に合う建売りを探し始めてすぐ、「そんな建売りはほとんど市場に存在しない」ということに気付かされることになりました。

私の中で、最低限これだけは譲れないと考えていた条件は(再掲しますが)だいたい次の4つでした。

1)駅近徒歩圏の物件であること。
2)駐車スペースを2台分確保していること。
3)狭小部屋のない4LDKの間取りであること。
4)一種低層地域の2階建て住宅であること。


不動産についてご存知の方ならすぐに気づくとおり、これらの条件をすべて満たすために絶対的に必要なものは、一定以上の「土地の広さ」になります

4)の条件があるため、都心によくあるような3階建ての狭小住宅は対象から外れます。
また、3)にあるとおり、一種低層の土地に3LDKではなく4LDKの家を建てようと思うと、土地面積は100m2(30坪)では足りず、最低でも110m2(33坪)、できれば120m2(36坪)程度欲しくなります(建ぺい率40%、容積率80%の場合。50-100%の場合、もう少し狭くても4LDKは建ちますが、その場合2)の駐車スペース2台分が確保できない可能性が高くなるため、やはり最低ラインは110m2程度になるようです)。
また、2)の駐車スペースの条件を満たすためには、土地の形は整形地に近くなければならず、かつ、かなり余裕をもった建物配置が求められます。
そして、そんな土地を、1)の条件にあわせて比較的地価の高い駅近エリアに確保しなければならないわけです。

一方、首都圏の住宅用不動産の価格を決める最大の要素は、言うまでもなく「土地の面積」です。
首都圏の建売住宅の場合、いわゆるパワービルダーと呼ばれる建築業者が超ローコストで規格化された家を建てるため、土地と建物のコスト比率は、通常でも3:1とか、ひどいのになると4:1とか、そのくらいになります。
しかも、土地だけじゃなく家の方も、建築費は「坪単価」が基準になるので、土地の広さに比例して値段が上がっていきます。
つまり、土地の面積が家の値段をほぼ決めるといっていいわけです。

首都圏で、「売れ筋の(閑静な住宅地の2階建ての)建売り住宅」の相場スペックというのは、概ね、

・100m2(30坪)程度の土地に、
・間取り3LDKの建物、
・駐車スペース1台分。


というもので、これだと同じエリアで売っているファミリー向けマンションと同じか、わずかに高い程度の値頃感が出せることが多いようです。

ここで、同じエリアで100m2ではなく120m2の土地を確保し、より広い家を建てようとすると、ほぼ単純にコストが20%アップします。
首都圏で家を建てるコストが20%上がるということは、シンプルに、売り出される価格が1000万円程度高くなるということです。

マンションや建売りを買いたいと思う人の多くにとって、ある物件の価格が他の物件と1000万円違っていたら、もうそれは「自分たちとは関係のない、検討対象外の物件」と映るでしょう。

そんなわけで、我が家が希望する条件に合致した建売住宅というのは、売れ筋から大きく外れてしまうため、企画されず、市場にも出てこない、ということになるわけです。
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2015年03月23日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(12)

さて、住替えのための家を郊外に探そう、ということで、さっそく不動産情報サイト等を活用して希望する条件の家を探し始めたのですが、ネットサーフィンを始めてからわずか2,3日で、かなり重大な事実が判明してきました。

その「事実」とは、シンプルに、

・希望する条件に合った家がほとんど市場に存在しない!

ということでした。

といっても、私が希望していた条件というのは、少なくとも私からみれば「ごく当たり前」の条件ばかりで、特殊なものはまったく含まれていません。

具体的には、

1)駅近の物件であること。具体的には最寄り駅から徒歩12分以内くらいでバス利用なし。
2)妻の実家の両親がいつでも来られるように、駐車スペースを2台分確保していること。
3)子ども部屋以外はすべて6畳以上、主寝室は8畳以上を確保した、4LDK(以上)の間取りであること。
4)今までと同等の住環境を維持するため、一種低層地域の2階建て住宅であること。


実際、周囲を見渡しても、こういった条件を満たす家はいくらでもあります。ですから、特にハードルが高い条件ではなく、たくさんの物件の中から選べるだろうと思っていたのですが、この条件をすべて満たす建売り住宅は、ほとんどありませんでした。
これは、現在も状況は変わっていないと思いますので、首都圏エリアの住宅情報サイトで実際に検索してみるとすぐわかります。

なぜでしょうか?

これはたくさん物件にあたって、だんだん気がついたのですが、私が上記であげたスペックは、

・建売り住宅を買いたい層に人気のある=売れやすいスペックではない。
・建売り業者にとっても、利益を最大化しにくいスペックである。


というのが理由だったようです。

簡単に言ってしまうと、私があげた条件をすべて満たす建売り住宅を作ると、建売り住宅としては割高になり、よく売れる価格帯をオーバーして売れない物件になってしまう、ということだったのです。

建売り物件は、売れやすい価格帯がだいたい決まっています。
簡単にいうと、「同じエリアで家族向けの新築マンションを買うのと同じ価格帯に収まっていること」が、「売れる建売り住宅」の条件になっているらしいのです。
それによってお客さんに「マンションか、一戸建てか」という選択肢を提示して、「やっぱり土地付きがいいよね」という形で建売りを買ってもらうというのが、建売りのセールスの一連の流れとしてあるわけですね。

ところが、私の希望する条件をすべて満たそうとすると、どうしてもその「売れ筋」から外れてしまうのです。
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2015年03月16日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(11)

前回書いたとおり、私は不動産を買うときには、実際に現地に足を運び、物件をたくさん見て多くの業者の方と話し、買いたい物件やエリアについての「カン」みたいなものをしっかり身につけたうえで、物件を選ぶようにしています。

もはや物件情報はみんなネットワークで共有されているから同じエリアに建ち並ぶ複数の業者をはしごしても意味がない、という意見もありますが、実際に動いてみるとこれはまったく正しくないことが分かります。
同じエリアで同じ希望条件を伝えても、営業マンが勧めてくる物件が丸かぶりすることはほとんどなく、そこでどういった物件を案内してくるか、現場でどんな説明をしてくれるかといったことによって、営業マンのセンスや能力が分かったりします。

そんなわけで、現地で実際に訪問・見学する物件の数はこれまでのどの不動産の購入の機会においても2桁に優に達し、だいたい最低でも20件ほどは現地で実際の物件を見ています。

後述しますが、今回は買う物件が「建売住宅」→「土地」と途中で変わったこともあり、エリアの選択にも相当悩んだこともあって、建売と土地を両方足すと50件ほども現地を見ることになりました
さらにその先に「工務店選び」「間取りの打合せ」「ショールーム巡り」「仕様打合せ」「外構業者選びと打合せ」など、ありとあらゆる要素でいろいろなところを飛び回りましたから、本当に忙しかったですね。

この「足を使う」というのは、これまで何度か不動産を購入したときと基本的にはまったく同じやり方でしたが、一方で、本格的にネットで物件探しをやったのはこれが初めてだったかもしれません。
引越前の家を購入した(2003年〜)2004年の時点では、まだ住宅情報誌のような「紙メディア」のほうが情報が豊富でしたし、それより後のリゾートマンションの購入(2006年)のときは、物件が物件だけに、「情報誌やネットでアタリをつけつつも、実際には現地の不動産屋を巡ってその場で物件を紹介してもらう」というのが事実上唯一可能なやり方でした。
一言で「現地」と言っても、実際には遠くの観光地ですから、まさに朝から晩までかかるひと仕事でしたし、それを熱海(2回)、湯河原、石和、富士五湖(2回)と6回も回ったので本当に大変でした。

さらに遡って、結婚したころに買った新築マンション(2000年)のときには情報誌すら網羅性に乏しく、希望の沿線の駅で1つ1つ降りて散策しながら、マンションの看板やのぼりを見つけてモデルルームに飛び込む(+情報誌で見つけた物件を訪問する)という、今では考えられないような物件探しをやっていたのを、今さらながらに思い出します。

ともあれ、今回もいつもと同じく「足」を使って希望の条件に近い物件を訪問して回ろうと考え、戸建ての中では最もコストパフォーマンスの高い「建売住宅」で探し始めたのですが、少し頑張ってみて、重大な事実にいきあたります
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2015年03月09日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(10)

さて、以上のような経緯で「家の買い替え」を真剣に検討することになりました。
この検討を開始したのが、2013年の10月ごろ、2人目の子どもを授かったことがわかり、妻が安定期に入ったころのことでした。

まだ本当に買い換えるのか、タイミングはいつなのかといったことははっきりしていませんでしたが、まずは情報収集ということで、ネットで不動産情報を収集し、興味のある物件を実際に見に行くところから始めたわけです。

ところで私は、不動産を選ぶときには、徹底的に頭と足を使います。

まず「足」のほうですが、思い立ったらすぐに情報収集を始め、本命だと感じた物件だけでなく少しでも興味をもった物件があればどんどん業者に連絡を入れて見学をさせてもらい、単に「買いたい物件をチェックする」ということにとどまらず、周辺エリアの雰囲気や環境を確認したり、物件の相場観や設備のグレード感などについて「勘どころ」を短期間で習得することに全力をあげます。

同時に、買おうと思っている不動産についての最新の知識をあらゆる手段を使って集め、勉強し、いい物件を的確に評価し、選べるように知識武装していきます。
こちらが「頭」のほうですね。

不動産については特にこれが重要で、さまざまな問題があって使い物にならない、「クズの不動産物件」がわんさかと溢れています。
特に、土地から買って家を建てるなんていうケースの場合には、ぶっちゃけ「売りに出ている土地の半数以上はろくでもない物件だ」と言っても過言ではないのではないでしょうか。
なぜなら、「住宅用の土地」というのは製品でいうと「最終製品」ではなく「原材料」であって、その買い主は個人だけでなく業者も含まれるからです。
個人で土地を買って家を建てようという場合、ライバルは、同じように家を建てて住みたい個人だけでなく、「(建売住宅を建てたり、きれいに整備・分割して分譲地にしたりといった)付加価値をつけて転売して利益を得たい」という業者も含まれます。
そして、業者のほうが資金力もあって情報も早いため、いい土地はだいたい先にそちらで押さえられてしまい、コネのない個人が見られるような場所(ネットなど)に情報があがる頃には既に「売れ残り」ばかり、という状況になりがちです。

そんな「ろくでもない物件だらけ」の魑魅魍魎の不動産の物件情報のなかから、自分にあった物件を見つけていくためには、「ろくでもない物件をろくでもない物件だと見分ける」ための知識武装が絶対に欠かせない、ということになります。
この「知識武装」の筆頭が、建築基準法をはじめとする建築上の法的規制に関する知識でしょう。用途・地域や建ぺい率・容積率、接道ルール、そして斜線規制・高さ規制などについて十分分かっていないと、ほぼ確実に「思ったような家が建たない」という事態に陥ります。
それが嫌なら、信頼できる大手業者が建てる家を買うのが無難な選択ですが、その場合、恐らく「自分で全部選ぶ」のに比べると1000万円単位での「割高な買い物」をする覚悟が必要になると思います。

そして最後は「足」と「頭」の融合です。
先にも書いたとおり、実はネットなどの不動産情報に出てくる物件は、「情報の早い業者」や「資金力のある投資家」、「不動産業者が持っている見込み客リスト」などによる「買い付け」が終わったあとの「残りもの」であるため、正直、魅力的な物件には乏しいです。
そこで、まずは多少でも条件に近い物件を見つけたらどんどん不動産業者とコンタクトをとり、物件を見せてもらいながら、営業マンに細かい希望や物件の気に入ったところと気になるところを伝えることで、先の「見込み客リスト」のなかに自分も入れてもらうのです。
そうすれば、その業者のもとに希望に近い新規物件が入ったとき、ネットに掲載されるよりも早く連絡がもらえる可能性が高まる、というわけです。

実際、以前セカンドハウスを探したとき、最終的に買った物件は、業者から直接「いい物件が新しく入ったんですがどうでしょう?」と連絡を受けた、ネットにまだ載せていない物件でした。それを即決して申し込んだため、この物件は結局ネットには出ませんでした。
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2015年03月02日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(9)

長女の高等部進学問題への対応から、「郊外への引っ越し」という、非常に大きなお金の動くアイデア(これまで整理してきたアイデアリストでは8)に該当)が浮上してきたわけですが、この8)のアイデアには、単に長女の高等部進学問題を解決すること以上のメリットもありました。

その中でももっとも大きなものは、

・今より広い家に住むことができる。

ということです。

今回、我が家には次女が生まれて4人家族になりましたが、次女が大きくなって個室が必要になるころには、いまの家がかなり手狭になることが予想されました。

もともと私が「モノの多い人間」で、本を自炊する前は本棚だけで壁一面相当くらいありましたし、それが自炊によりなくなった現在でも、デジカメ、ギターのエフェクター、スマホやタブレット、音楽CD、ゲームソフト(これは最近はまったく増えなくなりましたが)など、やはりモノは非常に多く、部屋がモノで溢れています。
そのために、現在の家の狭い部屋割では自分の個室と寝室を1つの部屋にまとめられず、2室使ってしまっている状態です。
ですから、このままこの家に住み続けるためには、レンタルロッカーみたいなのを借りるか、「断捨離」を断行して持ち物を劇的に減らすか、折りたたみベッドのような省スペース寝具を導入するか、私が寝るときはリビングを寝室にするといったトリッキーな環境を作るか、いずれにしても何らかの無理が生じる妥協が必要になると予想されました。

そしてもう1点、次女が生まれたことで現在の家が「手狭」になる要素がありました。

それが、

・小型車しか選べない駐車場の制約がある。

ということでした。

我が家には家の前の敷地に駐車スペースがありますが、ここが奥行き4mあって、長さ4m以下のクルマ(軽自動車や小型車が該当)だと縦に(道路に垂直に)クルマを停められます。
それより全長の長いクルマも停められるのですが、その場合は道路に平行な縦列駐車になり、自宅への侵入方向が1方向に限定されるうえに駐車の難易度が格段に上がります。

ですので、我が家では4m以下の小型車を選んで買っているのですが、次女が生まれ、子ども中心の4人家族になったことで、この大きさのクルマだとかなり狭いと感じるようになってしまいました。
あと20cmでもいいので長さを伸ばせると選べるクルマが格段に増えるため、できれば駐車場のもっと広い家に引っ越せないだろうか、という話がもともと出ていたわけです。

ですので、次女が生まれた時点で、我が家には(長女の問題抜きで)ある程度「住替え」のニーズが発生していた、ということになります。

だとすれば、

・長女の進学問題も解消し、
・家族が増えたことによる家の狭さ、駐車場の狭さの問題も解消できる、


「今の家を売却する、郊外への完全な引っ越し」を選ぶのが、もっとも合理的でしょう。

そんなわけで、今回の問題の解決方法として、8)のアイデアが俄然現実味を帯びてきたわけです。

※ちなみに、ここに並んでいないアイデアとして、「妻子のみ長女が高校の3年間だけセカンドハウスに引っ越す」というのもありました。富士五湖エリアにあるセカンドハウスのマンションは、意外と地域の特別支援学校に近く、一時はかなり真剣に検討したのですが、やはり卒業後の居場所の確保が非常に困難になるということと、病気などのときに対応しきれないだろうということで却下となりました。
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2015年02月23日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(8)

「長女の高校通学問題」を解決するための8つのアイデア、

1)現状維持
2)学区の高校の近くに家を借りる(家族全員)
3)学区の高校の近くに家を借りる(母子のみ)
4)隣の市区に家を借りる(家族全員)
5)隣の市区に家を借りる(母子のみ)
6)郊外に家を借りる(家族全員)
7)郊外に家を借りる(母子のみ)
8)自宅を売却して郊外に転居


の検討のプロセスについて書いています。主な評価基準は以下のものです。

①コスト
②通学の利便性
③卒業後の進路
④次女の幼稚園
⑤家族のつながりとバックアップ体制
⑥妻の実家からのサポートの受けやすさ
⑦住居の防音性能
⑧その他


2)から5)まで、どれもコストの割にメリットが小さく、納得して選択するのは難しいということが分かってきました。
残るは6)7)8)です。

6)7)8)は、現住所よりも郊外に出るプランになります。そして、その郊外の学区の特別支援学校とは、もともと小学校低学年のころから越境入学するつもりだった学校になります。
したがって、現住所よりも都心に向かうプランである2)から5)と比較すると、コスト面では負担が軽くなりますし、電車を利用するのもラッシュとは反対方向になるため十分に現実的です
さらに、郊外に住む妻の実家の両親にとっては現在よりも来るのが近くなり、次女の幼稚園の問題も生じないため、他の案に比べるとメリットが大きいのは一目瞭然でした。
一方、私の通勤時間が長くなることや、行政サービスが若干低下するなどのデメリットがありますが、これらは「そこに住めば当たり前のこと」でもあるので、妥協は十分に可能な範囲だと思われます。

ただ、この3つの選択肢のうち、6)7)の選択肢においては、「③卒業後の進路」という問題が残ってしまいます
郊外に引っ越して、郊外の学校に通って卒業した後、いきなり現住所に戻ってきても、いったん周囲とのつながりが「切れて」しまった現住所で、改めて長女の卒業後の進路を見つけるのは簡単なことではないように思われます。

そして、もっと率直にいえば、いったん家族が郊外に出てそこで生活を始めるのであれば、卒業後に現住所に戻ってくる必然性があまりない、ということもありました。
2)3)4)5)については、「一時的な」引越し先が現在以上に都心になるため、そちらに娘の卒業後も住み続けるというのは住環境と住宅コストの観点から考えにくかったのですが(上記⑦の住宅の防音の問題もあり、基本的に戸建て志向でもあるため)、引越し先が郊外で、いったん生活の拠点をそちらに移してしまうのであれば、いっそのこと現在の家を売却して、そちらにずっと住んでしまうほうが、さまざまな意味で合理的であるように思われます。
実際、「本来の用途で利用されない不動産を所有している」ことは、極めて非効率的でムダな資産運用であることは間違いありませんから。

もちろん、8)の選択肢は、他のどの選択肢よりも高額の費用がかかります。
でも、2)から7)までの選択肢が、せっかくの持ち家の利用を一時的に不全な状態にしたうえで、消えてしまうコストを賃貸住宅に大量投下するものであるのに対して、8)の場合、かかるコストは住宅という資産への投資という側面をもっており、また低金利の住宅ローンも活用できることなどもあって、「将来に残らない実質的なコストの費消がどの程度あるか」という視点で見ると、動くお金の大きさと比べ、実はそれほど「損失」が出るわけではない、と考えることもできます

私は、上京してから、結果的に不動産の売買を何度も経験するハメになりました(実はどれも計画的なものではないのですが、これについては改めて書きたいと思います)が、そこで分かったことは、不動産というのは上手く売買すると意外とコストがムダにならない資産であり買い物だ、ということです。
今回も、現在の住居を売却して得られた売却資金を「頭金」として郊外に新しい家を買うのであれば、資金計画的には十分に現実的な範囲に収まります。

そして、この8)の案にはさらに別のメリットもありました
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2015年02月16日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(7)

さて、「長女の高校通学問題」を解決するための8つのアイデア、

1)現状維持
2)学区の高校の近くに家を借りる(家族全員)
3)学区の高校の近くに家を借りる(母子のみ)
4)隣の市区に家を借りる(家族全員)
5)隣の市区に家を借りる(母子のみ)
6)郊外に家を借りる(家族全員)
7)郊外に家を借りる(母子のみ)
8)自宅を売却して郊外に転居


について、以下の評価基準にあてはめながら、検討していきました。

①コスト
②通学の利便性
③卒業後の進路
④次女の幼稚園
⑤家族のつながりとバックアップ体制
⑥妻の実家からのサポートの受けやすさ
⑦住居の防音性能
⑧その他


2)3)がコストと生活圏変更により厳しいということで、次に4)と5)です。

先のエントリでも触れたとおり、我が家は所属する市区の外れにあり、10mも歩くと隣の市区になります。そして、その隣の市区の場合、学区として指定されている特別支援学校が変わるという事情があります。
ですから、その隣の市区に引っ越すことで学区を変え、そちらで指定されている特別支援学校の高等部に通う、というのが4)5)の選択肢のミソになります。

この4)5)の選択肢については、前エントリの2)3)と似ている部分と異なる部分があります。

「似ている部分」としては、隣の市区の学校自体はいまの市区の学校と同じかそれ以上に都心にあるため、「学校の近くに引っ越す」という選択肢を選ぼうとすると、2)3)と同等以上にコストがかかる、という点があげられます。
それであれば、住所変更等の必要の必ずしもない2)3)のほうがまだメリットがあるため、4)5)を選択する必然性はありません。

ただ、4)5)が2)3)と「異なる部分」として、あえて学校の近くには住まずに現住所のそばに引っ越す、という選択がありうる点があげられます。
そして、自宅近辺から隣の市区の特別支援学校へ電車で送迎する場合、所要時間が1)の半分強、乗り換えは1回も必要ないので電車での送迎がある程度現実的になるだけでなく、車で送迎するのも幹線道路1本で近くまで行けるということもあります。

つまり4)5)の場合、あえて学校の近くではなく現住所の近くに部屋を借りる、という選択肢になる、ということです。
これにより、現在の生活や卒業後の進路に大きな変更を生じさせることなく、越境入学のような効果を得ることができるメリットが生まれます。マイカーも、いまある1台をそのまま家族で共有し自宅に停めておけばいいので新規取得コストも駐車場コストもかかりません。

言い換えると、4)5)の選択肢とは、3年間近所にセカンドハウスを借りるコストを支払うことで、実質、1)の「現状維持」に近い状態で確実に越境入学を実現する案だということになります。

ただ、この選択肢の場合、隣の市区に借りた部屋に住民票を移してそちらの住民になる必要が当然に生じます(ここが2)3)と違うところです)。
「新居」が現在の自宅のそばだったとしても、生活の実態を「新居」に移さなければ住所の偽装と受け取られかねないため、少なくとも平日、妻と子どもはそちらで生活することになるでしょうし、そのためにはやはりファミリータイプのマンションないしアパートを借りる必要はあります。
そうなると、2)3)のケースほどではないとはいえ、やはり3年間で数百万円の出費は避けられません。
しかも、それだけの出費と家族の一定の分断を伴いつつ、通学にはラッシュアワーの電車もしくはラッシュの渋滞道路に突っ込んで、現状維持よりは短くはなるものの片道1時間(妻は2往復なので毎日4時間)かかり、次女の幼稚園問題に困難が残るというのは、あまり納得できるものではないように感じられました。
とはいえ、この選択肢は比較的現実的であるため、実は最後の最後まで検討の俎上に残っていました。
posted by そらパパ at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2015年02月09日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(6)

さて、「長女の高校通学問題」を私的に解決するための方策案として、以下の8つを検討の俎上に乗せました。

1)現状維持
2)学区の高校の近くに家を借りる(家族全員)
3)学区の高校の近くに家を借りる(母子のみ)
4)隣の市区に家を借りる(家族全員)
5)隣の市区に家を借りる(母子のみ)
6)郊外に家を借りる(家族全員)
7)郊外に家を借りる(母子のみ)
8)自宅を売却して郊外に転居


そして、これらの案を比較検討する際の評価基準として、以下の8つを考慮することにしました。

①コスト
②通学の利便性
③卒業後の進路
④次女の幼稚園
⑤家族のつながりとバックアップ体制
⑥妻の実家からのサポートの受けやすさ
⑦住居の防音性能
⑧その他


以上をふまえて、各案を検討していきます。

まず、1)はそもそも論外です。

1)では問題が解決できないから他のアイデアを探しているわけなので、せいぜい、他の全てのアイデアがダメだった場合の「やむを得ない選択」としてしか、選ぶ価値がないでしょう。

次に、当初は有力な候補だと考えていたのが、2)もしくは3)でした。

この選択肢のメリットは、住民票を移したりする意味での引っ越しが必ずしも必要でないということです。
住所は今のまま、セカンドハウス的に学区の特別支援学校の近くに部屋を借り、そこをある種の「拠点」にして長女の通学をサポートする態勢を組むのであれば、各種手続きはほとんど必要ないですし、借りる部屋は寝泊まりと平日の生活ができる最低限の広さにして、必要に応じて現在の自宅と行き来するようにすれば済みます。
学区の特別支援学校はいわゆる「より都心に近い人気のある住宅地」に所在しているため、賃貸住宅が非常に高く、コストの問題を考えるとほぼ必然的に選択肢は2)ではなく3)になっていきます。
ただ、そうは言っても⑦の問題があるため、選ぶべき住居はアパートではなくマンションの1階ということになります。
さらに、ワンルームではさすがに狭すぎるので(小さめの)ファミリータイプの部屋ということになり、さらに子どもを連れての移動にマイカーが欠かせないとなると駐車場も契約しなければなりません。そのような条件で相場をチェックしてみた結果、どうしても部屋+駐車場の賃料だけでも月15万円は確実に超えてきてしまうことが分かりました。
それ以外に、「拠点」のためのマイカーの購入費と維持費(税金・保険・車検等)も、軽自動車程度は必要になるのでかかってくるでしょうし、夫婦が別居になると生活費もダブルでかかりますから、そういったものを全体でならすと、やはり月あたり20〜25万円程度のコストがかかり続けることが確実です。

これを3年続けるとなると、800万円程度のコストになるでしょう。
しかも、このコストは全て「消えてしまって何も残らないコスト」であり、かつ家族はばらばらになり、妻の実家からも不便でサポートも期待できなくなります。
さらに、高校(および平日拠点)の場所と、卒業後に戻ってくる自宅とは、同じ市区とはいえまったく別の生活圏であるため、長女の卒業後の進路を見つける活動にも大きな支障が出ることが予想されます。

同じ大金をかけるにしても、それで十分に納得のいく解決になるならまだしも、このように妥協しまくり・問題ありまくりの「解決法」に、これだけの大金を費消してしまうことは、あまりにもったいなく、生産的ではありません。

というわけで、2)および3)については、主にコストの問題と卒業後の進路の問題から、選択肢としては問題があるという結論に達しました
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2015年02月02日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(5)

さまざまな事情により、このままでは長女が特別支援学校の高等部に進学しても通学が極めて困難になってしまうという問題が生じたため、我が家では家族全員で(といっても事実上は私と妻の2人ですが)解決策を模索することになりました。

そのなかで、具体的に考えついたアイデアは、たとえば以下のようなものでした。

1)現状維持。いまの自宅に居を構えたまま、なんとか越境入学できるように頑張るが、それができなければ学区指定の高校に送迎する。

2)学区で指定された高校の近くに賃貸住宅を借りて3年間だけそちらに住む(家族全員)

3)学区で指定された高校の近くに賃貸住宅を借りて3年間だけそちらに住む(母子のみ、土日は自宅に戻ってくる)

4)隣の市区に賃貸住宅を借りて学区を移し、3年間だけそちらに住む(家族全員)

5)隣の市区に賃貸住宅を借りて学区を移し、3年間だけそちらに住む(母子のみ、土日は自宅に戻ってくる)

6)市区が変わる郊外に賃貸住宅を借りて学区を移し、3年間だけそちらに住む(家族全員)

7)市区が変わる郊外に賃貸住宅を借りて学区を移し、3年間だけそちらに住む(母子のみ、土日は自宅に戻ってくる)

8)市区が変わる郊外に家を購入し(または賃貸で借りて)、自宅を売却してそちらに引っ越す。


他にもいろいろ考えましたが、それなりに現実的に検討できるものとしては、概ね上記のようなものに収まりました。

ここで、それぞれの選択肢を比較するためのポイントは、以下のようなものでした。

①コスト
 長女が高校にいる3年間にかかるコストがどの程度かかるか。不動産がからむため、選択肢によっては数千万円単位のコストがかかりうるので、これは検討にあたってのかなり大きなポイントになります。
 家族全員で引っ越す場合、現在の自宅を貸し出して収益を得るチャンスもなくはないですが、戸建ての賃貸というのは流通市場が極めて弱いのでカウントしないことにしました。(家を賃貸に出す場合、引越し先に入り切らない荷物をレンタル倉庫に預けることにもなり、さらにコストが膨らむという問題もありました。)
 家族が別居する選択肢の場合、マイカーをもう一台買うコストと維持費も必要でしょう。

②長女の通学(親の送迎)の利便性
 長女を高校に送迎する利便性が高いかどうか。大きなコストをかけて、結局ラッシュアワーの電車に1時間乗らなければならないような選択肢を選ぶ必然性はありません。

③卒業後の進路
 長女の障害の重さからいって、卒業後は福祉関連の施設に通うという進路になる可能性が高いでしょう。長女の進路を卒業までに確保しやすいかどうかは、実は「最大の重要ポイント」と言えるかもしれません。
 そういった情報の多くは学校で手に入るでしょうから、「学校の所在地」と「卒業後の住所」が違うことは、実は大きなハンデになります。

④次女の幼稚園
 長女の高校だけでなく、次女を幼稚園に預けやすいかどうかも検討すべき要素の1つです。子どもは熱を出したりもしますから、「妻が住む場所」と幼稚園は近くないとまずいでしょう。

⑤家族のつながりとバックアップ体制
 選択肢の中には家族が離れ離れになるものもありますが、これは家族のつながりが弱まる
だけでなく、家族の誰かが病気になったとき等のバックアップ体制も脆弱になるという問題があります。

⑥妻の実家からのサポートの受けやすさ
 妻の両親もだいぶ高齢になってきましたが、今でも何か外せない用があるときに長女を預かって留守番をお願いするなど、多大なサポートを受けています。
 引っ越しを伴う選択肢の場合、このサポートが今後も受けやすいか(妻の両親から見ると、負担なく来られるか)というのもポイントになります。

⑦住居の防音性能
 長女はときどきパニックを起こし、大声で泣いたり地団駄を踏んで大きな音を出したりします。
 これを完全に防ぐことは不可能なので、そういった事態になったとき、共同住宅の2階より上や壁の薄い木造アパートなどは選びにくいです。

⑧その他
 私の通勤の便、休日にセカンドハウスに遊びに行きやすいか(中央道へのアクセス)といったことも、同時に考慮の対象としました。
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2015年01月26日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(4)

我が家は市区の外れにあり、現在通っている特別支援学校は中学部までしかありません。
そして、学区で決められた高等部は同じ市区のほぼ反対側(かつ都心側)にあってスクールバスも出ていないため、通学が極めて困難だという問題がありました。

ただ、もちろんこの問題は我が家以外の「先輩家族」の方にもあったわけですが、そういった方たちはみな隣接する市区の学区にある特別支援学校に越境入学することで問題が解決できていました。
そのため、我が家も当然その選択をするつもりでいました。学校側もこの問題を認識しており、越境入学のための説明会や学校見学も校内で案内されていました。
ところが、この隣接市区の特別支援学校が再編され、それによって学区が変更されて規模に比較して非常に多くの生徒を受け入れなければならなくなったため、これまで比較的定常的に受け入れていた学区外からの越境入学を、突然認めなくなってしまったのです。

これが、長女が小学3年生くらいのころに起こった動きです。
それ以降は実際、中学部からの生徒の進学先の表を見ても、それまでずっと一定数存在していたその学校への進学者がある年を境にゼロになってしまっており、学校見学や越境入学の案内なども学校に届かなくなってしまったので、我が家も「これはこの学校への越境入学は無理になったようだ」と悟りました。

これによって、それまでは越境で解決できると思っていた長女の高校進学問題が解決できなくなり、突如として「無理ゲー」になってしまったというわけです。

それでも、似たような境遇の家族は他にもいるわけで、学校サイドからなにかしらの解決策が示されるのではないかと期待していたのですが、結局1年たっても2年たっても状況は変わりませんでした。
スクールバスについては、コストの問題、学校の駐車場の問題などがあり、嘆願は毎年出ているものの、いい答えはまったく得られていない、そういう状況のようでした。
そして、そういった境遇におかれてしまった「先輩家族」がどうしているかといえば、「往復何時間もかけてなんとか学区の高等部に通わせる(実際には学校を欠席する日がたくさん出てしまう)」か、「引っ越して学区を変えてしまう」か、あとはツテのある有力者を通じて越境入学を何とか押し込んでしまうとか、いずれにしても相当無理な解決法をとっていることも分かりました。
学区を変えるための引っ越しを選択した家族の中には、自宅が持ち家だということもあって、一時的な(子どもが高校にいある間だけの)引っ越しコストを抑えるために、妻と子どもだけが小さめのマンションなどに引っ越す「越境入学別居」を選択している家族もありました。

学校の案内にしたがって越境入学を申し込む、という形で、これまで「公」の側で解決できていたはずの問題が、いきなり、強引に「私」の側で解決しなければならない問題に移行してしまったわけです。
そしてそれは、我が家も同じことでした。
(ちなみにこのような動きは、子どもに希望の学区の学校に通わせたい普通校の生徒の家族や、より充実した公的療育サービスを受けさせたい未就学の障害児の家族でも現に起こっていることですが、この問題の場合「選り好みするつもりが全くないのに、与えられている選択肢を事実上選べない」という点が異なるのではないか、と考えます。)

そんなわけで、この問題を「私的に」解決するほかなくなった我が家にとって、どのような解決策が考えられるかを模索する日々が始まりました。
この問題を本格的に検討し始めたのが、次女が誕生することが判明し、かつ区切りのいい「小学校卒業」まで1年半ほどとなった、一昨年(2013年)の秋口でした。
posted by そらパパ at 22:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2015年01月19日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(3)

前回、長女の高等部への通学に、非常な困難が予想される事態となってしまったことを書きました。
電車、バス、マイカー、どれを使っても片道1時間半近い時間がかかり、かつ朝はラッシュのピークに巻き込まれてしまうことが確実です。
電車を使う場合、徒歩だけで往復毎日1時間以上歩くことになり、「送」と「迎」を両方やる必要がある妻はさらにその2倍の時間を毎日移動だけに費やすことになります。

そして我が家の場合、チャレンジはそれだけにとどまらず、さらにここに「次女」という要素が加わることになります

長女が高校生のとき、次女は3〜5歳で幼稚園等に通う年齢です。したがって、長女の高等部への送迎に加えて、次女の幼稚園への送迎も毎日のスケジュールに組み込まなければならないことになります。

地元に近い幼稚園では送迎が間に合わないので、長女の学校に近い(=何かあったときに迎えに行くのに1時間半近くかかる)幼稚園を探し、そこに預け、かつ長女の送迎もこなさなければならないことになります。
当然、ラッシュの電車には妻は2人の子どもを引き連れて乗り、乗り換えまでしなければならないことに。

いや、これはぶっちゃけ無理。
「自宅に住んだまま、普通に娘を学区に従った学校に通わせる」ということが、これほど無理ゲーになってしまうとは、ちょっと想像もしていませんでした。

もちろん、この問題はもっと早くから(小学部に入学した当初から)認識していたのですが、その時点では、それに対する手堅い「解決法」がありました。

そもそも、学区に従った高等部がこれほどまでに不便な場所になってしまう理由は、まあ1つは「特別支援学校は一般的に辺ぴで不便な場所にある(だいたい住民の反対運動とかで、そういう場所に追いやられていることが多いのです)」ということがあるようですが、それよりも我が家の場合は、自宅の住所が市区の境界近くの外れにあるということが大きかったのです。
家から10mほど歩くと別の市区ですし、当該高校のカバーする学区の範囲のなかで、もっとも遠く離れた外れにあたります。

ですから、実は他の学区の特別支援学校高等部のほうが、ずっと近かったりします
というわけで、小学校入学当初から、高等部進学の問題についての解決策として考えていたことは、「越境入学」でした。
実際、自宅の近所から中学部に通っているお子さんの多くは越境入学をしているという実績もありましたし、そちらの学校ならラッシュとは反対方向の空いた電車に乗れば、乗り換えなしで最寄り駅まで20分程度で到着するので、問題なく通えるし送迎もできると読んでいたのです。

ところが、この目論見はある事情によって外れてしまうことになりました。
posted by そらパパ at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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