2016年03月28日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(61)

さて、こんな風に、家づくりのパートナーが徐々に絞り込まれていき、とうとうローコストハウスメーカーAと、激安工務店Iの一騎打ちというところまできました。

ここまできたのが、だいたい2月の頭くらいです。
土地が概ね決まった12月頃からパートナーを探し始めていましたので、ここまでが大体2か月といったところになります。

そしてこの時点で、IとAの見積もりの価格差は、300〜400万円くらいありました。「当初考えていた建物予算」に対してでいえば、Iは予算内、Aはやや予算オーバーといったところでした。
また、Iは格安工務店でありながら企画提案力はなかなかで、こちらの要望すべてに応え、かつ新しいアイデアを盛り込んだ間取りプランを、すべての工務店のなかで唯一提案してくれていました。

ただ、スペック的にはIとAとでは圧倒的な格差がありました。
Iは、グラスウールを並べるだけの伝統的な内断熱で、「木材の呼吸を妨げたくない」という理由で、吹付け断熱材も嫌がっていました。いちど、実際に建った家をオープンハウスで見に行ったのですが、日陰は寒く日の当たっている部屋は暑いという、断熱性能的には典型的な「建売クオリティの家」でした。
また、外壁も最低グレードのサイディングの釘打ち施工、柱はかなり細い杉材で、強度的にもかなり不安がありました。土台も檜でなく、檜にするとかなりの追加コストが発生するという、あらゆる面でスペックダウンがはっきり伺える仕様です。
今回、広いグルニエを作ることで、事実上3階建てに近い重量バランスの家になることを考えると、柱が華奢というのはかなりのマイナスポイントでした。
また、長期優良住宅+耐震性能3には微妙に届かないかもしれない、ということも言われていました。

一方、Aのスペックはこれとは一線を画した魅力的なものでした。
定評があり、厚みも十分にある部材を使った外断熱に、内側からも断熱材を吹き付けるダブル断熱に、熱交換方式の24時間換気まで導入され、高気密・高断熱となっているほか、外壁も量産クラス上位グレードのサイディングの金具止め施工、土台は当然に檜を使い、柱は(メリデメありますが)強度的には非常に強いと言われる4寸集成材、さらに面構造で耐震性も強化され、プランそのものが最初から「長期優良住宅+耐震性能3」を前提としていました

そして、見た目の印象も明らかに違うんですね。
オープンハウスで見たIの家は、外観も内装も、やっぱりかなりコストダウンして建てたことを感じるチープさがありました。
そして、ちょっといいな、と思う部分はほとんどが「施主がこだわって標準仕様からグレードアップした部分」だったのです。
そしてそのグレードアップコストだけで、数百万以上かかっていることも教えてもらいました。
一方、Aのモデルハウスは、住宅展示場に並ぶ、値段が全然違う大手ハウスメーカーの家と比べるとやや単調で工業製品的には見えたものの、あくまで趣味的な違いで、品質的に劣る印象は受けない立派なものでした。そして営業マンに確認すると「あえて標準仕様で建てています。室内の装飾や一部設備にはオプションが使われていますが、外壁や基本設備はすべて標準仕様の範囲内です」とのこと。

これらを総合的に判断すると、結論は明らかでした。

「A社でいこう」
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2016年03月21日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(60)

さて、ここまでで、家づくりのパートナー候補、5業者が出揃いました。
出てきた見積もり金額が安かった順に並べてみると、

工務店I:とにかく安さが売りの工務店。それでいて事務所に設計士もいるので間取りの提案力はなかなか。建物のスペックは建売並み。
ハウスメーカーA:格安のハウスメーカー。外断熱・フルスペックのオール電化住宅がかなり安く建てられそう。
工務店H:基礎の仕様がユニークで、基礎床断熱が標準装備なのが魅力の業者。それ以外のスペックは建売並み。
工務店Y:工務店のなかでは唯一外断熱仕様で比較的スペックが高く、設備等の仕様もそれなり高めなのが魅力の業者。
工務店B:設計事務所に近い態勢で、提案された間取りプランは最も本格的でこだわりも感じる。その分、スペックに対するコスト見積もりはやや割高。

ここからの絞り込みの過程で、まず工務店Hが消えました。
当初、かなり安価な見積もりが出てきていたのですが、よくよく見るとスペックがかなり落としてあることに気づき、その点を指摘して希望するスペックに引き上げてもらったところ、数百万円レベルで見積もり金額が上がってしまいました
さらに、ここは建築確認をとったり本格的な設計をする際には設計士が外注のようで、こちらから「長期優良住宅にしたい」と告げたところ設計料を別途50万円ほど乗せてきたので、この調子ではどこまで最終コストが跳ね上がるか分からない、という不信感が出てきてお断りすることにしました。

続いて消えたのが工務店Bでした。
ここは、渡り廊下があったり、子ども部屋がリビングから見える(ちょっとモデルハウス的な)吹き抜けがあったりといった、非常にユニークな間取りプランが出てきて面白かったのですが、やはりこちらのこだわる条件を入れていくと、コストがどんどん上がっていって、予算の範囲をかなり超えてしまったので、お断りせざるを得なくなりました。また、コストダウンのために全体的なスペックが落としてあったため、長期優良住宅+耐震等級3は必ずしも取れないかもしれない、と言われたことも大きかったです。

そして、工務店Yも消えました。
もともと、Yについては工務店だけを候補に考えていたときに、唯一、予算内のリーズナブルなコストで外断熱を提案できた業者だったので残っていたのですが、同じく外断熱のハウスメーカーAの見積もりをもらい、AのほうがYよりもスペックが上で見積もりが安いことが分かったので、Yを選ぶ理由がなくなってしまったのです。
また、Yは外断熱ではあるものの、断熱材が異様に薄く、計算上は建売レベルの内断熱よりも断熱性能が劣る恐れがあっただけでなく、外断熱といいながら、屋根については屋根裏に断熱材を吹き込む「内断熱」になっていたりと、中途半端な仕様になっていることもネガティブポイントでした。
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2016年03月15日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(59)

いくらローコスト系ハウスメーカーとはいえ、工務店のなかでも特にコストの安いところを厳選して絞り込んだ4業者と比べても、むしろ安い水準の見積もりを出してきたA社に、私も最初は半信半疑でした。

そこで、見積もりに漏れていると思われる項目をいろいろあげてみて、それでコストがどのくらい増えるかを聞いてみたのですが、いろいろ突っ込んでいってもそれほどコストは上がっていかず、結局最後まで、「安い方から2番目」というポジションは変わりませんでした

それでいて、建物のスペック的に、妥協しなければならないポイントがほとんど見つからなかったのです。

まず、外断熱であること
さらに、建物の内側からも断熱材を吹き付ける内外両断熱になっていること。
そして、高気密住宅でQ値の計算・C値(気密度)の測定までしてくれること。24時間換気もアクティブ方式の熱交換型の本格的なものが導入されていること。
柱も土台もすべて4寸角を使用し、土台は檜であること。
面構造を取り入れて剛性を高めていること。
長期優良住宅、耐震等級3の取得ができること。
外壁のサイディングが釘打ちではなく金物止めであること。

実は、これらをすべて満たしている工務店は、4業者のなかで一つもなかったのです。

しかも、ハウスメーカーにありがちな、決まった間取りの中から選ばなければならないという不自由な設計ではなく、ゼロから自由に間取りがプランできる(そういう意味ではハウスメーカーというより工務店に近い)、「完全自由設計」であったことも大きな魅力でした。

唯一気になったのは、オール電化住宅であることでした。
もともと新しい家をオール電化にするつもりはなく、A社での見積もりも、電気・ガス併用仕様に変更するように依頼したのですが、その変更をすると費用が一気に50万円以上跳ね上がることが分かったため、割り切って、「A社を選ぶならオール電化にしよう」と考えることにしました。

これで、家づくりのパートナー候補はすべて出揃いました。
ここから、追い込みをかけて候補の絞り込みを行なっていくことになります。
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2016年03月07日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(58)

さて、そんなわけで、既に残っているローコスト系工務店4社に加えて、「5社め」の候補にできるかどうかという視点で、家づくりパートナー選びの終盤の休日、ローコスト系ハウスメーカーの「A社」のモデルハウスのある最寄りの住宅展示場に足を運びました。
その住宅展示場は、自宅から5kmあまり、自転車でも車でも20分くらい(自動車だと渋滞する幹線道路を通るため)のところにありました。

あくまでも情報収集のつもりでの訪問だったので、特に予約などは取らずにいきました。
モデルハウスに入ると、事務の担当らしき女性が出てきて話しかけてきました。私が、いま家を建てようと思っているんだけど、今日は参考のために来ただけなので特に予約などはとっていない、という話をしたところ、入れ替わりにやや年配の営業の男性が出てきて、モデルハウスの中を案内してくれることになりました。

モデルハウスは、外装も内装も決して豪華ではないけれど、スペック重視の質実剛健なつくりで、私の好みに合っているものでした。
ひととおりすべての部屋をみたところで、リビングルームのテーブルに案内され、営業マンから「プランの提案をしたいので話を聞かせてください」という流れになりました。
「まだこちらでお願いすると決めているわけでもないですし、前金とかをお支払いして、といったこともまだ考えていませんけど、それでもいいですか?」と聞いたところ、それでもいいという話だったので、用意してきていた土地の図面、間取りの希望条件、そして私自身が作成した最新の間取り案を見せ、簡単に見積もりを作ってもらうことになりました。

ここで営業マンに加えてモデルハウス駐在の設計士の人も出てきて、私が作成した間取りがどの程度実現可能か、建築規制面と構造面からアドバイスをもらいました。(概ね、作成した間取りどおりで家は建ちそう、という話になりました。)

そして、営業マンが作成した粗見積もり(土地面積、建物面積、主要な追加スペック要素等を加味した大雑把なもの)を見て、驚きました。

本格的な外断熱で梁にもかなり太い檜材を採用するなど、ローコスト系工務店の家よりも明らかにスペック的に上になっているにもかかわらず、出てきた見積もりは、ローコスト系工務店と比較しても、安い方から2番目だったからです。
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2016年02月29日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(57)

家づくりのパートナー候補として、ローコスト系工務店4業者に絞り込まれた時点で(つまり、パートナー選びとしてはかなり終盤の段階で)、ちょっと気まぐれにハウスメーカー(全国の住宅展示場にモデルハウスを建てて営業をしているタイプの住宅建築業者)のことを調べてみたところ、意外な事実に気づきました。
それは、

ハウスメーカーのなかにも「ローコスト系ハウスメーカー」というのがある。

ということでした。

だいたい、全国の住宅展示場にモデルハウスを建てて営業しているハウスメーカーというと、テレビ広告をやっているような大手ばかりで、どのメーカーもローコスト系工務店の1.5倍とか2倍くらいの坪単価、というイメージが強かったのですが、実際に調べてみると、必ずしもそういう業者ばかりではなく、実はローコスト系工務店と変わらないくらいの価格帯で勝負しているハウスメーカーもいくつかあることに気づいたのです。

しかも、建物のスペック的にも、断熱仕様や外壁の材質などでそれなりに妥協が必要なローコスト系工務店と比較すると、それらローコスト系ハウスメーカーのほうが優っている部分が多く、ここへきて俄然ハウスメーカーが有力な家づくりパートナー候補として浮上してきました。

そこで、さっそくそれらローコスト系ハウスメーカーのなかから3社ほどを選び、資料請求をかけることにしました。
そして、届いたパンフレット、ネットでの評判、坪単価、最寄りの住宅展示場の近さなどを総合的に考慮して、そのなかから「A社」1社に絞り込み、直近の休日に住宅展示場を見に行くことにしたのです。
ちなみに、この時点でもやはり「本命」は工務店だと思っていたので(ネットで出ている坪単価が安くても、実際に見積もりをとってみるといろいろな追加コストが乗って全然安くならないパターンが多く、たぶんハウスメーカーの場合もそうなのではないかと思っていたため)、あくまでA社については「参考までにハウスメーカーも最低1社は見ておこう」といった気持ちが強く、もしもこのA社がいまいちだったら、もう他のハウスメーカーを検討することはせず、この時点で残っていた工務店4社のなかから最終パートナーを選ぶつもりでした。
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2016年02月22日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(56)

このような形でパートナー探しを続け、最終選考の少し手前くらいの段階で残っていた業者は、以下の4つでした。

業者H
 カウンターで紹介された業者。ユニークな基礎構造をもち、基礎を使った床暖房が標準装備。それ以外のスペックは建売同等。

業者Y
 カウンターで紹介された業者。外断熱で面構造を採用するなど、建売より高スペックになっているにもかかわらず、坪単価が割安なのが魅力の業者。

業者I
 飛び込みで話を聞いた近所の業者。建材に集成材ではなく国産杉を使うという変わった建材チョイスと、パワービルダーより安いくらいの超低コストが売りの業者。スペックは建売同等。

業者B
 飛び込みで話を聞いた近所の業者。代表が一級建築士の小さな工務店で、限りなく設計事務所に近いにも関わらず、ローコスト工務店のコストで建てられるのが魅力。プラン的にも自由度が高く、ここからは面白いものがいろいろ出てきました。

この段階で工務店のなかでの候補探しはだいたい終了、最後に「いちおう他のカテゴリの業者も1つずつくらいは見ておくことにしよう」と思い、

・建築設計事務所
・住宅展示場(ハウスメーカー)


についても、それぞれ1業者だけは見ることにしました。

最初に、自転車でいける距離にあった近所の設計事務所(ここはHPで安い家も建てますとアピールしていたので)で話を聞きました。
結果的に、やはりコスト的にはローコスト工務店の1.5倍くらいかかるのは避けられないことが分かったので、家づくりを依頼することは断念しました(間取りプランを作ってもらう時点で費用が発生するので、結果的に雑談のみ)が、他のビルダーでプランがまとまったときに「セカンドオピニオン」をもらうことで話がまとまりました。

そして最後に、ハウスメーカーです。
どうせハウスメーカーを見るなら、多少なりとも契約する可能性のあるところを見よう、ということで、ハウスメーカーのなかで坪単価の安いところはどこだろうという視点でネットで調べてみることにしました。

その結果、予想外のことが分かったのです。
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2016年02月15日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(55)

家づくりのパートナー探しで、不動産業者の紹介、ネットでの資料請求の次に利用したのは、某大手住宅情報誌が運営している、住まいの相談カウンターでした。

これは、無料で利用できるサービスで、カウンターに行って希望する条件を伝えると、その条件に合致した工務店を紹介してくれて、かつその業者との顔合わせ・初期の打ち合わせをそのカウンターで行なうことができる、という、なかなか便利なサービスです。

自宅から電車を使って30分くらいのところに最寄りのカウンターがあったので、そこに行って相談して、ローコスト系の工務店を5業者ほど紹介してもらいました。
そして各業者とのアポもカウンターのほうで調整してもらって、その翌週くらいに顔合わせをすることになりました。
土地の図面や希望条件などは最初にカウンターに行ったときに渡してあり、それをカウンターのほうで各業者に転送してもらっていたので、最初の顔合わせの時点ではすでにそれぞれの業者が具体的な提案を持ってきてくれていました。
しかも、同じカウンターで時間をずらして順に話を聞くことができるようにアポが調整されていたので(1業者あたりの時間は30分に制限されていますが)、移動することなく1日でまとめて全業者の話を聞けたので、助かりました。

実際、ここで紹介された工務店のうち、2業者が「最終選考」まで残りました。(カウンターで打ち合わせをするのは最初の2回くらいまでで、それ以降は個別の打ち合わせに移行します)

それ以外に、自宅の近所にいくつか希望に近そうが業者があったので、それらについては一部は事前にアポをとり、一部はいきなり飛び込みに近い形で事務所に伺って、話を聞いてもらいました。
この形で会ったのは、工務店が3業者、あと建築事務所が一か所でした。
そして、工務店については実際に見積もりを取ったら最初の話と違って異常に高かった1業者を除き2業者が「最終選考」に残り、建築事務所については家づくりそのものはコスト高のため依頼できませんでしたが、「セカンドオピニオン」をもらうことになりました(この部分については、後で改めて書きたいと思います)。

さらに、土地を買った不動産業者のほうで、土地の契約後に改めて紹介してくれた工務店が3つほどあり、そこからも具体的な提案ももらったりしていたのですが、結局そちらについてはコストが合わなかったり、なぜかアポをすっぽかされたりして縁がなく、最終選考に残った業者はありませんでした。
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2016年02月08日

セカンドハウスを手放しました。

以前、当ブログにてシリーズ記事として連載させていただき、比較的反響の大きかった話題として、娘の療育を目的としてセカンドハウスを購入した、というものがありました。

自閉症児をもつ家族のためのセカンドハウス 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21



具体的には、初めての場所ではパニックを起こしやすい娘とでも安心して遠出ができ、外泊などの練習ができるよう(そして、家族の側も少しでも気分転換ができるよう)、観光地エリアにある、いわゆる「リゾートマンション」の一室をセカンドハウスとして購入し、週末に遠出して外泊するなどして活用してきました。

そのマンションの部屋を、今回、売却しました。
2006年の年末に購入し、2016年の2月で手放したので、ざっと9年強の期間、保有してきたことになります。

今回、セカンドハウスを手放すことにした最大の理由は、「当初の目的を果たすことができたから」ということになります。
セカンドハウス購入の目的は、娘の「慣れない新しい場所でうまく過ごせない」という問題、そしてそこから派生する「家族が新しい場所に安心して外出するのが難しくなる」という問題に対処するためでした。
その後年月がたち、娘は外泊にもすっかり慣れ、新しい場所でも落ち着いて過ごすことができるようになり、学校その他で企画される外泊や旅行の企画でもパニックすることなく楽しんでこれるようになりました。
また、「(娘が)外出しないときの余暇の過ごし方」というもう1つのテーマについては、タブレットを活用した音楽鑑賞ができるようになったことに加え、「特になにもせず、のんびり過ごす」こともできるようになったので、こちらも大きく改善しました。
一方で、セカンドハウスは維持しているだけで相応のコストが発生するため、徐々に「コストをかけてセカンドハウスを維持すること」よりも「そのコストをカットし、別の旅行などに回すこと」のほうがメリットがある状態に移行していったわけです。

家族で話し合って売却を決め、リゾートマンション専門の不動産仲介業者に依頼して、セカンドハウスを売りに出しました。
これが、昨年12月の中旬ごろのことになります。
その後、業者に対して数件の問い合わせがあり、その中の一人の方から正式に購入の申込みがあり、先日、正式に売買契約ならびに物件の引き渡しを完了させました。

以前も書きましたが、リゾート物件というのは非常に流動性の悪い不動産で、売りに出しても何年も売れ残ってしまうのが当たり前の世界なのですが、今回は年末年始をはさみ、かつ売れにくいオフシーズンである真冬に売り出したにも関わらず1か月ちょっとで売れたということで、やはり「売れる物件を最初から選ぶ」ということがいかに大切かを改めて実感しました。

ちなみに、そんな「売りやすい物件」だった、我が家がもっていたセカンドハウスとは、具体的には、富士五湖河口湖エリアにある「プロティオン河口湖でした。
もう築24年になりますが、市街地に隣接した利便性の高い場所にあり、物件のすぐ隣にホームセンター、徒歩圏にスーパー、コンビニ、ドラッグストアがあり、富士急ハイランドまで徒歩6分、居住者のうち定住者が3割以上、大浴場や室内プールもいまだにキレイな状態で稼働中で、管理組合も機能していて大規模修繕もちゃんと実施されているという、ベストに近いコンディションで管理されている素晴らしいマンションでした。
山中湖エリアも含む富士五湖エリアではナンバーワンの物件だと確信していますし、他に私が見た熱海・伊東エリア、箱根エリア、石和エリアなどを含めてもこの物件以上のものは私は見つけられなかったので、これからセカンドハウスを検討される方にはかなり自信をもっておすすめできると思っています。

もう一点参考情報として、この9年間、セカンドハウスを利用することでかかったコストを概算してみました。

1.購入と売却:285万円
 購入額と売却額の差(売却差損):130万円
 購入時のコスト:80万円(仲介手数料、ローン諸費用、登記費用、不動産取得税、火災保険など)
 寝具・家電・家具など:15万円
 ローン金利・繰上返済手数料:30万円
 売却時のコスト:30万円(仲介手数料、登記費用、ゴミ処分費等)

2.維持費:470.5万円(年52万円)
 管理費・修繕積立金:年32万円×9年=288万円
 電気・下水道代:年5万円×9年=45万円
 (オール電化なのでガス代なし、井戸水だったので水道代なし)
 固定資産税:年7万円×9年=63万円
 住民税:年5000円×9年=4.5万円
 (住んでいなくても物件を持っているだけで課税されるのです)
 リフォーム費用:70万円(トイレ便座交換、エアコン交換、照明交換、壁紙交換、24時間換気導入を行なっています)

3.総合計:755.5万円(1年あたり:約84万円)

うーん、やっぱりお金はかかってますね(^^;)。

ホテルとかに泊まるのと比べて「元をとる」のは無理だと最初からわかっていました。実際月あたりに換算して7万円ですから、毎月1泊旅行に行くのをかなり上回るコストがかかった計算になります。もちろんこれ以外にガソリン代・高速代・観光費用などもかかっています。

でも、それを分かったうえで考えるなら、我が家にとっては意味のある「投資」だったと思っています。
この9年間、当初1〜2年は毎週のように、そしてその後も安定して月に2回程度はこのセカンドハウスを利用し、富士五湖エリアのさまざまな観光資源を思う存分楽しむことができました。
夏のブルーベリー狩りや富士急ハイランドでの「グレートザブーン」、冬のそり遊びや冬花火、樹海ハイキングや洞窟巡りなど、娘のお気に入りのアクティビティもたくさんできました。
そして泊まるたびにマンションの大浴場を利用していたことで、他の旅館での大浴場も平気になりましたし、昼や夜にサービスエリアやレストランで外食するのも大好きになり、落ち着いていられるようになりました。
こういった経験をたくさん重ねることができ、娘は新しい場所への抵抗がなくなり、セカンドハウス以外の旅行も楽しめるようになり、また家族と離れた学校等での外泊イベントでも落ち着いて過ごせるようになりました。
もちろん、そうやって娘が安定し、旅行を楽しめるようになったことで、娘以外の家族も大いに助けられたことも言うまでもありません。
また、富士山が大好きだった、関西に住む私の実家の両親もこのセカンドハウスを非常に気に入って、毎年のように2度、3度と遠路はるばるやってきては、1週間単位で利用して富士山観光を楽しんでいました。盆正月に実家に帰ると、セカンドハウスを使った富士五湖・箱根観光での楽しい経験を話してくれたりして、実家の両親に「リゾート滞在型」というちょっと贅沢な観光環境をプレゼントできたのは、ある意味想定外のメリットだったかなとも思っています。

そんな、楽しい思い出がいっぱい詰まったセカンドハウスを手放すと決めたとき、そして実際に買い手が見つかり売却の契約を結ぶとき、さすがに一抹の寂しさを禁じえませんでした。
でも逆に、手放すときにこんな気持ちになれるような物件と出会えたことを喜ぶべきだ、と思い直しました。

ともあれ、これで我が家の「セカンドハウスの物語」はようやく完結です。
以前のシリーズ記事でも書いたように、セカンドハウスというのは永遠に所有し続けられるものでもないので、いちど手に入れて、存分に利用して、そのうえでスムーズに手放すことができて初めて完結する、と当初から考えていたので、無事に迅速に手放すことができて本当に良かったと思います。

これからは、これまでセカンドハウス維持に使っていた費用を活用して、これまで以上にいろいろな場所に家族ででかけ、新しい体験を重ねていければ、と思っています。
さっそく、暖かくなったころにどこか行きたいですね。(^^)
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2016年02月02日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(54)

前エントリでは、業者選びの大きな流れを書きましたが、今回はその流れのなかで、実際にどんな業者とのやりとりがあったかを書きたいと思います。

最初に提案をもらったのは、まだ土地購入の契約をする前に、不動産業者が参考プランとして手配してくれた建売系のパワービルダーの提案でした。
この提案はあくまでもパワービルダーのおまけサービスみたいなもので(こちらから正式に依頼したものですらないので)、間取りとかも「4LDKで広いグルニエあり」程度の非常に大雑把な希望しか伝えていなかったので、出てきた提案もあまりこちらの希望にマッチしたものではありませんでしたが、やはりコストはかなり安く、このとき出てきた提案を「家づくりにかかる費用の最低ライン」として参考にすることになりました。

ただ、このときも思ったことは、決まった建材を使うことなどでベースとなるプランを安くしている業者は、そこから外れたカスタマイズを行なうと、あっという間にどんどん割高になっていく、ということでした。
ですから、安く家を建てようと思った場合、ベースとなるプランが自分の希望に近いスペックを持っていることが、非常に重要になってきます。そうすれば、仮にベースプランの坪単価が多少高めであっても、カスタマイズする部分が少なくなり、結果的に最終コストを安く抑えることができるのです。

そして、次に利用したのが、ネットのポータルサイトからの資料請求です。
ローコスト系の業者を選んで、15社くらいに資料請求をしたのですが、実際に資料を送ってきたのはそのうち10社くらいだったと思います。
送られてきたパンフレットを吟味したのですが、ローコストをうたっている工務店で割と共通していたのが、3階建などの狭小住宅での実績をアピールしていたことです。
そういう住宅は延床面積が狭いので見かけ上の建築費が安くなっているのですが、今回建てようと思っている家はそれよりは面積が広くなるので、それをベースにコストを引き直してみると思った以上に割高になる業者が多く、かなりの業者がそれで「落選」しました。
一方、そういう見直しをしたとしてもコストの安い業者は、使っている建材や断熱材が建売と同等の貧弱なものであることが多く、だとしたらパワービルダーで建てたほうが安くなる、ということでこれまた「落選」ということになりました。
そんなわけで、ネットから資料請求した業者で、実際にプランニングをお願いするところまで進んだ業者は、実は1社もありませんでした
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2016年01月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(53)

そんなわけで、ローコスト系工務店が我が家の家づくりのパートナー候補の本命となっていったのですが、パートナー選びの大きな流れは、だいたいこんな感じになりました。

1.工務店の情報を得て、資料を請求。
 このとき、情報を得る手段として、(1)住まい系のネットポータル、(2)注文住宅系の家づくり雑誌、(3)某大手住宅情報誌が運営している家づくりカウンター、(4)土地を仲介してくれた不動産屋の紹介、という大きく4種類のものを活用しました。

2.資料を見て、気に入った工務店に連絡をとり、買った土地の図面と希望する間取り条件などを伝え、間取りを提案してもらう。
 建築事務所とかだとこの段階ですでに設計料などが発生してきますが、工務店の場合はこの段階はまだ無料です。
 ただ、もちろん相手方にはコストが発生することなので、あまり安易に手を広げず、本当にここだったら条件次第で契約してもいい、と思えた業者に厳選してプランニングの依頼をするようにしました。(とはいえ、依頼した工務店の数としては10業者くらいにはなってしまいましたが…)

3.出てきたプランの間取り、費用見積もりなどを見て、業者を絞り込み。
 この段階で、半分くらいの業者は「見積もりが高すぎ」で落選していきました。
 私の希望する間取りは、グルニエを非常に広くとったり、浴室を大型化したり、断熱材を補強することを求めたりなど、それなりにコストのかかるものになっているため、業者が想定する標準プランからはかなり外れたものになることが多かったです。その「カスタマイズ部分」のコストが高い業者の場合、パンフレットなどで宣伝している坪単価の倍以上になってしまったりすることがあり、そういう業者はこの段階で外しました。
 また、設計のスキルが弱い工務店もあり、そういう工務店の出してくるプランは私が希望する条件が満たされていませんでした。そういう業者も当然外すことになりました。

4.絞り込んだ業者とは実際に会ってみて、さらにプランを詳細化。
 業者が出してきたプランが優秀な場合は、そのプランを前提により細かい希望を出して、見積もりを最終化していきました。
 一方、業者のプランがいまいちだった場合は、私があらかじめ作成した間取りを見せて、こちらをベースにプランを作り直してもらうように依頼することにしました。
 だいたい、業者のプランで進めたケースが半分、私のプランで引き直してもらったケースが半分くらいでした。
 この段階でも、やはり希望する間取りがどうしても入らない業者や、希望を細かく伝えていくとどんどん値段が上がっていく業者があったので、そういったところは外していきました。

5.最終プランが揃ったところで、最終判断。
 この段階まで残った業者は、だいたい3社くらいでした。業者側からもこのあたりで「そろそろ決めてもらわないと、これ以上は無料での提案はできない」といった話が出てくる段階です。
 ここで、最終提案のプランの

(1)スペック(柱や梁の材質、断熱性能、構造、外壁、屋根性能など)
(2)間取りのクオリティ(希望がすべて満たされているか、動線は整理されているか、日照はいいか、無駄な空間はないか等)
(3)コスト(スペックに対して割安感があるか)


 といった要素を総合的に考慮して、家造りのパートナーを絞り込みました。
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2016年01月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(52)

さて、当初考えていたパワービルダー(建売業者の注文住宅部門)による家づくりですが、

・カスタマイズの余地が少なく、カスタマイズすると割高になる。
・建材や断熱材が建売クオリティで明らかに注文住宅のなかでは劣る。
・そもそもあまり営業活動をやっていないので、話を聞きたいと思ってもなかなかアクセスできない。


といったことがネックになり、結局選ぶことができませんでした。

ここで急浮上してきたのが、「ローコスト工務店」です。
一般的に、ネットなどで「注文住宅」で検索して山のように出てきて、パンフレットとかもたくさん集められるのは、実はこの「ローコスト系工務店」だったりします。

ハウスメーカーについてはネットで検索というよりは「住宅展示場に行く」というのが王道のアクセス方法でしょうし、建築事務所は「まずは会ってお話を」「これまでの作品を気に入っていただけたら、契約を結んで(お金も払って)それからプランニングを」といった流れになることが多く、どちらかというと「指名買い」に近くなると思います。

それに対して、ローコスト系工務店は、だいたいそれぞれの業者が自分たちなりにブランド名をつけて、パッケージ化された家づくりプランを売り込んでおり、それにあわせてパンフレットなどもちゃんと用意されています。そこには、柱やはり、外壁や断熱材にどのようなものを使うのかといった「品質」についてのスペックシートのようなものや、(実はあまり信用できないのですが)坪単価やモデルプランの費用なども明記されていて、複数の業者を比較検討することも可能です。
ネットで資料請求をすれば、そういったパンフレットを簡単にたくさん入手することができるでしょう。

私も、まずはネットを使って、買った土地が施工エリアに入っているローコスト系の工務店の資料をいくつか取り寄せました。
そして、特に気に入った業者にはこちらから連絡をとり、土地の情報や希望間取りなどを送って、面談をしたり見積もりを作ってもらったりという活動を開始しました。

それに加えて、某大手情報誌が運営している住まいの情報カウンターにも顔を出して、話を聞いていくつかの業者を紹介してもらいました。

結局、資料を請求したり検討対象にした工務店は50業者ほど、そのうちこちらから連絡をとったのは15業者ほど、ある程度話に折り合いがついて、間取りを引いてもらったり見積もりを作ってもらったりしたのが10業者ほど(残り5業者ほどは、話を聞いてみるとローコストではなかったり、アポが取れずに話が流れてしまったりした業者)となりました。
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2016年01月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(51)

さて、ここまで、一般の個人が注文住宅でローコストに家を建てる場合に想定できるパートナーをまとめてきました。

我が家も、だいたいこれらのパートナーに順にあたっていくことになったのですが、実は最終的に選んだのは、ここでご紹介した1)〜4)のどれにも該当しないところでした

そのあたりについても、順を追ってお話ししていきたいと思います。

今回、家を買う予算について、当初の想定からすると予算オーバーを何度も何度も繰り返すことになりました。
もともと安い建売を買うことを想定していたので、土地から買うことにした時点でいちど予算を引き上げていますし、さらに買う土地についても、条件のいい分譲地を選んだことで、さらに予算が上がってしまいました

ですからここは、建物を建てるコストを可能な限り抑えることで、トータル予算をできるだけ圧縮しなければならないわけです。

そんなわけで、パートナーとして当初想定していたのは、言うまでもなく一番安い「パワービルダー」でした。
建売をたくさん建てている業者の、注文住宅部門ということですね。

そこで、情報を集めようとしたのですが、当時、パワービルダー系で広告を出したりパンフ等を作成したりして一般ユーザー向けに広く門戸を開いていたのは、1社程度しかありませんでした。
それ以外は、どちらかというと不動産屋を介して見積もりなどを取ってもらう(そのうえで、気に入ったら不動産屋から紹介してもらう)といった、あまりオープンではないチャネルしかないような感じでした。

そして、唯一の詳しいパンフを作っていた業者については、「屋根の形状が決まっていて、私が希望する広いグルニエが作れない」ということが分かったのでパートナー候補から除外、それ以外の業者については不動産屋を介して出てくる間取り案・見積もりが不明瞭なうえ、やはり「標準仕様」からカスタマイズする部分を増やしていくとあっという間にコストが跳ね上がっていくということが分かり、実は私のイメージするような(いくつかこだわりのある)家を建てる場合、パワービルダーというのはあまり向いていないということがだんだん分かってきました。

いちおう、それでもコストは最低レベルだったので、不動産屋を通じていくつかの業者とのパイプはしばらく維持していたのですが、最終的には別の業者でよりいい提案が出てきたので、パワービルダーに頼むということはやめることにしました。(まあ、これによってさらに当初の想定よりも予算が上がっていく結果にはなってしまったのですが…)
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2016年01月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(50)

一般の消費者が個人向けの注文住宅を建てる際のパートナーとなるビルダーについて書いています。

4)有名ハウスメーカー

なんとかハウスとかなんとかホームとかなんとか住宅みたいな、テレビコマーシャルを打っていて、全国の住宅展示場にモデルハウスを建てていて、そのモデルハウスに訪問して商談する、といったスタイルで家を建てるパターンです。

注文住宅について特に研究しなくても、こういったモデルハウスに行けば家を建ててもらえることは誰もが知っていますから、家を建てようと思い当たったときに最初にイメージするのが、こういった有名ハウスメーカーでしょう。

有名ハウスメーカーで家を建てる場合、まず住宅展示場に行くところから始まり、建物が気に入ったメーカーの営業マンと話をして見積もりを作ってもらう…といった流れになります
実際に建っている家の外観・内装を見ることができるので、どんな雰囲気の家が建つかのイメージはしやすい一方で、モデルハウスはだいたいそのメーカーが建てる最高級グレードで建てられているため、標準仕様で建ててみたらまったく印象が違った、ということも起こると思います。

ところで、こういった有名どころで家を建てる場合の最大のデメリットですが、他の選択肢と比べ、コスト的にかなり値が張ることがあげられます。
おそらく、3)でご紹介したローコスト系の建築事務所に頼むよりも高くなるでしょう。
また、それでも無理をしてコストをおさえて家を建てようとすると、ハウスメーカーがあらかじめ用意している間取りパターンから間取りを選んで、そこから大きくアレンジできない(アレンジするとコストが上がっていくため)といった事態が起こりがちで、注文住宅で家を建てるメリットがかなり薄くなります。

あえていうなら、各ハウスメーカーが喧伝している独自の工法による品質の高さと、基本的にはなんでもおまかせにしておくことができる安心感がメリットになると思いますが、やはり「ローコストで家を建てる」という視点からは、有名ハウスメーカーはコスト面から脱落せざるを得ないというのが、率直な印象です。
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2015年12月28日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(49)

一般の消費者が個人向けの注文住宅を建てる際のパートナーとなるビルダーについて書いています。

3)一部のローコスト系建築士

この話題では、一般消費者が依頼できるビルダーを、建築単価が安い順に並べているわけですが、ここで、「建築士(建築事務所に依頼する)」というコースが出てきます。

一般論からすると、建築士に依頼するコースは「高い」です
パワービルダーのように建材をまとめ買いして安く入手できるわけでもありませんし、ローコスト系工務店のように、ある程度パターン化した家を作ることで周辺コストを下げたりできるわけでもありません。
それらに加えて、100万円単位の「設計料」を別途取られます。

こういったことが重なって、全体としてみると、ローコスト工務店と比較して、同じようなグレードの家を建てたとしても最低でも500万円くらいは総額が高くなる、というのが、私が実際に見積もりをとって比較してみた印象です。

また、建築事務所にもいろいろあって、いま言ったような「ローコスト工務店+500万円くらいの家を喜んで受けてくれる事務所」と、もっと上のランクの豪邸でないと嫌な顔をされてしまう事務所がありますので、注意しましょう。
ネットなどでの過去の実績等を見て、ものすごい豪邸とか商業施設ばかりが載っていて、「普通の家」をあえてまったく載せていないような事務所は、おそらく門前払いです。
逆に、ちょっとこだわりがあるけどごく普通の一般的な家がたくさん載っているところなら、ローコストに家を建てる相談も受けてくれると思います。

もちろん、単価が高い分、建築事務所にもいいところがたくさんあります。

一つは、あらゆる部分にこだわりを盛り込めること。
パワービルダーとか工務店だと、あまりわがままなことをいうと「うちはそういうのやってないんで」とか言われたりします。
でも、建築事務所であれば、「ちゃんと家が建つ」アイデアである限り、コストが許す範囲でやりたいことをどんどん盛り込んでいくことができます。「変な家」も建て放題です(笑)。
また、バスやキッチンをはじめとする設備オプションも、例えば海外のものなども含めて、自由に選ぶことができるでしょう。
また「療育」にこだわって、感覚統合的なアクティビティができる部屋や構造化された部屋を作ったりすることも自由自在です。「療育」と「療育以外」の動線を家のなかで切り分ける、二世帯住宅的なアプローチもできると思います。

そしてもう一つは、建築中の管理業務を、プロとしてやってくれる安心感があること。
基礎がしっかりできているかとか、断熱作業にミスはないかとか、建材を不当に安価なものでごまかしていないかといった管理業務について、ビルダーだと社内の「内輪の人」がやりますから、「ビルダー側の利害に立って細かいところは見逃してしまうんじゃないの?」という疑念もわきますが、建築事務所だと逆にミスがあれば自分の責任になりますから、「自分の側」の利害にたってしっかり見てくれるという安心感があります。

そういったメリットに魅力を感じるのであれば、少なくとも1つくらいは、建築事務所から見積もりをとってもいいと思います。
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2015年12月21日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(48)

一般の消費者が個人向けの注文住宅を建てる際のパートナーとなるビルダーについて書いています。

2)ローコスト系工務店

一般的に、「安く家を建てたい」と思ってネット等を検索して出てくるビルダーの大半は、このカテゴリに入ってくるのではないでしょうか。

いまは「工務店」という名前でやっているところは少なく、もっとおしゃれな名前(英語やフランス語であったり、職人・匠風の日本語であったり)がついている場合がほとんどですが、その実態は、家造りを受注し、大工を集めて家を建てる、昔ながらの工務店そのものです。

そういった工務店のなかでも、特にローコストで家を建てることをウリにしているところがたくさんあり、そういったところをここでは「ローコスト系工務店」と呼んでいます。坪単価でいうと50万円より下あたりのゾーンでしょうか。都市部のコンパクトな4LDKで見積もった場合に、標準仕様では1000万円台前半〜中盤くらいの金額が(最初に)出てくるイメージです。

このタイプの工務店は、標準仕様ではパワービルダーと同じような建築部材を使っている割にはパワービルダーよりも単価が割高ですから、もし「建売と同じような家を建てる」のであれば、選ぶメリットがあまりありません
でも、こういったビルダーはたくさんあって、それぞれが独自のこだわりや得意分野を持っています。それは、「地元の無垢木材」だったり、「独自の工法」だったり、「建売よりワンランク上の断熱仕様」だったり、「ユニークな外観デザイン」であったりといろいろです。もしも、そういったビルダーのもつこだわりや得意分野と、自分が建てたい家の志向がうまくマッチした場合、狙い通りの家をリーズナブルに建てることができるでしょう。

後で説明しますが、建てたい家へのこだわりがどんどん強まってくると、最後は「建築士に依頼」に行き着きますが、これだとコストは相当高くなります。
そこまでコストはかけられないけれど、それなりに深くこだわって建てたい、といった場合、内部に設計士を抱えていて、こだわりの仕様を柔軟に受け止めてくれるような工務店がうまく見つかると、あちこちにこだわった自分なりの家を比較的安く建てることができます。
そういった意味で、工務店での家づくりというのは、「こだわり度」という点で、「建売系パワービルダー」と「建築士に依頼」の中間に位置する選択肢だ、といえるんじゃないかと思います。

なお、ローコスト系工務店の場合でも、リーズナブルに建てるコツは、標準仕様からの逸脱を最小限にすることです。一見非常に安いように見えても、標準仕様がショボくて、いろいろグレードアップしていくと非常に割高になっていくパターンも多いです。
ローコスト系ビルダーのパンフや見積もりを見る際には、標準仕様としてどのような部材が使われているか、そしてその仕様で自分は満足できるか(できないなら、もう少し標準仕様のグレードが高いビルダーを探すべきです)ということを最初にチェックするようにしましょう。
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2015年12月14日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(47)

さて、我が家の「土地先行」の家づくりですが、購入する土地が決まった(厳密に言うと「決まりそうな状況になった」)ところで、一緒に家を建ててくれるビルダー探しに着手しました。

とはいっても、(当たり前ですが)私はビルダーとのコネクションはまったくありません。
そこで、いろいろな情報源をあたりながら、ビルダーとコンタクトをとっていきました。

ところで、私達のような一般の個人が住宅を建てようとする場合、パートナーになってくれるビルダーとして、大きく分けると次のようなタイプがあります。

以下、一般的に建築コストが安い方から高い方に順に並べていきます。

1)建売系パワービルダー

建売を安価に大量に建てている「パワービルダー」と呼ばれる業者がありますが、そういうパワービルダーにも建売だけでなく注文住宅を受注する部門があり、個人の依頼を受けて注文住宅を建ててくれます。
大量注文で仕入れコストを下げた建売の部材を使って建ててくれるので、建築コストが非常に安く、一番安いグレードで建てれば「建売並み」のコストで注文住宅を建てることも十分可能です。
ただ、実際に調べていくとわかりますが、建売で使われている建築部材というのは、建築基準を満たす最低ラインのものが中心となります。
もちろん、実際にその水準で建売は建てられていて建売を買った人は十分快適に暮らしているわけですから、それで問題がないといえばないのですが、より快適な暮らしを求めていくと、断熱性能や強度などが見劣りします。
そして、そういった部分をよりよいものにしようとして「部材の変更」を行うと、「まとめ買いによる格安部材の利用」というパワービルダーのメリットが一気に失われ、建築価格が跳ね上がります。
パワービルダーで注文住宅を建てる場合には(というより、あらゆるハウスメーカーに言えることなのですが)、「標準仕様」のまま建てて、そこからからの逸脱を避けなければ安さのメリットを受けにくくなります。
ですから、パワービルダーで注文住宅を建てる際のイメージは、「価格を最重要視して、建売と同品質の部材で家を建てることが合理的と考えて家を建てる」という感じです。

これは決して「低クオリティ」と言っているのではなく、実際、安さを売りにしている工務店とかの標準仕様は建売同等か、ヘタするとそれ以下だったりします(しかも建築費はパワービルダー系より高いです)から、「安く合理的に家を建てる」のであれば、パワービルダー系のハウスメーカーは有力な選択肢の筆頭だと思います。

まだまだ続きます。
posted by そらパパ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2015年12月07日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(46)

さて、これまで書いてきたような紆余曲折をへて、ようやく家造りの最初の大きな一歩となる「土地探し」が終わりました。
改めて思い起こしてみると、ただ(と簡単には言えないわけですが)希望に合った土地を見つけるだけで、ここまで苦労することになるとは想像もしていませんでした。
というより、当初は建売の中から希望に合ったものが簡単に見つかるだろうと想像していたわけですから、実態はそこからは遥かに遠かったわけです。

さて、土地が決まったので、いよいよ間取り(プラン)づくりとビルダー探しです。
このように、土地を先に決めて、それからビルダーやプランを決めるやり方を「土地先行」といいます。これに対し、先にビルダーと話を初めて間取りとかも決めて、その間取りが入る土地を探すのを「建物先行」といいますが、今回の物件探しは立地(特別支援学校の学区であったり、周辺環境であったり)を重視していましたし、ビルダー任せにはしたくなかったので、自然と「土地先行」の形になりました。

「土地先行」の場合、土地に対する各種規制(建ぺい率・容積率や用途地域、斜線規制など)を熟知していないと、「土地を買ってしまったあとで、希望するような間取りがどうしても入らないことが分かった」というトラブルが発生するリスクがあります
このようなリスクについては、そういったトラブルが致命的なレベルで(例えば「家が建たない」といったようなレベルで)起こらない程度には個人でも勉強し、また信頼できる不動産仲介業者の方に入ってもらい、また土地購入前に私が入れたプランを見せながら建売系のパワービルダーに粗いプランを入れてもらったり、さらには土地としてリスクの少ない「業者によって整備された分譲地」を選ぶといったことで回避しました。

とはいえ、実は土地を購入して、ビルダーに詳細な間取りを入れてもらった時点で初めて、当初想定していたよりも斜線規制が厳しく、想定していた間取りがそのまま入らないことがわかるという小さなトラブルがありました。
私自身としては相当周到にいろいろなことを考慮して、確実に希望間取りが入る土地を選んだつもりだったのですが、それでもそういったことが起こったわけですので、本エントリのように「土地先行」で家探しをする方は十分に注意されたほうがいいと思います。

もし財布と時間が許すなら、契約前に建築士と話をして、希望間取りが入るかどうかのチェックをお願いしてもいいと思います。
また、もう1つのリスクヘッジとしては、あまり「ギリギリ」の間取りを入れようとせずに、多少余裕をもって希望プランを入れられるように土地を選ぶ、ということです。
そうしておけば、万一何か気付かなかった規制で間取りに制約ができても、その「余裕」によって問題が吸収できる可能性が高くなります。
posted by そらパパ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2015年11月30日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(45)

ネットで何百件という物件を検索し、その中から何十件という物件の現場に実際に足を運び、そこから4件の申込み(すべて土地)を行なうことになった今回の家探しですが、ようやく最初のステップで前に進めそうな状況になってきました。

今回も、申込みを決めてから、夜・朝の通勤時間帯・休日など、何度もシチュエーションを変えて現地に足を運び、時間帯によって環境が望ましくない方向に変わらないこと、通勤の負担が重くないことなどをチェックしました。

それと並行して、営業マンが価格と区画変更の交渉を続けてくれていましたが、結局、ある程度の値下げは実現したものの当初の希望には届かず、また区画変更は担当者はOKしてくれたものの売主の本社(今回売主は法人でした)がNGで実現しませんでした。
値下げが希望に届かなかった分については、営業マンからその分仲介手数料をカットするという提案が出てきたので実質的に希望値下げと同額となったため、その条件で契約に進むことを決めました。

これで、ようやく家造りの最初のステップとしての「土地」が決まったわけです…が、物件を買ったらほとんどプロセスが終わる建売と違って、土地からの家造りはむしろここからが本番といってもいいと思います。

実際、これまでエントリで書いてきた、家を探し始めてから土地の契約が成立するまでの期間は、長いように見えますが、実はわずか1か月半ほどにすぎません(その間、毎週土日を使って走り回っていたわけです)。
一方、それから実際に家が建って引き渡しを受けるまでには、1年以上の時間がかかりました

というわけで、今回のエントリの最初の大きなヤマである「土地探し」について、「療育」という視点をどんな風に盛り込んでいたのかを、改めてまとめておきます。

1)送迎も含めた、特別支援学校への通学の便がいいこと。
2)障害児向け学童保育が充実していること。
3)子どもの卒業後の生活拠点をしっかり確保できるよう、長く住み続けられること。
4)家の前がすぐに往来の激しい道路であるような危険のない立地であること。
5)安全な徒歩圏に、将来本人も利用できそうな商業施設や公共交通機関が充実していること。
6)トイレやお風呂について、介助を前提とした広いスペースが確保できる間取りが入れられる土地の広さがあること。
7)車の利用がどうしても多くなるので、家族用+支援サービスや実家用として、2台の駐車スペースが確保できる土地であること。

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2015年11月23日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(44)

さて、家探しで巡り巡っていろいろな物件を見て回って、結局最初に見て気に入った土地(と同じ分譲地)に戻ってきました。

この土地は、

・駅に近い。私の足だと徒歩5分。
・閑静な住宅地(低層住宅地域)。
・徒歩かつ大きな交差点を渡らずに大きなショッピング施設に行ける利便性。
・しっかりした分譲地でガス・水道等のインフラも整備済み。


といったメリットがあるのに対して、

・値段が割高。
・1区画あたりの面積がわずかに狭い。


というデメリットがあったのですが、この2つのデメリットについても、

・値段:当初よりはかなり値下げされたうえ、営業マンがさらなる値下げ交渉に積極的。
・面積:私の間取りスキルが上がったのでこの広さでも希望間取りが入りそう+営業マンが区画変更も交渉してくれると約束。


ということで、ほぼほぼ問題が解消できる見通しが立ちました。
一方のメリットのほうは申し分なく、たくさんの土地を回った経験からしても、これほど我が家の希望に見合った土地は簡単には見つからないことははっきりしていたので、今回の営業マンを通じて、この土地に改めて「申込み」を入れることに決めました。

申込みを入れるにあたって悩んだのは、どの区画を買おうか?ということでした。
候補は2区画あり、一方は南向き、もう一方は北向きです。ちょうど分譲地内の道路を挟んで向かい合わせの2区画で、面積もほぼ同じ、土地の形も長方形の一角が欠けたL字型で、道路を挟んで相似形のような形状でした。
もちろん、値段はかなり違います。南向きのほうが北向きよりも坪単価で5%以上高く、面積も南向きの方がわずかに広いこともあって、売値には数百万円の差がありました。

予算的に厳しいこともあって、当初は北向きの区画を検討していたのですが、営業マンを通じて売主と話をしていくなかで、北向きの区画は値下げ余地がほとんどない、南向きなら多少追加値下げに応じられる、という回答が返ってきました。
「北向き」のほうは目玉区画的な値付けなので、これ以上下げたくない、ということのようです。

「南向き」のほうが面積が多少であっても広く、間取りが入りやすいこと、将来的に売りに出したときに北向きより南向きのほうが圧倒的に売りやすいことなども考慮し、最終的に、「南向き」の区画に申し込むことを決めました
posted by そらパパ at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2015年11月09日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(43)

土日の空き時間にたまたまアポの取れた不動産屋の営業マンがすすめてきてくれたのは、過去に一度区画の1つに申し込んで、建売が建つことが決まって買えなかった分譲地(の、他の区画)でした。

もちろん、かつてその土地に申し込んだときのパートナーだった仲介業者と、このときに話を聞いた仲介業者は(どちらも大手ですが)別会社です。
聞くと、その分譲地の仲介業者が最近変わり(つまり、売主が契約する業者を変えたということ)、今回話を聞いた業者がその土地を担当することになったのだそうです。

そして、そのタイミングで同時に価格の見直しを行なったのでしょう。各区画の売り出し価格は、私が以前に見た時よりかなり値下がりしていて、当時のような「明らかに予算オーバー」という状態ではなくなっていました
条件のいい分譲地ということで、やはりやや割高であることには変わりなかったのですが、駅からの距離や買い物の利便性、周辺環境などを考慮すると、リーズナブルといえる価格帯に収まってきていたわけです。

あと、この土地についてもう1つあった問題、「土地面積がわずかに狭い」という件ですが、こちらについては業者を通じて区画割りを変更してもらう交渉をお願いはしたものの、実はそれが通らなくてもある程度は「解決」していました。

以前も書きましたが、私は土地探しの途中から、売り出し中の土地に入れてみる家の間取り案(参考プラン)は、ビルダーに作ってもらうのではなく自分で描くようになりました。
毎日のように何プランも間取りを引き直してトレーニング(笑)を続けた結果、間取りのデザイン力がどんどん向上し、この頃にはより狭い敷地面積で希望する間取りを押し込めるようになっていました
その結果、当初は(希望の間取りをいれるなら)最低120m2はほしいと考えていた土地面積が、115m2ほどあれば何とかなると考えられるようになり、今回の分譲地の他の区画も選べるようになっていたというわけです。

家に帰って、家族とも相談しました。
家族からは、「最初にいいと思った土地に、巡り巡ってまた戻ってくるというのは、何か縁があるのかもしれないから、いいと思ったら決めてもいいんじゃないか」という意見ももらいました。
私自身も、いろいろな土地を巡ったうえで、改めてこの分譲地に戻ってきて、この土地の魅力を改めて感じるようになっていました。

ここへきて、気持ちは固まりました。
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花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。