2016年09月12日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(82)

17)子ども部屋のレイアウト(2)

今回、子ども部屋をプランニングするにあたって考えたのは、次のようなことです。

1)プライバシーは適度に守られるが、完全な密室にはできないこと。
2)わざわざ快適性を損ねることはしないが、快適性に関する要素を他の部屋に優先的に割り当てることで、相対的に快適性を下げる。
3)子どもが小さいころと成長したあとで使い方が変えられるように工夫する。


まず1)についてですが、「プライバシーが適度に守られる」というのは、

・個室状態が作れること。

そもそもドアがない、とか、仕切りがただのカーテン、とか、カーテンのない透明な室内窓がついている、みたいに、プライバシーを作らないような部屋・空間にはせず、ちゃんとドアを閉めて個室状態を作る、ということができるように設計します。

・その状態から、第三者が部屋に入ってくる場合、「部屋に入ってくる」という目的しかありえないこと

その部屋が他の部屋に行くための動線になっていたりしないこと。これにより、誰かが部屋のドアを開ける場合は、必ず「その部屋に入る」ことそれ自体が目的であるようにします。

といったことを指します。

一方、「完全な密室にはしない」ということについては、端的にはドアに鍵をつけない、ということを指しています。

さらに、子ども部屋を完全に孤立した部屋にするのではなく、隣の部屋(妻の使う和室)と引き戸でつながるようにして、隣の部屋とも緩やかにつながっている状態にすることにしました。
これは、上記3)の目的にもつながるところなのですが、1)の目的にも適っているわけです。

続いて、2)の「相対的に快適性を下げる」という点ですが、2階に配置する居室のなかで、以下のような点で子ども部屋の「優先順位」を最下位にしました。

・方角:北向きのスペースを子ども部屋に割り当てました。

・広さ:居室として最低限の四畳半としました。さらに隣の部屋との引き戸の収納スペースを子ども部屋側に作ったので、実際には4.2畳くらいの広さになりました。

これは、子ども部屋は勉強をして寝る、あとはプライバシーを確保したい時間にいることが主たる目的で、できれば一日中こもる部屋にしたくないということから考えたことです。(勉強机を置く方角としては、北向きは優れているとも言われます。)
ベッドと机と着替えを置く場所くらいで部屋がいっぱいになるイメージです。
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2016年09月05日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(3)

この話題、長くなったので分割して書いてきましたが、今回が最終回です。

小学校高学年のころに出た私の吃音の主たる原因が、当時私の祖母が私に対して熱心に行っていた「利き手の矯正」にありそうだ、ということが判明したため、それまでかなりべったりの「おばあちゃん子」だった私は、両親の強い働きかけにより、祖母から「分離」されました。
そして実際に、その環境修正によって私の吃音は劇的に軽快したわけです。

そんな中で、ここにはもう1つの切ない物語がありました。

この、私の吃音の問題というのは、それまで祖母が主導権を握り、実際にそれなりの成果を上げていた「私への(けっこうスパルタ的な)教育」についての、祖母の最初にして最大の挫折になりました。
そして、最後は「戦犯」みたいな雰囲気のなかで手元から孫を「奪われた」祖母は、それまでの溌剌とした雰囲気が嘘のようにあっという間に老け込んでいってしまいました。
私自身も中学生になって、反抗期というほどでもないですが親離れ的なメンタリティになっていったので祖母とも疎遠になり、祖母は一日中、かつて「祖母と私の部屋」だった離れの部屋で一人でテレビをずっと見ているようになりました。

その後、祖母は叔父の家に引き取られ、さらにそこから老人ホームに移りました。このあたりの細かい経緯は教えられていませんが、少なくとも叔父の家に引っ越すことについては、祖母自身の強い希望があったとは聞いています。
やがて大学生になって上京し、「なんちゃって反抗期メンタリティ」の抜けた私は、遠く老人ホームで暮らす祖母と年数回程度の手紙のやり取りをするようになりました。
私の手紙を祖母は大変喜んでいたようで、毎回、手紙の最初には私からの手紙が届いたことへの喜びが、最後にはまた手紙を書いてほしいということが書かれていました。
でも、そんな祖母からの手紙があるときから急に乱れて何が書いてあるか分からなくなり、こちらからの手紙にも返事が来なくなってしばらくしてから、祖母の死を知りました。
葬式が終わってから知らされたので、最後のお別れができなかったことが今でも心残りです。
私自身は祖母に対する悪い記憶はまったく残っておらず、私の好奇心を邪魔せずに、逆にいろいろなことを教えてくれた先生のような存在だったと思っています。私の「学ぶ」ということへの基礎を作ってくれたのは間違いなく祖母でしょう

ともあれ、こうして、私はいま吃音で困るということはなくなり、代わりに、箸は右でスプーンとフォークは左、鉛筆は右でチョークは左、マジックペンは左でも右でも書けるという中途半端な両手利きが残りました
私自身、利き手の矯正を受けたはずなのに中途半端に直っていないのはなぜだろう、ということを覚えていなかったのですが、そういう事情があったことを初めて知りました。

また、教育熱心でそれなりに「成果」もあげていて、教わる子どもの側もそれを楽しんでいるように見えて、さらに本人さえ楽しいと思っていたとしても、それでもその「熱心な教育」が実は子どもを精神的に追い込んでいたりすることがありうるんだ、ということを身をもって経験したことが、私の教育観、さらには療育観に影響を与えているということもあるかもしれませんね。
(了)
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2016年08月29日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(2)

さて、私自身の曖昧な記憶を頼りに、親に私が過去に受けたはずの吃音の療育について実家の親に聞いてみたところ、最初に京大病院に行って医師と話をしただけで、「どうやらこれが原因らしい」というものがあっさりと特定されていたようです。

それは、

祖母による利き手の矯正

でした。

両親が共に多忙だったことと、祖母が私を離さなかったことから、私は典型的な「おばあちゃん子」でした。
ちょうど京大病院通いが始まる頃、つまり小学校の高学年まで、私は祖母と同じ部屋で寝ていたくらいです。(大きくなってから聞きましたが、それは祖母の希望だったようです。)
祖母は私の教育に非常に熱心で、祖父や曽祖父の持っていた古い本を私に読ませたり、知恵の輪やパズルなどの知育玩具で遊ばせたり、ローマ字を教えたりといったことを、私が幼稚園くらいのころからずっとやっていました。

そんななか、祖母がもう一つ熱心に取り組んでいたのが、左利きだった私の利き手の矯正でした。
祖母にとっては、左利きというのは「恥ずかしいこと」で、小さいうちに右利きに矯正しないと立派な大人になれない、といった価値観を持っていたようです。
ところがその矯正はあまりうまくいかず、祖母は熱心さのあまり、かなり激しく私にあたったりしたこともあったようです。
そして、おばあちゃん子だった私は、祖母の期待に応えようと必死だったのだろうと思います。
でも、それでも、そんなにうまくいきませんでした。

そんなころに出てきたのが、私の吃音だったのです。
その時点では、祖母の利き手矯正のスパルタ教育と私の吃音が始まったことの関係について、私自身も祖母も含めて、家族の中では誰も気づく人はいませんでしたが、さすがにそのあたりのプロである京大病院の先生には親と私へのインタビューですぐにぴんときたのでしょう。

なので、解決のソリューションとして、私自身へのトレーニング(療育)もさることながら、より原因である可能性の高い「家庭内の環境」を是正することが必要だと、医師は親に告げたわけです。

この頃、もしかすると親自身も、祖母が私を囲い込んで離さない状況をなんとかしたいと思っていたのかもしれません。
この日を堺に、私には個室が与えられ(田舎の家なので部屋はたくさんあった)、寝る部屋も祖母とは別になり、祖母には今後は子どもの教育に関わりすぎないこと、特に利き手の矯正はやめるようにということが告げられました。
親としても自分の親にそういったことを告げるのは辛かったでしょうし、もちろん祖母も抵抗しただろうと思いますが、吃音の問題を誰よりも心配していたのも祖母であり、その原因が自分にあると「専門家から」告げられたこともあって、強く反論できず、同意せざるを得なかったんだろうな、と思います。

そのような環境の切り替えとあわせて、1日10分程度の発音練習が、家庭での療育メニューとして取り入れられました。
その結果、私の吃音はみるみる軽快し、間もなくほとんど目立たないレベルになりました。
軽快のスピードの速さからいって、やはり「環境の問題」が最大の原因だったと思われます
そして、初回の来院から3か月ほどたった2回目の来院で、「もう問題ないので念のため1年ほどしたら来てください」と言われ(このあたりで自宅での発音練習も終わり)、それから1年後の「3回目」で「再発していないので治療終了」となったのです。

もう少し続けます。


【参考】吃音について知るきっかけとして、押見先生のこの作品をご紹介します。(紹介記事

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
押見 修造

また、印象的なラップが今でも語り継がれる「スキャットマン・ジョン」氏は、吃音それ自体を音楽に昇華させた稀有な存在でした。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン



(次回に続きます。)
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2016年08月22日

自分が受けた療育のことを調べたら、自分が両手利きな理由がわかった話。(1)

今日は、「家づくり」のシリーズ記事ではなく、単発のエントリを久しぶりに書いてみたいと思います。

きっかけの一つは、この記事を見かけたことです。

http://mainichi.jp/articles/20160817/k00/00m/040/092000c

吃音という障害についてのアンケートの話題でした。

この記事を見て、私は先日、実家に帰省したときに親と交わした会話のことを思い出していました。
それは、

私はかつて「療育」を受けたことがある。

ということです。

記憶がパッチワークのようにしか残っていなくて、詳細は覚えていないのですが逆に部分的な記憶はものすごく鮮明で、電車とバスを乗り継いで病院に向かうために、母と二人でバス停でバスを待っている場面の映像をいまでも繰り返し思い出したりするのです。

でも、そのバス停の場面は思い出せる一方で、肝心の病院でのできごと、療育の内容はなかなか思い出せませんでした。
たしか、治療の対象は私の「吃音」だったはずで、時期としては小学校くらいということは覚えているのですが、それ以上はほとんど記憶になく、また、療育を受けていた割には病院に行ったのはせいぜい3回程度で、そんな少ない回数で一体何をやったんだろうというのも(覚えていないので)謎でした。

さらに言えば、中学校以降で吃音で悩んだ・困ったという記憶もほとんどなく、現在もそうです。
ろくに療育の回数も重ねられなかったのに、あっさり吃音の問題がなくなってしまったということも、まあ「自然に改善したんだろうな」くらいにしか覚えていなかったわけです。

そんななか、今回、帰省中にふとそのことを思い出したので、親にその頃のことを初めて聞いてみたのです。

そうしたら、意外なことが分かりました。
以後は、親に聞いた話、そしてその話をきっかけに私が改めて思い出した話を再構成してまとめています。

私が吃音の治療のために病院に連れて行かれたことは事実で、小学校高学年のころに吃音が目立つようになったので、学校の先生からもすすめられて、京大病院に連れていくことにしたそうです。
そこで親への聞き取りと、子ども(つまり私)へのカウンセリングなどを行ない、結果、割とあっさりと「これが原因だろう」ということが特定されました

それは、当時の(私自身を含む)家族には、ちょっと意外な「原因」でした。


【参考】吃音について知るきっかけとしては、青春とコンプレックスについて描かせたら右に出るものがいない、押見先生のこの作品がいいと思います。(紹介記事

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
押見 修造

また、吃音それ自体を武器にして成功した稀有な存在として、いまでもアーティストとしての斬新さを失っていない、(私も大好きで今でも聴いている)「スキャットマン・ジョン」氏をあげたいと思います。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン
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2016年08月15日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(81)

17)子ども部屋のレイアウト(1)

このシリーズ記事の最初のころに書いたとおり、我が家に2人目の子どもが生まれたことが、今回の家づくりの1つの大きなきっかけになっています。
そんなわけで、今回の家には当然に子どもの過ごすスペースを作ることになったわけですが、最近は子ども部屋の作り方についてはさまざまな意見があります。

端的にいうと、これまでのように子ども用に個室を用意すると、子どもがそこにこもってしまって家族とのコミュニケーションがなくなるから、あえて子ども部屋を作らない、という考え方がかなり有力になっています
これは、かつての日本的な間取り(すべての部屋がつながっていて部屋の中に移動の動線があり、かつ仕切りはふすまで上部は欄干があったりしてプライバシーがない)から、団地などに代表される洋式の間取りに変わり、すべての部屋が廊下によって分断された個室になっているという「プライバシー重視」の間取りになったことへの反動として生まれてきた流れだと考えられます。

この考え方にしたがった場合、リビングの一部に子ども用のスペースを作ったり、2階の階段を上がったあたりにホールのようなオープンスペースを用意して、そこを子ども用に使わせるとか、そういった間取りプランになります。
あるいは、廊下から直接子ども部屋に入れる動線をあえて作らず、リビングを通らないと部屋に出入りできないように設計する(リビングと子ども部屋の仕切りも、ドアではない緩いものにする)といったアイデアもあります。
さらには、個室を作る場合でも、子ども部屋に内窓をあけて、階下のリビングからの吹き抜けとつなぐことで、リビングから子ども部屋の中が見えたり、内窓から子どもが顔を出してリビングと会話ができるようなプランなどもありますね。

でも私はこういった、子どもからプライバシーを取り上げる間取りにはあまり賛成ではありません
私自身、子どもの頃、自分の部屋はあったものの日本式の古い間取りだったため、弟が自分の部屋に行くときに私の部屋の中を通らなければならなくなっていたのが本当に嫌でした。
少なくとも思春期以降の子どもには、プライバシーが守られた部屋が与えられるべきだと考えています。
ただ逆に、子どもが一人で寝るようになったら、いきなり完全にプライバシーが守られた快適な個室が与えられてしまうというのは、「時期尚早」だろうとも思いました。

そこで、子ども部屋についてはこんな風に設計することにしました。

1)プライバシーは適度に守られるが、完全な密室にはできないこと。
2)わざわざ快適性を損ねることはしないが、快適性に関する要素を他の部屋に優先的に割り当てることで、相対的に快適性を下げる。
3)子どもが小さいころと成長したあとで使い方が変えられるように工夫する。

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2016年08月08日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(80)

16)リビングにつながる和室の設置

新しく設計する家には、四畳半の部屋を2つ用意しました。
一つは2Fの子ども部屋で、もう一つが1Fのリビング脇の和室です。

このうち、まず1Fの和室ですが、1FのLDKのスペースをあえて広げずに、四畳半の区切りを作って和室を作りました

これにはいくつか意図がありました。

まず、個室として使う可能性です。
もしかすると将来、夫婦どちらかの親と(一時的であっても)同居することもあるかもしれません。いま実家にいる私の弟が、上京してくる可能性もゼロではありません。加えて、友人などが泊まりにくることもあるかもしれません。
そういった「誰かの(それなりの期間の)上京にも柔軟に対応できるよう、予備の個室として、一部屋作っておきたいと考えました。

もう一つは、子どもが幼い間の遊び・勉強スペースとしての用途です。
建売に引っ越す前に住んでいた3LDKのマンションには、LDKの隣に和室がありました。ここで生まれたばかりの上の子をよく遊ばせていたのですね。LDKはフローリングなので転ぶと危ないですし、長い時間直接床に座っているとお尻が痛くなったりしますが、和室ならそういった心配をあまりせずに小さい子どもを遊ばせることができます。
建売になってからはそういう部屋がなくなってしまったので、下の子はベビーベッドにいる時間が長くなってしまい、なかなか自由に遊ばせられる時間も短くなってしまいました。
新しい家ではそういったことがないよう、子どもが自由に遊べるスペースを和室で確保したいとずっと考えていました。
また、このスペースは、下の子に個室が必要になるまでは、勉強をするスペース・余暇を過ごすスペースとしても活躍することでしょう。

こういった意図をもって作る和室ですので、部屋のプランにあたってはおのずと次のような条件がついてきます。

・個室として、寝泊まりまで含めて想定する部屋なので、最低限の寝具を入れられる収納を作りたい。
 →ということで、半畳の押入れをつけることにしました。

・娘の遊び・勉強スペースとして想定する部屋なので、廊下から入る独立した部屋ではなく、LDKとつながるオープンな共用スペース的な配置にしたい。
 →LDKのとなりに和室を作り、かつ小さなドアなどではなく、広い面でLDKとつながる配置にしました。

ところで、実はこの2つの条件には、大きく矛盾する部分があります。
それは、

・LDKと和室の間をどうやって仕切るか。

という問題です。

個室性という観点からは、LDKと和室の境界には、間仕切りやドアを設置してしっかりプライバシーが守れる工夫が必要です。
一方、子どもの遊びスペースという観点からは、境界はできるだけ存在せず、あたかもLDKと連続した空間であるかのようにする工夫が必要です。

この矛盾する2つの要請を考えたとき、一番無難なのはふすまのような引き戸を並べて、普段はそれを開いておくという方法でしょう。
でもこれでも、最低限「引き戸1枚分」は常に余計に仕切られてしまいますし、枚数の多い引き戸というのはコストも高く、また戸を動かすレールだけで意外に多くのスペースをとってしまいます。

そこで、今回はどちらかというと「遊びスペース」性のほうをやや重視し、

・間仕切りはカーテンにする。

という方法で解決することにしました。
LDKと和室の境界部分の天井にカーテンレールを取り付け、そこに天井から床までカバーできる背の高いカーテンをとりつけ、必要に応じて開いたり閉じたりするというアイデアです。

これなら、「開いている」ときには境界を全開にでき、必要に応じてカーテンを閉じることで必要最低限のプライバシーを確保することもできるわけです。
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2016年08月01日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(79)

間取りの工夫について、さらに続けていきます。

15)収納スペースの強化

我が家はとにかくモノの多い家です(というか、私がモノの多い人なのですが(笑))。
実際、これまで家の中にはモノがあふれていて、例えばルンバみたいな掃除機は絶対に使えないような状態だったわけですが、新しい家ではそういったことを極力避けられるように、とにかく収納スペースをしっかり確保することに全力を注ぎました。

その最たるものが、12畳を超えるサイズの法令ギリギリの広さのグルニエですが、さらにそれ以外に、

・2Fに2畳の独立したクローゼットルーム
・私が使う洋室、妻が使う和室、それぞれに1畳のクローゼット・押入れ
・1Fの和室に半畳の押入れ
・キッチンは収納フル装備(シンク下、シンク上、背面上、背面下(オープンシェルフ)
・トイレ収納(1Fは埋め込みボックス、2Fは枕棚)
・洗面室枕棚
・玄関階段下枕棚
・その他


など、ありとあらゆる場所に収納スペースを設けました。
その一方で、リビングのシステム収納のような、汎用性の低い家具型収納はいっさい採用しませんでした
こういった収納は時間がたつと時代遅れになることが多く、また部屋のなかの家具配置にも制約ができやすいので、収納はあくまで「四角いスペースを用意する(できるだけ多く、できるだけ広く)」だけにして、そこにメタルラックやプラケースを置くことで具体的な収納を実現するスタイルです。

また、今回選んだハウスメーカーでは、なぜか「枕棚はいくら作っても無料」という面白い条件がついていましたので、枕棚がつけられそうな空間にはすべて枕棚をつけました
結果、当初は「ただの四角い部屋」になる予定だった2Fの収納部屋は、枕棚とハンガーのついた「ウォークインクローゼット」に無料で設計変更することができました(笑)。
それ以外にも、玄関の階段下や、2Fトイレの上部の空間などにも、もともと有料で収納をつける予定でしたが、枕棚だけで十分に収納力をつけられそうだと分かったので、すべて無料で枕棚をつけることにしました。
これによって、コストをかなり(数十万円単位で)下げることができたと思います。

また、キッチンのスペース内には凹みを作って半畳分の「冷蔵庫置き場」を作ったのですが、冷蔵庫の奥行きとして半間分=90cmは必要ありません。
そこで、冷蔵庫置き場の奥行きが75cm程度になるようにして、余った15cmは冷蔵庫置き場の間仕切りの反対側=ちょうど階段下のホールになっていた場所に、奥行き10cm程度の薄い収納スペースを作りました

このようなさまざまな工夫によって、収納力を最大限に高める工夫をこらしてあります。
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2016年07月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(78)

間取りについてのこだわりポイントについて書いていますが、今回は少し療育(というか、子育て)に関係あります。

14)階段の回転

このあたりは常識的な話。
でも、子どもに障害があることも少し考慮して「妥協しないポイント」として考えていたのが、

・階段を直線階段にしない。

ということでした。

階段というのは、実は家のなかで非常に大きなスペースを占めます。
下の階と上の階、両方のスペースがつぶれますから、必要な「延べ面積」は2倍になりますし、階段の入口と出口はいきなり部屋にはできず、最低でも半畳の階段ホール的なスペースが必要になります。
それらをすべて合計すると、実は階段1つで四畳半くらいのスペースが使われてしまうのです。

そして、この階段の専有スペースを小さくする方法は、2つあります。

・階段の傾斜を急にして段数を減らす。
・階段を曲げずに直線階段にする。


段数については、一般的な(2.4mくらいの)天井高の場合、「13段」とするのが標準的で、14段にすると高齢者に配慮したゆとりある階段、15段にすると逆にのぼるのに若干違和感を感じるほど緩い階段になります。
逆に12段にするとかなりきつめの(昔ながらの)階段になり、11段はちょっとありえない(ロフトの梯子レベル)傾斜になります。

今回、我が家の階段は、13段にしました。
本当は14段にしたかったのですが、14段にすると必要な階段スペース自体が半畳増える(または逆に危険なくらい1段あたりの踏みしろが短くなる)ことから、実現は困難でした。

一方、直線階段だけは絶対に避けることにしました。
直線階段は、階段の途中、特に2階の一番上の段から落ちた場合に、一番下まで一直線に落ちるので、深刻なケガにつながるリスクが高くなります。
これを避けるには、L字型、U字型、Z字型など、階段を折り曲げて直線ではない形にすることで「最上段から最下段まで一気に落ちる」ということを回避するわけです。
(途中に踊り場を作るのがもっとも安全なやりかたですが、これは非常にスペースを多く使うので設計は難しいです。)

そんなわけで今回、我が家の階段は、最終的に「上の方に曲がりのあるU字型」になりました。
2階からみて、U字型をぐるりと回って「最後の直線」になるところまでで、5段程度、つまり全体の1/3以上既に降りていますから、誤って転落した時のリスクをかなり下げることができています。

また、スペースの活用のために、階段下を玄関土間に活用したというのは以前書いたとおりです。
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2016年07月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(77)

間取りについてのこだわりポイントについて書いています。

13)キッチン出窓

キッチンについては、妻とも話をしながら相当設計にはこだわりました。
例えば、子どもの安全を考え、あえてオープンキッチンではなくクローズドキッチンにして、入口をロックできるようにした(その一方でキッチンが孤立しないように、リビングから直接互いに見える配置にした)というのは、以前書いた通りです。

それ以外にこだわったポイントとしては、何といっても「収納力」です。
我が家は、食器の数は少ないですが、キッチンに置く家電製品の数はかなり多い、ということが、これまでの生活でもはっきりしています。

・冷蔵庫
・電子レンジ
・炊飯器
・オーブントースター
・ホームベーカリー
・電気ケトル
・食器洗い機(以前ビルトインを使っていたら故障して水びたしになったので、あえて外付けタイプ)
・その他


実際、これまでの家のキッチンでは、これら家電を出したりしまったりというのがかなり面倒で、置き場にも困る状況でした。
ですので、新しいキッチンでは、食器棚的なスペースを減らし、代わりに家電その他を置けるオープンな棚スペース的なものを最大限に増やす(当然、コンセントもアース付きで大量に付ける)ということをイメージしてプランしましたが、そう考えた時に一番置き場所に困るのが、実は、

・水切りかご

です。
水切りかごは、その性格的にキッチンのシンクのすぐそばに置く必要がありますが、同様にシンクそばに置くべきアイテムとして「外付けの食洗機」がすでに「予約済み」状態ですので、置き場所がありません
シンクの反対側は、当然に調理スペースなので、やはり水切りかごを置くことはできません。

というわけで、今回絶対につけようと思っていたのが、

・キッチンの出窓

だったのです。

キッチンのシンクの正面に出窓をつけることで、シンクから見て外れ側の隣に食洗機、IH調理器側の隣は調理スペース、正面の出窓に水切りかご、というパーフェクトなレイアウトが成立するわけです。
出窓だけはあとで追加できませんから、設計時につけておきました。
実は、出窓1つ追加するだけで30万円くらいコストアップしますし、気密や断熱的には非常に不利になるのですが、これだけは譲れませんでした。
(その代わり、出窓はキッチンのここだけにして、それ以外の「なんとなく出窓」みたいなのはまったく作っていません
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2016年07月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(76)

間取りについてのこだわりポイント、もう少し続きます。

11)全部屋の対角2窓(トイレ以外)

次は窓についてです。
今回、家づくりで選択したビルダーは「高気密・高断熱」の家が特徴なので、「窓を開けずに、換気システムで換気する」というのが本来の家のコンセプトになります。
とはいえ、朝起きた後とか、特に冷暖房を気にしなくてもいい季節については、そんなことを言わずにどんどん窓を開けて新鮮な空気を取り込んだほうがいいに決まっています。

そんなわけで、各部屋の窓の配置にもこだわりました。

まず、各部屋を基本的に「角部屋」にすること。
つまり、左右の両方を別の部屋にはさまれた「中部屋」を作らないということです。
なぜなら、中部屋の場合、外に面した窓を部屋の1方向にしか作れず、空気が入れ替わらないからです。

そして、各部屋を角部屋にしたうえで、窓を2箇所に設定します。その2箇所は、基本的に建物の最も長い対角線上に設定します
そうすることによって、その両方の窓を開けたとき、部屋の全域の空気を入れ替えることができるようになるわけです。

この「対角線上の窓の設置」については、どうしても中部屋になってしまうトイレや一部の水回り以外のすべての部屋で実現することができました。


12)LDKの全方位窓

さて、個室については対角線の2箇所に窓を設置しましたが、1階のLDKについては、角部屋どころか1階のフロアのほとんどを占めていることから、対角線だけでなく、「直線方向」についても、風が通るように窓などを配置しました

具体的にいうと、キッチンの北側の勝手口のドアを、開口して空気が入れ替えられるタイプにしました。
これによって、南側の掃き出し窓と北側キッチン勝手口との間で「南→北」の風の流れができます。

さらに、東側のダイニングと西側のLDKと連続した和室にもそれぞれ窓を設置し、「西→東」の風の流れも確保しました。

これらによって、1階のLDKスペースは、どんな季節でも十分に風が通るようになりました
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2016年07月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(75)

さて、ここまでは、娘の療育とも関係のある「こだわりポイント」を書いてきましたが、ここからはそれ以外でこだわったポイントについても書いておきたいと思います。(まずは間取りについてだけです。仕様とかについてはまた別に)

8)廊下を最小限に

これは基本中の基本です。
廊下というのは階段とあわせて家の中の無駄スペースだと考え、できるだけコンパクトにまとめることを考えました。
結果、1階については(玄関をあがったたたき部分を除いて)廊下はゼロ、2階についても全部で2畳程度(半間×4ブロック)にまで抑え込むことができました

9)広くて四角い個室

廊下を短くするのとあわせて考えなければならないのが、部屋の形です。
一般的に、廊下を短くするとその短い廊下に各部屋の出入り口が集中するので、廊下から遠い部屋を中心に、真四角ではない部屋ができてしまったり、異様に細長い部屋ができてしまう可能性が高まります。
今回のプランニングではそれを徹底して避け、2階のすべての部屋が標準的な4畳半、6畳、8畳といった真四角のきれいな形に納まるようにしました。
またこの際、確保したスペースは四角いけれどもクローゼットが出っ張っているので部屋そのものはL字型になってしまう、ということも避け、収納スペースのほうを出っ張らせて、部屋自体が真四角になるようにプランニングしています

10)ベランダへの2部屋アクセス

我が家の場合、2階のベランダは大きく2つの役割があります。

a)洗濯物を干す。
b)月の写真を撮る。


まあ、b)は私の勝手な趣味で、かつ最近は全然撮れていないわけですけど(笑)、いずれにしても、ベランダには妻も私も、それぞれの部屋から直接アクセスできるようにしておかないと、どちらかが相手の部屋に入り込んでいかなければならなくなり、不便です。
ですので、ベランダは南側に広くとり、そのベランダに面した南側の部屋は2つとって、それぞれ掃き出し窓からベランダに出られるようにしました。
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2016年06月27日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(74)

さて、家を設計するにあたって、間取り面でこだわったポイントについて書いています。

7)階段下スペースを使った広い玄関

これはよくある設計の工夫ですが、階段の下にはけっこう大きなスペースができますので、これをどう活用するかということを考えました。

そして最終的にたどりついたのが、「玄関の土間スペースとして活用する」というアイデアでした。

それまでの経験からも、我が家の場合、玄関に広めのスペースが取れるのが望ましいということが分かっていました。
娘を外出させるとき、個室に連れて行って着替えさせて荷物を持たせて…という流れを作るのは容易ではなく、「出かける」→「まっしぐらに玄関に向かう」→「玄関で外出準備もろもろを整える」という一本道のルートみたいなものができてしまうので、かなり多くの「外出タスク」を玄関でこなさなければなりません。
そのために、玄関には娘の外出用のジャンパーとかかばんといったモノがたくさん並ぶことになります。
同時に、下の娘のこれからを考えると、ベビーカーや三輪車といった乗り物も、玄関に収納しなければならないことが予想されるわけです。

とはいえ、あまり玄関に広いスペースをとってしまえば、当然に他の部屋が狭くなります

このトレードオフを解決するために思いついたのが、

階段下のスペースで玄関を広げる。

という設計でした。

階段下のスペースは、だいたい1〜1.5畳くらいは取れるのでそれなりの広さがあるわけですが、当然「階段下」なので天井は低く、形も(空間的に)三角形になります。
物置スペースとしてはこの天井の高さがけっこうネックとなり、意外と使いにくくなるものです。

ところが、これを「玄関」に持ってくると、かなり様相が違ってきます。
その最大の理由は「土間の高さ」にあります
玄関の土間は、玄関よりも20〜30cmくらい下にあります。つまり、1階のフロアレベルよりも土間のほうがかなり低いわけです。
そして、階段というのは1階のフロアレベルから始まります。
ですから、階段を玄関の土間の上にもってくると、それだけで「階段下スペース」は20〜30cm分高さを余計に稼げるわけです。

我が家の玄関は、この工夫によって、玄関の「通常部分」として2畳、さらに階段下の天井が低い部分として1.5畳を確保して、合計3.5畳というかなりの広さをとることができました
階段下部分には、ハンガーを付けてヘルメットやレインコートを掛けたり、ベビーカーや三輪車を置いたりしています。土間をあがったたたき部分に、上の子のかばんやジャンパーをかけるポールハンガーを置いています。
そういった物を置いても、玄関の「通常の土間部分」はすっきりしたままなので、見た目的にもかなり広々とした印象になりました。
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2016年06月20日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(73)

療育的視点からこだわった家づくりのポイント、次はこちらです。

6)2台以上駐車可能な駐車スペース

これはもう言うまでもありませんが、療育的サポートが必要な娘と暮らしていくためにはマイカーは欠かせません(1台)。さらに、妻の実家の家族にサポートしてもらったり、何らかの支援サービスで家に来てもらったりするときに、その車を停めるスペースも必要です(もう1台)。

ですから、新しい家には、絶対に駐車スペースを2台分は最低確保しようと考えていました。

広い駐車スペースを確保するための基本は、建物を敷地の境界にできるだけ寄せて、駐車スペース以外の敷地部分のスペース効率を最大化させるような間取り+配置にすることです。
そのうえで、門塀とか玄関前の庭といった余分な設備をできるだけ作らずに、「何もない、ただの広い空間」を確保することがポイントになります。
そういう風に駐車スペースを作っておけば、例えば軽自動車のような小さい車なら1台分のスペースに無理すれば2台止められたり、逆にマイクロバスみたいな大きな車がきたとしても何とか押し込めたりと、駐車スペースの自由度が広がるのです。
門塀を作らない代わりに、我が家では引っ越す前の家でも使っていた「移動式ポール」に、鉄製っぽく見える濃い銀色のプラスチックチェーンをかけて、道路と駐車スペース(敷地)を仕切っています


↑こういうやつですね。

今回、最終的には、余裕をもった普通車2台分の駐車スペースが確保できましたし、さらに駐車スペースと連続した「駐輪スペース」から自転車を移動させれば、駐輪スペースに軽自動車や小型車が止められるようになったので、駐車スペースを「通常2台、最大3台」分、確保することができました
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2016年06月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(72)

さて、家づくりのなかでの療育的視点からのこだわり、次のポイントはこれです。

5)道路から距離をおいた玄関アプローチ

室内から玄関を通って外に出たときに、そこから車が往来するような道路までのアプローチをどうするのか、という、安全の観点からのポイントになります。

いわゆる都心の3階建ての狭小住宅などの場合、1階はピロティ構造にした駐車場と玄関のみみたいな感じになって、その玄関のすぐ前が道路になってしまうことがしばしばです。
これに対し、低層地域の住宅の場合、玄関の前は平置きの駐車スペースになることが多く、道路まではそのぶん距離が取れることが多いです。
引っ越す前の家は、ちょうどそんな感じでした。

でもこれでも、玄関を出てそのまま同じ方向に数m走っただけで道路に出てしまうんですね。
門をつけるという対応法もありますが、そうなると今度は自転車で出入りしたりするのが面倒になってしまったりします。

ですので、今回の家では、道路に対してかなり奥まったところに玄関を横向きに設置し、

・道路(敷地境界)から玄関までの距離を長めにとる。

ことに加えて、

・玄関を出て、90度折れた向きにアプローチを設定する。

という工夫を加えることで、ただ玄関を出て前に走り出しただけでは道路に出られない(玄関を出て、身体の向きを変えて、さらにしばらく走ってようやく道路に出る)ように玄関アプローチを設定したわけです。

さらに加えて言えば、今回買った土地の場合、そうやって「飛び出した」先の道路は「行き止まり」になっていて、周辺の数件の家の車以外は通らない、非常に安全な道路になっています。(実際、住んだあとは、周辺の家の子どもが道路に落書きをしたり三輪車を放置したりして遊んでいるくらいです)
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2016年06月06日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(71)

さて、注文住宅を選んだ(というか、諸事情により選ばざるを得なくなった)ことで間取りを自由に設計できるようになり、さらにその間取りをメーカー任せにせず自分たちで細かいところまで決めて、療育的視点もいろいろ取り入れていくことになったわけですが、そんななかでの「こだわり」の4つめがこちらです。

4)標準よりもぐっと広いバスルーム

まあこれはそんなに難しい話ではないです。
住宅のバスルームというのはいまはほとんど全てが既製品(ユニットとして完成しているものをはめこむだけ)になっていますが、そんななかで「標準的な広さ」というのは、大体1坪タイプです。
タテヨコがそれぞれ1.8mで、半分が浴槽、半分が洗い場という形ですね。コンパクトマンションや狭小住宅ではこれより狭いタイプが採用されることもありますが、一般的な注文住宅のプランではだいたいこの1坪タイプが主流です。

これに対し、我が家は浴室を広げて「1.25坪タイプ」にすることにこだわりました。
1.25坪の場合、浴槽は1坪タイプと同じ大きさで、洗い場が1.5倍の広さになります。

この広さにしたかった理由は、言うまでもなく、娘との入浴をやりやすくするためです。
1坪タイプの浴室の洗い場では、大人1人と子ども1人が同時に洗うというのが無理なく使える限界で、大人2人とか、大人1人と子ども2人が同時に体を洗おうとすると、かなり狭くなります。
我が家の場合、上の娘が入浴するときには必ず妻と一緒になります(もう娘もいい歳なので、ここは女性である妻の仕事です)。さらに下の娘も生まれたので、特に平日などは、3人が同時に入浴するシチュエーションが想定されます。
それを考えたとき、やはり浴室は1.25坪をぜひ確保したいと考えました。

1.25坪の浴室というのは標準プランを外れるので追加費用が発生します。
ここで、1.25坪の浴室というプランをまったく想定していないハウスメーカーや工務店の場合、1.25坪のプランのコストをショールームなどでゼロから全額見積もったうえで、オリジナルのプランに含まれている浴室費用(まとめて発注することでかなり安くなっていることが多い)を差し引いた額を全部上乗せされてしまうので、ものすごく高額(50〜100万円)になることがあるのですが、今回選んだハウスメーカーの場合は「オプションプラン」として最初から1.25坪浴室の設定があり、それを選んでも25万円程度の上乗せで済みました。これはありがたかったですね。

また、浴室については、最終的な設計においてものすごく強引なことを2つ行なって、なんとか設計をまとめた経緯があるのですが、それについてはあとで書きたいと思います。
posted by そらパパ at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年05月30日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(70)

新居を注文住宅にしたことで、コストは上昇しましたが、一方であらゆる「こだわり」を盛り込むことができるようになりました。

そのなかには、療育的視点によるものもたくさんあります。

その1つは、すでにご紹介した「リビング内階段・リビング内水回り」でしたが、それ以外にも、以下のような「療育的こだわり」を盛り込んでいます。

3)独立した、締め切り可能なクローズドキッチン
4)標準よりもぐっと広いバスルーム
5)道路から距離をおいた玄関アプローチ
6)2台以上駐車可能な駐車スペース
7)階段下スペースを使った広い玄関


順にご説明していきたいと思います。

まず、3)ですが、キッチンについては、最近はやりのオープンキッチンではなく、LDからある程度区切られた、クローズドキッチンをあえて採用しました。
そして、LDからキッチンへの入口はあえて半間(90cm)程度と狭めにし、張り出した左右の間仕切り壁に、しっかりとチャイルドゲート等を固定できる間取りにしました。
これによって、包丁など危険なものが置いてあるキッチンに娘が不用意に入らないようにコントロールする(当面は下の娘を入らせないことにも有効)ことができるようになります。

とはいえ、キッチンがLDと完全に切り離されると孤独なスペースになってしまうので、ちょうどキッチンの動線の真横にダイニング、リビングを配置することで、キッチンからリビングもダイニングも当たり前に見える間取りにしています。

なお、これはあえて選んだものではなく、選んだハウスメーカーの仕様だったのですが、我が家はオール電化住宅のため、キッチンにガスコンロはなく、IH調理器しかありません
これもキッチンの安全性向上に、結果的に大きく貢献しています。

また、キッチンとダイニングは、朝の気持ちいい光が入ってくることと、まだ気温が高くない時間帯の光をちゃんと取り入れて湿度の上昇を防ぐために理想的な「東向き」の配置としています。
キッチンを北向きにすると日の光が入らず寒くて湿気がこもりやすくなり、西向きにすると西日で気温が上昇し、食材が腐りやすくなると言われています。(そして南側はリビングなど生活する場を配置しないともったいないです)
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2016年05月23日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(69)

さて、新居の間取りでもっともこだわったのは、前回までで触れたとおり、廊下がなく、階段もトイレも浴室もリビングから直接つながる構造でした。
なお、この間取りの採用によって、あるスペックが建物に要求されることになりますが、それはあとで書きます。

間取りに関して、次にこだわったのが、

2)法令で許される上限ギリギリまで広げた、広いグルニエ(屋根裏部屋)と固定階段

です。
住環境と広い駐車スペースにこだわって選んだので、買った土地は一種低層地域で、2階建以上の家は建てられません。
でも、一種低層地域であっても、一定の要件を満たす屋根裏部屋なら作ることができます。
具体的には、

・天井の高さが140cm以下
・面積が下の階(=2階)の半分以下


という条件になります。
逆の言い方をすると、最大で2階の広さの半分の広さのグルニエまでは作ってもいいということになるのです。

通常、グルニエというのは補助的な物置扱いで、作ったとしてもせいぜい2畳とか4畳程度のものがほとんどです。
また、グルニエのアクセスについても、利用するときだけ下ろすロフトばしごようなものを使う場合が多いですね。

でも、我が家は(というか、私が)ものすごくモノが多いので、グルニエを目一杯広くしようと考えました。
そのために、屋根の形や傾斜角度、家全体の高さや2階の間取り(柱の位置によってグルニエの自由度が変わるため)にまでこだわり、最終的に12畳オーバーのものすごく広いグルニエを作ることができました。

さらに、2階からグルニエへ、1階から2階と同じように固定階段で行けるようにしました。(そのために、階段の配置にも細心の注意を払って設計することになりました)
これで、「ほぼ3階建て」という2階建ての家を、合法的に建てることができました

ちなみに、この間取りを採用したことでも、建物に対して、2つの「あるスペック」が求められることになりましたが、それもあとで書きたいと思います。
posted by そらパパ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年05月16日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(68)

さて、新居の間取りを考えるときに、最初に私が決めたのは、

1)リビング内階段・リビングから続く水回りを含む、廊下のない1階。

ということでした。

これは、逆にそれまで住んでいた家には廊下があり、リビングと水回り・階段が廊下をはさんで分かれていたことで感じていた不便を解消するためでした。

すなわち、

・親が介助で寒い・暑い思いをしなくて済むように。
・娘がリビングのドアを閉め忘れるのを毎回注意しなくて済むように。


という2点が大きな理由です。

我が家では、娘がトイレにいくのにも入浴するのにも介助が必要です。トイレでは近くで見守って終わったら後始末や手洗いをサポートする必要があり、入浴については一緒に入る必要があります。

このうち、特にトイレについては1日に何度も発生するイベントなうえ、親はドアの外で待っていなければならないので、そこが玄関直結の廊下だと、夏は暑く冬は寒いです。
また、トイレの中も更衣室も、冷暖房が届かないのでどうしても夏暑く冬寒いです。

加えて、娘は気分にあわせて1階のリビングでくつろいだり2階の家族の個室に来たりとあちこち移動します。
さらに、下の娘をトイレやお風呂に連れて行くのが気になるらしく、いちいちトイレや更衣室まで様子を覗きに来たりします。
そのとき、しばしば娘がリビングから廊下につながるドアを閉め忘れるんですね。そして熱気や冷気が流れ込んできます。
そのたびに注意するのですが、家族にとっても本人にとっても気持ちのいいことではありません。

新居では、そもそもこういったことが起こらないよう、階段も、トイレも、更衣室〜浴室も、ぜんぶリビングにつなげました
これで、玄関からリビングにつながるドアは、外出するとき以外は開けないで済むことになり、また、トイレも更衣室もリビングの冷暖房が回り込むので暑さ・寒さから解放されます
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2016年05月09日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(67)

さて、家づくりで、建物のプランとして考えなければならないことは、

・建物の仕様(構造や断熱仕様、外壁、屋根、防火性能、防犯性能、耐震性能など)
・間取り
・設備の仕様(浴室、キッチン、トイレ、内装、照明など)
・外構(門塀、駐車場(舗装方法を含む)、駐輪場、玄関アプローチ、機能門柱(表札とポストとインターホンがまとまっている門柱)、植栽、物置など)


といったものになります。

このうち、何よりも最初に決まっていかないと話にならないのが、間取りです
間取りが決まって初めて、どんな大きさ・どんな形のキッチンが入るのか・使いやすいか、どの場所にどんな窓をどう配置するか、玄関アプローチと駐車場をどう配置するかなどが決められるようになるわけです。

というよりも、土地を買う時点で、その土地にどんな間取りを入れるつもりなのか(その間取りがちゃんと入るのか)がわかっていなければ、土地の売買契約を結んだあとで希望する間取りが入らなかったなんていう悲劇が起こってしまうわけですから、まずは何よりも、土地を検討している時点から本気で間取りを考えていかなければならないわけですね。

間取りのプランニング方法については、既にこれまでに書いていますから、ここでは実際に私が建てた家について、間取りを決めるにあたってこだわったポイントをまとめておきたいと思います。

1)リビング内階段・リビングから続く水回りを含む、廊下のない1階。

玄関を入るとすぐにドアがあって、そこを入るとLDKがあり、2階に上がる階段はそのリビングの中にある、という構造です。
同様に、洗面室やトイレ、浴室も(ドアはつけるものの)リビングから続いていて、玄関前の小さなホールを除いて、1階には廊下がない間取りにしました。

これは実は、娘の療育(生活支援)と大きな関係のある間取りプランです。
その点については次回エントリ以降で。
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2016年05月02日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(66)

というわけで、ようやく、建物の建築請負契約も終わり、残すところは間取りや建物の仕様の最終化、設備の仕様の決定といった、「建てる家の詳細を決めていく」作業になってきました。

間取りや建物の仕様(断熱仕様など)については、請負契約締結までに何度も打ち合わせを重ね、また、契約時の書面にも図面が添付されています(契約金額も、その図面に基づいて決められています)から、ここから先はどちらかというと微調整ということになります。
間取りや建物の仕様について、どんなところにこだわって決めていったかについては、このあとのエントリでも書いていきたいと思っています。

一方、設備の仕様については、この時点では間取りに影響を与えるようなものしか確定的には決まっておらず、大部分は契約締結後に最終化していくことになります。
具体的にいうと、浴室については、標準仕様の1坪サイズから、オプションの1.25坪サイズへのサイズアップは、契約締結までに決めました。当然ですが、浴室を1.25坪で設計して間取りに入れ込んでおかないと、あとで建物や間取りの形を変えなければならなくなってしまうからです。(そしてそれは、契約締結後だと断られてしまう場合もあります)
その一方で、浴室の内装を何色にするかとか、浴槽の形をどうするか、シャワーヘッドをミスト機能付きにするか、タオル掛けの位置をどこにするかといった、建物の構造・設計に影響を及ぼさなない「設備の仕様」については、契約締結後に続く「仕様決定の打ち合わせ」のなかで最終化していくことになるわけです。

そして、設備の仕様を決めるためにやらなければならないことがあります。
それが「ショールーム巡り」なのです。
ショールーム巡りについても、このあと(それ以外のことを先に書く予定なので、だいぶ後になってしまうと思いますが)書いていきたいと思っています。
posted by そらパパ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。