2007年12月17日

自閉症の人の自立をめざして―ノースカロライナにおけるTEACCHプログラムに学ぶ(ブックレビュー)

読み方が難しい本ですね。



自閉症の人の自立をめざして―ノースカロライナにおけるTEACCHプログラムに学ぶ
著:梅永 雄二
北樹出版

第1章 ノースカロライナ州の自閉症サポートとTEACCHプログラム
第2章 診断・評価
第3章 就学前支援
第4章 学校コンサルテーション
第5章 就労支援
第6章 居住支援
第7章 余暇支援
第8章 研修
第9章 その他
第10章 自閉症の人の支援に関するノースカロライナに学ぶ点

この本ですが、ある特定のニーズに対しては完璧といっていい内容になっていると思います。
それは、「ノースカロライナ州で実施されているTEACCHって、実際にどんなものなんだろう?」ということを知りたい、というニーズです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 23:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年12月10日

パニックを考える(15)

あまり楽しい話題ではない、「パニックへの(比較的マイルドな)罰の適用」について書いています。
今回は、実際にやってみようとするとなかなか難しい、「過剰修正法」についてです。


4)-b.過剰修正法

過剰修正法とは、問題行動に対して、その問題行動によって起こった環境の悪化を「過剰に」回復させる、あるいは問題行動に対応する「正しい行動」を「過剰に」練習するような活動を「罰」として強制する働きかけです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 23:07| Comment(10) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年12月03日

パニックを考える(14)

パニックへの対応法として、「タイムアウト」を応用する際に考慮すべき事項について、書いています。

前回書いたとおり、パニックへの対処法としてのタイムアウトには、

①積極的な消去を行なうというよりは、その行為が間違っているということを明示することを主たる目的にする。
②「放置」ではなく、「拘束」の方向性に持っていかざるを得ない。


という2つの方向性があると思います。

前回、①について触れましたので、今回は②の視点について書いていきたいと思います。そして、その視点から、ふたたび「抱っこ法」を取り上げます。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年11月12日

パニックを考える(13)

4) マイルドな罰でパニックをコントロールする

最後に、「禁断の一手」、すなわち罰によってパニックを抑制しようという働きかけです。
これまでも繰り返し書いているとおり、罰にはさまざまな副作用がありますので、できれば罰は使わずに、これまで紹介した方法を優先的に使うのがいいでしょう。

それでも、どうしてもパニックを十分にコントロールできないとき、体罰やことばによる、感情的で効果の薄い罰を与えてしまうのではなく、比較的マイルドで効果が高いといわれている罰を必要最小限に活用することは、意味のあることだと言っていいと思います。
(繰り返しになりますが、この記事の趣旨は「罰を奨励する」というものではありません。その点、ご了承下さい。)

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年11月05日

パニックを考える(12)

3) ストレス自体を軽減する

パニックというのは、欲求がかなえられないとか不安や混乱を感じているとか、子どもが何らかのストレスを受けることをきっかけにして起こっていると考えられますから、そのようなストレスが起こらない、あるいは起こりにくくなるような働きかけをすることができれば、パニックを未然に防いだり減らしたりすることができると考えられます。

このうち、「欲求がかなえられない」という状況を改善するためには、既に説明した「手持ちのカードを増やす」、つまり代替行動分化強化が効果的だと考えられます。

それでは、もう一方のストレス要因である不安や混乱についてはどうでしょうか?

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年10月29日

パニックを考える(11)

2) 逃げ場所を作る

さて、前回の記事でご紹介した「代替行動分化強化」は、パニックの原因であると考えられる「①欲求もしくは②混乱、あるいは③混乱を解消するためのサポートの要求」のうち、①と③に有効な「代替行動分化強化」でしたが、残っている②、つまり、何らかの理由でただ混乱している、かつ何かを与えてもその混乱は解消しない、といった場合にはどうすればいいでしょうか?
また、一度起こってしまったパニックによる興奮状態を、子ども自らが収束させていくためにはどうすればいいか、という問題も、ここに含めることにします。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年10月22日

パニックを考える(10)

パニックについてのシリーズ記事を掲載していますが、いよいよ、有効な働きかけについて考えていきます。

7.じゃあどうすればいい?

パニックは抑えてもだめ、罰してもだめ、受け入れてもだめ、無視してもだめとなると、「じゃあ一体どうすればいいの?」という声が聞こえてきそうです。
ここまで「だめ」が重なると、取れる手段はほとんど残っていないようにも思われますが、実は意外とそうでもありません。
この後、パニックに対する有効な働きかけだと期待できるやり方を、いくつか紹介します。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年10月15日

パニックを考える(9)

パニックへの対処法としてよく提案される「無視する」という反応ですが、ただ無視しても、多くの場合、子どもはより激しいパニックを続けてしまうでしょう。
そして、無視しきれなくなって、「ときどきパニックに応えてしまう」という反応をしたとき、それは行動療法的には「無視(=消去)」ではなく、「部分強化」と呼ばれます。「部分消去」ではなく、「部分強化」です。

「無視、ときどき構う」というのは、無視(消去)の一種ではなく、強化(ごほうびを与えて行動を起こりやすくする)の一種なのです。つまり、パニックに対して「無視、ときどき構う」という働きかけを行なうと、パニックはむしろ強化されてよく起こるようになります
それどころか、この「部分強化」というのは、他のあらゆる強化方法のなかでも最もその行動が強固に定着してしまう強化方法なのです。


続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年10月08日

パニックを考える(8)

パニックに対する対処法、うまくいかない方法ばかりが続いていますが、もうしばらくご辛抱ください。

6.パニックは無視すればいい?

療育のガイドなどでは、「正しいパニックへの対処法は、とにかくパニックを無視することです」と言われたりすることがあります。
行動療法において、「強化」の反対は「消去」であり(「罰」ではありません)、消去というのは行動に対して何も強化を与えないこと、つまり「無視すること」だから、無視していればパニックなどの問題行動は消去され起こらなくなっていく、という理屈です。

これは確かに正しいのですが、「パニックは無視すればいい」というメッセージは、多くの親御さんに、多分に誤解されて伝わっている気がしてなりません。

ですので、ここではっきりと書きたいと思います。

パニックは、無視する「だけ」では解決しません!

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 20:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年10月01日

自閉症の特性理解と支援―TEACCHに学びながら(ブックレビュー)

率直に、いいな、と思います。



自閉症の特性理解と支援―TEACCHに学びながら
著:藤岡 宏
ぶどう社

第1部 自閉症の特性を理解する
第2部 特性に沿って支援の方法を考える
第3部 医療・親さん・地域


この本を読んでいてまず何より感じたのは、すごく「素直に読めた」ということ。
自閉症療育の本を読むときは、基本的にいつも「論旨が矛盾していないか、同語反復に陥っていないか、安易な外部からの『解釈』がないか」といったポイントを吟味しながら読んでいるので、どうしても(私にしては)時間もかかりますし、それなりに難儀しながら読んでいく感じなのですが、この本についてはそういうことがとても少なくて、何だかすとんすとんと「腑に落ち」ながら、とてもスムーズに読めたのです。

なぜそんな風に読めたのかな?と改めて考えてみると、その一番の原因は、本書がTEACCHの哲学的立場に立った著作である、ということにあるような気がします。
ですから私は、この本を読んで改めて、「ああ、やっぱり私の考えはTEACCHに一番近いんだなあ」という思いを新たにしたわけです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年09月24日

パニックを考える(7)

パニックへの対処法、の続きです。

5.パニックは認めればいい?

パニックを抑えるのが望ましくない、罰もだめだというなら、パニックを受け入れ、パニックした子どもに対してそのパニックが解消できるように積極的に働きかければいいのでしょうか?

もちろん、そうすべきではありません。

既に書いているとおり、パニックとは欲求その他を「社会的に受け入れられない形で」表現することなので、社会的に望ましくない行動です。もしそれを増やしてしまうことがあれば、それは子どもの社会適応を悪化させることを意味しています。
つまり、パニックを不用意に抑えたり罰したりするのも望ましくない一方で、(当たり前ですが)パニックを不用意に増やしてしまうことも望ましくない、ということです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:14| Comment(5) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

パニックを考える(6)

パニックへの対処法、の続きです。
今回は、しばしば議論になる、パニックに「罰」で対応することについてまとめておきたいと思います。

4.パニックは罰すればいい?

パニックを罰によって解決しようとすることが、そもそもあまり効果的でないことは、実際にパニックに接している親御さんであればお分かりいただけると思います。
(なお、ここで「罰」という言葉は、行動療法(ABA)的な概念として使っています。つまり、パニックに対して、そのパニックを起こりにくくするような反応を返すこと-いわゆる体罰とか、言葉で叱るとか、そういったことですね。)

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

パニックを考える(5)

パニックを「抑える」という対応が「学習性無力感」につながり、望ましくない可能性がある、という前回の話題の続きです。

実は、このような、子どもをパニックが起こるようなストレスのかかった状態におき、かつ、パニックを起こしてもそこから逃げられない、という経験を繰り返すことで「無力感」を学習させ、パニック傾向を弱めるという仕組みが応用されているのではないか、と私が考える療育法があります。

それが、「抱っこ法」です。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

自閉症支援-はじめて担任する先生と親のための特別支援教育(ブックレビュー)

いい本ですね。


自閉症支援-はじめて担任する先生と親のための特別支援教育
著:井上 雅彦、井澤 信三
明治図書

こうままさんのブログで紹介されているのを読んでいて、たまたま近くの本屋に実物も置いてあったので、軽く立ち読みして中身が良さそうだったので買ってみました。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:50| Comment(5) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年08月27日

パニックを考える(4)

今回からいよいよ「パニックへの対処法」について考えていきたいと思いますが、その前に、本シリーズ記事を書き始めて以降、コメント欄での議論等で話題になった、パニックが起こる原因のもう1つの側面について簡単に触れておきたいと思います。

自閉症児は環境とのかかわり=相互作用が年齢相応に発達してこないため、環境を安定的に知覚したり、先の見通しを立てたりすることが苦手です。
そういった知覚や認知が、この世界を生きていくための「安心感」の源になっているはずですから、そういった能力が発達しにくい自閉症児は、健常児よりも混乱状態に陥りやすく、それがパニックにつながっていくということも十分に考えられます。

つまり、もともとパニック状態になりやすい、不安定でストレスフルな状態にあるうえに、欲求や混乱が高じたときの表現方法が極めて貧弱である(だから、なおさら欲求も実現できないし、混乱にも対処できない)ために、「パニックばかり起こす」という状況に追い込まれている、と考えられるわけです。
(自閉症児は怖い記憶をよく覚えていて、それを思い出してパニックになる、といったケースなど、他にもいろいろ考えられますが、あまり「内面」に入っていくと効果的な働きかけにつながりにくくなってきますので、まずはシンプルに考えていこうと思います。)

このような理解をふまえて、ここからは、パニックへの対処法を、類型化したうえで順に検討していきたいと思います。
(なお、繰り返しになりますが、ここで扱おうとしている「パニック」は、脳の疾患等が背後にあると想定される病的なもの以外のものを想定しています。ご承知おきください。)


3.パニックは抑えればいい?


続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:39| Comment(15) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年08月15日

エーワンからPECSカード用シートが出ました。

当ブログでもずっと以前から絵カード作成用の必須ツールとして「ラベル屋さんHOME」をご紹介していますが、このたび、この「ラベル屋さんHOME」の開発元で、パソコン用ラベルの大手であるエーワンさんから、「パソコンで手作り絵カード」という絵カード専用の印刷用シートが発売されました


マルチカード「パソコンで手作り絵カード」
品番:51751

ニュースリリースはこちら。
http://www.a-one.co.jp/product/new/np_0708/51751.html

パッケージに「PECS(TM)用カードとして使える、A4ファイルにピッタリ納まる正方形カード」と明記してあるとおり、PECSジャパンから正式に監修を受けた、PECSオフィシャルのパソコン用印刷シートになっています。

実は、このシートの発売にあたっては裏話があります。
最終的にPECSジャパンさんの冠がついた商品になったので概要を書くにとどめますが、実は当ブログが、この商品の開発のきっかけになっていたりします。(^^)

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 20:50| Comment(7) | TrackBack(1) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年08月13日

パニックを考える(3)

2.パニックはなぜ起こるのか?

私たちの目から見ると、自閉症児の起こすパニックというのはとても奇異で「普通ではない」行動に映ることが多いと思います。だからこそ、パニックというのを特別視して、それを解消するためにはどうしたらいいのか?と思い悩むことが多いのかもしれません。

でも、恐らく問題はそれほど複雑なものではありません。
恐らくこの問題は、背後に複雑なものがある、と考えてしまえばしまうほど袋小路に迷い込んでしまうタイプの問題の典型なのではないかとさえ思っています。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 23:07| Comment(6) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年08月06日

パニックを考える(2)

パニックに関するシリーズ記事です。

さてここで、パニックの定義に戻ります。

この記事を書くためにウェブや書籍にあたってみましたが、どれもパニックという用語を何も定義せずにいきなる天下り的に使っているものが多く、パニックが具体的に定義されているものを発見することは残念ながらできませんでした。
そこで、仕方ないので私の理解から定義することにします。

私の理解では、パニックとは、

欲求や混乱が高じたときに、社会的に許容されないようなやり方でそれを表現する行動

と定義されます。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年07月30日

パニックを考える(1)

自閉症の子どもを持った親御さんの「目の前の悩み」の最たるものの1つとして、何といっても「パニック」への対処をどうしたらいいか、という問題があることは間違いないところでしょう。

実は当ブログでも、パニックについては既に一度書いたことがあるのですが、けっこう古い記事で、当時勉強していた、「狭い意味でのABA」にのみ拠っているところがあって、少し守備範囲が狭かったように感じています。

実際、我が家でも娘のパニック対策にはその後もずっと四苦八苦し続けていて、その中で「狭い理論だけでは立ちゆかない」側面もいろいろ体験してきました。(苦労している、という意味では、もちろん現在でもそうです。)
また、パニックに限らず、自閉症へのかかわり方全般についても、より多面的に考えることができるようにもなってきました。

そういった状況もふまえて、パニックについて改めて考え直し、新たにシリーズ記事として書いていきたいと思います。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:23| Comment(8) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2007年07月09日

あしたはきっと晴れ・あしたはきっと晴れⅡ(ブックレビュー)

久しぶりのまんがレビューです。

       


あしたはきっと晴れ―マオと家族の物語
あしたはきっと晴れⅡ―思春期編
著:あらみ なおこ
桂書房

自閉症の子育ての日々をつづったエッセイ風のまんがです。
1冊目は基本的に就学前の話、2冊目は「思春期編」となってはいますが、実際にはそれよりも少し前?の、小学校時代の話となっています。

この本の存在は、少し前から知っていたのですが、2冊まとめて買うとなると2,400円という値段のせいでなかなか手を出せずにいたところ、オークションで半額以下でセット出品されているのを発見し、思わず購入してしまいました。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

fortop.gif当ブログの全体像を知るには、こちらをご覧ください。
←時間の構造化に役立つ電子タイマー製作キットです。
PECS等に使える絵カード用テンプレートを公開しています。
自閉症関連のブックレビューも多数掲載しています。

花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。