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2007年10月29日 [ Mon ]

パニックを考える(11)

2) 逃げ場所を作る

さて、前回の記事でご紹介した「代替行動分化強化」は、パニックの原因であると考えられる「@欲求もしくはA混乱、あるいはB混乱を解消するためのサポートの要求」のうち、@とBに有効な「代替行動分化強化」でしたが、残っているA、つまり、何らかの理由でただ混乱している、かつ何かを与えてもその混乱は解消しない、といった場合にはどうすればいいでしょうか?
また、一度起こってしまったパニックによる興奮状態を、子ども自らが収束させていくためにはどうすればいいか、という問題も、ここに含めることにします。

続きがあります・・・

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2007年10月22日 [ Mon ]

パニックを考える(10)

パニックについてのシリーズ記事を掲載していますが、いよいよ、有効な働きかけについて考えていきます。

7.じゃあどうすればいい?

パニックは抑えてもだめ、罰してもだめ、受け入れてもだめ、無視してもだめとなると、「じゃあ一体どうすればいいの?」という声が聞こえてきそうです。
ここまで「だめ」が重なると、取れる手段はほとんど残っていないようにも思われますが、実は意外とそうでもありません。
この後、パニックに対する有効な働きかけだと期待できるやり方を、いくつか紹介します。

続きがあります・・・

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2007年10月15日 [ Mon ]

パニックを考える(9)

パニックへの対処法としてよく提案される「無視する」という反応ですが、ただ無視しても、多くの場合、子どもはより激しいパニックを続けてしまうでしょう。
そして、無視しきれなくなって、「ときどきパニックに応えてしまう」という反応をしたとき、それは行動療法的には「無視(=消去)」ではなく、「部分強化」と呼ばれます。「部分消去」ではなく、「部分強化」です。

「無視、ときどき構う」というのは、無視(消去)の一種ではなく、強化(ごほうびを与えて行動を起こりやすくする)の一種なのです。つまり、パニックに対して「無視、ときどき構う」という働きかけを行なうと、パニックはむしろ強化されてよく起こるようになります
それどころか、この「部分強化」というのは、他のあらゆる強化方法のなかでも最もその行動が強固に定着してしまう強化方法なのです。


続きがあります・・・

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2007年10月08日 [ Mon ]

パニックを考える(8)

パニックに対する対処法、うまくいかない方法ばかりが続いていますが、もうしばらくご辛抱ください。

6.パニックは無視すればいい?

療育のガイドなどでは、「正しいパニックへの対処法は、とにかくパニックを無視することです」と言われたりすることがあります。
行動療法において、「強化」の反対は「消去」であり(「罰」ではありません)、消去というのは行動に対して何も強化を与えないこと、つまり「無視すること」だから、無視していればパニックなどの問題行動は消去され起こらなくなっていく、という理屈です。

これは確かに正しいのですが、「パニックは無視すればいい」というメッセージは、多くの親御さんに、多分に誤解されて伝わっている気がしてなりません。

ですので、ここではっきりと書きたいと思います。

パニックは、無視する「だけ」では解決しません!

続きがあります・・・

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2007年10月01日 [ Mon ]

自閉症の特性理解と支援―TEACCHに学びながら(ブックレビュー)

率直に、いいな、と思います。



自閉症の特性理解と支援―TEACCHに学びながら
著:藤岡 宏
ぶどう社

第1部 自閉症の特性を理解する
第2部 特性に沿って支援の方法を考える
第3部 医療・親さん・地域


この本を読んでいてまず何より感じたのは、すごく「素直に読めた」ということ。
自閉症療育の本を読むときは、基本的にいつも「論旨が矛盾していないか、同語反復に陥っていないか、安易な外部からの『解釈』がないか」といったポイントを吟味しながら読んでいるので、どうしても(私にしては)時間もかかりますし、それなりに難儀しながら読んでいく感じなのですが、この本についてはそういうことがとても少なくて、何だかすとんすとんと「腑に落ち」ながら、とてもスムーズに読めたのです。

なぜそんな風に読めたのかな?と改めて考えてみると、その一番の原因は、本書がTEACCHの哲学的立場に立った著作である、ということにあるような気がします。
ですから私は、この本を読んで改めて、「ああ、やっぱり私の考えはTEACCHに一番近いんだなあ」という思いを新たにしたわけです。

続きがあります・・・

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2007年09月24日 [ Mon ]

パニックを考える(7)

パニックへの対処法、の続きです。

5.パニックは認めればいい?

パニックを抑えるのが望ましくない、罰もだめだというなら、パニックを受け入れ、パニックした子どもに対してそのパニックが解消できるように積極的に働きかければいいのでしょうか?

もちろん、そうすべきではありません。

既に書いているとおり、パニックとは欲求その他を「社会的に受け入れられない形で」表現することなので、社会的に望ましくない行動です。もしそれを増やしてしまうことがあれば、それは子どもの社会適応を悪化させることを意味しています。
つまり、パニックを不用意に抑えたり罰したりするのも望ましくない一方で、(当たり前ですが)パニックを不用意に増やしてしまうことも望ましくない、ということです。

続きがあります・・・

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2007年09月17日 [ Mon ]

パニックを考える(6)

パニックへの対処法、の続きです。
今回は、しばしば議論になる、パニックに「罰」で対応することについてまとめておきたいと思います。

4.パニックは罰すればいい?

パニックを罰によって解決しようとすることが、そもそもあまり効果的でないことは、実際にパニックに接している親御さんであればお分かりいただけると思います。
(なお、ここで「罰」という言葉は、行動療法(ABA)的な概念として使っています。つまり、パニックに対して、そのパニックを起こりにくくするような反応を返すこと−いわゆる体罰とか、言葉で叱るとか、そういったことですね。)

続きがあります・・・

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2007年09月10日 [ Mon ]

パニックを考える(5)

パニックを「抑える」という対応が「学習性無力感」につながり、望ましくない可能性がある、という前回の話題の続きです。

実は、このような、子どもをパニックが起こるようなストレスのかかった状態におき、かつ、パニックを起こしてもそこから逃げられない、という経験を繰り返すことで「無力感」を学習させ、パニック傾向を弱めるという仕組みが応用されているのではないか、と私が考える療育法があります。

それが、「抱っこ法」です。

続きがあります・・・

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2007年09月03日 [ Mon ]

自閉症支援−はじめて担任する先生と親のための特別支援教育(ブックレビュー)

いい本ですね。


自閉症支援−はじめて担任する先生と親のための特別支援教育
著:井上 雅彦、井澤 信三
明治図書

こうままさんのブログで紹介されているのを読んでいて、たまたま近くの本屋に実物も置いてあったので、軽く立ち読みして中身が良さそうだったので買ってみました。

続きがあります・・・

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2007年08月27日 [ Mon ]

パニックを考える(4)

今回からいよいよ「パニックへの対処法」について考えていきたいと思いますが、その前に、本シリーズ記事を書き始めて以降、コメント欄での議論等で話題になった、パニックが起こる原因のもう1つの側面について簡単に触れておきたいと思います。

自閉症児は環境とのかかわり=相互作用が年齢相応に発達してこないため、環境を安定的に知覚したり、先の見通しを立てたりすることが苦手です。
そういった知覚や認知が、この世界を生きていくための「安心感」の源になっているはずですから、そういった能力が発達しにくい自閉症児は、健常児よりも混乱状態に陥りやすく、それがパニックにつながっていくということも十分に考えられます。

つまり、もともとパニック状態になりやすい、不安定でストレスフルな状態にあるうえに、欲求や混乱が高じたときの表現方法が極めて貧弱である(だから、なおさら欲求も実現できないし、混乱にも対処できない)ために、「パニックばかり起こす」という状況に追い込まれている、と考えられるわけです。
(自閉症児は怖い記憶をよく覚えていて、それを思い出してパニックになる、といったケースなど、他にもいろいろ考えられますが、あまり「内面」に入っていくと効果的な働きかけにつながりにくくなってきますので、まずはシンプルに考えていこうと思います。)

このような理解をふまえて、ここからは、パニックへの対処法を、類型化したうえで順に検討していきたいと思います。
(なお、繰り返しになりますが、ここで扱おうとしている「パニック」は、脳の疾患等が背後にあると想定される病的なもの以外のものを想定しています。ご承知おきください。)


3.パニックは抑えればいい?


続きがあります・・・

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2007年08月15日 [ Wed ]

エーワンからPECSカード用シートが出ました。

当ブログでもずっと以前から絵カード作成用の必須ツールとして「ラベル屋さんHOME」をご紹介していますが、このたび、この「ラベル屋さんHOME」の開発元で、パソコン用ラベルの大手であるエーワンさんから、「パソコンで手作り絵カード」という絵カード専用の印刷用シートが発売されました


マルチカード「パソコンで手作り絵カード」
品番:51751

ニュースリリースはこちら。
http://www.a-one.co.jp/product/new/np_0708/51751.html

パッケージに「PECS(TM)用カードとして使える、A4ファイルにピッタリ納まる正方形カード」と明記してあるとおり、PECSジャパンから正式に監修を受けた、PECSオフィシャルのパソコン用印刷シートになっています。

実は、このシートの発売にあたっては裏話があります。
最終的にPECSジャパンさんの冠がついた商品になったので概要を書くにとどめますが、実は当ブログが、この商品の開発のきっかけになっていたりします。(^^)

続きがあります・・・

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2007年08月13日 [ Mon ]

パニックを考える(3)

2.パニックはなぜ起こるのか?

私たちの目から見ると、自閉症児の起こすパニックというのはとても奇異で「普通ではない」行動に映ることが多いと思います。だからこそ、パニックというのを特別視して、それを解消するためにはどうしたらいいのか?と思い悩むことが多いのかもしれません。

でも、恐らく問題はそれほど複雑なものではありません。
恐らくこの問題は、背後に複雑なものがある、と考えてしまえばしまうほど袋小路に迷い込んでしまうタイプの問題の典型なのではないかとさえ思っています。

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2007年08月06日 [ Mon ]

パニックを考える(2)

パニックに関するシリーズ記事です。

さてここで、パニックの定義に戻ります。

この記事を書くためにウェブや書籍にあたってみましたが、どれもパニックという用語を何も定義せずにいきなる天下り的に使っているものが多く、パニックが具体的に定義されているものを発見することは残念ながらできませんでした。
そこで、仕方ないので私の理解から定義することにします。

私の理解では、パニックとは、

欲求や混乱が高じたときに、社会的に許容されないようなやり方でそれを表現する行動

と定義されます。

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2007年07月30日 [ Mon ]

パニックを考える(1)

自閉症の子どもを持った親御さんの「目の前の悩み」の最たるものの1つとして、何といっても「パニック」への対処をどうしたらいいか、という問題があることは間違いないところでしょう。

実は当ブログでも、パニックについては既に一度書いたことがあるのですが、けっこう古い記事で、当時勉強していた、「狭い意味でのABA」にのみ拠っているところがあって、少し守備範囲が狭かったように感じています。

実際、我が家でも娘のパニック対策にはその後もずっと四苦八苦し続けていて、その中で「狭い理論だけでは立ちゆかない」側面もいろいろ体験してきました。(苦労している、という意味では、もちろん現在でもそうです。)
また、パニックに限らず、自閉症へのかかわり方全般についても、より多面的に考えることができるようにもなってきました。

そういった状況もふまえて、パニックについて改めて考え直し、新たにシリーズ記事として書いていきたいと思います。

続きがあります・・・

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2007年07月09日 [ Mon ]

あしたはきっと晴れ・あしたはきっと晴れU(ブックレビュー)

久しぶりのまんがレビューです。

       


あしたはきっと晴れ―マオと家族の物語
あしたはきっと晴れU―思春期編
著:あらみ なおこ
桂書房

自閉症の子育ての日々をつづったエッセイ風のまんがです。
1冊目は基本的に就学前の話、2冊目は「思春期編」となってはいますが、実際にはそれよりも少し前?の、小学校時代の話となっています。

この本の存在は、少し前から知っていたのですが、2冊まとめて買うとなると2,400円という値段のせいでなかなか手を出せずにいたところ、オークションで半額以下でセット出品されているのを発見し、思わず購入してしまいました。

続きがあります・・・

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2007年05月22日 [ Tue ]

「この星のぬくもり」文庫版

以前ご紹介した自閉症関連まんが「この星のぬくもり」が、文庫版になって手軽に読めるようになっているのを発見しました。


この星のぬくもり 自閉症児のみつめる世界
著:曽根富美子
ぶんか社

この本のオリジナル版や、「光とともに・・・」など、自閉症関連のまんがは大体大版で組まれていて携帯性に乏しいのですが、そんな中で文庫サイズの本書はちょっと珍しい存在になりそうですね。

ご参考までに、ご紹介しておきます。

(その他のまんがレビュー、ブックレビュー等はこちら。)

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2007年05月21日 [ Mon ]

これでもけっこう幸せだ。―自閉症の息子とともに(ブックレビュー)

久しぶりのブックレビューです。



これでもけっこう幸せだ。―自閉症の息子とともに
著:山岡 瑞歩
草思社

確か、新聞の新刊広告に書名が掲載されていて、書店でも3冊くらいまとめて入荷していたので、気軽な気持ちで買って読んでみたのですが・・・。

うーん、正直に言って、とてもコメントのしづらい本です。

続きがあります・・・

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2007年04月03日 [ Tue ]

いよいよスケジュール表始動

大したことではありませんが、以前ご紹介した、絵カードを活用したスケジュール表を、いよいよ実際に玄関に掲示して使い始めることにしました。(もうすぐ娘にとっての新しい生活も始まりますし・・・)



変更したところは、ほとんどありません。

非常に長かったカードのベロの部分を短くしたり、「今日はここ」フレームをベロでひっかける方法から洗濯バサミで留める方法に変えるといったマイナーチェンジだけ行なっています。

あとは、「おうち」というカードだけ見た目を少し変えてみました。(写真が小さい)

とりあえず、今はまだ「ぶら下げてあるだけ」ですが、少しずつこれがスケジュールなんだということを理解させていきたいですね。

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2007年02月12日 [ Mon ]

自閉っ子は、早期診断がお好き(ブックレビュー)

面白かったですよ。


自閉っ子は、早期診断がお好き
著:藤家 寛子
花風社

本題に入る前に、個人的に気になっていることが・・・
花風社から出ている本書と同じタイプの自閉症シリーズの本、読みやすくて値段も安くて、私たちに新しい視点を提供してくれるのでほとんど買って読んでいますが、タイトルのネーミングセンスだけはちょっと何とかしてほしいです。

とっくに成人している大人が書いている本に「自閉っ子」というタイトルを使うのも(そこに込められているメッセージ性もなんとなく分かるのですが)、何度も繰り返されると違和感が強くなってきますし、本書のタイトルに使われている「○○は××がお好き」という言い回しも、ちょっと陳腐ですよね。

堅いメッセージをカジュアルなタイトルに込めたいという意図も分からなくもないですが、こんな風に繰り返されるとちょっと食傷気味ではあります。

・・・閑話休題。

本書は、「自閉症とは身体障害だ」というセリフが印象的な、アスペルガー症候群の2人の対談を軸に構成された好著、「自閉っ子、こういう風にできてます!」の流れを受け継いだ実体験エッセイです。

続きがあります・・・

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2007年02月05日 [ Mon ]

すごいお母さん

日常の何気ない光景に、はっと驚くことってないですか?

先週末、私はそういうことがありました。

ふと立ち寄った100円ショップで、療育なんかに使えそうなものはないかな、と見ていたところ、たまたま近くにいた小さな子ども(3歳くらい?)とそのお母さんが、こんなやりとりをしていたのです。

母「さあ、次はあっちの売り場に行こう」
子「・・・」(S字フックがたくさんかかっている売り場で商品をいじるのに夢中)
母「あっちにはもっと面白いものがあるよ」
子「・・・」
母「うん、ここはとっても面白かったね。じゃあ次はもっと面白いところに行こう」
子「うん」(ようやく顔をあげて返事をする)


私(あー、すごいなあ、子どもがどんなに言うことを聞かないでも、叱ること=罰ではなくて次の場所の強化子を示しながら代替行動を伝えようとしてる。)

母「じゃあ、いこうか」
子「・・・」(行こうとした視線の先でまたさっきのS字フックが目に入ってしまい、またいじり始めてしまう)


私(あ、また元に戻っちゃったなあ。ここでこのお母さんはどうするんだろう)

続きがあります・・・

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書籍ベストセラー