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花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。

2011年05月09日 [ Mon ]

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(4)

過去に「殿堂入り」として、当ブログのブックレビューで高く評価した本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事、昨年の後半に第3回まで掲載してストップしていましたが、その続きということで、今回は第4回目になります。
(ちなみに、前回の記事はこちらになります)

今回は、「自閉症を知る」というカテゴリの本のうち、殿堂入りはさせていないものの、それに準ずる本としておすすめできる本のご紹介の続きです。

<おすすめできるその他の本>(続き)



親子アスペルガー―ちょっと脳のタイプが違います (レビュー記事

こちらはさらに最近レビューしたばかりの本ですね。
ご本人もアスペルガー症候群の当事者である親御さんが、2人のいずれもアスペルガー症候群のお子さんの子育てに奮闘する姿を綴った「当事者本」です。

この本の最大の特徴は、既に上記の短い説明のなかでも分かるとおり、当事者の方が、単に自分自身の過去や障害の特性を語るのではなく、同じ障害をもったお子さんを育てる経験について語っているという「当事者性の多重構造」にあるでしょう。

自分自身が障害によって苦労した経験と、その経験をふまえた「この世界」を見るまなざし。そして、いま現に自分の子どもが同じ障害によって苦労している現実、それを解決するためのさまざまな工夫、子どもたちに伝える当事者だからこそ言えるメッセージ。

そこには、単に「障害をもったお子さんの子育ての参考にもなる当事者本」という一般的な評価を超えて、「アスペルガー症候群の方が経験する世界観について生き生きと疑似体験できる、『異文化体験本』」という価値があると思います。

そういう意味で、アスペルガー症候群の当事者の方の書いた本ですが、知的障害を伴うような重い自閉症児の親御さんや支援者の方が読んでも得るところのある本だと思います。

続きがあります・・・

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2011年04月18日 [ Mon ]

まさか!うちの子アスペルガー?(ブックレビュー)

気軽に読める、ライトで明るいコミックエッセイ。


まさか!うちの子アスペルガー? ―セラピストMママの発達障害コミックエッセイ
著:佐藤 エリコ
合同出版

Mママさんのエッセイが本になりました。

こちらの本は、以前当ブログでご紹介した「絵カードのお店」というサイトを運営されているMママさんが、ご自身のブログ「うちの子はアスパラガス?」で公開されていたコミックエッセイをまとめたものです。

まさか!うちの子アスペルガー?

副題にもコミックエッセイとあるとおり、本書のエッセイはすべて、4コマまんがの横に短い文章が足された1ページ読みきりで構成されていて、長い文章を読むのが苦手な方でも気軽に読み進められるようになっています。

続きがあります・・・

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2011年04月04日 [ Mon ]

みかわさん(キラママさん)のブログについて

とある方から依頼がありましたので、当ブログでもご紹介させていただきたいと思います。

かつて「自閉症のサポートブック」という本を出版され、最近はぶどう社さんから、さらにターゲットを明確にした「重い自閉症のサポートブック」という本を出版された「高橋みかわ」さんという方が、ご家族自身が仙台市で被災した話題や、他の自閉症児をかかえ被災したご家族の話題などをブログでつづっていらっしゃいます。

http://ameblo.jp/kiramama42/
みかわの徒然日記


我が家にも、慣れない場所が苦手で、ちょっとしたことで大きな声で泣き叫んでしまう娘がいますから、仮に深刻な被災をしたとしても「避難所にはきっと行けないね」「仮設住宅ではいたたまれないだろうな」などと話していたばかりですから、大変参考になったり、身につまされたりする話題が満載でした。

多くの方にご覧いただきたいと思います。



重い自閉症のサポートブック [単行本]
高橋 みかわ
ぶどう社

(この本、将来ブックレビューを書くかもしれません。「サポートブック」といえば、最近はどちらかというと軽めの発達障害のお子さんの「配慮して欲しい点」をまとめたノート、というイメージが強いですが、本書では、模倣に困難がある程度の「重い子」のためのサポートブックと支援の方法についてまとめられた本です。)

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2011年03月14日 [ Mon ]

親子アスペルガー―ちょっと脳のタイプが違います(ブックレビュー)

これは面白い。当事者本として一読の価値あり。


(上はAmazon、下は楽天ショップ)

親子アスペルガー―ちょっと脳のタイプが違います
著:兼田絢未(BlogTwitter
合同出版

ちょっと発売から出遅れましたが、ようやく手に入れましが、なかなか面白くてあっという間に読むことができました。

本書は、お子さん2人がともにアスペルガー症候群で、ご自身もアスペルガー症候群、という、まさにタイトル通りの「親子ともどもアスペルガー症候群のご家族」について描かれた、いわゆる「当事者本」です。

この本を読んでいて、なぜか私は、本田勝一の「探検三部作」を思い出しました。


(検索して初めて気づきましたが、このシリーズ、絶版になってるんですね。かつては国語の教科書にまで載った名文なのに、ちょっとびっくり。こちらの本も、読み始めたらとまらない面白さですのでおすすめです。)

もちろん、シンプルに「異文化を知る」という共通点はあるのですが、今まで何冊も当事者本を読んできて、一度もこういう感覚を持ったことはありませんでした。
なのに、どうしてこの本に限ってこんな風に感じたのかな?

そう考えてみて、この本で際立っている、「探検三部作」とのいくつかの共通点に思い当たりました。

続きがあります・・・

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2010年12月27日 [ Mon ]

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(3)

過去に「殿堂入り」として、当ブログのブックレビューで高く評価した本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事の3回目です。

前回まで、「自閉症を知る」というカテゴリに分類した「殿堂入り本」をご紹介していましたが、このカテゴリの「殿堂入り本」はこれで全部です(つまり、2冊しかありません)。
ただ、これ以外にも、殿堂入りに準じるくらいの優れた本、おすすめできる本がいくつかありますので、今回はそれらを順にご紹介していきたいと思います。

<おすすめできるその他の本>


発達障害の子どもたち(レビュー記事

「発達障害の子どもたち」は、児童精神医療の現場から発達障害全体をとらえた痛快かつ意欲的な本。
さまざまな問題提起や新しい視点がふんだんに盛り込まれており、単なる通り一遍の入門書にとどまらない奥深さがあり、自閉症や発達障害にかかわる方には必読の書といっても過言ではないのではないでしょうか。Amazonのベストセラーランキングでも、発売から相当期間がたっているにもかかわらず、いまだに障害児教育カテゴリで常にトップグループで走り続けるすごい本です。

ただ、若干読み方が難しい本でもあります。「殿堂入り」にしていないのは、それが理由です。

続きがあります・・・

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2010年12月20日 [ Mon ]

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(2)

過去に「殿堂入り」として、当ブログのブックレビューで高く評価した本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事の2回目です。
しばらくは、私が「自閉症を知る」というカテゴリに分類した「殿堂入り本」を、順にご紹介していきたいと思います。



あたし研究(レビュー記事

こちらは比較的最近殿堂入りさせた本ですが、自閉症スペクトラムを生きる本人が障害について書くという「当事者本」の傑作です。

当事者本は、本人でなければ分からないことが読めるという魅力がある一方で、たった一人の個別の経験でしかないところから、誤って「自閉症一般」の話を読み取ってしまいやすいといった問題などがあり、取っ付きやすそうに見えて、実は読む人と読むべき本も選ぶ、ある意味「上級者向け」のジャンルであり、誰にでもおすすめできる「当事者本」は決して多くありません

以下、「当事者本の難しさ」について、簡単に書いてみたいと思います。

続きがあります・・・

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2010年12月06日 [ Mon ]

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(1)

先日、当ブログへ初めてお越しいただいた方のための簡単なまとめページを作ったときに、当ブログで過去に高く評価した「殿堂入りの本」をまとめてレビューしているページがないことに気づきました。
一方で、新刊で出てくる自閉症関連の本が、いわゆる出版不況のせいもあってか少々不作気味で、強くおすすめできるような新刊のレビューができる機会が少なくなってきているという現状もあります。

そこで、これまでの「殿堂入りおすすめ本」について改めてまとめたうえで、当時のレビュー掲載から時間がたっているものについては若干私の評価が変わっているものもありますので、そのあたりも含めて「再レビュー」してみることにしました

自閉症についての本をお探しの方は、本記事にて、現時点でのコンパクトで「俯瞰的な」レビューをお読みいただけるほか、書籍名のところに配した「レビュー記事」のリンクから、オリジナルのレビュー掲載時のレビュー記事もあわせてお読みいただけます。


1.自閉症全般についての入門書

<殿堂入りおすすめ本>




自閉症のすべてがわかる本(レビュー記事

TEACCHという療育法を日本に導入した佐々木先生監修で、安定感のある自閉症入門書
イラスト中心でページ数も抑えてあり、こういった本を初めて読む親御さんであっても、1日程度で難なく読むことができるでしょう。

続きがあります・・・

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2010年11月15日 [ Mon ]

絵でわかる自閉症児の困り感に寄り添う保育(ブックレビュー)

これは分かりやすい!支援入門書として好適。


絵でわかる自閉症児の困り感に寄り添う保育
著:佐藤 曉
学研 ヒューマンケアブックス

「意味の島」をつくる
「プレイ」を企画する
「要求」を育てる
「移動」を教える
スケジュール指導
生活習慣をつくる
「保育の流れ」をつくる
「保育の流れ」に乗れない子どもに
集団の中での支援
仲間と共に育てる
行事に向けた手だて
保護者と共に

佐藤氏の「困り感」シリーズは定評のある特別支援教育シリーズで、当ブログでも別の本のブックレビューのなかで触れたことがあります(参考記事)が、この本はちょっと色合いが異なります。

サイズが大判でハードカバーになっており、ページ数が極端に少なく、オールカラーで、「幼児向け絵本」のような装丁になっています。
中身はほとんどが大きな手書きのカラーイラストになっており、そこに補助的に解説文が添えられています。「困り感」という用語も、実際にはあまり出てきません。

イラスト中心でTEACCH的で絵本みたいな装丁、ということで、同じ出版社による、佐々木正美氏の「自閉症児のための絵で見る構造化」シリーズとのつながりも感じます。


自閉症児のための絵で見る構造化 パート2―TEACCHビジュアル図鑑(レビュー記事

続きがあります・・・

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2010年09月06日 [ Mon ]

拙著(幸せプロジェクト)の増刷決定&改めてご案内

先日、ぶどう社さんより連絡があり、拙著『自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト 〜お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育』が増刷の運びとなったそうです。


自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト 〜お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育
ぶどう社
2008年7月発行

今回の増刷で、おかげさまで拙著は第3刷となります。
皆さんの拙著へのご支持とご愛読に感謝いたします。本当にありがとうございます。

そんなわけで、今日はこの拙著について、本を書いてから丸2年ほど経過して、改めて感じていることについて書いてみたいと思います。

siapro.jpg
↑先日ご紹介いただいた、拙著の「避けるべき療育法」のページ。

続きがあります・・・

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2010年07月26日 [ Mon ]

子どもが発達障害?と思ったら ペアレンティングの秘訣(ブックレビュー)

「発達障害の子の子育てに悩んでいる」という親御さんに向けた、ペアレンティングの本です。



子どもが発達障害?と思ったら ペアレンティングの秘訣
著:服巻 智子
NHK出版

1 もしかして…
  わが子が何か違っていると感じたら
  親としての心構え
  家族計画と人生設計
  “困った行動”の考え方と「氷山モデル」
  家族のキーパーソン
  夫婦のあり方
  きょうだいに気配りすべきこと
2 これからどうすれば…
  その子自身の人生
  「子どもがかわいいと思えない」本音
  家庭での工夫のコツ
  自閉症スペクトラムとペット
  サポートブックを作ろう!
3 親だって癒されたい
  親だって癒されたい―夢をあきらめて
  ストレスマネージメントを生活に取り入れる
  親のための時間管理法
  お役立ち情報を手っ取り早く求める
4 支援あれこれ
  自閉症児支援のノウハウ
  支援方法のいろいろ
  専門家の活用法
  園選び・学校選びのコツ
  園や学校の先生との関係づくり
5 子どもと自分自身の人生も考えて
  すれ違いの間をつなぐこと
  親の気持ちの変遷と子離れの計画
  理解し合うことから生まれるもの

この本、一言で言えば、「子どもが発達障害かもしれない」と考えて不安になったり落ち込んだりしている、あるいは「子育てのしかたが分からない」と感じている親御さんに向けたアドバイス集です。

内容は、目次を見れば分かるとおり、

続きがあります・・・

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2010年06月27日 [ Sun ]

高機能自閉症児を育てる(クイックレビュー)

当面、この本のレビューを書く予定はなかったのですが、Twitterで2日前くらいから急にこの本の話題が盛り上がってきて、そこでの評価も非常に高いので、ごく短く、ご紹介してみることにしました。



高機能自閉症児を育てる
著:高橋 和子
小学館101新書

第1章 自閉症と診断されるまで
第2章 幼稚園時代
第3章 小学校時代
第4章 中学校での支援とアルクラブ活動
第5章 義務教育後の進路

高機能自閉症児(ことばの発達が遅れたために、アスペルガー症候群ではなく高機能自閉症の診断となっているのだと思われます)を育てた(ている)母親による子育て・療育本です。

この方のお子さんは、現在京都大学の大学院に在学中とのことで、本のオビにも赤字の大きな文字ででかでかとそのことが書いてあったので、中を読む前は「我が家のようなカナー型の子どもの親が読んでもあまり役に立たないんじゃないかな?」と思っていました。

でも、Twitter等でも評判が立ち始めていて興味をもったので立ち読みしてみると、思っていたのとはかなり違って、参考になりそうな内容だったので買って読んでみることにしました。

この本の特徴は、「特定の子どもの子育て本」であり、「当事者本」であるにもかかわらず、可能なかぎり客観的な視点に立ち、一般化された「子育て・療育上の問題の解決方法」が随所に書かれている点にあると思います。

なかでも、学校に入って以降の、教師や保護者との関係作り、子どもの特性や障害を理解してもらう方法、トラブルの乗り越え方といった、「親−子−学校(教師・保護者)」関係のなかでの親の役割、動き方といったあたりの話題は、もしかするとこれまでどんな「専門書」とか「療育ハウツー本」にも書かれていなかったくらい、具体的かつ一般化された分かりやすいものになっていると言ってもいいかもしれません。
そして、この部分は間違いなく、我が家のようなカナー型の自閉症児をもつ親御さんにとっても役に立つ部分だと思います。

このような「引いた」記述ができるのは、著者が単に自閉症児の親というだけではなく、親の会を自ら設立し、さらには発達障害の研究者・臨床者にまでなっていて、自閉症について、親であると同時に専門家である、という稀有な立場にいらっしゃるからなんだろうと思います。

また、本書を実際に読む前に「子どもが京大」というキャッチコピーから想像したような「詰め込み教育」的な療育は全然登場せず、肩の力の抜けた、子ども自身の「伸びる力」を支えるような自然体の療育にも、大変共感できました。

自閉症スペクトラムのお子さんをもつ、すべての親御さんにおすすめできる本だと思います。
新たな「新書版の自閉症本」の定番誕生の予感がします。

※その他のブックレビューはこちら


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2010年05月03日 [ Mon ]

うちの子かわいいっ親ばか日記(3)小学校編(ブックレビュー)

定評のある自閉症子育てマンガ、シリーズ3冊めが出ました。


※左がAmazon、右が楽天ブックスです。どちらも送料無料。

うちの子かわいいっ親ばか日記〈3〉小学校編―自閉症児あやの育児まんが
著:あべ ひろみ
ぶどう社

2年生になりました!
パパの転職で、学校探し!
新しい学校で、よろしく!
あやちゃん、賞状をもらう
たかぴーの入院、あやちゃんは?
好きなコト、できるコト、増えたね!
歯医者さん、よくがんばりました
ファッションショー、大成功!
おかたづけスケジュールは、スゴイ!
2泊3日の宿泊学習 ほか

ゴールデンウィークでもあるので、気軽な気持ちで手にとることができるまんがシリーズの1冊について、肩の力を抜いたレビューを書きたいと思います。

続きがあります・・・

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2010年04月12日 [ Mon ]

あきらめないで!自閉症 幼児編(ブックレビュー)

実に評価の難しい本です。


あきらめないで! 自閉症 幼児編
著:平岩 幹男
講談社

第1章 自閉症って何だろう
第2章 わが子が自閉症かなと思ったら
第3章 乳幼児健診でどこまでわかるの?
第4章 自閉症と診断された…どうしたらいいの?
第5章 いろいろある自閉症療育法
第6章 個別療育に取り組もう
第7章 高機能自閉症をめぐって
第8章 「できるようになった」を増やそう
第9章 幼稚園(保育園)に通う際の注意点
第10章 お父さんにできること
第11章 小学校に入る前に準備しておくこと

この本の内容を一言で表現するなら、「家庭で親御さんが自らロヴァース式のハードなABAをやりましょう、そうすれば自閉症の子も大きく伸びる可能性があります(だからあきらめないで)」という本だ、といえます。
もっと平たくいえば「つみきの会のすすめ」とでも言えばいいでしょうか。
実際、平岩氏は、つみきの会の顧問を務められていらっしゃいますし、つみきの会への入会を勧める記述も本書のなかで何度か登場します。

内容的には、自閉症の理解から診断、さまざまな療育の解説(TEACCH、PECSからキレーション、GFCFダイエットといった代替療法まで)、そしてABAによる家庭での個別療育(集団療育に対するもの)、幼稚園への通わせかたから就学相談、小学校入学準備と盛りだくさんで、「ロヴァース式ABAを中核にして自閉症の子どもの療育にチャレンジしてみたい」と考える親御さんへのガイドブックとして、かなり良くできていると思います。

ひたすらABA一本やりというわけでもなく、TEACCHの構造化の解説が何ページにもわたって詳しく書かれていたり、「特定の療育法への教条主義に陥って他の療育法を攻撃したりしないようにしましょう」あるいは「肩の力を抜いて、頑張らずに療育を続けていきましょう」といったメッセージがあったりと、ロヴァース式ABAをすすめる本としては、かなりソフトな語り口になっているのも特徴です。

でも・・・
それでも私は、この本をもろ手を挙げておすすめするのは、ちょっとためらわれます
なぜなら、

続きがあります・・・

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2010年04月05日 [ Mon ]

「孫が自閉症らしい、何をしてあげればいい?」という祖父母の方へ

もうだいぶ前になりますが、こういう記事を見て、当ブログとして、「子どもが自閉症だと知った親御さんへのアドバイス」だけでなく、「孫が自閉症だと知った祖父母の方へのアドバイス」にもニーズがあるのではないか、と思っていました。そこで今回、専用のエントリを立てることにしました。

基本的に、以前書いた親御さんむけエントリからの一部改訂版です。
※文字が大きく、印刷も簡単なページを作りました。→こちら

1.自閉症とは要はどんな障害なのか?
 ひとことでいうと、「まわりの世界とうまく関わって、いろいろなことを学んだり適応したりすることが難しくなる障害」です。
 まわりと関わり、学ぶことがうまくできないために、ことばが遅れたり、コミュニケーションがうまくできなかったり、興味が限定されてこだわりが強く現れたりします。
 自閉症は「社会的ひきこもり」と混同されがちですが、両者はまったく別のものです。
 自閉症は、環境による情緒障害ではなく、先天的な脳の障害だと考えられています(親の子育てが悪かったために自閉症になるのではありません!)。
 また、「外界とかかわらない」のではなく、「外界とうまくかかわれない」障害なので、よくあるイメージとは逆に、初対面の人になれなれしく接したり、延々と同じ質問を繰り返したり、外で大声で歌ったりといった「外向的な」自閉症的行動を示す子どももたくさんいます。

 自閉症、発達障害、アスペルガー症候群など、いろいろな用語があって紛らわしいですが、これらの用語の関係を乱暴にまとめると、「自閉症とは、いろいろある子どもの発達障害(生物学的な要因から生じる、発達の遅れや偏り)の一種で、ことばや社会性などに遅れや偏りが見られる障害のことをいいます。ことばの遅れがなく、知能の低くない自閉症のことを、特に『アスペルガー症候群』と呼ぶこともあります。」となります。

2.自閉症って治るの?
 病気やケガが治るような意味では、残念ながら治りません。「治る」と言っている人が周囲にいたら、無知なのかインチキである可能性が極めて高いです。
 ただし、適切な働きかけを行ない、環境を整えることで、障害によって生じる困難を低減させ、能力を伸ばしたり社会適応力を高めたりすることは可能です
 そういった「適切な働きかけ・環境整備」のことは、「療育(りょういく)」と呼ばれます。
 自閉症に対する適切な働きかけは、「自閉症を治す」のではなく、「障害による困難を低減し、能力を伸ばす」ことをめざす「療育」です。

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2010年02月15日 [ Mon ]

DSM-5のドラフトが公開されています。

とりいそぎ情報のみ。
自閉症を含めた精神医学の診断基準である「DSM」の改定版、現在がDSM-IV(4)ですから今度はDSM-V(5)になるわけですが、そのDSM-5の草案が公開されているそうです。

http://www.dsm5.org/Pages/Default.aspx

自閉症スペクトラムについては大きく変わっています。
これまで、DSM-4では、発達障害という大分類の下に、「広汎性発達障害(PDD)」という中分類があり、さらにその下に「自閉性障害」「レット障害」「小児期崩壊性障害」「アスペルガー障害」「特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)」という5つの小分類があったのですが、DSM-5ドラフトでは、自閉性障害・小児期崩壊性障害・アスペルガー障害・特定不能の広汎性発達障害の4つを「自閉症スペクトラム障害」にまとめ、「レット障害」を削除することが提案されています。

つまり、「アスペルガー障害」とか「PDDNOS」いう障害名が消える(そして、広汎性発達障害(PDD)=自閉症スペクトラム障害ということになるので、PDD、広汎性発達障害ということばも、あえて使う必然性がなくなる)ということになります。

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2010年01月21日 [ Thu ]

自閉症関連書籍をお譲りします。

久しぶりに、読み終わった手持ちの本をまとめて放出したいと思います。







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2010年01月18日 [ Mon ]

障害と「経済的」自立、「精神的」自立について

このエントリで考えたいことは、自閉症をはじめとする「障害」と、そういった障害をもった子どもを育てる親御さんの多くが目標にする「経済的」ないし「精神的」な「自立」、そして、その両者の間に存在する「社会」という枠組みとの関係についてです。

なお、今回の記事は、経済的な価値観についての個人的な意見表明になりますので、「正しい」「間違っている」という議論には乗りにくい性格の内容になることをあらかじめご了承ください。

続きがあります・・・

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2009年12月21日 [ Mon ]

「子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!」という親御さんへ

クリスマス(の週)に書く記事はどんなのがいいかな、と考えて、こんな記事を書いてみました。

当ブログには、検索などを通じて初めていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
その割には、そういった皆さんが「最初に知りたいこと」に応えていないかも知れない、という思いがずっとあったので、今回、私なりに「はじめて自閉症と向き合うために」必要だと思われること簡単にまとめました。
書きたいことはたくさんありますが、あえて1記事で。このブログ自体について知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

1.子どもが自閉症かどうかを簡易診断したい
 M-CHATという、1歳半以降3歳未満のお子さんに使える簡易診断があります。→ こちら

2.自閉症って要はどんな障害なの?
続きがあります・・・

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2009年11月26日 [ Thu ]

オーソモレキュラーって何?

先週のサブ記事も代替療法についての話題でしたが、今週もその手の話題になってしまいました。

http://www.jiheisho.org/dan/index.html
DAN!(Defeat Autism Now!)

日本オーソモレキュラー医学会というところが、自閉症を対象にした大々的なキャンペーンを始めようとしているようです。

直近のキャンペーンとしては、こんどの日曜日、11月29日に、札幌でセミナーをやるそうです。
まあそれだけだとよくある代替療法の宣伝活動なのですが、このセミナーを札幌市の教育委員会が後援して(しまって)いるらしい、ということが話題になっています。
(ちなみに、このセミナーの告知ページに、自閉症の人のことを「患者」と平然と書いてあるのを見てちょっと慄然としますが)

続きがあります・・・

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2009年11月19日 [ Thu ]

ホメオパシーが自閉症を明確にターゲットにしています。

既にあちこちで何度も取り上げられている話題で、当ブログでもコメント欄等で話題にのぼったことがありましたが、ホメオパシージャパンにこんな記事がアップされていたので、ちょっと問題提起としてご紹介します。

http://www.homoeopathy.co.jp/sinchyaku_new/image/081116kyoiku_2.jpg
「教育医事新聞」の記事だそうです。

どこから見ても広告企画のように見えますが、はっきりとそうは書いていないようですね。

そして注目すべきは、中段の「現在由井氏が力を入れているのが自閉症をはじめとする発達障害への対応である。」とあるとおり、日本におけるホメオパシーが「自閉症」を明確なターゲットにすえて活動を行なっている、ということです。

ホメオパシーは、平たく言えば「砂糖玉をなめると万病が治る」という療法ですが、科学的根拠の見出されたことのないプラシーボ療法であることは明らかなので、改めて論じません。
たとえば、こちらに詳しい解説がありますのでぜひ参照してください。

引用部分では発達障害への「対応」になっていますが、本文の別の部分では「治癒」とも書いてありますし、同じく日本ホメオパシー医学協会のリンクから見られる以下の講演録では、
http://www.jphma.org/topics/topics_38.html
■第2回ホメオパシー医学国際シンポジウム in Kyoto 「なぜ、こんなにも自閉、多動、てんかんなどが増えたのか」

由井会長の講演は、「ホメオパシーによる発達障害治癒への応用症例」というテーマで、7ケースの症例を発表され、発達障害の子供たちが治っていく過程をDVDで目の当たりに見られる内容でした。事実、子供たちが治っていく姿を見て、感動が湧き起こり、心に響きました。

と、はっきりと「発達障害の子供たちが『治っていく」と書いてあります。
具体的にこの人がどう語ったかは分かりませんが、こういうのって、医事法・薬事法違反にならないのか、不思議に思えるんですが、そのあたりはどうなんでしょうか。

ともあれ、科学的根拠のないホメオパシー療法が、わらにもすがりたい気持ちの親御さんをターゲットにして活動を拡大しつつある、ということは心にとどめておいたほうがいいでしょう。

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