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2017年02月20日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(104)

さて、外壁に続いて、外観の仕様上重要な選択となるのが「屋根」です。

そもそも、屋根については、大きく分けると次の3つの選択肢があります。

・瓦(陶器)
・スレート(セメント板)
・金属板


今回のハウスメーカーでは、この3つのいずれも、希望すれば選ぶことができましたが、標準プランで選べるのは「スレート」だけで、それ以外はゼロからの見積もりになるため大幅な(数十万以上の)コストアップになります。

実際のところ、瓦は重くて家の耐震性を弱めますし、金属板は最近は「ガルバリウム鋼板」というのが流行っていますが実際に使っている家を見ると個人的には「トタン屋根」にしか見えず安っぽい印象しかない(個人の感想です)ので、どちらも選ぶ理由がありません。

それに、実はハウスメーカーを決める前から、私には使いたい屋根材がありました。それは、

ケイミューの「コロニアル遮熱グラッサ

です。

もともと、屋根材の選択にあたって、最優先したのが遮熱性でした。
メーカー選びのときにも書いたとおり、それまでの家の最大の不満の1つが、まるで車の中のように、夏には60度を超えてしまい、プラスチックやゴムを使っているものを置くことができないグルニエでした。
新しい家を作るにあたっては、12畳を超えるような特大のグルニエを作るつもりでしたから、そのグルニエに何でも物が置けるよう(かつ、夏でも倒れずに中に入って荷物の出し入れができるよう)、あらゆる手段を講じるつもりでした。
その「手段」として、グルニエ全体に風が通るような窓の配置や、屋根にも外断熱を採用するハウスメーカーの選択などがあったわけですが、もう1つ、絶対に外せない対策として、遮熱性に優れた屋根材の採用というのがあったわけです。

そして、そんな希望に最も応えてくれそうだったのが、このケイミューの「コロニアル遮熱グラッサ」だったわけです。
まさに「遮熱性」に付加価値をつけたこの屋根材は、メーカーの説明によれば、屋根裏の気温を通常の屋根材よりも10度から最大20度近くも下げることができるということで、まさに「これしかない」という屋根材でした。
ちなみに、その遮熱性能は屋根材の色によって大きく変わり、最大の遮熱性能を発揮するのは「ホワイト」でした。
ですので、我が家の屋根の色は白になりました。
白い屋根というのはちょっとデザイン的に大丈夫かと心配でしたが、実物を見てみると白というよりはシルバーっぽいグレーでしたし、家全体がモノトーンなので不自然さがないし、下から見ると屋根はほとんど見えないくらいだったので、全然問題ありませんでした。

この屋根材、標準プランで選べるものよりはやはりワンランク上のグレードでしたが、これについては契約前の見積もりの時点から組み込んでいた話だったので、契約後にコストがアップするということはありませんでした。

そして、建った後に実際に確認してみると、真夏で外が40度近くの猛暑になっても、グルニエは外より気温の低い30度台にとどまり、エアコンをかけない2階とまったく同じ気温までしか上がりませんでした
屋根裏としての熱のこもり、上昇がまったくなかったわけです。もちろん、エアコンなどをかけない状態での室温です。
これは、期待以上の結果でした。

コロニアル遮熱グラッサ(ホワイト)と屋根外断熱工法の組み合わせは、おすすめですよ。

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2017年02月13日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(103)

外壁について、サイディングを採用しつつ、サイディングでは避けられない「シーリング剤によってデザインが断絶して『板を並べて張ってます感』が出てしまう」ことを避けるためにやったこと、それは、

シーリングがデザインを断絶させないようなデザインのサイディングを選ぶこと。

でした。

シーリングというのは、サイディングの切れ目を縦横に格子状に横切っていき、かつその部分は立体的にはサイディングの「凹んだ部分」の高さになります。
だとすれば、サイディング自体も「縦横に規則的に凹みが走っていて、ちょうどシーリングが来る場所はパターン的に『凹みライン』となるようなデザインであれば、シーリングがサイディングのデザインを分断しないことになるので、目立たなくなるはずなわけです。

実際、たくさん見たサイディングの家の中で、いくつかの家の外壁はそのようなデザインのサイディングを採用していて、サイディングの境目のシーリングが非常に目立たない、遠目にはどこで切れているかまったくわからないものがありました。
そういった家を参考にして、使えそうなデザインパターンのサイディングを絞り込み、一部はメーカーのショールームに行って、一部はビルダーのモデルハウスの中の仕様ルーム(仕様の打ち合わせのために使う部屋で、部屋に入る範囲で建材のサンプルやカタログなどが置いてある)で実物を見て、採用するサイディングを決めていきました。

ちなみに、このような条件に合致するサイディングのデザインパターンは、大きく分けると2種類です。

1つは、正方形のタイルのようなパターンが規則的に並ぶもの
もう1つは、細長い石を規則的にはめ込んだようなパターン
いずれも、タイルや石がはめ込まれていない隙間部分が格子状になり、それとサイディングの切れ目のシーリング部分がシームレスにつながるようなパターンになっています。

ただ、実際に実物を見てみると、「細長い石」のパターンは、サイディング内の「石のない部分」の隙間が狭く、シーリングによって生まれる格子パターンとは完全に溶け込まないことが分かったのでやめました。
一方、タイルパターンについては「隙間」が広くてシーリングの格子パターンと完全一致させることが可能とわかり、こちらを選ぶことにしました

残った問題は、「色」です。
今回の家は、外観をグレーを基調にしたモノトーンでまとめることにしていたのですが、タイルパターンのサイディングはハウスメーカーの標準プランの範囲では選べるバリエーションが少なく、オプションで若干の追加コストを払ってワンランク上のサイディングを選ばないと、イメージに近いモノトーンの外壁にならないことが分かりました。
少し検討した結果、やはり外壁は外観の超重要な要素なので安易な妥協はしたくないし、また上のグレードのサイディングだと耐久性などが上がるメリットもあるので、追加コストを払ってオプションの上位グレードのサイディングを選ぶことにしました

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2017年02月06日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(102)

ホームビルダーの設定する「標準プラン」で、ユーザーが選べる「オプション」が設定されているものとしては、これまでに触れた、キッチン・浴室・洗面台・トイレという「4大水回り」がその筆頭に挙げられますが、それに続く大きなものとして、外壁・内装があげられるでしょう。

外壁については、ローコストビルダーで選択できるのはほぼほぼサイディングに限定されると思います。
ごくまれに吹き付けタイル等のモルタル外壁を選ぶことができますが、メンテナンスの容易さとデザインの自由度としては圧倒的にサイディングのほうが進化しているように思います。耐火性能もサイディングのほうが上だと言えると思います。
サイディングについては、シールのゴムの劣化が言われますが、それをいうならモルタル塗装は当たり前に亀裂があちこちに発生しますから、「全体的にメンテ」が必要なモルタルよりは、「シールに気をつけて定期的にメンテすればあとはメンテフリー」なサイディングのほうが分かりやすいと思います。
それ以外には、タイル貼りというのもありますが、まず値段がものすごく高いし、外壁が重くなって耐震性に悪い影響があるし、メリットを感じませんでした。(それなら、「タイル風のサイディング」のほうがいいんじゃないかと思います。)

ところで、サイディングについては、超ローコストビルダーの場合、サイディングの厚みが薄く(14mmなど)、かつサイディング自体を直接柱に釘打ちする手法を採用しているところがありますが、耐久性、防水性、メンテ性も劣ることになるのでそういうビルダーは避けたほうがいいです。
そこそこ以上のローコストビルダーなら、ちゃんとした(16mm以上の)厚みのサイディングを専用の金具を使って取り付ける手法を採用していますので、そういうビルダーなら大丈夫です。

そんなわけで、我が家の場合、16mmの金具工法のサイディングのなかから選ぶことになったのですが、6つくらいのメーカー・ブランドのなかで、さらに様々なデザインから選べたので、選択肢は相当広かったです。
そんななかで、デザイン選択にあたってこだわったのが、

シーリング目地の目立たないデザインにする。

ということでした。
あちこちにあるサイディングを採用した戸建てを見ていていつも思っていたのが、「どんなに洗練されたデザインのサイディングでも、シーリングのラインが見えてしまうと、『長方形の板が並べて張ってあるな』ということが分かってしまって安っぽく見えてしまう」ということです。

もちろん、シーリングにもいろいろな色があって、サイディングの色に近い色のシーリング剤を使うことで色味的には目立たない工夫がされているのですが、そもそもサイディングの切れ目でデザインが断絶して、デザインの流れと無関係な長方形のラインが走ってしまうわけで、これだけはどうしても避けられません。
でも個人的には、それをどうしても避けたかったわけです。

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2017年01月30日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(101)

続いてトイレです。
こちらの選択には、「療育的視点」が含まれています。

新しい我が家は、いまの戸建てだと標準的だと思いますが、1階と2階、それぞれに1つずつトイレを設定しています。
今回のビルダーでも、トイレは2つまでは標準仕様の範囲内だったので、それをそのまま使うことになりました。

で、選択できるオプションとして、やはり洗面台同様、LIXILとTOTOがありました。
標準の選択肢として用意されていたのは、LIXILについては、ローコストビルダーは全業者使ってるんじゃないかというくらい目にすることの多い「ベーシア」という便器、TOTOは、逆にショールームに行っても普通には置いていない(裏口みたいなところを通されて、別室においてあるのを見せてもらいました)くらいマイナーな、ウォシュレットのふちなし便器でした。

この2つ、カタログで見た限りでは、LIXILはサイフォン式でTOTOは洗い落とし式ということで、水の流れ方でいうとLIXILのほうがワンランク上だったりするので、全体的にベーシアのほうがよさそうな印象だったのですが、ショールームで実物をみて、

「我が家では絶対にベーシアは選ばないほうがいい」

とはっきり感じました。

なぜなら、

ベーシアは便器の手前部分が異様に浅かった

からです。
そのために、便器に座って前から手を入れると、容易に便器の「浅瀬部分」に手の甲が触れてしまうのです。
これは、本人が拭く場合も少し不器用にやってしまうと簡単にそうなってしまいますし、また第三者が介助する場合にはさらにその可能性が高くなってしまいます。

そんなわけで、療育的視点からは非常に使いにくい便器であることが判明したために、ベーシアは回避してウォシュレットを選択しました。

最近の水洗便器は、使用する水の量を減らすために水流のパターンが工夫されていて、どこのメーカーを選んだとしても、便器の形がけっこうトリッキーに変形されているので、必ずショールームで実物をみてみることをおすすめします。
便器一体型ではない、後のせ型の洗浄便座を選んだ場合、便座は買い替えますが便器のほうはだいたい家を取り壊すまで使うことになりますから、選択は慎重にやりましょう。

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2017年01月23日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(100)

とうとうこの連載、第100回になりました。
こんなに続くとは思っていなかったのですが、とりあえずまだしばらく続きそうです。

さて、水回りの主要設備であと残るのは、洗面台とトイレです。

この2つについては、どちらもビルダーが設定する選択肢は、LIXILとTOTOの二択でした。そしてどちらも最もベーシックグレードの、ぶっちゃけ最低ランクのものが設定されていました。
まあこれはよくあることで、私もたくさんのビルダーからカタログを取り寄せて、そこには選択可能な設備オプションも書いてあることが多かったですが、ローコスト系のビルダーでは洗面台とトイレにハイグレードなものを設定しているケースはほとんどありませんでしたから。

で、洗面台については元の家ではリフォームで交換していて、そのときに使っていたクリナップの「ファンシオ」がとても気に入っていて、多少コストがかかっても標準の洗面台をキャンセルして「ファンシオ」をつけようと思い、ショールームで見積もりまで取ってきました。
ところが、ビルダーから出てきた見積もりは、ファンシオの定価に若干の値引き、さらに工賃が乗り、そこからわずか5000円程度の「標準オプションからの差額」を引いただけのものでした。
ファンシオ本体も、ホームセンターとかリフォーム業者で買ったほうがもっと安くなるし、これだと「とりあえず標準のものをつけておいて、あとでリフォーム業者で交換したほうが安い」ということになったので、とりあえずは標準のなかで選ぶことにしました。
もともと「ファンシオ」が気に入っていた理由は、赤ちゃんなら洗えるくらいの巨大なボウルと割れにくい樹脂製というところだったので、その仕様に多少でも近い、TOTOの洗面台を選ぶことにしました。

横幅については、ビルダー標準が75cmでした。
洗面室が2畳と必要最低限なので、小さすぎず、また場所を専有しすぎないこのサイズはちょうどいいということでサイズ変更(これはビルダーオプションの範囲内なのでそれほど高くなくできます)はしませんでした。
ちなみに超低価格ビルダーの場合、洗面台の標準がさらにワンサイズ小さい60cmの場合があります。これだと、ワンルームマンションっぽい大きさで、家族で使うにはいかにも小さい感じになります。
また、75cmでは小さいというニーズも多々あるようで、逆にワンサイズ大きい90cmサイズが選べるケースも数多くあります。
我が家も、とりあえずは標準75cmを選びましたが、将来的には90cmにしたくなるかもしれない、ということで、洗面台の横のスペースは空けておいていつでも90cmのものと入れ替えられるように設計しました。洗濯機置き場には固定式の洗濯機パンを設置しましたが、この洗濯機パンが洗面台を入れ替えるときに邪魔にならない位置・大きさになるようにした、ということですね。
そのうえで、75cmの洗面台のあいだはその隙間を収納スペースにするために、細長い洗面室収納を施主支給で入れました。

ちなみに実際に設置してみた結果、ボウルの大きさも十分だし、使い勝手もいいので、壊れるまでは洗面台を入れ替えることはなさそうです。

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2017年01月16日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(99)

さて、主要設備についてのショールーム巡り+仕様変更の旅ですが、キッチンに続いてシステムバスです。

システムバスについては3つのメーカーが選べたのですが、すでに間取りのエントリで触れたとおり、ビルダーのオプションを利用して「1.25坪の広いバスルーム」への変更を決めていました。
そしてこのバスルームの広さを変更するオプションの価格がこの3メーカーでまったく違っていて、ショールームを回る前から、事実上、選べるメーカーは1つに決まってしまっていました(それでも、いちおうすべてのメーカーのショールームは見ましたが)。

それが、LIXILの「キレイユ」でした。
他の2メーカーの「1坪→1.25坪」の変更オプション料金が50万円程度だったのに対して、LIXILだけが20万円台と(相対的に)リーズナブルだったのです。

システムバスについては、カタログ以上の仕様変更としては、

・タオルハンガーを増やす(仕様にはありませんでしたが、裏オプション的に認めてもらえました。そのため、いまの我が家のバスルームにはタオルハンガーが3本ついています)
・ドアの位置を20cm内側にずらす(これにより着替えスペースにバスタオルや収納等を置く場所が確保できました)
・ドアを開き戸から折れ戸に変更(折れ戸は華奢な感じで好まない施主も多いらしいですが、開き戸では中にいる人にぶつかってしまうので私的にはありえないと思っています)


くらいだったのですが、それよりなにより、非常に重要な「確認事項」が2つありました。
それは間取りの工夫のエントリで書いたとおり、

・バスルームが1.25坪よりも数センチ短くても入ることの確認
・バスルームの天井裏を階段の一部が通っても干渉しないことの確認


の2点です。
メーカーとビルダーで確認してもらった結果、この2点についても「キレイユ」で問題ないことが確認できたので、システムバスは「キレイユ」に決まりました。

その他、カタログレベルで決めた仕様としては、壁や床の色、バスタブの色と形状(親子が介助も含めて一緒に楽に入れるよう、バスタブ形状は一番広い「ストレートライン」を選択しています)、ミラーの形状、収納(小物棚)のグレードなどがあります。

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2017年01月09日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(98)

さて、キッチンの仕様決めについて、かなり大きな設計変更を前提にしてショールームを巡り、メーカーを絞り込んでいったわけですが、まず、「シンク位置が移動できる」という条件で、かなりのメーカーが脱落しました
そのうえで、「食洗機置き場下の収納を、引き出しではなくただの箱にできる」というところでも、さらに脱落メーカーが出て、選べるメーカーは大手の2社くらいに絞り込まれてしまいました。

このあたりで、仕様変更後のキッチンの見積もりを出してみたのですが、ここで傾向がはっきりふたつにわかれました。

1つは、仕様変更で生じるコストが、シンプルに「オリジナルの仕様のコストと変更後の仕様のコストの差額」で済むメーカー。
もう1つは、オリジナルの仕様は「特に安く設定した特別仕様」という位置づけになっていて、仕様変更のコストが、ほぼ変更後の仕様のコスト全額(オリジナルの仕様分のマイナスが、たった1万円とかそういうレベル)になってしまうもの。

今回の仕様変更のポイントはコストの積算でいうとほぼキッチン仕様のすべてに影響するので、見積もり計算方法が後者になっているメーカーの場合、追加コストが平気で50万円クラスになり、ビルダーが設定するオプションを選んでいる意味がほとんどなくなります。

幸い、希望する仕様変更ができるメーカーのなかで、たった1社だけ、「シンプルな差額方式」で仕様変更を見積もってくれるメーカーがあったので、今回は迷うことなく、そのメーカーのキッチンを選ぶことになりました。

具体的にいうと、トクラス(ヤマハ)の「Berry」というキッチンでした。
これは調理スペースだけでなく、シンクそのものも人造大理石でできているという面白いキッチンです。
先のエントリで書いた複雑な仕様変更が全部可能で、しかも追加コストはオリジナルと変更後の仕様の差額のみという明朗会計、デザイン的にも古臭くなくて、妻も気に入ってくれたのでこちらに決めました。

あとは、シンクの色、シンクの形状、天板の色やデザイン、扉の材質・色・デザイン、壁面パネルのデザインといた「見た目」の要素や、IH調理器、レンジフード、シャワー水栓といった設備の種類を選ぶといった「カタログオプション」を妻に選んでもらって、終了です。
以前も書きましたが、ショールームで細かい仕様変更・オプション追加等を行うと、ショールームではその詳細な見積もりや図面を作ってくれて、ビルダーに送ってくれます。
ビルダーは、その見積もりをもとに後日私と契約して、改めてメーカーに発注をかけるという流れになるわけです。

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2017年01月03日 [ Tue ]

2017年 新年のご挨拶

ブログにお越しの皆さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

当ブログは、ここしばらくはほとんど家づくりのことしか書いておらず、療育とはあまり関係のない話題が中心になっていますが(たまに療育と関連のある家づくりのポイントについて触れている程度ですが)、まだしばらく更新を続けていきたいと思っていますので、よろしければ今後ともよろしくお願いします。

さて、今年も、妻の実家に帰省して年越し、新年を迎えたわけですが(私の実家は離れているので、混んでいる正月を避けて春休みなどに帰っています)、そこで、家づくりに関連して改めて痛感したことがありました。

妻の実家は典型的な昔からある家の作りをしていますので、玄関を入ると廊下がずっと続いていて、その廊下から、リビングに入るドア、トイレに入るドア、浴室(洗面室)に入るドア、2階にのぼる階段などに接続しています。
この間取りだと、当然ながら、リビングに家族がいて、誰かがトイレに行く場合にはドアを開けて一度廊下に出て、それからトイレに入ることになります。
いまは冬ですから廊下は寒い(玄関を通じて廊下は外とつながっていますから、従来型の木造住宅だと、廊下を暖めるのは現実的ではありません)ですから、リビングから廊下に出たらドアはすぐに閉めて、リビングの暖かい空気を廊下に逃がさないようにしなければならないわけですが・・・

これが、我が家の場合は難しいのです。
以前は、上の娘が妻や私の後追いを(慣れない実家での外泊などでは特に)して、誰かがトイレにたつたびに一緒に廊下に出て、ドアを閉め忘れるので、その都度「ドア、パタンして」と声をかけなければならなくなり、本人にとっても家族にとってもストレスでした。
そういうこだわりは最近になってそれなりに改善されてきて、今回は上の娘のほうはそれほどでもなかったのですが、まだ2歳の下の娘がよく知らない実家で「場所見知り」をして、激しく母親(妻)の後追いをするようになりました。

結果、妻がトイレにたつたびに(妻自身の用だけでなく、上の娘のトイレの介助をするときも含めて)下の娘が廊下につながるリビングのドアを全開にして、廊下とリビングの境目に仁王立ちをして、トイレの様子を見守らずにはいられなくなってしまったのです。少しでもドアを閉めたり、廊下の前から移動させようとすると大泣きしてしまいました。
というわけで、一定時間ごとにリビングのドアは全開となり、リビングの暖気はその都度全部廊下に抜けてしまって部屋が寒くなる、というのを繰り返す羽目になってしまいました。(^^;)

この問題について、子どもに「ドアを開けないように教え込む」というのも1つの方向性ですが、いなくなった親を探すというのは、親への愛着を示す行動であったり親から離れる不安を解消する行動であったりもするので、本質的には禁止すべきものでもないという悩ましさもあります。
ですから、可能であれば、こういった問題は子どもの行動だけでなく、環境にも働きかけることで解決したいところです。

そしてこの問題は、いまの家に引っ越す前の自宅でも発生していました。(その問題を、妻の実家で改めて思い出したわけです。)

そんなわけで、以前の記事でも触れましたが、新しい家を建てる際、「療育的観点からの間取り」としてもっとも具体的にこだわったことの1つが、トイレや洗面、入浴といった日常の家族の動線の範囲で、玄関につながるドアを開けずに済むという「リビング集中型動線」でした。
玄関からドアを開けて入るのはリビングだけで、トイレも洗面室も浴室も、リビングから直接ドアを開けてアクセスする間取りを採用しました。
そして2階にのぼる階段も、リビングに直接接続しています。これは、「リビング内階段」として、いまでは非常にポピュラーな間取りですね。

この間取りにしたことで、子どものどちらかが後追いをする年代になっても、その都度「寒い(暑い)ドアが開けっぱなしになる」ことはありませんし、また子どもがトイレや浴室に行く際にドアを閉め忘れるのを注意する必要も大幅に減らすことができました。

ちなみに、このようにリビングに全動線を集中させてドアの数を削減した場合、問題になることが1つあって、リビングが常にいろんな場所につながる(特に階段を通じて2階にまでつながる)ことで、リビングがある種の「開放空間」になるため、そのままでは冷暖房の効率が悪くなる、ということです。
この問題については、いわゆる高気密・高断熱の住宅構造とすることで、エアコンの熱や冷気が家の外に抜けるのを避けて冷暖房効率を高めることで解決することになります。

さて、そんなわけで、次週からはまた、療育のこともいろいろ考えながら、家族みんなで建てた我が家の家づくりについて書いていきたいと思います。

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2016年12月26日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(97)

さて、仕様を決めるために欠かせないショールーム巡りを通じて、具体的にどういったことを決めていったのかについても書いていきたいと思います。

まず、キッチンです。

キッチンは、今回のビルダーが提供する選択肢の幅が最も大きかった設備のひとつで、たしか8つくらいのメーカーの中から選ぶことができました。
しかも、それなりに「こだわり」ポイントも多い設備でもあったので、万全の準備をしてショールーム巡りに臨みました。

まず、メーカーホームページに行き、カタログPDFをダウンロード。さらにカタログだけでなく、ビルダー向けの設計仕様書や図面もダウンロードし、どういった仕様変更が可能なのか、そしてそれにはいくらかかるのかを、机上でわかる範囲で目いっぱい吟味しました。
素人なりに図面を引いたりもしました。

そのうえで、自宅からアクセス可能なショールームを巡り(大半のショールームは新宿にあるのですが、一部のメーカーは全然違う郊外にあったりします)、実物を見て、スタッフに質問をし、予算の範囲内で仕様変更の希望がかないそうな場合には見積もりまで作ってもらう、ということを繰り返したわけです。

今回、キッチンについて希望した仕様変更・追加仕様(単に色を変えたり、デザインを変えたりといった「カタログを見るだけでもできる程度のオプション以上のもの)は、主に以下のようなものになります。

・シンクの位置を中央側に45cmずらす。(シンク脇に食洗機置き場を作るため)
・食洗機が標準でついている場合はキャンセルする。
・シンク位置の移動に伴い、収納のレイアウトを変更する。具体的には、シンク直下の収納は位置だけずらして元のまま、シンクをずらして生まれた食洗機置き場の下は引き出しのない開き戸のみの大きなボックス収納、逆にシンクを動かすことで狭くなった調理スペース下収納は3段引き出しの食器入れ、コンロは動かしていないので変更なし。
・シンクの水栓は浄水器内蔵型のシャワー水栓に変更。
・さらにシンクに穴を開けて食洗機専用の水栓を追加する。
・キッチンの背中側の食器棚は、壁面固定の「上の部分」だけをとりつけ、「下の部分」は取り付けない(下半分は希望する収納の組み合わせがほとんどないため、別途棚等を準備して組み上げることにしたため)


「見た目が美しい」とか、「収納がいろいろ工夫されている」とか、そういうキッチンのカタログで強調されているようなポイントはほとんど見てません(笑)。
というか、そういった部分についていえば上位メーカーのものはどれも五十歩百歩だし、だいたい先に触れたような「カタログレベルでオプション選択できる範囲」に含まれているので、メーカーと構造的な仕様を決めたあとで、その辺については妻に一任して全部決めてもらいました。
ですので、「事前の特注や、加工の工事が必要なこと」みたいなことについては私のほうで決めていったわけですが、一般に言われるような(例えばマンションのオプション選びのような)意味での「キッチンの仕様決め」の部分、色やテクスチャーといったデザインや、追加でつける便利小物といった部分については、全部妻に決めていってもらったわけです。

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2016年12月19日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(96)

さて、仕様について、大がかりなところから少しずつ細かいところに進んでいきますが、このあたりで始まるのが、

・ショールーム巡り

です。

実は、注文住宅で家造りをするまでは、街のあちこちにあるショールームがいったいどういう目的で存在するのか、正直なところよく分かりませんでした。
たとえば家具屋さんとかホームセンターの水回り用品販売コーナーと何が違うのかいまいち分からなかったのです。

でも実際に経験してみると、注文住宅を建てる際にさまざまな選択肢があり、その選択肢を絞り込む際に「実際に見る」「細かいオプションを決める」ための場所だということがよく分かりました。
ユーザーが勝手にショールームで実物を見るだけじゃなくて、そのうえで見積もりをとり、細かい仕様決めをして、ショールームからビルダーに「仕様を確定させた見積もり」を送り、そのうえでビルダーからメーカーに「発注」する、という流れの一部も担っているわけですね。
ですから、キッチンやお風呂のような大型の水回り設備については、「ビルダーにお任せ」してしまわない限り、必ずショールームに行って見積もりをとり、仕様を確定させなければならなかったりするわけです。

私は、選択可能なものについては「ビルダーにおまかせ」は一切やらなかったですし、さらに複数のメーカーの選択肢がある場合(例えばキッチンだと、6メーカーくらい選べました)、見る前から絞り込まずに、全部のショールームで実物を見るようにしたので、結果的に10か所以上のショールームを回ることになりました。
キッチンやお風呂、トイレ・洗面台といった主要な水回り設備だけでなく、床やドア(室内・玄関)、屋根(瓦)、外壁、またこれはビルダーへのオーダーではありませんが、外構に関する門・塀・フェンス・機能門柱(ポストや表札を兼ねている門柱のこと)についてもショールームを回りました。

ちなみに、LIXIL(INAX)とかTOTOといった大手メーカーのショールームだと、いくつもの設備がまとめて見られるのでつい全部一か所で全部決めてしまいたくなる誘惑にかられるのですが、これはやめたほうがいいと思います。
ちゃんと比べてみると、やはりメーカーごとに得意・不得意なジャンルがあって、全部同じところで選ぼうとするとベストの選択にならない可能性が高くなるからです。

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2016年12月12日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(95)

さて、防犯性能を高めるための住宅の仕様の基本として、防犯合わせガラスを採用することにしたわけですが、ビルダーがオプションでリーズナブルに提供してくれるプランから外れるものとして、以下のような部位のガラスがありました。

・キッチン出窓(特注なので)
・勝手口ドアのガラス部分(窓ではないので)
・玄関ドアのガラス部分(窓ではないので)


このうち、キッチンの出窓と勝手口ドアのガラス部分については、別途追加コストを払うことで防犯ガラスを入れることにしました。
これらについては当たり前に「窓ガラス」であり、防犯ガラスにしないことは家に弱点を作ってしまうことに他ならないからです。
これらについてはオプションではなく定価になり、しかもキッチン出窓については既存サイズのなかではかなり大きなもので、限りなく「特注」に近い料金設定になっているため、このキッチン出窓と勝手口ドアだけで、ビルダーオプションで設定できた、その他すべての窓の防犯ガラスの価格の半分よりも高くなってしまいました。(^^;)

そして、悩ましいのが玄関ドアです。
これは1階でもあり、狙われやすい場所でもあるので、ある意味防犯ガラス化は必須なのですが、防犯ガラスを入れた場合の追加コストが極めて大きかったのです。(ここ1枚で他の全窓のビルダーオプションと同じくらい)

この問題の簡単な回避方法として、「窓のない玄関ドアを選ぶ」というのもあるのですが、それはそれで玄関を暗くしてしまいます。
そこで最終的に、「ガラスの形状が細長くて割っても体も腕も入らない・ガラス部分の位置関係から、クレッセントにも手が届かない」、さらに「ガラスを割ってもドアの格子が邪魔をしてほとんど開口部が生まれない」というデザインのドアを見つけ、それを選びました。

なお、それ以外によく言われる、

・窓にシャッターをつける
・窓の外側に格子を入れる


というのは、ビルダーの標準設定・無料サービスの範囲内で採用しましたが、これらについてはどちらもその気になれば簡単に破ることができ、「最初の5分」を防御することができないので、防犯効果は全然大したことはないという認識です。

どちらかというと、台風などのときにものが当たって窓を割ったりしないということで、防災性能のほうが期待できるくらいかもしれませんね。

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2016年12月05日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(94)

さて、家族と家を犯罪から守り、子どもを支える体制を維持するためには不可欠な、高い「防犯性能」を実現するためのアプローチについて、いったん「住宅の仕様」ではない部分から先に書きました。(そちらのほうがむしろ重要だと思っているからです)

そのうえで、「住宅の仕様」として、防犯性能を高めるために選んだものがいくつかありますが、その最たるものが、

・防犯ガラスの採用

です。

ご存知の方も多いと思いますが、住宅用の窓ガラスの一種として、「防犯合わせガラス」というものがあります。
これは、窓ガラスを多層構造にして、ガラスとガラスの間に樹脂フィルムのようなものを挟み込むことで、「叩いても割れない」ガラスにしてしまうというものです。
効果は非常に高いと言われており、泥棒が家に侵入しようとする際の「最初の5分」では破壊できないため、泥棒が侵入を諦める可能性が高くなります。
また、そのような性能をもった防犯ガラスには、その性能の証明として「CP(Crime Prevention)マーク」のステッカーが貼られており、外から見えるようになっています。
これもまた、泥棒に対して強い牽制効果をもつことが期待できます。

ですから、これを家の窓ガラスとして採用することで防犯性能を大幅に高めることができるわけですが、当然ながら、問題はコストです。

普通に積算すると、窓ガラスを防犯合わせガラスに替えるだけで、1窓あたり数万から10数万程度かかってしまいます。

ところが、ここでもA社には魅力的なオプションがあったんですね。
なんと、「すべての窓を防犯合わせガラスにする」というオプションが、個別に入れるよりも遥かに安い価格で選べたのです。

これを使わない手はないということで、このオプションを追加することに決めました。

でも、このオプションには条件があって、「標準仕様の範囲で設置されている窓ガラスだけ」が対象になります。
この条件によって除外されてしまうガラス部分として、

・キッチン出窓(特注なので)
・勝手口ドアのガラス部分(窓ではないので)
・玄関ドアのガラス部分(窓ではないので)


があります。
これらについて、どう対応したかについては次回書きたいと思います。

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2016年11月28日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(93)

さて、続いては「防犯性能」です。

防犯性能についてはちょっと難しくて、いわゆる「家の仕様」で実現する部分というのは、実は第一優先ではありません。
それよりももっと重要なことがあるので、そちらについて(仕様ではありませんが)先に触れておきたいと思います。

防犯については、何をもって防犯性が高いと考えるか?という視点から考えなければならない、と私は思っています。
そして私は、防犯性の高い家というのは、

・犯罪者から狙われる際に優先順位が低くなる家

というのが第一義だ
と思っています。
つまり、例えば空き巣狙いの泥棒がうちの近所にやってきて「入る家」を物色したとき、私の家を見て「入りにくそうだから他をあたろう」と考えてくれれば、それは間違いなく「我が家の防犯性が発揮された」と言えるだろうと思います。

この「防犯性」の優れたところは、単に空き巣だけでなく放火魔でも自動車泥棒でも、すべての「家に近づいてくる犯罪者」に対して有効であることです。

では、そのためにどうすればいいか。
要は、「見た感じ、入りにくそう」「何かやろうとしたら終わるまでに見つかりそう・捕まりそう」と感じられるようにすればいいわけです。

そのために、まず我が家は、

・オープン外構

を前提としました。これは家の仕様ではなく、外構の仕様なのでまた話が別になりますが、簡単に触れておくと、家の周囲にがっつりと塀を設けることをせず、家の建物が外からよく見えるような、「門塀のない家の敷地の構成」のことをいいます。

オープン外構は防犯上弱くなるように思えますが、住宅密集地で周囲に人の目があり、また夜も街灯などで明るさが維持される場合には、一度侵入すれば死角に入れるクローズド外構よりも、すべてが丸見えになってしまうオープン外構のほうが防犯性は高いと言われています。

家づくりにあたっては、オープン外構とすることを前提に駐車場の位置を決め、それを前提に建物自体の敷地内での位置決めを行ないました。

防犯のために次に考慮したことは、

・防犯カメラの設置

でした。
これは間取りのところでも少し触れましたが、外から家を見渡したときにあちこちに防犯カメラがついているような家は、少なくとも「ついていない家」よりは犯罪者にとって「優先順位」が低くなるでしょう。
さらに言えば、防犯カメラはそれまで住んでいた家でもつけていて、実際に何度も何度も(つまらないイタズラとかの犯人を見つけたりするために)役立ったので、「実用性」もあります。
家の正面から見える場所に1つ、玄関アプローチに1つ、さらにやや人気のない家の裏側にも1つ、合計3つの防犯カメラによって、見た目的にも犯罪者を牽制することにしました。(もちろん実際の録画もします)

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2016年11月21日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(92)

さて、新しい家の「仕様」のうち、対災害・防犯性能について書いています。
すでに耐震性能については触れましたが、続いては耐火性能です。

耐火性能については、基本的には、

・省令準耐火

の基準を満たすことを1つの目標にします。

この基準は、ざっくり言うと「外壁や構造躯体が1時間程度の火災まで耐えられる」というもので、外壁については一定の基準を満たした耐火性の高い素材(サイディングなど)を使い、室内については耐火性のある厚い(12mm)石膏ボードでありとあらゆる部分を覆い、さらに部屋と部屋との接合部にも延焼を防ぐような部材を入れ、火災の通り道を作らないようにすることによって実現します。

当然、コストがかかりますが、このコストは実はなかったことにできます。
というのも、省令準耐火にすれば、火災保険・地震保険の保険料が「木造料金」から「鉄筋コンクリート料金」に変わるため、例えば30年分の火災・地震保険料で比較すると50万円くらいは余裕で違ってくるからです。

火災で燃えにくい家になり、しかも実質的にコストはかからないわけですから、省令準耐火を目指さない手はないですね。
まあ、デメリットとしては、間仕切りの石膏ボードが厚くなるのでその分家のなかがわずかに狭くなること、「梁を見せる」といった演出は(石膏ボードで覆わなければならないので)できなくなることなどがありますが、大したことはありません。

むしろ、ローコストビルダーの場合、多くが「うちは省令準耐火はできません」と断ってくるので、そっちのほう(=ビルダー選び)がハードルになってくるパターンが多いかと思います。
というのも、省令準耐火については、家ごとに認可をとるというのではなく、ハウスメーカーが「工法」でもってあらかじめ認定を受けておき、家を建てる際にはその認定を受けた「工法」どおりに建てていることの確認を受けるという流れが基本になっているため、そこまでの手間をかけられない、地元工務店的なローコストビルダーでは難しいわけです。

ここについてもA社は、自社の工法にて省令準耐火の認定を既に持っており、当たり前のように標準仕様で省令準耐火にすることができたので、安心して選ぶことができました。(標準仕様だったので、特段のコストすらかかりませんでした。)

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2016年11月14日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(91)

さて、家づくりにあたって、「間取り」に続いて「仕様」の検討の話をしていますが、次に考えなければならないのは、

・耐震性能
・耐火性能
・防犯性能


といった、対災害性能です。
特に、これらのうち「耐震性能」については、税制面などでメリットを受けられる、

・長期優良住宅

に認定されるためにも重要です。
それだけでなく、個人的にも、耐震性能については特に重視したいと考えていました。

新しい家は2階建てですので耐震性能については実は規制がゆるく、単に建築許可をとり、耐震基準を満たすだけならば、実のところそれほどハードルは高くありません。

でも私としては、そのレベルで満足したくはありませんでした。
なぜなら、新しい我が家は建築法制上は2階建てですが、実際には固定階段つきの12畳を超えるグルニエをもち、しかもこのグルニエは物置になる予定ですから荷物がたくさん入ります。
グルニエにたくさん荷物が入るということは、家全体としては重心が高くなり、地震に弱くなるということです。

ですから、私としては、新しい家には「木造3階建住宅」に求められるレベル以上の耐震性能は絶対に確保しておきたいと思っていたのです。

その点については、実際に建築請負契約に入る前の時点でA社の営業担当および担当建築士の方には話しており、協力をお願いしていました。
そして、契約後に間取りを最終化する時点で、A社側で作成した壁量計算結果を見せてもらい、さらにこの計算結果を外部の建築士の方に見てもらって、セカンドオピニオンまでもらいました
もちろん、私自身も図面を読み込みました。

最初に出てきた計算結果の時点で、建築基準法の最低ラインはもちろん、木造3階建の基準相当の耐震強度も確保できていたのですが、それでもまだ若干の壁量バランスのずれがあり、地震の際にねじれの力が発生する可能性があったため、間取りをわずかに修正し(耐力壁の長さを30cm変えるとか、そういうレベル)、さらに数字を改善して間取りを最終化しました。
最終的には、「ここまでバランス良く耐力壁が配置できている家は珍しい」と外部建築家に言ってもらえるくらい、耐震性能については文句のないレベルまで引き上げることができました。もちろん耐震等級は最上級の「3」です。

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2016年11月07日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(90)

家づくりで、建物の「仕様」を決めていく第一歩は、木造か非木造(鉄筋・鉄骨)か、木造なら在来工法かツーバイフォーか、といったところなわけですが、これについては、

・木造で、
・在来工法、


というところに落ち着きました。

そして、工法が決まると、次に考えるべきは。

・断熱工法

ということになります。

木造在来工法の建物の断熱工法には、大きく分けると

・内断熱
・外断熱


という2つの工法があります。
簡単にいうと、家の骨組みを組んで、板張りの外壁を張った状態に対して、その壁の内側に断熱材を充填するのが「内断熱」、壁の外側に断熱材を張り巡らせるのが「外断熱」です。

一般的に、外断熱のほうが断熱効率は高いと言われていますが、同時にコストも高くなります。安い建売の家はだいたい内断熱です。(この時点で住んでいた建売は典型的な内断熱でした。)

今回は、断熱にはそれなりにこだわる必要がありました。
なぜなら、既に間取りのところで説明したとおり、新しい家の間取りはリビング内階段だからです。
リビング内階段ということはつまり、1階LDKの冷暖房をLDKだけに封じ込めることができず、冷気・暖気は階段を通じて2階、さらにはグルニエにまで抜けていってしまいます。
それでも冷暖房効率を落とすことなく、電気代を抑えるためには、いわゆる「高気密・高断熱住宅」にすることが欠かせませんでした。

ですから、新しい家はできるなら外断熱にしたいと思っていましたが、当初見積もりをとっていたローコストビルダーはほとんどが内断熱で、ようやく見つけた外断熱で比較的安いY社は、玄関や屋根裏がどう見ても外断熱になっていない、一部内断熱の中途半端な謎工法で、選ぶのに躊躇を感じていました。

それに対して、最後に登場したハウスメーカーA社は、なんと外断熱(アキレスボード)と内断熱(吹付けフォーム)を両方やってしまうという力技の「ダブル断熱工法」で、しかも玄関も屋根裏も完璧な外断熱でした
最終的に、この断熱工法の優秀さが、A社を選ぶ決定的要因の1つになったといっても過言ではありません。

そして、このダブルの断熱工法のおかげで、高断熱だけでなく「高気密」の性能も得ることができ、新しい我が家はかなり高レベルの「高気密・高断熱」住宅とすることができたのです。

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2016年10月31日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(89)

在来工法かツーバイフォーか、という選択で、家づくりの当初はツーバイフォー優先で考えていたのですが、ビルダー選択の後半で残ったのは、すべて在来工法のビルダーでした。

これは、ツーバイフォーをうたう工務店の動きが鈍かった、というのも1つにはあります。
でも、より本質的な理由としては、ツーバイフォーに(在来工法と比べて)それほどの優位性はないんじゃないか、と考えるようになったことが大きいです。

在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法には次のような弱点があると感じました。

a.コストが高い。

 本来、ツーバイフォー工法というのはコストダウンのために考案された工法のはずなのですが、日本ではまったくそんなことはなく、在来工法をうたうビルダーよりも坪単価は明らかに高いです。
 その結果、ツーバイフォーの標準仕様と同じコストなら、在来工法ではワンランク以上上の仕様が選べるという状況になり、ウリであるはずの耐震性能や断熱性能も含めて、同じコストレベルでは優位性がほとんどなくなってしまうのです。

b.設計の自由度が弱い。

 ツーバイフォー工法の最大の弱みの1つとして、設計上、窓が自由に開けられないということがあります。イメージとしては、日本の一般的な住宅よりもかなり窓が少なく、またそれぞれの窓が小さな家になります。
 そういった家が洋風でおしゃれだ、というセンスもあると思いますが、思ったところに窓が開けられないというのはプランニングする立場としては嫌だな、というのがありました。

c.建築中の雨に弱い。
 これもよく言われることですが、在来工法では上棟の日に1日で屋根をつけてしまうので、以後室内が雨ざらしになることが避けられます。
 一方、ツーバイフォー工法では下から順番に組み上げていくため、屋根がつくのは家が完成する最後の段階になります。そのため、建築中に大雨が降ると床の部分が水浸しになってしまうわけです。
 雨の多い日本の気候を考えたとき、この差は非常に大きいように感じました。

d.パネル工法自体は在来工法でも採用されている。
 ツーバイフォー工法のメリット(耐震性、断熱性)を生み出しているのは、筋交いではなくパネルで家を支える「パネル工法」であるところだと言えます。
 でも、実は在来工法を採用するビルダーの多くが、筋交いとパネルをうまく組み合わあせて家を建てることで、ツーバイフォーのメリットを吸収していることが分かりました。
 在来工法を選んでも、パネル工法のメリットを享受できるのであれば、ツーバイフォーを選ぶ理由はかなり薄くなってしまいます。

他にもいろいろ理由はあるのですが、主に上記のようなことを考え、ツーバイフォーにしてもはあまりメリットはないな、と感じるようになったので、最終的には在来工法のビルダーを選ぶことになりました。


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2016年10月17日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(87)

21)おまけ:地下室と屋上

さて、間取りについてはだいたいこんな感じですが、今回触れなかったアイデアとして、「地下室」と「屋上」というのがあります。

まず、屋上については木造だとほとんどナンセンスですから考慮さえしませんでした

木造建物の最大の敵は「雨」です。
家のどこかに雨が滞留すると、そこから木が腐ってしまって家がだめになってしまいます。
そして雨が最も多く当たる場所は、言うまでもなく屋根であり、木造の家は屋根に雨が滞留しないよう、屋根形状をシンプルにし、また傾斜をきつめにつけることで雨をどんどん地面に落としていく必要があります。
対して、「上がれる屋上」を作るためには、屋根をできるだけフラットにして、かつ屋根に上がるための仕組み(はしごなど)をつけ、さらに屋根の上を歩いてもいいような補強、落下を防ぐ手すりの設置まで施す必要があります。
こういったものはすべて、「屋根から雨を早く落とす」こととは真逆に働いてしまうわけです。
たまに、木造でも屋上を作るプランとかありますが、家の耐久性を考えれば、ちょっとありえない選択だと思います。

一方、地下室については、居住スペースを大きく広げることができるアイデアとして、いったんは考慮の俎上にあげました。
ただ、検討のかなり早い段階でプランからは外すことにしました

まず、大きかったことはコストの高さです。
地下室を作るためには、地下部分は基礎を兼ねた鉄筋コンクリート造にする必要があり、建築のための坪単価は通常の住宅の倍ではすみません。

そして、そこまでのコストをかけて地下室を作っても、湿度が高く漏水のリスクもある使いにくい部屋ができてしまい、用途としては趣味のスペース(オーディオルーム、シアタールーム、楽器の演奏スペース等)といったものになりがちで、部屋としての使い勝手が悪くなること、さらには大雨のときに漏水どころか「冠水」のリスクさえあることなどを考えると「割に合わない」と考え、やめることにしたわけです。

屋上を作るくらいなら、床がすのこ状で屋根のないバルコニー(グレーチングバルコニー)を思いっきり張り出すほうが面白くかつ実用的だと思いますし、地下室を作る目的は、大きなグルニエを作れば相当程度達成できると考えたので、今回はどちらもなしにしました。
(グレーチングバルコニーについては、割と本気で考えていましたが、若干建築基準法上もグレーになりますし、コストも意外と高かったのでやめました。)

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2016年10月10日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(86)

20)規制との戦い

間取りについて、立体的な設計を意識することで問題をクリアしたということを書きましたが、もう1点、設計士の方に無理をお願いしたポイントとして、建築規制をクリアするために、いくつかテクニックを使っていただいたということがあります。
まあこれは、設計士の方にとっては当たり前の仕事ではあると思いますが、以下のポイントのうち、浴室のサイズの件については、私の方から提案しました。

まず1つめは、浴室について、ミリ単位でサイズを調整したことがあげられます。

我が家は真上から見ると長方形ではなく、浴室部分だけ、わずかに出っ張った形になりました。まあこれは、浴室を1坪ではなく1.25坪タイプにしたことが最大の理由です。
ところが、この間取りを素直にプランすると、建ぺい率が規制をわずかにオーバーしてしまうのです。それも、0.1%より小さいような、ごくごくわずかなレベルです。
この状態から一般的なやり方で間取りを修正すると、どこかの部屋を一回り(2畳とか3畳のレベルで)小さくするか、さらに建物を凸凹にして複雑な形にするか、どちらかになってしまいます。
それは避けたかったので、今回は、「浴室のために出っ張らせた部分の長さを、ミリ単位で縮める」というアイデアで乗り切りました。
浴室にはユニットバスがごろんと入りますが、実は1.25坪のユニットでも、1.25坪の空間に対して、5cmくらいの余裕をもって小さめに設計されています。
ですから、1.25坪のユニットは、わずかに1.25坪よりせまい、例えば1.24坪のスペースにも入れることができるわけですね。
そんなわけで、今回は浴室部分の出っ張りを「1cm」だけ縮めることで、建ぺい率を規制の範囲内に収めることができました。(建ぺい率は、規定の40%に対して、39.998%とか、そういう笑ってしまうくらいぎりぎりのレベルになりましたが。)

また、もう1点、規制をクリアするために設計士の方に汗をかいていただいたのが、「ベランダ」でした

ベランダ自体はごくオーソドックスな標準仕様で、2階の南向きの掃き出し窓に沿って規制の範囲内(張り出し1m以内)で作っただけだったのですが、敷地との関係で、そのベランダの南西の角だけが、そのままだと道路斜線規制に引っかかってしまうことが分かったのです。

こちらについては、こういった場合によくやる(ただし超低コストビルダーとかだと嫌がってやらないこともある)、「天空率」を使った制限緩和の規定を活用して、なんとか当初想定していたとおりのベランダを設置することができました

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2016年10月03日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(85)

19)3次元での微調整

これまで、間取りについてのこだわりポイントを書いてきましたが、これらをすべて満たすような間取りを、決まった広さの敷地に破綻なく設計していくことは非常に大変です。
いったん、「これならうまくいく」と思った間取りができても、それをハウスメーカーにもっていくと、設計士の方から問題点を指摘されてやり直しになる、といったことも何度かありました。

逆に、普通に間取りを組んだらできないはずのプランについて、設計士の方に無理を言って設計を詰めてもらって、何とか押し込んだというパターンもいくつかありました。

その際のポイントは「3次元」ということでした。

その1つは浴室です。
我が家の浴室は結果的に、その上を階段がとおることになりましたが、フルの天井高よりも低い位置を階段の一部が通っています。
こういった場合、通常の部屋であれば、天井の一部に階段の出っ張りができる、ちょっと不格好な部屋になるだけで済みますが、浴室の場合、ユニットバスですから天井を削ることができません。
天井の出っ張った部分だけユニットバスの天井をカットして、別途天井を施行することができるか、とハウスメーカーに聞いたのですが、それはちょっと難しいという回答でした。(たぶん、保証とかもできなくなるからでしょう。)
これは無理か、と思ったのですが、選択可能なユニットバスの図面を比較吟味した結果、特定のメーカーのユニットバスで、天井をドーム型ではなくフラットにして、かつ浴室換気ユニットの位置を工夫すれば、ユニットバスを加工せずにそのまま入れても何とか入ることが分かりました。

また、グルニエについても、当初の設計では階段と屋根の位置関係が悪く、平面図ではうまくできているように見えていたものの、立面図で書き起こしてみると、階段の途中で天井高さが80cmを切るというありえない状況になることが分かったため、階段の段数や回転部分の刻み方を調整して、何とか1.1m程度を確保するようにしました。

間取り図とにらみあっていると、つい間取りというのは平面的にプランニングされているものだと錯覚してしまうのですが、実際には建物は3次元の立体なので、空間をうまく使えば、思いもよらないアイデアで問題解決できたりするものなんだな、と改めて感じたりもしました。
きっと、こういったセンスが抜群に優れた建築家とかに家造りをお願いすると、スキップフロア(中二階)とか吹き抜けを駆使した、芸術的でとても魅力的な家ができたりするんだろうな、とも思ったわけです。(私にはそういうセンスはまったくないので、あくまで実用上、機能上役に立つ部分でだけ、「立体的なプランニング」の恩恵を蒙りました。)

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