自作DVDを作ったことがある方はご存知だと思いますが、単純に取り込んだ映像をDVDにするだけなら、お店で数千円で売っているソフトで比較的簡単にできます。きれいなメニュー画面をつけたりすることも問題ありません。今回大変だったのは、字幕入りのDVDを作ろうとした点でした。
実は、市販のDVD作成ソフトで字幕に対応している商品はほとんどありません。あったとしても、2万円以上の、業務用に片足を突っ込んだような価格帯のものになってきます。
DVD Workshop 2
ユーリードシステムズ
どうしても市販ソフトを使うとなると、値段を考えるとこれがほとんど唯一の選択肢です。
ビデオ編集ソフトの「タイトル」の機能を使う(この場合は「字幕」ではなく「文字の合成加工」になるため、オンオフもできなくなりますが)方法も考えられますが、膨大な字幕を正確なタイミングで貼り付け編集していくのは、現実的にはちょっと無理です。
そこで今回は、「字幕入りDVDを作っちゃおう!」というページで紹介されていたソフトのうち、Subtitle WorkshopとDVDAutherGUI-Jという2つのソフトを使って、試行錯誤を繰り返した結果、何とか字幕入りDVDを作ることができました。
字幕入りのオリジナルDVDを作ろうと思っている方に参考になればと思ったので、下記に今回のDVD作成の手順をまとめておきます。
もともとの映像は、ビデオキャプチャーボードを使って、パソコンで取り込んだMPEG2ファイルです。カメラは手持ちの防犯カメラ(25万画素程度のCCDカメラ)、マイクはアイワの望遠マイク(CM-S33-BC)です。ミキサーも活用し、声は左、伴奏は右と(後でリミックスするため)音声のチャンネルを分けて、DVDクオリティで取り込みました。
そこからDVD作成のために使ったソフトは、以下のとおりです。
PowerDirector EXPERT:動画編集ソフト

ばっちでまっくす:MPEG映像・音声分離ソフト。「DVDAuthorGUI-J」のページにあります。
Subtitle Workshop:字幕作成ソフト
DVDAutherGUI-J:オーサリング(DVD作成)ソフト
DVD書き込みソフト:DVD-Rドライブに付属しているものでOK
実際にこれらを使ったDVD作成プロセスは以下のとおりです。
1. PowerDirectorで、ビデオクリップを連結・加工して、1つのMPEGファイルを作ります。
2. ばっちでまっくすで、MPEGファイルの映像(.m2v)と音声(.mp2)を分離します。
ここで私の場合は、音声にエコーをかけたりリミックスしたりするために、以下の手続きが必要でした。字幕をつけるだけなら不要です。
2a. MPx2WAV32Gでmp2ファイルをwavファイルに変換
2b. Audacity(本体とVST Enabler)でwavファイルを読み込み、freeverb2(VST Version)でエコー効果をかけ、声と伴奏をリミックス。
2c. TMPGEncで、wavファイルをmp2ファイルに変換します。(ES(Audioのみ)のモードを使用)TMPGEncがある場合は、上記2.の分離作業もTMPGEncの「MPEGツール」でできます。
TMPGEnc Plus 2.5:MPEG編集ソフト
3. Subtitle Workshopで、1.で作成したMPEGファイルを再生しながら、字幕を入力、タイミングも調整します。最後にsubstation alpha形式(.ssa)で出力します。
4. DVDAuthorGUI-Jを起動し、以下の手順でオーサリングを行ないます。
1) 「タイトルの追加」で、2.で分離したm2vファイルと加工後のmp2ファイルを取り込む。
2) 「エクストラ」→「字幕の追加と編集」で字幕ファイルを取り込む。
3) 「エクストラ」→「言語名タグの編集」で音声と字幕が日本語である、という設定をする。
4) 「メニュー」→「オーサリング後にISOファイルを生成」にチェックを入れる。
5) 「オーサリング」開始。
5.できあがったISOファイルをDVDに焼きます。
→この記事のアクセスが多いので、より詳しい作成方法を紹介することにしました。
ブログの右上「シリーズ記事」の「字幕入りDVD制作」をご覧ください。
こちらこそ勝手にトラバしてしまい失礼しました。
DVDAutorGUI-Jは、市販のDVDの字幕だけ差し替えるという方法には使えませんが、タイミングの合っている映像と音声と字幕のデータからオリジナルの字幕つきDVDを作るのは比較的簡単にできました。
親切なソフトではないですが、音声と字幕が複数入ったDVDが作れるのは、安い価格帯の市販ソフトにはない機能ですね。
実は非常に多機能なソフトのようですが、私も使いこなせていません(^^;)
『字幕入りDVDを作っちゃおう!』の管理人、nabe3netと申します。
ブログを拝見し、そらパパさんの取り組みを知り、大変感動しました。またその中でDVDAuthorGUI-Jをお使いいただき、私が思いもよらなかった活用をされていることも大変嬉しく思いました。今後も拝見し、勉強させていただこうと思っています。
DVDAuthorGUIは多機能で自由度が高い分、使いやすさにまであまり手が回っていないのが現状です。もしもご助言を頂ければ、開発者のliquid217とともに、今後の改良の参考にさせていただきたいと思っております。
微力ですが、そらパパさんの今後のご活躍を応援させていただきます。
よろしくお願いします。
「字幕入りDVDを作っちゃおう!」のページには非常にお世話になりました。DVDAuthorGUI-Jがなければ、このブログで紹介しているオリジナルDVDは作れませんでした。本当にありがとうございます。
DVDAuthorGUI-Jの機能には基本的に満足しています。ただ、この1か月くらいだけでこのソフトを本当に何十時間も使っていますので、いくつか気づいた点もあります。
nabe3netさんのお言葉に甘えて、それらについていくつか書かせていただきます。(本当はそちらのBBSでお聞きしたほうがいいのかもしれませんが・・・)
1.保存したプロジェクトを再実行するとエラーになる。
これは「xmlファイルを編集する」にチェックを入れた場合だけ起こるのかもしれませんが、一度オーサリングをしてそのプロジェクトファイルを保存して、再度そのプロジェクトファイルを読み込んでオーサリングしようとすると、ダイアログが開かず、デフォルトの変なフォルダ名が採用されてエラーになります。「メニューの編集」など、xmlファイルの編集が破棄されるカラ動作を行ない、再度「xmlファイルを編集する」にチェックを入れ、オーサリングすると(もう一度xmlファイルを修正しないといけませんが)うまくいきます。
2.タイトルメニューが作れない。
複数のタイトルを入れた場合、タイトルセットのメニュー(ルートメニュー)は作れますが、1つ1つのタイトルごとのメニューは作れません。ですので、複数のDVDをまとめた総集編のようなものを作った場合でも、どこからメニューボタンを押しても一番根っこのトップメニューしか表示できません。複数のメニューを作成した場合でも、トップメニューからの遷移用としてしか使えません。
xmlファイルの編集で<titles>の中に<menus>のタグを無理やり作成して書いてみましたが、文法エラーではねられてしまいました。やり方があるのであれば教えていただきたいと思います。
3.複数字幕の一部だけを削除できない。
複数の字幕を設定していて、1つだけ削除したいと思ったとき、字幕の編集ダイアログで「×」ボタンを押すと全部消えてしまい、また1からやり直しになってしまいます。
4.一度追加した音声が削除できない。
これも3.と少し似ていますが、複数音声を設定したタイトルから、一部の音声を削除しようと思ってもできず、タイトルを丸ごと削除して全部やり直しになってしまい、チャプターの設定なども全部消えてしまいます。
5.字幕の色の設定ってできないですよね?
DVDAuthorGUI-J単体だと、字幕の色使いについては、デフォルトの白文字で黒のふち取りという色使い以外は使えないですよね? できれば、ふちどりなしで黒い文字という色使いにしたかったのですが、完成後のデータをIfoEditで編集する以外の方法で可能でしょうか?