2005年11月10日

魔法の鏡

娘がガラスに自分の顔を映して遊んでいるのを見て、「そうだ、鏡だ」とひらめきました。

自他区別の難しさの一つは、「自分」が自分自身には部分的かつ偏った形でしか見えていないということにあります。周りにいる人間が見えていても、それがそのまま、「自分」も同じように顔があって、手があって、人間の形をしていて、といった認識につながるわけではありません。なぜなら、自分の目からは自分はそう見えていないからです。見えているのは、せいぜい腕と胸から下くらいで、しかも見ている角度が全然違います。

鏡なら、この問題を解決できます。鏡を覗けば、そこには「自分」と「周囲の環境」とが、一番分かりやすい形でそのまま映ります。そこにいるのが自分だということは、自分が動けば鏡像もそのとおりに動くことで、すぐに理解できるでしょう。
さらには、自分の動作がどんな風に見えるのかということが常に確認できますから、リアルタイムでモニタリングするという部分の発達についても強力なサポートになると考えられます。
さらに好ましいことは、自分が少しでも体を動かせば100%確実に鏡像もそれに「応えて」反応してくれることで、器用さがあまり発達していない段階でも、鏡像を「操作する」という遊びが自然にできるということです。娘に関していえば、「おもちゃの部品だけをいじって遊ぶ」なんていう望ましくない行動も、鏡なら一切できません。

よし、鏡を置こう。

翌日、さっそく会社帰りにショッピングモールに立ち寄り、姿見やスタンドミラーなどを見に行きました。
ところが、ここで1つの問題が出てきました。娘は危険が分からず走り回るので、姿見とかを置いたら衝突したり落としたりしてガラスが割れる危険がある。そんな危ないものは設置できない・・・。
いろいろ見ていると、小さな壁掛けの「アクリルミラー」というのを発見しました。持ってみると非常に軽く、クリア層がガラスではなくアクリル板でできています。これはいい、ということで買って帰り、娘がいつものぞき込んでいたサイドボードのガラスにそのミラーを貼りつけてみました。
娘はこれが非常に気に入ったようで、毎日何度も鏡に走ってきては顔を映して鼻や口に触ったり、口をぱくぱく動かしたりして遊ぶようになりました。さらに良かったことは、鏡にしたことで顔をぴったり近づけなくても映るようになったため、少し離れたところからのぞき込むようになったことでした。これにより、少なくとも顔全体が一度に視界に入るようになり、「自他区別」の入り口が少しだけ広がった気がしました。
この結果を見て、全身が映るようなもっと大きなアクリルミラーが欲しい、と思いました。
いろいろ調べてみると、大きめのホームセンターなどではアクリル板コーナーでアクリルミラーを取り扱っていることが分かったので、週末にいくつかホームセンターを回ってみました。その中の1店で45cmx60cmというサイズのアクリルミラーを発見し、さっそく購入して自宅のリビングの壁面に、娘の全身が入る高さで木ねじでしっかり固定しました。

http://www.acry-ya.com/

アクリルミラーが通信販売で買える「アクリ屋」のサイト。近くにアクリルミラーを扱っているホームセンター等がない場合は、通販を利用してもいいと思います。
この店では、我が家にあるのと同じ450x600x2mmサイズのミラーは2200円+送料で扱っています。
posted by そらパパ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 実践プログラム | 更新情報をチェックする
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