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2007年12月10日 [ Mon ]

パニックを考える(15)

あまり楽しい話題ではない、「パニックへの(比較的マイルドな)罰の適用」について書いています。
今回は、実際にやってみようとするとなかなか難しい、「過剰修正法」についてです。


4)-b.過剰修正法

過剰修正法とは、問題行動に対して、その問題行動によって起こった環境の悪化を「過剰に」回復させる、あるいは問題行動に対応する「正しい行動」を「過剰に」練習するような活動を「罰」として強制する働きかけです。

具体的には、例えばパニックによって部屋を散らかしたとすれば、その散らかしたものを片付けるだけでなく、さらに部屋全体の掃除をやらせるといったことを考えます。(このように、問題行動によってもたらされた環境の変化を、問題行動の前よりも良好な状態にまで修復させる方法を「原状回復法」といいます。)
あるいは、他人に汚い言葉を言ったり他傷したりした場合は1回ではなく10回繰り返して謝らせる、パニックで床に寝そべった場合は、教室に入って正しい姿勢で1分間着席するという行動を5回繰り返す、といった方法が考えられます。(このように、問題行動に対応する「正しい行動」を何度も(過剰に)練習させる方法を「積極的練習法」といいます。)

これらは、端的に言ってしまえば、嫌なことをさせて問題行動を抑制するという一般的な意味での「罰」に過ぎないのですが、問題行動と「罰」との対応関係が比較的はっきりしていることや、一般に社会的に「良いこと」とされていることをさせることになるため、罰としては比較的穏健であり、かつ「やってはいけないこと」を子どもに理解させるといった一定の効果が期待できると考えられます。
ちなみに、過剰修正法で与えている「罰」そのものは、「適切な行動」ですから、これをやらせている間は叱ってはいけません。叱ると、その行動をするのがいいことなのか悪いことなのか混乱させてしまいます。あくまでも淡々とやらせるのがポイントの1つです。

ただ、これらの働きかけは、パニック自体を抑えたり予防したりというよりは、パニックによって起こる問題行動の「迷惑度」をコントロールすることが目的となります。パニックをしても、それに付随して他人に迷惑をかける度合いが少しでも減少すれば、社会への適応という観点からは状況が改善していると考えられますから、これはこれで有効な働きかけの1つだと言っていいと思います。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 23:07 はてなブックマーク | コメント(10) | トラックバック(0) | 療育一般
この記事へのコメント
本日初めてHPを拝見いたしました。11月21日で2歳になった息子けんぽんは自閉症です。(まだ自閉傾向という診断ですが、自閉症であることは親からみて明らかです。)今、私は息子に何をしてあげられるのか?色々な本を読んだり、HP(つみきの会)など見たりして、そらまめパパのHPにたどり着きました。今日一日かぶり付きで読ませていただきました。早期集中介入について私も疑問点がたくさんありましたので、パパの「頑張らない家庭の療育」はとても共感しました。パパさんがかいていらっしゃるように、働きかけが早いに越したことはないと思っています。何から始めようか・・。どんな療育でやっていこうか。考え中です。HPまた著書を読ませていただいて考えてみます。なにかアドバイスありましたら宜しくお願いいたします。これからも宜しくお願いいたします。
Posted by けんぽん母 at 2007年12月11日 16:43
けんぽん母さん、はじめまして。

「最初の働きかけ」については、左の「幼児期の療育総論」タブでもまとめているシリーズ記事の24〜27回あたりで触れています。

要は、こちらの働きかけに対して反応が返ってくる状態をまず作る、ということですね。

反応が返ってくるようになれば、その反応をうまく誘導する、いわゆる「ABA」などの働きかけを少しずつ(たとえば、毎日15〜30分程度の簡単な課題など)取り入れていくのがいいのではないでしょうか。

先は長いですから息切れしないようにマイペースで取り組んでください。これからもよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2007年12月13日 00:58
アドバイスありがとうございます。左のタブのものは毎日刷りだして、読んでいます。幼児期の養育総論はまだでしたので、今日早速読んでみます。ほんと先は長いです。息切れしないようにやりたいと思います。そらパパさんたちのような「先行く仲間」にこれからも導いてもらって焦らず進みたいとおもいます。あ、それから疑問に思っていることがあるのですが、自閉症は原因が分からず、MRIでも脳の部分が欠損しているわけでもない、なのに完治しないということだけははっきりしているんですね。ちょっとそんなことをおもいました。
Posted by けんぽんハハ at 2007年12月13日 10:03
けんぽん母さん、

自閉症が治らない障害か、ということについてはいろいろな議論がありますが、1つ明らかなことは、「治るかどうかは別にして、少なくとも『治し方』は分かっていない」ということです。

また、子どもと親が進むべき方向を冷静に考えるためには、「治らないんだ」と覚悟を決める?ことが、実は大切なことなんだという側面もあります。

自閉症の周辺には玉石混交の情報が乱れ飛んでいます。そんな中から、信頼できるものはどれかを見極めることも、とても大切です。
Posted by そらパパ at 2007年12月13日 22:49
ありがとうございます。そらパパさんの回答に納得してしまいました。覚悟を決める!そうですね。自分の心にある意味での決心がなければ、子どもに対する「働きかけ」も意気込みも曖昧なものになってしまいそうです(特に私は)。12月18日から初めての病院での療育OT、PT、心理というのが始まります(隔週1回)。詳しいことは分からないのですが、たぶんこれは行動療法ではないと思います。行動療法も合わせてやりたいので、1度プロのについてやり方を教えて頂いて家庭でやってみようかと思います。そらパパさんHPにかかれていることは、私の教科書的存在にさせていただきたいと思っています。頑張らない家庭の療育は、まさに私の理想です。PECSというのもすごくそそられます(^^;)また、そらママさんのブログでもそらまめちゃんの療育通いのことが書かれていてとても興味深く拝見しています。よろしければ、今そらまめちゃんはどういった療育教室へどのくらいの頻度でかよっていらっしゃるか教えていただけますと嬉しいです。HPのどこかに書かれているのでしたら、ごめんなさい。見落としています(*^^*)。今、気がついたのですが、このような質問や意見はここに書いてよろしかったのでしょうか?もしかして、ここは上のそらパパさんの「パニックを考える」についてコメントする場所でしたでしょうか?HPにコメントを書き込んだりすることが初めてで間違っていたらごめんなさい。教えてください。長くなってまたまたごめんなさい。
Posted by けんぽん母 at 2007年12月14日 10:00
けんぽん母さん、

何事も無理をしないこと(その代わり、継続すること)が大切だと思います。

ちなみに、娘の療育、現在はこんな感じです。

幼稚園 週4日(普通級、介助つき)
病院にてTEACCH療育 週1日、2時間
センターにて一般的な療育 週1日、2時間
養護学校の体験教室(?) 月2回、1時間
音楽の個人レッスン 月2回、1時間
自宅で妻が課題演習 毎日、15分

一番下の「課題演習」は、もう3年ほど続けていますね。内容は、ごく簡単なABAです。時間は短いですが、私は、どの療育よりも、これが一番大きな成果を上げていると思っています。(妻に感謝ですね。)
Posted by そらパパ at 2007年12月15日 01:42
よく分かりました。ありがとうございます!!盛りだくさんのスケジュールですね。そらまめちゃんも楽しんで療育を受けている感じがママブログからも伝わってきます。私も息子に何が合うのか、探るためにも少しいろんな所に顔を出して、それから絞っていきたいと思います。課題演習が一番効果がある!やっぱり愛情たっぷりの療育にまさるものはないのですね。説得力があります!私も早速始めようとそらまめ式マッチングカードを印刷させていただき、準備万端ですが、フォーマルな療育は、早いのかな?でも早いほうが良いのかも?なーんて色々考えて二の足を踏んでいます。試して見たい気持もあり、怖い気もあります。(椅子にきちんと座れないよなぁ、とか出来ないよなぁなんて)。
Posted by けんぽん母 at 2007年12月17日 11:02
けんぽん母さん、

自宅での継続的な療育と、定期的な外部での療育をうまく組み合わせるのがいいと思います。
外部での療育は、集団生活に慣れたり、外に出かけるのに慣れたり、親と離れて活動することになれたりといった副次的効果も期待できますので。

フォーマルトレーニングは、「ぜんぜん無理だ!」という間は無理にやらずに、感覚統合的なからだ遊びをしているほうがいいと思います。でも「まだちょっと無理かな?」くらいになったら、始めてもいいでしょう。
最初にやる課題としては、「マッチングカード」はおすすめです。我が家も、少しカードは違うのですが、ここからはじめましたので。
Posted by そらパパ at 2007年12月25日 00:07
ありがとうございます。無理のない程度にいろんな所(外から内から)からせめて(?)見るのが良いですよね。先週えいっ!気持を決めて椅子に座らせてマッチングカードをやらせようとしましたが、椅子に座るところから断固拒否されまして・・・一回目は失敗に終わりました。今は次のチャンスを狙っております。感覚統合的な遊びは少しずつやっていこうと思います。鏡などを使って!
Posted by けんぽん母 at 2007年12月27日 11:16
けんぽん母さん、

お子さんの状態にもよりますが、いきなりいすに座らせてマッチングカード、は難しいと思います。

最初は、子どもが落ち着いているときに(別にいすに座っていなくていい)、ただ単にカードを渡して、それを箱に入れる動作を全部手助け(プロンプト)して、すぐさまごほうびを与える、ただそれだけを練習して、子どもが自分でカードを手にとって箱に入れるという動作ができるようになるまで毎日少しずつ繰り返します。それができるようになって初めて、2種類のマッチングに進んでいけばいいと思います。
Posted by そらパパ at 2007年12月27日 21:55


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