
↑本日の講演の様子。(プライバシー確保のためあえてピンボケ写真になっています。)

↑同じく、講演の様子です。
今回のテーマは、「自閉症の理解と家庭の療育」ということで、拙著で私が提唱している自閉症の仕組みの仮説に基づいて、自閉症をどのように理解し、そして家庭における療育的働きかけはどのように行なっていけばいいのかといったことを、簡単な紙ベースの資料に基づいてお話させていただきました。
下記が、その資料です。PDFファイルになっていますので、よろしければご覧下さい。

↑講演の説明資料(PDF版)です。
また、この資料に基づいた内容以外に、「ラベル屋さんHOME」とラミネーターを使った絵カードの作り方について、実際に私が作っている絵カードのサンプルを持ち込んでご案内させていただきました。
仕事でプレゼンテーションをやることは少なくないのですが、こういった形で呼ばれてお話をするというのは初めてだったのでかなり緊張しました(^^;)。うまく話したかったことが伝わっているとよかったのですが・・・。
ともあれ、今日はいい経験をすることができました。
今回の講演を準備いただいた皆様、そして実際に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
※ご連絡:
もしも、こういった形でのお話を希望される方がいらっしゃいましたら、まずはメールにてご相談ください。
なお、私はサラリーマンが本業ですので、報酬をいただくことはご法度です。ですから、私がブログに書いていることに共感いただける方からご相談いただき、かつ私もご連絡いただいた趣旨に納得させていただいた場合にのみ、無報酬にてお邪魔させていただきたいと考えています。
また、日程についてもそれほど融通が利かない身ですので、その点で折り合いがつかないケースも多々ありうることをご理解ください。
すごいですね~。私もお願いしたいですね~。遠すぎて絶対に無理ですけど・・・(笑)
そらパパさんの説明資料を使って、私が代弁したいくらいです!
なかなかそらパパさんの凄さを、私の周りの人たちには解ってもらえないでいますので・・・
療育の先生とか、専門的な分野の方には解っていただけるんですが、親御さん達にはあまり関心を持ってもらえません。
家庭で、毎日の生活の中で実践されてこそ、大きな価値があるものだと思うのですが・・・
それと、「ラベルやさんHOME」を使った絵カードの作り方も教わりたいです!
(実は情けないことに、それすらできないでいますので・・・)
こういった形でプレゼン資料を公開される太っ腹さ加減に、感服しています。
資料の内容は、どれも、ここの読者には「うん、うん」と納得のいく内容だと思うのですが、1点だけ書かせて下さい。
私もホンの数ヶ月前まで「PECSの真骨頂はフェイズ3まで」と思っていました。
最重度の息子がここまで自発的に要求できるようになったのは、PECSのおかげであることは間違いありません。
ですが、フェイズ4以降を丁寧に実践することで、ものすごく語彙が増えて、自信を持って「会話」できるようになっている子がいます。
1年前にフェイズ1~2の導入を私がして、その後、2daysを受けたSTさんに引き継ぎ、現在フェイズ5。
うちの児童ディサービスを利用されている年長さんで、母はこのブログの読者でもあり2days受講者です。
彼を見ていると、言葉がコミュニケーションの道具になっていないお子さんにとって、PECSは本当に有効だと感じています。
4~6も、ものすごい威力を発揮します。
今日も、ディのスタッフが「ブックがあるといっぱいお話出来るんですよね~~」と。
混乱せずに文を組み立てることが出来、自信を持って「言える」という環境が作れるのだと思います。
もちろん、4~6はもう一歩踏み込んで整理して欲しいという思いは今もありますが。
いっくんママさん、
それは褒めすぎだと思います(笑)。
ただ、確かに、家庭での普段の生活を(厳しい訓練とか、そういうことではなく)少し工夫して、親御さん自身が療育的働きかけを継続的に行なうことの大切さについては、もっと多くの自閉症の親御さんに伝えていかなければいけないのかな、とは思っています。
こうままさん、
もちろん、私もPECSのフェーズ4から6が無効だとは思っていません。
ですが、それでもいまだに、
・なぜフェーズ3までは「カード1枚」で済んでいたマンドの表現が、「カード2枚」を必要とするように変わってしまうのか。これを「子どもの側」から見て、どう正当化するのか。
・本当にマンドの次に教えるべきなのはタクトなのか。コミュニケーションの必然性が、マンドと比べて著しく低いように思われる。
といった辺りについて、どうしても納得感が得られていないのが正直なところです。
ですので、私はPECSの1から3については、あらゆる自閉症のお子さんにおすすめできる療育法、4から先は「試してみてうまくいった場合にのみ」実施してもよいと思われる療育法、という風に考えています。
(それでも、他の多くの療育法よりははるかにABA的視点から合理的に組み立てられているのは間違いありませんが)