とはいえ、もう最後のまとめに入っていますし、そのまとめもそろそろ終わりです。
というわけで、家づくりの中での療育的配慮の要素、建物配置や外構について、次のポイントは、
8.玄関から前面道路までの動線
です。
間取りのところでも触れましたが、家庭での生活のなかでの1つの典型的な「危険場面」というのは、どこかへ外出するとき、玄関から外に飛び出した際に(交通)事故に巻き込まれる、というものだと思います。
私自身、上京してからいろいろなタイプの住宅に住みましたし、今回の家づくりにあたっても、また前回建売を買ったときも、たくさんの家を実際に見てきましたが、狭小な土地に立つ都会の住宅の場合、玄関から出て、そのまま2,3歩歩くと車の走っている道路に出てしまう、というタイプの家が少なくない割合で存在します。
そういう家を選んだり建てたりしてしまうと、子どもと外出するときも常に自分が先に出て子どもが道路に飛び出さないように配慮する必要がありますし、たとえば両手がふさがっているときなど、子どもの安全をうまく十分に確保できない状況も多々発生すると考えられます。
「そんなの常に注意すれば/子どもに言って聞かせて適切に行動できるようにすれば済む話だ」とも言えますが、そういうリスクがない(または低い)建物配置になっていれば、そもそもそういう心配をする必要がなくなるわけですから、せっかく家を建てるのであれば、飛び出し事故リスクのない設計を考えたほうが合理的です。
というわけで、我が家の玄関は、前面道路から数メートル奥まった位置に、かつ前面道路とは90度角度をずらして設置しました。玄関を開けると、まず体の向きを90度かえて、そこから玄関アプローチを数メートル歩いて、ようやく前面道路に到達します。
しかも、こちらは土地選択のところで触れましたが、その前面道路は行き止まりのクルドサックの最奥なので、周囲の数軒の家の住人と、配送業者の車くらいしか往来しません。
子どもが玄関からふいに飛び出すことによる(交通)事故リスクは非常に低いところに抑えることができています。