2018年12月10日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(197)

今回の家づくり記事、最後のまとめとして、療育的に配慮した点を改めて整理しています。
狭い意味での間取り(建物内の間取り)について、療育的な配慮をした部分についてはだいたい出たので(それ以外にも、個室よりもLDKを中心とした家族のスペースの重視であったり、椅子やソファーとテーブル、という形だけでなく座布団でぺたんと座ることのできる和室の設定など、細かいものはいくつかありますが)、続いてはより広義の間取り、建物配置や外構、設備といった部分についてまとめていきたいと思います。

まずは「設備」についてですが、療育的配慮ということでまずあげられるのが、

6.オール電化

でしょう。

これはもう、「安全」ということを考えると、ガス+電力よりもオール電化のほうがずっと優れているといって間違いないと思います。
家の中でも、キッチンはリスクの高い場所ですが、そのリスクのなかでも「火」のリスクは最大のものと言ってもいいでしょう。(それ以外には「刃物」があります)
オール電化にすれば、知らないうちに子どもがキッチンに入って火傷をしたり火事になったりといった不測の事故のリスクを大幅に下げることができますし、さらには子どもに調理にチャレンジしてもらう、といった「前向き」な取り組みについても安全度が高まると思います。

とはいえ、実のところをいうと、家づくりの当初からオール電化に決めていたわけではありません。家づくりを考え始めたころは、まだ東日本大震災の計画停電の記憶なども残っていましたし、どちらかというとオーソドックスに都市ガスを引くことを考えていました。
特に、多くのビルダーのプランでは、「オール電化」はオプション扱いで、通常の都市ガスありのプランよりも数十万円程度割高になるケースが多かったので、「わざわざコストをかけてまでやることではないな」と思っていたのです。
ところが、最終的に決めたビルダーの場合、オール電化のほうが「標準仕様」で、ガスにするには追加でオプション費用(しかも数十万円レベル)払わなければならなかったので、それなら逆に話が早いということでオール電化を選択したのです。

オール電化にすると、災害時に停電すると何も使えなくなるリスクがあると言われますが、実はガスでも給湯器は停電すると使えないので、違いはコンロだけ、コンロについては非常用にカセットコンロを常備しておけば解決します
さらに、エコキュートに残ったお湯はしばらくはお湯として、その後も飲料水として使えるので、断水にも強いのです。

それ以外のオール電化のデメリットとしては、温水シャワーの水圧が弱いIH調理器では中華鍋を振り回すような調理ができない(そもそも調理器具を全部IH対応型に買い直す必要あり)、エコキュートのお湯には限りがあるので、お風呂でシャワー垂れ流しみたいな使い方はできない、といったことがあげられますが、どれも慣れれば大きな問題ではなくなります。
それよりも、夏場でもキッチンが暑くならないし、水蒸気も発生しないのでキッチンが大幅に衛生的で快適になりますよ。
posted by そらパパ at 22:01| Comment(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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