前回に引き続き、
2.トイレと浴室を介助を前提としたつくりにする。
という話題についてです。
前回は浴室について触れたので、今回はトイレについてです。
トイレについては、大きく3つほど、介助のために配慮したことがあります。
まず1点目は、「ドアを引き戸にしたこと」です。
注文住宅の間取りでドアを設置するとき、基本的にすべてのドアの標準仕様は「開き戸」です。(例外として、浴室のドアだけは標準仕様が「折れ戸」の場合が多いです)
ですので、ドアを設置するにあたり、そのドアを開き戸にした場合には追加コストは生じない(坪単価そのまま)ですが、開き戸以外の引き戸や吊り戸、折れ戸などにした場合は追加コストがかかります。
しかも、これは「差額」ではなく「ドアの費用(設置費含む)全体」がまるごとかかるので、開き戸以外のドアを1つ設置するごとに数万円〜数十万円(横に長い引き戸など)という大きなコストがかかります。よく「家を建てるならドアは全部引き戸にしたい」みたいな意見がありますが、びっくりするほどお金がかかるので諦めるか覚悟したほうがいいです(笑)。
そんなわけで、開き戸以外のドアを設置するのは「本当に必要な場所だけ」に厳しく吟味したわけですが、その一つがトイレでした。
トイレの介助にあたっては、開き戸は非常に邪魔になります。
これを引き戸にすることで、ドアに邪魔されずに介助が可能になるわけです。
そして2点目は、シンプルに「トイレのスペースを広めにとった」ということです。
それまでの建売ではトイレは必要最小限の半間×0.75間しかありませんでしたが、これを半間×1間に広げました。
わずかな差ですが、これによって便器の前に介助者が入るスペースが確保できるようになりました。
そして3点目は、便器の形状で、「超浅型」を避けたことです。
だいたい、注文住宅での便器については、TOTOかLIXILのボトムラインの洗浄機能付のものを選べるのが標準仕様というのが多いのですが、当時一般的だったLIXILの「ベーシア」便器は、金隠し?の部分が信じられないほど浅く、本人がやるにしても介助者が手伝うにしても、紙を使うときに便器に触れてしまう恐れが高いものでした。
ですので、我が家ではTOTOのほうを選択することにしたわけです。