2018年10月29日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(191)

さて、そんなわけで、今回の家づくりで「土地」について療育的に配慮した点、「学区」「利便性」「安全」についてまとめました。

次に、間取りに関して療育的に配慮した点を整理していきたいと思います。

まず何よりも大きなポイントとして、

1.リビングと、リビングにつながる各機能スペースとの間をドアのない構造にする。

ということがあげられます。

それまで住んでいていた家(建売の戸建て)で特に悩ましく感じていたことは、家のつくりが「玄関からつながる(1階の)廊下」を中心に構成、かつ分断されていて、

・LDKからトイレに行く
・LDKから洗面所・浴室に行く
・1階のLDKから2階の居室(寝室)に行く


といった移動をする際に、毎回リビングのドアをあけて玄関からつながる廊下に出なければなりませんでした。

我が家の場合、これにはたくさんのデメリットがありました。

・上の子が開けたドアを閉め忘れるので、冷暖房の冷気・暖気が抜けてしまう。
・親も、毎回「閉めて」と言わなければならないし、子どもも毎回注意されるのでお互いにストレス。
・トイレや洗面所、脱衣所にエアコンが効かないので夏暑く冬寒い。(がまんするか、別途、効率の悪い暖房器具を置いたりしなければならない)


特に、リビングドアの開け閉めを毎回子どもに注意しなければならないというのは親子双方にとって負担だと感じていたので、家を建てる際に絶対に間取りで解決してしまおうと心に決めていたわけです。

そして実際、新居では、リビングとトイレ、洗面所、浴室は、玄関とは分離されてドア1枚でつながり、開けても冷気・暖気が大きく逃げることもなく、逆に入浴前などはドアを開けて温度調節ができるようになりました。
階段もリビング内に設置したので、こちらも玄関へのドアを開ける必要がありません。

これによって、圧倒的に生活しやすい家になりました。
間取りが開放的になるのでエアコンの効きが悪くなりますが、そこは高気密・高断熱のつくりにすることで十分以上にカバーできています。(よりエアコン効率を重視する場合にはカーテンでリビングとそれ以外の部屋・階段とを仕切れるようにも工夫してあります。)
それに、「開放的な間取りによる冷暖房効率の低下」よりも、「ドアを何度も開けっ放しにされることによる冷暖房効率の低下」のインパクトのほうがはるかに大きかったわけですから。
posted by そらパパ at 20:46| Comment(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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