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2007年06月25日 [ Mon ]

父親参観

土曜日は、娘の幼稚園の父親参観(実際には幼稚園の場合は「参観」とは呼ばないらしいですが)でした。

妻からは、さんざん「幼稚園では周りの子と集団行動ができないのを見て落ち込む」という話を聞いていたので、まあ実際には娘が一人で勝手に遊びまわっているのを追いかけるような感じになるんだろうな、と思っていましたが、実際そんな感じではありました。

療育施設とは違って、いろいろな集合遊びも娘がいない・できなくてもどんどん先に進んでしまいますし、参加できないなら別行動で自由に遊ばせてもいい、といった扱いでしたので、2時間半ほどの参観のうち、本来は半分くらいは集団遊び、残り半分は自由遊びといった感じでしたが、娘は最初から最後まで一人で(介助の先生や私を引っ張り回しながら)遊んでいました。

さらには、土曜日というイレギュラーな日に幼稚園に連れてこられたことや、普段は幼稚園にはいない私が幼稚園にいるということなどで気持ちが不安定になったようで、幼稚園の前で車から降りるときから、その後30分くらいはずっとパニックしていました。
妻が心配していたような、すぐに帰りたいというパニックにはなりませんでしたが、結果としては娘の状態はかなり悪かったですね。

それでも、その後は多少落ち着いて、園庭で遊びまわったり、自分で「みじゅ」と言って水を飲みたいことの意思表示をしたり、定時排泄も無難にこなしたりしていたので、何とか状況を受け入れて立ち直ることができたと思います。
終わりのあいさつのときは、5分くらいでしたが椅子に座って静かに先生の話を聞くこともできたので、そこも評価できるポイントです。

まあ、それにしても・・・

この状況を見て、私は、娘が集団生活ができなくて落ち込む、というよりも、求められているレベルが高すぎるために、娘が活動できるニッチがものすごく狭くなってしまっているなあ、ということを強く実感しました。

(ニッチというのは、ここでは「意味のある活動ができる生活領域」といった意味だと理解してください。)

現時点での娘の能力でこのような状況に置かれれば、実際、娘は、自分が理解できる範囲で一人遊びをするか、それができなくて(状況が分からずに)パニックすることくらいしかできなくて当然だと感じました。

この状況は何とか改善する必要があるでしょう。

これは、現在極めてゆっくりと書き続けている(遅くてすみません)、「『環境への働きかけ』を再定義する」のシリーズ記事で私が書こうとしていることそのものでもありますし。

そのためには、幼稚園での娘にもっとも長くかかわることになる介助の先生に、娘のことをよりよく知ってもらうことが必要です。
妻も、療育施設での観察資料などを渡したりと頑張っていますし、私も参観中、娘とかかわりながら、娘の出すサインの見分け方や、パニックしたときなどの関わり方についてのお願いなど、失礼にならない範囲でいろいろ話をしました。

さらに、今日気づいたのは、娘の幼稚園でのパニックの中に、水が飲みたいのに椅子に座らされようとする、といった、「やりたいことがあるのに伝わらない」というパニックがあることです。

こういった要求は、家なら絵カードを使ってかなりうまく親に伝えることができるようになっているのですが、幼稚園ではそういった体制がまだできていません。

そこで、こちらは「カスタマイズした道具を作る」という働きかけ、つまり幼稚園専用の絵カードを作るというチャレンジをしてみることにしました。


今回使ってみることにしたのは、まずは100円ショップで売っていた「定期入れ」です。


定期入れのポケットを切り取り厚みを減らしてから、マジックテープを貼りました。


定期入れとあわせて、首から吊り下げるネームカードホルダーに、マジックテープを貼ったものも作りました。


そして、絵カードについては、幼稚園の水くみ場の写真を使った「おみず」というカードと、こちらは幼稚園のものではありませんが似たようなトイレの写真を使った「といれ」というカードをまずは用意することにしました。
(本当は「おそと」というカードも娘にとってはぜひ欲しいところだと思いますが、おそらくそのカードを用意するとそればかり使ってしまって、ただの「わがままカード」になりそうで使いこなしの難易度が高そうなので、まずはより効果的に使えそうな上記2枚を選びました。)
また、サイズについては、携帯性を考慮し、「絵カードテンプレート」でご紹介しているMサイズを今回初めて使ってみました。(我が家は普段はLサイズです)

keitaic6.jpg
このカードを、ネームカードホルダーにつけると、こんな感じになります。
絵カードを小さくしたので、横に2枚並べることができました。

keitaic5.jpg
そして、定期入れのほうにつけると、こんな感じになります。
こちらは、4枚まで貼れそうですので、将来の拡張性はこちらのほうが高そうですね。

さて、この絵カードですが、まずは妻にお願いして、介助の先生にネームカードホルダーを首から下げてもらえないか、ということをお願いしようと思っています。
そして、娘がこれらの要求をしたいときには、そこからはがして介助の先生に渡すという流れを作りたいと思います。

ただ、介助の先生の意識や、幼稚園の方針その他の問題で、そのお願いが通らなかった場合、「定期入れ」に貼り付けて娘の園服のポケットに入れておく(そして、要求のたびに自分でポケットから出させる)という方法を模索しようと思います。

この場合、娘が自動的にこれらの要求ができるようになるとは思えませんから、家でもこの定期入れを持たせて、要求の際に取り出して使うという事前訓練が必要になります。
こちらのほうが娘にとって難易度はぐっと高くなりますが、将来的に絵カードをバインダーに入れて自ら携帯するということを目指していることを考えると、ここでその練習をさせるというのも悪くない選択肢です。

ともあれ、私たち親がやらなければならないことは、娘がいろいろなことをできた、できないで一喜一憂することではなく、娘が何に困っているのかを冷静に見極めてその問題を「環境に働きかける」ことで解決し、娘の「ニッチ」を広げていくことだと思います。

今回の絵カード作りが、そのための重要な一歩になるといいなあ、と思います。

posted by そらパパ at 22:31 はてなブックマーク | コメント(12) | トラックバック(0) | 娘の話
この記事へのコメント
こんにちは、はじめまして。

うちにも軽度発達障害の小3の息子がいます。
確実な診断は、明後日にでますが。
夫婦で随分泣きましたが、泣いても事態が好転するはずもなく・・。
アクションを起こす事が大事ですよね。

>>「日々の生活がそのまま療育」になるような、頑張らないけど効果は高い・・<<

すごいっ、良い言葉です。
このフレーズ、すごく胸に沁みました。
がんばります。
Posted by たまごパパ at 2007年06月26日 00:31
はじめまして。
1年前ぐらいからずっとお邪魔させていただいてましたが、コメントは初めてです。

私もアスペルガー症候群とADHDを持っている発達障害の当事者で、もうすぐ4歳の娘を持つ母親でもあります。

そらパパさんの絵カードや療育の知識には脱帽します。
今回、絵カードをうちのブログでも取り上げていたので、記事にリンクさせていただきました。

不都合であればリンクを消しますので遠慮なくおっしゃって下さい。

コメントをしょっちゅう書けるわけではありませんが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by 奈良人(ならんど) at 2007年06月26日 00:44
こんにちは。
いろいろ工夫されていて、いつも感心しています。

うちの長男は去年の八月に保育園に入園しましたが、今では毎日楽しく通っています。(長男は重度の発達遅滞を伴う自閉症で、現在は年少クラスです。)

保育園は午前中散歩、給食、お昼寝と長男にとって一日の流れがわかりやすいようです。
最初のころは、加配の保育士さんが作ってくれた写真カードをみて行動していましたが、今は言葉がけのみで身支度や片付けできるそうです。

幼稚園は保育園にくらべて行事も多いですし大変だと思います。
そらまめちゃん本当によく頑張っていますね。

そらまめちゃんはちょうど一歳長男の年上なので、とても参考になるんです。
これからもよろしくお願いします。
Posted by みけ at 2007年06月26日 10:24
みなさん、コメントありがとうございます。

たまごパパさん、

そうですね。「最初」は、私たちもいろいろなことを考え、試行錯誤をしました。
今にして思えば、やはりこの時期に大切なことは、正しい理解をすることと、適切な働きかけを開始することだと思います。
そして、「適切な働きかけ」というのは、決して親があらゆることを犠牲にしてヘトヘトになることではないと確信しています。
当ブログが、多少でもお役に立てれば幸いです。


奈良人さん、

ブログ、拝見しました。
ブログで「シングルフォーカス」の話題が出ていましたが、その特性と、つい先日「カラオケとユニバーサルデザイン」で書いた内容がつながっているのかもしれないな、とふと思いました。
もちろんリンクは自由ですし、歓迎しています。当方も「Visitors' Page」に追加させていただきますよろしくお願いします。


みけさん、

幼稚園は、とにかく座って先生の言葉を聞くという時間が長くて、ことばも見通しも分からない娘にとってはやっぱり過酷だなあ、といつも感じています。
とはいえ、現時点では幼稚園に通ってもらうという選択肢が消極的にベストだと考えているので、何とか介助の先生のサポートを受けつつ乗り切って、あわよくばいろいろな経験をしてほしいなあ、と思っています。

こちらこそ、よろしくお願いします!
Posted by そらパパ at 2007年06月26日 23:18
こんばんは。一度山田畝久子先生の本のご紹介のときに一度コメントさせていただいたクローバーと申します。
次男が中1で重度知的障害を持つ自閉症です。知的には重度ですが今は落ち着いて穏やかで、いろいろなことが出来るようになっています。
親もいろいろやっと学習してきた。。というところでしょうか?

私がそらパパさんの父親参観の日記で思いましたことは本当のそらまめちゃんのための父親参観であるならば、
年少さんのときはまず園のパターンになれるためにイレギュラーを作らない。ということで土曜日は無理に登園しなくてもいいのではないか?ということです。
園のパターンがわかってからイレギュラーの例を覚えなければ(たとえば年中さんからとか)そらまめちゃんが混乱するばかりでは、ないかな。。とちょっと思いました。
それから(ほんとうの)父親参観は、やはり平日にそらまめちゃんに見つからないようにそっとどこかでそらまめちゃんを見る。。というのが、年少さんのそらまめちゃんの参観のような気がしました。

今は、ほんとうにそらまめちゃんは混乱の中にいると思います。
次男が大きくなった今それがよくわかります。今は彼なりにこの世界を認識できているし私たちも彼に伝える手段がわかっているので落ち着いているのだと思います。

どうか周りのかたがこの世界の仕組みをそらまめちゃんにわかるように伝えてほしい。。とそう思っています。。

なんだか偉そうに書いてしまってごめんなさい
Posted by クローバー at 2007年06月27日 20:53
クローバーさん、こんにちは。

子育ての先輩としての言葉には、重さを感じます。
今回、確かに娘にとっては対応が難しい場面が多かったように思います。

ただ、私は、同じ「イレギュラー」であっても、土曜日に登園するとか普段いない私がいるといったものであれば、「イレギュラー」のレベルとしては比較的軽いもので、早い段階から経験していっても構わないものだと考えているところがあります。
(ちなみに、娘が通っている幼稚園は2年制なので、娘は世間でいう「年中」から入っていることになります。)

今回、私は「参観」をしよう、いうよりは、幼稚園という「場」が娘にとってどんな意味を持つのかを多角的に見てみたいという気持ちが強くありました。また同時に、介助の先生などとコミュニケーションをとることで、娘をとりまく環境に、積極的に働きかけていきたいという気持ちもありました。
それが結果として娘にとってプラスに働くかどうかは定かではありませんが、私としては、そっと見守って子どもが慣れていくのを待つよりも、娘本人にも、また周囲の環境にもどんどん働きかけていって、娘が生活しやすい環境を積極的に作っていきたいと思っています。

・・・ただ、これは確かに難しい問題ですね。考えれば考えるほどそう思います。

これからも、子育ての先輩としてのアドバイスをいただければ嬉しく思います。
ありがとうございました。


Posted by そらパパ at 2007年06月27日 23:36
こんばんは!

ご本が出たとのお知らせを見て、思わず伺いました!

以前にコメントさせていただいたことがあると思います。

私は今年、少しずつ福祉の分野の勉強を始めて
教育現場そして障害を持つ(とあえて言いますが)こどもや成人の方々が
暮らして生きやすくしていくには、どんな風にいけばいいのかを
少しずつ考えながらできることに挑戦したいと思っています。

幼稚園…そして学校…一つ一つ試行錯誤の中から
良い手立てが見つかると想いたいですね〜!!
Posted by 風待人 at 2007年07月01日 03:42
風待人さん、こんにちは。

そうですね。
「暮らしていきやすい」というのは、具体的にいえば「生活環境が・生活の選択肢が広がる」ということだと思っています。
そのためにどのような働きかけをすればいいのかは、まさに試行錯誤の連続ですね。
(ちなみに、上記の絵カードについては、幼稚園の介助の先生に導入してもらうことには成功しましたが、まだなかなかうまくできていないようです)

これからもよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2007年07月03日 23:04
こんにちは
私も いろいろ考えた末、少ないカードを「首に掛ける」ということから、始める事にしました。
通所施設からの協力は、あまり期待できませんし、PR君が「自分でウエストポーチからカードを選んで、先生に渡す」、という事も今は考えられませんので、皆に見えるということからも、このやり方で、始めたいとおもいます。
コミュニケーションの為だけでなく、文字を覚えるのにも、良いと思いまして。慣れてきたら、名詞カードを増やして、その場その場で名詞の文字を覚えられるように、出来たら良いなあと思います。
PR君は、視覚での記憶力は良く、駅の名前など記憶していて、後で、地図上で指したりしてます。(文字は好きそうですね)
ある、児童精神科医が、「言葉はでないけれど、書ける子達がいる・・・。」と言っていたのを思い出します。
書く作業は、筆圧とか手のテクニックを必要とする為かあまり乗ってきませんが、PCでキーボードを打つとか、マウスを動かすことは、得意のようでなので、その辺から伸ばしてあげたいと思っています。
最近こちらのテレビニュース見たのは、小学校の授業でPCを使った、大きな(黒板と同じ)白いボードで授業をする様子でした。生徒が前に出て、ボード上で、答えを手でドラッグして問題を解いているようでした。「ああ、こんなやり方が出来るようになったんだ・・・」と感激。
こういう授業なら、(より視覚的でありますし) 普通学級で勉強している自閉症児達にも、参加しやすくなるなあ、と思いました。一台50万円程と言っていたようですが、日本では、もう導入されているのでしょうか・・・?
Posted by maman de PR at 2007年09月12日 16:58
maman de PRさん、

「首から下げる絵カード」ですが、我が家でも試行錯誤で作ってみたものでしたが、妻のブログでも書かれているとおり、幼稚園で実際にうまく活用され始めているようです。

http://yaplog.jp/sora-mame14/archive/460

音声言語は、自閉症児にとっては非常に難易度の高いものであるケースが少なくなく、それと比較した場合に、視覚的な絵や文字といったもののほうが覚えやすい、ということは十分にありうると思います。

最後に書かれているホワイトボード?の件ですが、そういったものは私は見たことがありませんね。
私も、学校関係者ではないので、もしかするとそういったものが導入されている場所もあるのかもしれませんが、残念ながら私は知らないです。
Posted by そらパパ at 2007年09月12日 23:11
学校関係者なのでホワイトボードについてコメントします。
ドラッグしてという場面があるのでしたら,おそらく,スマートボードのことだと思われます。
TOSSという教育団体がここ数年これを活用した実践を公開しています。ただ,多くは教師個人で購入しています。TOSSを通すと15万円前後で購入できるのです。(パソコン・プロジェクタは別)
私もいつかは使用してみたいと考えています。
学校全体の取り組みとして導入しているところは残念ながら知りません。何せ,学校というところは,仕事で使うパソコンさえ私物というというところが殆どですから。

PS
TOSSの実践には,自閉症児への学習指導に非常に有効なものが多く,実際に教室でも活用しています。
しかし,TOSSに対して,私自身非常に強い違和感を感じているのも事実です。そのためTOSSには所属しておりません。
そらパパのリンクにある「水からの伝言を信じないで下さい」の授業を行っていたのもTOSS(法則化)の実践の一つです。
このことからも違和感を理解していただけるのでは・・・とも思います。
Posted by 梅田 at 2007年10月04日 17:02
梅田さん、こんにちは。

さっそく情報提供していただきありがとうございます。
スマートボードおよびTOSSについて、私もざっと調べてみました。

http://www.smartboard.co.jp/

http://ja.wikipedia.org/wiki/TOSS

これを見ると、スマートボードというのは結構単純な仕組みですね。巨大なタッチパネルにプロジェクターの映像をかぶせているのですね。

TOSSについては、確かに疑似科学への傾倒が強いようですから、ちょっと眉唾であるように思われますね。Wikipediaによると「ゲーム脳」にも賛同しているようですが、「ゲーム脳」の著者は、「ゲームのやりすぎで自閉症になる」と主張したとして自閉症協会から抗議を受けたことのある人です。

ともあれ、情報ありがとうございました。
Posted by そらパパ at 2007年10月04日 23:00


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