それは、
「地盤調査」
です。
ご存知の方も多いと思いますが、日本の土地は地盤が弱いところが多いので、家を建てる時には必ず事前に地盤調査をして、あまり地盤が強くないと分かった場合には地盤改良工事を行なって初めて家が建てられるようになります。
地盤改良工事にもいくつかの段階があって、まず地盤が強いと分かった場合、そもそも地盤改良工事そのものが不要になります。
次に、土地の表層部分のみ軟弱で、割とすぐ下に堅い地盤がある場合、表層の土を入れ替えてセメントを混ぜて固める「表層改良」という工事を行ないます。
土地の表層部分だけでなく、軟弱地盤が深さ2m以上続く場合は、「柱状改良」といって、建物の柱が立つ土地の部分をそれぞれ、堅い地盤に到達するまで深く杭状に掘り下げて、そこにセメントを混ぜた改良土を流し込んで固めます。
さらに地盤の軟弱さが深刻で、軟弱地盤が深さ10m以上も続くような場合、今度は「杭基礎」といって、家の柱が立つ部分にセメントを流し込むのではなく鉄骨の杭を打ち込むことになり、これだと鉄筋コンクリートのマンションを建てるのと同レベルの地盤改良ということになります。
そして、本格的な地盤改良工事が必要ということになると、そのコストは相当な額になってきます。
「地盤改良工事なし」なら、当然工事費用はゼロです。
「表層改良工事」だと、50万円程度だと言われています。
「柱状改良工事」だと、その倍、100万円くらいです。
「杭基礎」までいってしまうと、150万円くらいは覚悟しなければなりません。
このように、地盤改良工事というのは工事全体のコストのなかで無視できないボリュームなうえに、不確定要素を含むという問題がありますので、土地を探す時点からそれなりに準備はしてきました。
まず土地を購入する前に、不動産屋にお願いして「事前の簡易地盤調査」というのを実施してもらいました。
これは名前どおり、地面に重りのついた杭を差し込む簡単な調査で、その土地の地盤をざっくり調べてもらうものです。
費用は5万円程度かかりますが、買った後で莫大な改良工事費用がかかると初めて分かるよりはよほどマシということで、自費で実施しました。
その結果、「地盤改良は必要なさそう」という結果が出たのでこの土地を買う決意をしたわけですが、正式な地盤調査に入るにあたって、実はまったく安心できない状況になっていました。