すでに耐震性能については触れましたが、続いては耐火性能です。
耐火性能については、基本的には、
・省令準耐火
の基準を満たすことを1つの目標にします。
この基準は、ざっくり言うと「外壁や構造躯体が1時間程度の火災まで耐えられる」というもので、外壁については一定の基準を満たした耐火性の高い素材(サイディングなど)を使い、室内については耐火性のある厚い(12mm)石膏ボードでありとあらゆる部分を覆い、さらに部屋と部屋との接合部にも延焼を防ぐような部材を入れ、火災の通り道を作らないようにすることによって実現します。
当然、コストがかかりますが、このコストは実はなかったことにできます。
というのも、省令準耐火にすれば、火災保険・地震保険の保険料が「木造料金」から「鉄筋コンクリート料金」に変わるため、例えば30年分の火災・地震保険料で比較すると50万円くらいは余裕で違ってくるからです。
火災で燃えにくい家になり、しかも実質的にコストはかからないわけですから、省令準耐火を目指さない手はないですね。
まあ、デメリットとしては、間仕切りの石膏ボードが厚くなるのでその分家のなかがわずかに狭くなること、「梁を見せる」といった演出は(石膏ボードで覆わなければならないので)できなくなることなどがありますが、大したことはありません。
むしろ、ローコストビルダーの場合、多くが「うちは省令準耐火はできません」と断ってくるので、そっちのほう(=ビルダー選び)がハードルになってくるパターンが多いかと思います。
というのも、省令準耐火については、家ごとに認可をとるというのではなく、ハウスメーカーが「工法」でもってあらかじめ認定を受けておき、家を建てる際にはその認定を受けた「工法」どおりに建てていることの確認を受けるという流れが基本になっているため、そこまでの手間をかけられない、地元工務店的なローコストビルダーでは難しいわけです。
ここについてもA社は、自社の工法にて省令準耐火の認定を既に持っており、当たり前のように標準仕様で省令準耐火にすることができたので、安心して選ぶことができました。(標準仕様だったので、特段のコストすらかかりませんでした。)