14)階段の回転
このあたりは常識的な話。
でも、子どもに障害があることも少し考慮して「妥協しないポイント」として考えていたのが、
・階段を直線階段にしない。
ということでした。
階段というのは、実は家のなかで非常に大きなスペースを占めます。
下の階と上の階、両方のスペースがつぶれますから、必要な「延べ面積」は2倍になりますし、階段の入口と出口はいきなり部屋にはできず、最低でも半畳の階段ホール的なスペースが必要になります。
それらをすべて合計すると、実は階段1つで四畳半くらいのスペースが使われてしまうのです。
そして、この階段の専有スペースを小さくする方法は、2つあります。
・階段の傾斜を急にして段数を減らす。
・階段を曲げずに直線階段にする。
段数については、一般的な(2.4mくらいの)天井高の場合、「13段」とするのが標準的で、14段にすると高齢者に配慮したゆとりある階段、15段にすると逆にのぼるのに若干違和感を感じるほど緩い階段になります。
逆に12段にするとかなりきつめの(昔ながらの)階段になり、11段はちょっとありえない(ロフトの梯子レベル)傾斜になります。
今回、我が家の階段は、13段にしました。
本当は14段にしたかったのですが、14段にすると必要な階段スペース自体が半畳増える(または逆に危険なくらい1段あたりの踏みしろが短くなる)ことから、実現は困難でした。
一方、直線階段だけは絶対に避けることにしました。
直線階段は、階段の途中、特に2階の一番上の段から落ちた場合に、一番下まで一直線に落ちるので、深刻なケガにつながるリスクが高くなります。
これを避けるには、L字型、U字型、Z字型など、階段を折り曲げて直線ではない形にすることで「最上段から最下段まで一気に落ちる」ということを回避するわけです。
(途中に踊り場を作るのがもっとも安全なやりかたですが、これは非常にスペースを多く使うので設計は難しいです。)
そんなわけで今回、我が家の階段は、最終的に「上の方に曲がりのあるU字型」になりました。
2階からみて、U字型をぐるりと回って「最後の直線」になるところまでで、5段程度、つまり全体の1/3以上既に降りていますから、誤って転落した時のリスクをかなり下げることができています。
また、スペースの活用のために、階段下を玄関土間に活用したというのは以前書いたとおりです。