新曜社より、本がでることになりました。
自閉症-「からだ」と「せかい」をつなぐ新しい理解と療育
著:そらパパ・神谷 栄治
新曜社(近刊)
共著の神谷先生は、中京大学心理学部の准教授で、本の出版をご提案いただいたところから始まり、先生のご尽力で今回の出版にこぎつけることができました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
ちなみに中京大学といえば、日本で最初に心理学「部」ができたことでも有名で(通常は文学部などの下に心理学「科」としてあるのが普通で、私の大学もそうでしたし、今でもそうです)、当ブログにも何度かコメントをいただいている久野先生も在籍されていた大学です。
さて、本書の内容ですが、本書のサブタイトルに「新しい理解と療育」とあるとおり、前半部分では「新しい理解」、つまり当ブログでも紹介している自閉症の「一般化障害仮説」を、より広い認知科学や科学史的な背景も含めて、ブログよりもぐっと深く掘り下げた内容になっています。
また後半は、前半での結論をベースに、「新しい療育」、つまり「鏡の療育」を含め、効果的な家庭の療育とはどんなものであるかを概括的に解説しています。
中でも、「家庭の日常生活で応用できるABAのテクニック」については、意外とコンパクトにまとめた本が出ていないので、やや詳しく解説しました。
発売日はまだ確定していないようですが、6月初頭あたりには買えるようになると思われます。
そうなったら、このブログでも改めてもう少し詳細に紹介させていただく予定ですので、よろしくお願いします。
おおっ!すごいっ!!
いつか出して欲しいな~と思っていました!おめでとうございます!
本当に嬉しいし、楽しみです!
本の出版、おめでとうございま~す。
奥様のブログでの住宅情報誌の話で驚いていたのですが、こちらにお邪魔したら今度はパパさんの本。
さらにビックリしちゃいました!!
発売日が楽しみです♪
話は変わりますが、記事に書かれている久野先生が関わっていらっしゃる児童行動療育センターがこの春にオープンしたのですが、実は家のすぐ近所なんです。
先日センターの説明会があって久野先生にもお会いしました。
以上
名古屋市立大学 学部二年 プロダクトデザインを専攻している徳山円香と申します。
私は今、通常学級に所属する自閉症を持つ児童に対する地域全体の支援のあり方について研究しております。
質問なのですが、自閉症を持つ児童の好む圧迫刺激として、シリコンで覆った大きなバルーンのようなものも有効でしょうか?
圧迫を受けたその周囲が加えられた圧力に比例して膨張する仕組みも考えています。
お忙しいところ大変申し訳ありません。
どうか、お返事よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
本ですが、今日新曜社より、サンプルが数冊とどきました。
途中の校正原稿はもちろん穴のあくほど読んだのですが、完成版の本を見たのは私も初めてだったので、改めて嬉しさを感じています。
来週後半には、Amazonあたりでも買えるようになっているといいなあ、と思います。
みいさん、
久野先生の行動療育センター、そんなものが近所にあるとしたら、何としてでも利用したいものですね!ちょっとうらやましいです。
徳山さん、
はじめまして。
私は療育や特別支援のプロではありませんので、個別具体的な質問に断定的にお答えする立場にはないと思います。
が、「自閉症児が圧迫刺激を好む」というのは、必ずしも常に正しいとは言えないように思われます。
こういった道具を使うということであれば、やはり実際に自閉症児の療育に応用してみて、試行錯誤のなかから有効なものを見つけていくしかないのではないかと思います。
回答になっていないかもしれませんが、すみません。
そらパパさんのエントリはいつもプリントアウトをして読んでおり、
まとめて読めたら嬉しいなあと常々思っておりました。
発売日を楽しみに待っています。
大変参考になりました。
締め切りが迫ってき手いることに焦って、とんでもない方向に進んでいっていたことを認識できました。。。
すごい!!やっぱり~~絶対本を出すべき~って思いました!反響あると思いますよ~~。
本当にすごいパワーと才能をお持ちでいらっしゃる・・パパさん・・そらまめちゃん&ママさん、幸せ者だと思います~~。
サインして下さい~。。(笑)
でも、もちろん、買いますからね~Amazonさんから。
おめでとうございます!これからも、ますますのご活躍、密かに楽しみにしております!
ありがとうございます。
装丁されて本になったものを見ると、なんだか不思議な気がします。できるだけ多くの人に読んでもらえるといいなあ、と思います。
Amazonですが、ようやく予約はできるようになったようですね。発売日は5/29ということになっていますので、来週中ごろには購入ができるようになると思います。価格は、税別1900円(税込1995円)です。
久野先生、
コメントをいただき、ただただ恐縮です。
本の内容は行動主義ではなく、私のもともとの出発点である認知心理学の立場に立ったものになっています。「節約の原理」に最大限配慮し、不必要で証明不能な概念をできる限り排除して書いたつもりですが、それでも先生のお目汚しにしかならないとは思います。もしも機会がありましたら、御笑覧いただければ本当に嬉しく思います。
また、今回は神谷先生には本当にお世話になりました。
行動療育センターというのは、私から見ると、身近に最も存在していてほしかった施設の1つですね。優秀な行動療法家のサポートを子どもが幼いうちから受けられれば、その子は間違いなく伸びると思います。また、親御さんが最低限の行動療法的視点を持つことで、家庭での家族とお子さんのQOLを大幅に向上させることもできると思います。微力ではありますが、応援しております。
おめでとうございま~す。
楽しみですね。
著者の紹介のところで、そらパパさんの顔写真とか出ますか~?
それも楽しみだったりして。
わたしが育てた人に宮下照子という仏教大学の教授がいてこの人が自閉症児の認知についての論文をわかいころに日心から、だしています。出しています。ここ数年では今、国立成育医療センターのアレルギー科にいる小嶋なみ子というのが修論で自閉児の認知行動を扱い国債行動療法学会や医学関連の国際学会で報告しています。
このところ認知行動療法と称する実証を欠いた技法がはやり出していますが、認知心理学の立場でのの実証的な書物が出るのを心待ちにしています。わたしの久野ゼミHPや久野能弘の日記に自閉症児関連の情報をながしていますのでお暇なときに読んでおいてください。このところ名古屋にも小林重雄先生や奥田先生、棚橋先生といった優秀な人材が集まってきています。とてもうれしいです。
Amazonで予約が出来るようになったとのことで、早速そうさせて頂きましたよ。
自閉症の「一般障害仮説」ですね、更に深くとのこと、楽しみにしております。また、行動療法のテクについても。
なんか、最初からパパさんのブログを
読んでる人間として、なんか、とても
うれしいです。
ほんと、おめでとうです1
いつもここで参考にさせてもらい勉強さ
せてもらっています
かっくんの日記からいつもいっしょだよに替わりました
これからもよろしくお願いします
毎日の更新が週1回になってしまって、悲しんでいたんですが、
いよいよ本を出版なさるんですね。本当におめでとうございます。
このブログを見るたびに自分の不勉強さに気がついて、アマゾンへ。ということが多くありました。すぐにでも予約させていただきたいと思います。
今年になって担任する子どもが変わったのですが、一般化障害仮説のことを思い出すことが多く、参考になっています。
みんなに浸透すればいいのにな~と個人的には思っています。
一日も早く本が届くのを楽しみにしています。
たくさんの方からコメントをいただき、本当にありがとうございます。
行動療法については、スペースの関係もあり、どちらかというと初心者むけの内容になっています。
また、顔写真は出ていません(笑)。(写真は、妻のブログでも紹介されていた、住○情報タ○ンズには出ましたね・・・。)
また、久野先生、
ご返信のコメントをくださりありがとうございました。
先生のブログはもちろんいつも拝読しています。
本書ですが、本日「発売」になったようですが、おかげさまでネット書店では専門書としてはまずまず売れているのか、Amazonも楽天ブックスも品切れになってしまい、ご迷惑をおかけしています。
遅まきながら・・・出版おめでとうございます♪
届くのを楽しみに待ってます(^^ゞ
注文ありがとうございます。せっかくAmazonで紹介しようと思ったのに、発売日からずっと「在庫切れ」になってしまって、ちょっと残念ですね。(発売日の午前中は確かに買える状態になっていたんですが・・・)
もし最後まで読んでいただけたら、感想などいただけると嬉しいです。
ご自身の著作本ということで、即行、買わせて頂きました。これから読むのが楽しみです。おめでとうございます。
当ブログのブックレビューが、本探しの一助になっていれば嬉しいですね。
また、拙著をご購入いただき、ありがとうございました。また機会がありましたら、感想などお聞かせください。(^^)
拙著をお読みくださり、ありがとうございます。
当ブログはリンクフリーですので、リンクの件、もちろんかまいません。
自閉症の困難の本質が、脳のネットワークの階層構造の崩壊にある(その結果として、一般化と私が呼んでいるような処理に問題が生じる)という仮説は、私が偶然、大学時代に関心を持っていた心理学の「コネクショニスト・モデル」から発想を得たものです。
これが正しいかどうかはもちろん分からないのですが、自閉症児の療育の「方向付け」に多少は役立つものになっていればいいなあ、と思っているので、療育の実践をされている方からの前向きなご意見は、とても励みになります。
これからもよろしくお願いします!
自閉症児の特徴であるおうむ返しについてはどのように理解すれば良いのだろうか、と思いました。
また、自閉傾向を指摘されながら結局健常だった子、というのも少なからずいることから、この理論でどのように説明できるのか、というようなことを考えたりもしました。
抽象化能力と一般化能力のアンバランスが自閉症の根源だとするなら、どうすればそうなるのかは未知にせよ、アンバランスが自然に修正されることがあり得る、ということなのかと思っていますが。
自閉症児のおうむ返しというのは一般に、子どもが何か言われて理解できずに、とりあえず同じ言葉を返すことでその場をしのごうとする、学習された行動だと考えられていますね。
だとすると、これはむしろ言葉の理解力不足の問題だということになるのではないかと思います。
また、後半部分についてですが、「結局健常だった子」というのがどういう子をイメージされているかわかりませんが、そもそも健常と自閉(傾向?)との間に明確な線は引けないと思います。(それが、拙著で「発達障害スペクトラム」として示した図で考えていることでもあります。) 診断する側の人間の見立てによってもぶれることがあります。
アンバランスさのバランス(変な言い方ですが)の変動はありえるでしょう。なぜなら、抽出も一般化も発達し続ける能力ですから。「修正」というよりも、発達によってバランスが改善される(あるいは悪化する)ということは常に起こっていることなのかもしれません。
この世界の新参者として、いろいろな文献やこちらを始めとするさまざまなHPを覗いております。
自閉症についての報告がなされたのも先の戦争中のことで、まだ65年程度しか経っていない。しかも、途中、親のしつけや愛情不足等という学説がまかり通った時代もあり、まともな研究が主流になったのは、せいぜいここ30年程度のことでしょう。それなのに、なぜ一生この障害が治らないと断言できるのか? 80歳になってボケが始まったら一般化と抽象化の能力が釣り合って治ることがありうるかも知れない…というのは半分冗談ですが、自閉症の子の全人生をどれくらいの数を追った結果の結論なのか、明らかにはなっていませんよね。
学問でもなく個人的な感覚ですが、抽象化と一般化のアンバランスには尤度があって、多少バランスを欠いてもある程度までは環境とかかわる能力を保持できるのではないか、文明化したのはせいぜいこの2000年、それ以前は、個体としては他の動物よりも足が遅く腕力も劣る人間が大自然の多くの敵に囲まれた中で生きていくためには、集団でコミュニケーションをとって助け合うことが不可欠で、このコミュニケーション能力は、人類の生き残りのために強化されてきたと想定されることから、生き残るためにも抽象化と一般化のアンバランスは、ベースはバランスが取れる方向に向かうのではないか、また学童期以降、健常児が自閉症になったとされることはない(自閉症スペクトラムのどれかに該当することが判明することはありますが)ことを考えると、一定レベルのバランスが取れてサイクルが回りだすと、発達はそれを維持・拡大する方向に向かい、悪化することは少ないのではないか、と考えております。そして、サイクルが回り始める最初の取っ掛かりの一つとして、ABA、TEACCH等の療育があるのでは、と思っております。
一点だけ、自閉症を考えるときの出発点となる考え方として、自閉症に「なる」ということはない、と考えられていることを指摘させてください。
確かに、学童期以降自閉症に「なる」ことはありません。でも、乳幼児期に自閉症に「なる」ことも、やはりないのです。
自閉症が、障害の表現形として表されているために、具体的な障害が出たときが自閉症に「なった」ときだと考えてしまいそうになりますが、自閉症は、生まれながらの脳の障害が原因だと考えられています。つまり、自閉症の子どもは、ある意味、「生まれたときから」(もしかすると胎児の頃から)潜在的には自閉症なのだと考えられるのです。
そして同じ意味で恐らく「死ぬまで」自閉症の困難は続くのだ、とも考えられます。これはどちらかというとTEACCH的な立場です。
そういう意味では、「一般化障害仮説」も、抽出、一般化というモジュールが(ソフトウェア的に)脳のなかにある、と単純に考えてしまうと、私の理解とずれていく部分があります。
この仮説における自閉症のモデルは、このアンバランスが、相当程度、生まれながらに(ハードウェア的に)決まってしまっていると考えます。発達に伴って、わずかなバランスの変動は起こるかもしれませんが、それは、「アンバランスな状態がバランスされた状態にまで戻る」といったレベルではまったくなく、自閉症につながるアンバランスな状態は、本質的には一生続くのだ、というのが私の考え方です。
だからこそ、このアンバランスな状態を前提として、それでも環境とうまくかかわれる状態を作ることを目的として、ABAやTEACCHといった働きかけを行うのです。
これらの働きかけは、「アンバランスな状態そのものを治す」ことを主たる目的にはしていないし、それを目的にしても効果は薄い、と私は考えているわけです。
「自閉症になる」という表現は、確かに適切ではないですね。
「自閉症の特徴とされるもののうちの一部もしくは全部が表出してくる」という言い方の方が、まだ良いでしょうか。
そらパパさんのお考えは、こういうことでしょうか?
(健常)A B C D E F G(自閉症)
と度合いがあったとして、療育は、DならDの度合いの人が理解しやすくかつ生活の質的向上に資する内容、FならFの度合いの人が理解しやすくかつ生活の質的向上に資する内容で実施するものであり、Dの度合いの人がBの度合いになることを目指すあるいはFの度合いの人がEの度合いになることを目指すものではない、というように受け取りました。
この点、全く同意するものです。
私も、積極的に関わりを持って治せる、という方法は現在無いと思っています。ただ、偶然(治るまではいかないまでも何らかの要因で)度合いが軽くなることはあり得るだろう、ただそれを人為的におこす方法がわからないだけ、と認識しています。
書かれていること、基本的にはそのとおりです。
私は、いわゆる「自閉性」の軸と、「認知スキル、知的能力」の軸は、ある程度独立していると考えています。
そのうち、療育で伸ばしやすく、また、伸ばすことで子どもの将来の幸福に直結すると考えられるのは「認知スキル」のほうだと思います。
(自閉性は、脳の違いから生まれているので、変えることは容易ではなく、またその働きかけは、子どもにとって必ずしも人生を生きやすくするものにならない恐れがあると思います。)
繰り返しますが、この考え方は、ABAではなくTEACCHに非常に近いものです。(言い換えると、人によって言うことが違う部分です。)
最後に、私ははじめさんが最後のフレーズで書かれているような「何らかの偶然で自閉症の『度合い』が軽くなる」ということは、やはりない、と思っています。
(これに多少関連した内容を、以下の記事で書いています。)
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/24620106.html