…と、その前に、もう1つの「きっかけ」がありました。
それは、次女が生まれることになったことでした。
長女が重度の障害をもっていたということで、「ふたりめ」をどうしようか?ということについてなかなか決断できずにいたのですが、妻の年齢的なところも考慮して、いまチャンスがあればいいね、と話し合っていたところ、幸運にも次女を授かることになりました。
これによって、長女と12歳違いのきょうだいが家族に加わることになったことが、結果的に今回の「決断」にも大きな影響を与えることになります。
さて、話を戻して、ここで言及している長女の療育の問題の「正体」ですが、実は高校(特別支援学校の高等部)への進学についての問題でした。
娘はいま小6で、あと3年と少し先には、高等部に進学することになるでしょう。
いま通っている特別支援学校は中学までしかないため、高等部で学校が変わることになりますが、自宅住所から決められた学区に基づくと、自宅よりずっと都心寄りの学校に通うことになります。
この、我が家から高等部への交通のアクセスが極めて悪いというのが、「問題」になります。
具体的にいうと、自宅から最寄りの鉄道の駅まで徒歩15〜20分、そこから電車2本を乗り継いで35〜40分、さらにそこから学校まで徒歩25〜30分、待ち時間も含めると、合計で片道1時間半程度かかります。徒歩時間だけでも片道40〜50分、往復だと1時間半ほど必要になる計算です。
しかも、行きは時間も路線も完全に通勤ラッシュと重なってしまうため、ラッシュにもまれながら通学することになります(電車もノロノロ運転)。
そして、学校に通う長女は毎日1往復ですが、長女を送り迎えする妻はこれを2往復することになり、片道1時間半だとすると送迎だけで毎日6時間、1週間で30時間を費やすことになってしまうわけです。自宅と生活圏が重ならない学校近辺で、毎日時間つぶしするわけにもいかないでしょう。
鉄道を使う以外のルートも考えましたが、バスを乗り継いでも同じ以上の時間と手間とやはり避けられないラッシュ(バスの中も混んでいて、経路の渋滞にも巻き込まれます)、車で送迎の場合は首都高または幹線道路をラッシュ方向に向かうため渋滞必至で電車より早く出発する必要があるうえ、そもそも学校に駐車場がありません。
もし、スクールバスがあれば問題は解決するのですが、こちらの高等部についてはそれもなく、全面的に介助が必要な生徒でも、家族が送迎しなければなりません。
これは他の生徒の家族も同じ問題があるため、スクールバスの要望が毎年出ているようですが、結局実現せず現在に至っているそうなので、当面の実現は望み薄と判断せざるを得ないでしょう。
そして、我が家の場合、問題はこれだけではありません。