2007年05月07日

トイレの足場を作りました

今日はシリーズ記事を1回お休みして、工作のお話を。
でも実は、シリーズ記事ともつながっています。

そのうち妻も書くと思いますが・・・と思ったら、先に書かれてしまいましたが、娘に関連した最近の悩みは、せっかく身についたはずのトイレトレーニングが最近やや崩壊しつつあって、おしっこをおむつに漏らしてしまうことが多くなっていることです。

風邪を引いていて風邪薬のせいでトイレが近くなっているとか、慣れない幼稚園でストレスがたまっているとか、理由をつけようと思えばいくつか考えられるのですが、恐らく問題の根はもう少し深いところにありそうだ、ということで、抜本的な対策をとることにしました。

考えてみると、娘のトイレトレーニングは非常にあっさりと成功してその後も安定していたので、その状態に満足して「さらに先」を目指していなかったという反省があります。
具体的には、うんちができるようになるまでは仕方ないか、と言っておむつを積極的に外さなかったこと、さらにはそのためもあって衣服の着脱が自立できていなかったことなどです。

そういったことをやらずに長く過ごしてしまったために、時間のしばられた定時排泄よりも自分の好きなタイミングでおしっこを漏らすほうが快適になってきている可能性がある、と考えています。

そこで、これを克服するためには、大急ぎで娘のトイレ行動の「自律性」を高めていく必要がある、と考えました。

今回のこの「ミッション」では、妻には普段の生活で、おむつをやめてパンツにする、排泄の時間をしばらく詳細に記録する(原因究明をすすめるため)、衣服の着脱を出来るだけ娘にやらせる、といったことをお願いすることになりましたが、私のほうも、せっかくゴールデンウィークで時間があったので、前々から検討していた大仕事にかかることにしました。

それが、トイレの足場づくりです。

これまで、トイレには子ども用の踏み台がおいてあるだけで、娘に用を足させるときにはその踏み台を親がセッティングし、補助便座もおいてあげて、さらには便座にまたがるときにも親の補助が必要でした。

これでは、娘のトイレの自律はおぼつきません。
今回のテーマは、あらゆる側面から娘のトイレの自律性を高めることなので、このような状態を抜本的に解決する必要がありました。

そこで考えたのが、トイレの便器のまわりをぐるりと取り囲むように「足場」を組んで、娘が自分で便座にまたがれるようにすることにすることです。

さっそくホームセンターに行って材料を調達です。
踏み台をいくつか買ってきて板でつなげるような簡単な方法も考えたのですが、なかなかサイズが合わなかったので、やむを得ずゼロから工作することにしました。
木材コーナーで天板、側板、脚部にするための木材をそれぞれ購入、カットも店頭でお願いして、持って帰ってきた木材を自宅で組み立てました。木材の組み方はよく分からなかったので、店頭で売っていた踏み台を観察し、それと同じ構造で作ることにしました。

これが、その完成図です。

トイレの足場

足場といっても、3つの踏み台を並べて仮に固定してあるだけです。(高さは20cm強) 天板はベニヤ板ですが、飾りシートを貼り付けて仕上げました。

上から見ると、こんな感じです。

トイレの足場 
上から

左右の「踏み台」を長く、中央を短くして組み合わせることで、便器を取り囲むようなコの字型の足場にしました。


さて、実際にこの足場を使ってみた結果ですが、効果絶大でこちらの期待を上回るものでした。

それまで、親が手伝わないとまたげなかった便座に自分からまたげるようになり(それも、こちらから促さなくても自分から)、さらに終わった後は自分でトイレから出られるようになっただけでなく、何と補助便座まで自分でセッティングしようとする動きまで見せるようになりました。
また、両足をしっかりついて便座にまたがっていきむこともできるようになったことで、今後、うんちのほうもトレーニングが進められるかもしれません。(元々は、こちらの効果を狙って以前からアイデアを温めていました。)

これらの大きな変化は、足場を組むことで、娘にとってようやくトイレがトイレとして自ら利用できる環境資源になった、ということを表していると考えられます。
言い換えると、(現在、シリーズ記事でも書いていますが)この足場を組んだことで、娘は我が家のトイレに対して、ようやく具体的で詳細なトイレのアフォーダンスを知覚できるようになった、と言えると思います。(この辺りの議論は、例えば、この記事などと連動しています。)

日曜大工はほとんどやらないので、正直、この足場も強度が少し心配ですが・・・(特に脚部は下を固定していないのでかなり不安)
とりあえずはしばらく使ってみようと思います。
posted by そらパパ at 20:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これいいですね^^
おそらく幼稚園のトイレと高さが同じくらいになったんじゃないでしょうか。
体重が重くなるとベニヤ板では不安ですね。
バージョンアップもがんばってください^^
Posted by tanx2 at 2007年05月09日 15:13
tanx2さん、

そうですね、実際使ってみると、ちょうど娘がまたいでしっかり足をつけるくらいの高さになりました。(逆に、大人はとても使いにくくなりました)

天板はベニヤ板ではありますが、厚みが1cmほどありますので、割れることはあまり心配していません。
むしろ、やっぱり足ですね。・・・足は一辺3cmの角材ですので、ちょっとひ弱な感じです。
そのうち、L字金具かなにかで補強したいと思っています。
Posted by そらパパ at 2007年05月10日 22:47
 幼稚園教員です。今年クラスに高機能広汎性発達障害のこども(男の子)がいて、
毎日が戸惑いの日々です。
 自立させるための方法を工夫する必要を改めて感じました。
 問題点の具体的な把握が大事ですね。
Posted by むまもめむ at 2007年06月01日 19:31
むまもめむさん、はじめまして。

我が家の娘は高機能自閉症ではないので、実感としてははっきり分からないのですが、一見できそうなこと、分かっていそうなことでも、改めてどこまで分かっていてどこまでできるのかをしっかり見つめなおすことが大切なのではないかと思います。
そのうえで、本人の能力を高めることと、環境を整備することをあわせて考える必要があるのではないかと思います。
これからもよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2007年06月03日 22:57
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