2014年11月10日

障害者いじめの一つの「形」-「聲の形」から(22)

さて、新しい社会の福祉制度の基本フレームワークとして「ベーシックインカム制度」について書いているのですが、この制度の(理論的)メリットとして、1つは「マイナスのインセンティブが発生しない」ということがありますが、もう1つは「認定という制度が不要になる」というものがあります

既存の社会福祉制度は、特定の弱者にだけ支援リソースを提供する制度ですので、その支援を提供すべき弱者を「見つける」必要があります。
この「見つける」というプロセスこそが、「認定制度」ということになります

認定制度は、大きく2つのフェーズから成り立ちます。

1つは、「支援する対象の設定」というフェーズ。
もう1つは「支援を申請する」フェーズです。


前者は行政側の行為となり、後者は弱者である当事者側の行為となります。

「困窮している人にあまねく支援を提供する」という観点からみるとき、この2つのフェーズ、どちらにも問題があるというのはすでに見てきたとおりです。

「支援する対象の設定」のフェーズにおいては、「支援の枠組みから漏れてしまう」ことによって、実際には困窮している人が、その支援制度を利用できないという問題が生じます。

「支援を申請する」フェーズにおいては、支援制度を知らない当事者が支援されない、あるいは、極限まで困窮している人は「支援を申請する」ということすらできないくらいに弱っていることがある、という問題があります。

少し考えてみると、これらはすべて、「弱者認定」という制度を前提とした支援システムであるがゆえに発生している問題だということに気づきます。

これが、ベーシックインカム制度になると、

1)そもそも「認定」という仕組みが不要になります。

2)「認定」が不要なため、当然「申請」という手続きも不要です。

3)つまり、制度上、弱者を「見つける」必要がありません。

4)結果的に、あらゆる弱者の人が手続きなく自動的に支援を受けられます。

5)当然、新たに発見された難病であったり、新たに認知された「弱者」の方も、「認定制度」ができるのを待つことなく、すぐに支援が受けられます。


となります。

つまり、ベーシックインカム制度では、そこにいるすべての人が、なんの前提条件もなく、「弱者」とか「強者」といった区分けも必要とせず、自動的に、最低限の生活ができる支援を受けられます。
したがって、「弱者を見つける」必要がそもそもなく、当然「支援を受けるために申請手続きを取る」必要もありません。

「認定制度」に基づく弱者支援の仕組みで現れる問題は、ベーシックインカム制度では基本的にすべて最初から存在しないことになり、「問題でなくなる」ことが分かります。

さて、ここまではベーシックインカムの「強み」について触れてきました。
次回以降は、逆にこのベーシックインカム制度の弱点について考えていきたいと思います。


posted by そらパパ at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
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