2013年05月27日

NOといえる(ようになる)療育 (2)

先週の週末、娘とふたりで留守番していたときに、こちらから何かすることを促して、娘がそれをしたくないときに、「しない」という返事を返すことができるようになったことを、嬉しい気持ちで思い返していました。

それは例えば、ランチを食べに歩いて牛丼屋に行った帰りに、いつもの帰宅ルートの途中にある神社におまいりするかどうかを、

「○○(娘の名前)、おまいりは?」

と聞いたときに、時おり返ってくる返事だったりします。

おまいりする気があるときは、こうやって促すと、そのままニコニコと神社の境内に入っていって、おまいりをしますし、その気がないときは、はっきり「しない」と言ってくれるので、私たちは、

「はい、じゃあおまいり、『しない』」

と繰り返したうえで、神社には入らずにそのままその前を素通りします。
素通りする際、娘が神社に行きたがることはないので、「しない」という娘のことばは、私たちが解釈しているとおり、「行きたくない」という意味だということが確認できます

そんな、娘のもつ語彙のなかでは数少ない、他人に意思を伝えることのできる「しない」ということばですが、このことばが他のどんな場面よりも活きるとても重要な場面が、家の中にあります。

それは、

トイレに行くことを『しない』

という意思表示です。

娘のトイレトレーニングは、いまだに続いています。
現在は、一定の時間間隔でトイレに誘う定時排泄を粘り強く続けている段階です。

ようやく、最近は失敗することはほとんどなくなってきましたが、それでも何らかの理由で長い時間トイレに行けないでいると、失敗してしまうことがたまにあります。
水分をたくさんとったときなどは、その「失敗してしまうまでのタイムラグ」が結構短くなってしまうときもあります。

そうすると、家族としては、失敗させないように、どうしてもトイレに誘う間隔が短くなってきます。
でも、「失敗してしまう可能性のあるタイムラグのうち最短のもの」を基準に、それより短いタイミングで誘っていると、多くの場合、娘にとっては「まだそれほど尿意がない状態」でトイレに誘われることになります
その結果、無理にいきんで少しだけ排尿する、というあまり好ましくない排尿のパターンが形成されてしまいがちになります。

かなり長い間続いていた、この状況を解決に導いてくれたのも、この「しない」ということばだったわけです。

まだこれはできるようになってから半年もたっていませんが、ようやく最近になって、

「○○(娘の名前)、トイレは?」

「しない」(まだ行きたくないから、あとで)


というコミュニケーションが成り立つようになりました。
(そしてこれは、家でできるようになってすぐに、学校でも言えるようになりました。)

これが、トイレトレーニングの全体像のなかで、とても大きな一歩(a small but great step)であることは、間違いないことです。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 22:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも、書籍レビュー、記事を参考にさせていただいています。

この度、まさしくタイムリーな記事であった為、筆をとらせて頂きました。

我が娘は
1,2年前ぐらいから、やっと「パパ、xxください」の要求語と
トントンと合図をする事が出来る様になった小2です。

しかし、要求以外のコミュニケーションはあまりできておらず、
フラストレーションがたまって、「ぶつ」行為になってしまう事もしばしば。

他害や自傷行為にならない様にする為にも、
「イヤ」「しない」の合図でも言葉でもと思う今日この頃です。

このステップは、非常に大きいと思っています。
この続きに期待しております。
Posted by ぽんぽこ at 2013年05月28日 01:21
ぽんぽこさん、

コメントありがとうございます。

今後のシリーズ記事で書いていこうと思っていますが、「しない」ということばを成り立たせるための「要件」はかなり多いと思っていて、その要件をうまく満たすように、お子さんごとのカスタマイズされた支援が必要だろうな、と思っています。

でも、時間はかかるかもしれませんが、じっくり着実にとりくんでいけば、きっと前進はあると思います。
(私も、いつもそう信じて療育にとりくんでいます。)

これからもよろしくお願いします!
Posted by そらパパ at 2013年06月05日 22:39
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