バイターストップ 10ml
マヴァラ
楽天(ケンコーコム)のリンクはこちら
妻のブログでも紹介されていましたが、長らく続いていた娘の指しゃぶりをそろそろやめさせようと考えて買ってみたのがこのマニキュアです。
娘は赤ちゃんの頃からずっと指しゃぶりの癖が続いていましたが、今まではあえてやめさせることはしていませんでした。
というのも、娘の行動を観察していると、パニックの後に自分で一生懸命立ち直ろうとしているときや、初めての場所で怖がっているときに指しゃぶりの頻度が際だって上がっていましたので、これは明らかに娘が娘なりに身に付けた「精神安定法」だということが容易に見て取れたからです。
ABAの考え方によれば、ある行動をやめさせたい場合は、その行動と同じ効果をもつ別の行動(代替行動)を見つけて、そちらに誘導することとセットでやらなければなりません。
少し前の娘は、自分から進んでやるような体系だった行動のレパートリーが非常に少なく、指しゃぶりに代えて強化できるような「精神安定行動」も見つからなかったことと、指しゃぶりなら周囲の人にはそれほど迷惑をかけることもないということで、あえて続けさせていた、というわけです。
でも、そろそろそういうわけにもいかなくなってきました。
従来は「精神安定」というプラスの側面が大きかった指しゃぶりも、徐々に娘が親子の関係の外に出て行くようになり、親の目が届かなくなっていくにつれ、「不衛生な指をしゃぶってしまう」というマイナスの側面が大きくなってきました。
以前は、娘がお店の手すりを(指しゃぶりする右手で)触っただけでも除菌ティッシュで拭くくらい気を遣っていましたが、療育での分離中はもはやそういったことは不可能です。今年の4月からは幼稚園に行くことになり、「不衛生な指をしゃぶる」というリスクが決定的に大きくなってしまうので、それまでに指しゃぶりをやめさせなければならない、と考えたわけです。
それに加えて、指しゃぶりをした唾液まみれの手で周りの友達に近づいたときに、迷惑がられて友達を作れない(下手をするといじめに会う)というリスクもあると思いました。
さらに言えば、妻のブログにもあったとおり、指しゃぶりによって右手の親指が荒れて激しくひび割れしていて、見た目にも痛々しいし、ひび割れからの細菌感染リスクも高まっているということも理由にありました。
そして、実際に指しゃぶりをやめさせるための方法として注目したのが、この「なめると苦いマニキュア」、バイターストップでした。
これを塗っておけば、娘が指しゃぶりをすること(行動)に対して、即座に苦いという結果(罰)を常に随伴させることができますから、ABAの行動理論に極めて忠実に、問題行動(指しゃぶり)を抑制することができるはずです。
ここで問題になる「代替行動」については、これも妻のブログにあったとおり、最近ではお気に入りの絵本やカードファイルを携帯することが娘の「精神安定法」になっていることから、そちらの行動が自然に増加することで補えると期待しました。(逆にいえば、こういった「代替行動」がない場合は、それを作っていく工夫も合わせて必要になるでしょう。)
実際に使ってみた結果は、期待どおりかそれ以上でした。
使用を開始した初日は何回か指しゃぶりをしてそのたびに苦い思いをしていましたが、2日目にはほぼ指しゃぶりをしなくなり、3日めからは少なくとも私たちが見ている範囲では指しゃぶりは消えました。それまで、生まれてからずっと強固に続いてきた習慣がこんなにあっさりと消えるのは驚異的です。さすがはABA。
ちょっと心配なのは、頭を床に打ち付けるような自傷行動や指しゃぶり以外の自己刺激行動が若干増えたように見受けられる点です。これは恐らく、指しゃぶりが単なる「精神安定」以外に、自己刺激としても機能していたためだと思われます。
指しゃぶりをやめさせるためには、これらはある程度はやむを得ない傾向だと思われますが、今後はより「許容されうる」行動の頻度を増やしていく必要があると感じています。
ちなみに、上記の商品リンクに関してですが、画像つきのAmazonのリンクのほうは単品で送料無料となっている代わりに発送までの時間がやや長めになっている(この記事を書いている時点では1~2週間との表示)一方、文字リンクになっているケンコー・コムのほうは基本的に即時発送の代わりに3000円以上買わないと送料がかかります。ニーズに応じて使い分けていただければと思います。
※その他のレビューはこちら。
実は、ウチの樹も、この記事が紹介されたくらいから、指しゃぶりを始めまして・・・
その前までは、しょっちゅうパンツに手を入れていたのですが、最近指しゃぶりが目立ち始めたなぁと思ったら、気付けばあまりパンツに手を入れなくなっているので、たぶん、指しゃぶりのほうに移行したのだと思います。
ウチもこのマニュキュアを試してみようかな?と思ったのですが、もしもまた、パンツに戻ったらイヤだなぁと思ったりして、迷っていました。
それに、感覚を楽しむのは、指の方じゃなくて、口の方みたいで、指意外でも、ちょっと長めの服の袖とか、スキーの時なら手袋の先とか、ぷにゅぷにゅした感触のおもちゃなどもよくしゃぶっています。
これは、なかなか簡単にはなくせそうもありませんね・・・
でも、この『苦い』という『罰』は、嫌子法なのですか?でも、嫌子法はあまり効き目がないと言うことですが・・・
それとも、犬のしつけの『天罰方式』に当たるのでしょうか?(誰が罰を与えたのかわからないからこそ、効き目があるのでしょうか?)そうだとすれば、服の袖などをしゃぶっている時に、叱って罰を与えても、あまり効果がないということになりますよね・・・
やっぱり、爪限定なのでしょうか?(笑)
指しゃぶりのような自己刺激行動でも、やはり代替行動をどうするかは考えないといけないですよね。
我が家でもそうでしたが、やはり指しゃぶりをやめさせると他の自己刺激行動(我が家の場合はパニックでもないときの自傷行為)が増えるということはあるようですので。
また、ご指摘のように、刺激を求めている先が指ではなく口だとしたら、バイターストップのようなツールはあまり効果が無いかもしれません。
もちろん、この「苦い」というのは嫌子であり、罰を与えていることになります。罰は、「回避行動」につながれば、効果が持続します。つまり、「指をしゃぶって苦い」という経験を繰り返すことで「指をしゃぶらないことで苦さを未然に防ぐ」という回避行動が形成されると、仮にバイターストップをやめても、回避行動は維持されると期待できます。(ただし、その後偶然「指をしゃぶっても苦くない」という経験をすると、また元に戻る可能性があります。この辺のコントロールがうまくできるかどうかが、罰が効果をもつかどうかの分かれ目だと思います)
犬のしつけの「天罰」に相当するかといわれれば、確かにそれと同じだと思います。