さて、前回のエントリで書いたとおり、我が家で娘の療育のために導入したAndroidタブレット「SMT-i9100」を使って、音楽が大好きな娘に音楽の動画を見せ、タブレットに興味を持ってもらうという「最初のステップ」は、思った以上にうまくクリアすることができました。
SMT-i9100
au(SAMSUNG)
次のステップとして目指したいのは、
・親が操作するのを見ているのではなく、自分で操作すること
です。
ただ、これは娘の場合、簡単なことではないように思われました。
タブレットを「自分で操作する(させる)」ということは、端的には「タブレットを娘に渡す」ことを意味します。
でも、娘にタブレットを渡したら、かなり高い確率で落として壊してしまうんじゃないか、というのが私たちの不安でした。
というのも、娘はそれまで、どんなおもちゃを与えても、そのおもちゃの縁を両手でつまんで、振り子のようにくるくると円運動させる「あそび」にはまってしまって、そのまま床に落としたりすることがままあったからです。
タブレットは精密機械ですから、何度も床に落としたりしたら、間違いなく壊れてしまいます。
ですから、最初はできるだけ「自分で操作する」の部分は残しつつ、「娘にタブレットを渡す」の部分を最小限にするような工夫をしていきました。
具体的には、こんな感じです。
1)タブレットの電源を入れて、動画再生可能な状態にしておきます。
2)娘を軽く促し、タブレットで音楽を聴きたいと要求させます。
こういったお願いをするときの手順として、以下のようなやりとりをさせます。(これは、普段ほかのものを要求するときも同じで、学校でも基本的に同じやり方でそろえているやり方です。)
2)-1:(娘)肩トントン→
2)-2:(私)なに?→
2)-3:(娘)おうたを、→
2)-4:(私)おうたを?(復唱)→
2)-5:(娘)お願いします!→
2)-6:(私)お願いします(復唱)、はいどうぞ!
3)動作可能な状態のタブレットを娘に渡します。
4)フローリングの床に座った状態(低い位置)で、しっかり両端を持たせるか、床に置くような安定した状態で、娘に自分でタッチパネルをタッチさせて、動画を再生させます。
5)再生が終わると、もう一度聞きたがるので、上記2)をもう少し簡略化した手順でもう一度要求させて、また動画を再生します。
6)これを、本人の気が済むまで繰り返します。
7)タブレットを回収します。
ちなみにこの段階では、再生している動画は1種類です。
選択の余地もないので、本当は何も要求しなくても自分でタッチすれば何度でも再生できるわけですが、当初は娘はそれに気づいていなかったようで、私に再度聴くことを要求して、それでタッチパネル操作を促されなければ、自分からはタッチパネルに触ることはありませんでした。
ただ、娘もだんだんこの手順に慣れてきて、やがては私にいちいち確認(ないし要求)せずに、勝手に何度もタッチパネルを操作して、好きな曲を繰り返し聞いて楽しむようになってきました。
これで、一応、「自分で操作する」の部分のいちばん基本的な部分もクリアです。(^^)
ところで、「目の前でタブレットを操作させ、終わったらすぐ回収する」というやり方でしばらく練習をしていたところ、娘に面白い変化が生じてきました。
娘が、タブレットを「自分のもの」にしたがるようなそぶりを見せるようになってきたのです。
恐らく、タブレットが「自分にとって価値のあるもの、楽しいもの」だと思うようになってきたのでしょうね。
タブレットを回収されるのを嫌がるようになり、いちどタブレットを渡すと(回収されないように?(笑))わざと私から離れたところにタブレットを持って移動して、そこで音楽を楽しむようになってきました。
うわっ、これはくるくるやられて落とされてしまう!…と心配しながらも様子を見ていると、意外にも、タブレットに関しては「くるくる」もやらず、比較的しっかりとホールドして丁寧に扱ってくれました。
恐らく、タブレットはかなり重いので、「くるくる」がそう簡単にはできないことと、ここまでの段階でタブレットの魅力と操作方法をみっちりと教えていたので、「勝手」がよくわかって、不適切な扱いかた(=くるくる)には行かずに、適切な扱いかたができるようになっていたのかな、と思います。
それでも偶然落としてしまったりすることに多少は対応できるよう、念のため、タブレットカバーをかぶせることにしました。
純正のカバーはもう売っていなかったので、手製のものです。
実は、このタブレットケースは当時のものではなく、最新(笑)のもので、いろいろ工夫が施されています。(その工夫については改めて書こうと思います。)
ただ、当時使っていたものも構造は同じで、100均で売っているジッパーつきのビニールケースのなかでちょうどいい大きさのものをベースに、液晶パネルの部分をハサミでくりぬいただけの、シンプルなケースです。
まあ、落下のショックには全然耐えられませんが(^^;)、こすり傷や汚れにはそれなりに対応できます。
それに加えてこのケースの大事な機能は、「ハードキーに不用意に触れないようにする」ということです。
次回は、この辺りから書いていきたいと思います。