2012年09月24日

娘がタブレットを使えるまで (7)

今回のシリーズ記事では、我が家の娘がAndroidのタブレットを使えるようになるまでの長い長い道のり(笑)を振り返りながら、これからお子さんの療育にタブレットを使ってみたい、と考えている親御さんへのガイドになるような話題を書いていこうと思っています。

前回は、我が家で療育のために使うタブレットとして、auが販売していたSMT-i9100というタブレットを選んだ(その理由も)という話を書きました。


SMT-i9100
au(SAMSUNG)

前回も書きましたが、動作が安定していて、バッテリーが非常によくもつ、さらにスピーカーが裏側ではなく横についているので、テーブルとかにべったりと置いても、それなりにちゃんと音が聞こえる点などが、娘の療育目的にはとても向いているタブレットでした(あと、もちろん「壊されてもぎりぎり我慢できる程度に安価だった」というのも大きかったですね)。

さて、このタブレットを手に入れたわけですが、これを娘に使わせるためには、本当に娘が好きなことを、スモールステップで教えていくしかないだろう、と覚悟を決めていました。

娘が好きなこと。タブレットだからこそできること。

それは、音楽を聴くことです。

究極の目標は、娘が音楽を聴きたいときに、自分でタブレットを起動して、しかもたくさんある曲のなかから、娘が聴きたい曲を自由に選んで聴けるようになること
これが、とりあえずの「最終ゴール」です。

では、そのための第一歩はなんでしょうか?

それは、このタブレットが「音楽を聴くことができる道具だ」ということを理解させ、興味をもってもらうというところからだ、と考えました。

そこで、娘が大好きな曲を、タブレットのYoutubeアプリなどを使ってすぐに聴ける状態にして、娘が近づいてくるのを待ちます。

娘が特に目的なく近くに来たら、すかさず音楽を再生して、娘の気を引きます。
そうすると、娘は、自分の好きな曲が聴こえてくるタブレットに興味をもちます。
近くまで来てのぞきこむと、動画も同時に再生されているわけですから、そちらにも興味をもってくれます。

そしてそのまま、曲が再生されている間、私が娘にタブレットを見せ続けます。
本当は渡してしまいたいところですが、まだ十分にタブレットの重要性を理解するまでは、乱暴に扱って落としてしまう可能性が高いので、この段階では私がもったまま、見せるようにしていました。

こういうシチュエーションで曲が終わると、娘は「もう一回やって」というしぐさをしてきます。
そこで、娘の手をとって、タブレットのタッチパネルを触らせて、再生ボタンを押すように誘導します。
そして曲が再生されたら、また同じ事の繰り返しです。

これを繰り返すことによって、娘は、私がタブレットを持っていると近づいてきて、音楽を聴きたがり、演奏が終わるともう一度再生するためにタッチパネルを押す(まだ場所はメチャクチャでしたが)、といった一連の動作が少しずつできるようになってきました。

そしてこれは同時に、このタブレットが、娘にとって、「大好きな音楽が聴ける、大切な道具」という存在に少しずつ意味を持ち始めていったプロセスでもある、と言えるでしょう。

こうやって少しずつ、娘はタブレットの超基本的な意味と操作を覚えていきました。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 21:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日は、ありがとうございました。
早速、幼児期の療育概論とABA関連の章を読ませて頂きました。
良質な大学の講義を受けているようで、講義ノートをつけています。
30年前に幼稚園教諭として自閉症の子供に初めて接しました。
(年が分かってしまいますが)
まさに、そらまめお父さんが書いておられる
「自閉症における一般的認識」の歴史の中にいたのです。
もうとっくに、教諭は辞めてしまいましたが、
今こうして新しい考え方、指導法に触れられることが
嬉しいです。
そらまめお父さんの情熱のおかげです。
ありがとうございます。
Posted by トミトミ at 2012年09月25日 12:36
トミトミさん、

再度のコメントありがとうございます。

大した記事ではありませんが、もしご参考になることがあったとすれば嬉しく思います。

これからもよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2012年09月29日 08:58
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