さて、前回は、「タブレットの前」の療育グッズとして、「音源モジュールおもちゃ」というものがあり、実際に娘がこのモジュールおもちゃをとても気に入って使い倒していたことを書きました。
これらモジュールおもちゃは、もちろんタブレットよりははるかに単純なものですが、それでも「パネルの特定の場所を押すと決まった反応がある」、あるいは「パネルを押す、という行為が自分にとって嬉しい結果(例えば、音楽が流れるなど)をもたらす」といった経験を与えてくれるものですし、紛れもなく「タッチパネル」でもありますから、タブレットの操作の最重要要素である「タッチパネル操作」の基礎的スキルをつけるには、格好のグッズだったと思っています。
ですので、療育でお子さんにタブレットを使わせてみたい、とお考えの親御さんは、まずはこれら「モジュールおもちゃ」を、タブレット療育の第一歩、タッチパネル操作の練習グッズとして使うことを検討されてもいいんじゃないかと思います。
幼児向けですから壊れにくくできていますし、コスト的にもはるかに安いですから、安心してお子さんに与えることができると思います。
さて、モジュールおもちゃを使いこなせるようになった娘ですが、「ここから先」が大変でした。
音楽好きな娘に「音楽鑑賞」という余暇活動、趣味を身につけてほしい、と願っていた私にとっては、次のような部分がモジュールおもちゃでは実現できないことでした。
1.音楽だけじゃなくて、映像つきの音楽動画を見せたい。
2.家ではスピーカーで、外ではヘッドフォンで聞けるようにしたい。
3.決まった曲ではなくて、自由に曲リストを追加・編集できるようにしたい。
4.そして、そのリストの中から娘自身が好きな曲を選んで聞けるようにしたい。
5.さらに、電源のON・OFFも含め、親に頼らず自分で機械を操作できるようにさせたい。
これらを実現するためには、何らかの「音楽ガジェット」のようなものを操作できるようにさせるしかないだろう、ということは想像がつきました。
そして、例えばこういったものを購入して、遊ばせたりしたわけですが…
CUTEBEAT DIGITAL SD/FMオーディオフォトボックス TY-SDP7
TOSHIBA
SDカードを読み込んで、動画が再生できる小さなボックス状の音楽プレイヤーです。
もしもちゃんと操作できれば、一応、上記1~5はすべてクリアできるスペックにはなっています。
(この後書くように、実際には娘の療育目的には使えなかったので、現在は私の枕元の音楽プレイヤーになっています(笑))
でも、実際に使わせてみると、これではまったく厳しい、ということが分かりました。
1.画像が小さくて、娘が注目してくれない。
2.耳が過敏らしく、ヘッドフォンはつけるのを嫌がってしまう。
3.SDカードが少しはみ出すので、そのまま持ち運ぶというのは厳しい。
4.これが最大の難関の1つ。複雑なハードキーが並んだプレイヤーを操作するというのは、娘にとっては至難の業(たぶんまだ当分はできなさそう)
5.当然、電源ON・OFFはムリ。というか、再生することもムリ。
加えて、当時の娘はまだ手に持ったものを丁寧に扱うことが難しく、持ったものを振り子のようにくるくる回しては床に落としてしまうような状況で、精密機器を持たせられる状況ではありませんでした。
というわけで、モジュールおもちゃからの卒業はなかなかできず、一方で同じ曲しか流れないモジュールおもちゃからは徐々に飽きてしまって、音楽が好きなのに音楽鑑賞する機会がなかなかない、という状況に陥りました。
一方で、いわゆる「ガジェット」の世界は大きく進歩し、少しずつ、「これはもしかしたら娘にも使えるかもしれない」と思えるようなグッズが増えていきました。
そんな状況のなか、娘の「音楽が聞きたいのに聞くツールがない」という状況から脱却すべく、次に目をつけたのが、アレだったのです。
(次回に続きます。)