↑少し前の写真ですが、タブレットで音楽鑑賞している娘の写真です。
ここで、本来の話題に入る前に、最近リリースされた「タブレットで療育」に使えそうなグッズの情報をご紹介したいと思います。
PDA-IPAD312BL
サンワサプライ
iPadのカバーです。
子どものための安全カバー、という位置づけのカバーで、厚くて柔らかい素材は耐衝撃性能をもち、持ち運ぶためのハンドルもついていて、お子さんにタブレットを与えたときに非常によく起こる(我が家でもしばしば発生しています)「持ちはこんでいる最中にうっかり落としてしまう」という事故に備えることが可能です。
さらにいいことは、このケースではホームボタンの上にもカバーがつきますので、お子さんが意図せずホームボタンをさわることでホームボタンを押してしまう(と、アプリが強制終了してしまう)アクシデントをある程度避けることができる点です。
少し工作をして、このカバーの下にブリッジ型のプラ板か何かを仕込めば、ホームボタンを「押せなくする」ような加工も、おそらく可能だと思います。
我が家では、iOSではなくてAndroidのタブレットで娘が慣れてくれたので、療育目的でiPadを導入することは当分はないと思いますが、逆にiOSのアプリや操作性にお子さんが慣れた場合には、高価なiPadを事故から守るため、こういったケースを導入することは意味があると思います。
さて、それでは本題です。
娘は、幼い頃から音楽が好きでした。
その娘の音楽好きに応えるべく、「おうたのDVD」を自作したりもしましたが、その頃からずっと目指していたことは、「娘が自分で好きな曲を選んで聴ける、余暇活動として音楽鑑賞ができる環境をつくること」でした。
しかしながら、この目標にはさまざまな壁が立ちはだかります。
まず、娘は電子機器等の複雑な操作が一切できませんでした。
たとえば、「スイッチのON・OFF」があったら、もうダメ。
私は「モーダルな操作系」と呼んでいますが、「ある特定の状況によって、ある特定の操作の結果が変わってしまう」といった操作系は、娘にとっては難しすぎて対応できなかったのです。
その最たる例が、「スイッチがONのときには再生ボタンを押すと音楽が鳴るが、OFFのときは再生ボタンを押しても音楽がならない」というモーダル操作系=電源ON・OFFつき操作系だったわけです。
加えて、機械的スイッチの操作も苦手でした。
少し力を入れて押し込むようなボタン操作が、ほとんどできませんでした。
押し込む前に押すのをやめてしまうのです。
さらに、モノの扱いの粗雑さも、問題でした。
電子機器なども、少し手持ち無沙汰になるとすぐに振り子のように手の中でフリフリ動かして、そのまま床に落としてしまうのです。
一般的な電子機器は、この衝撃にとても耐えられそうにありませんでした。
そういった問題のなかで、唯一、娘に「自由に音楽を聴く環境」をそれなりに提供してくれたのが、「モジュールおもちゃ」でした。
これらの絵本のメインボディはプラスチック製の音源モジュールで、パネルを押すと音楽やあいうえおの発音が聞こえてくるしかけです。
ここでご紹介した4つのモジュールおもちゃは、どれも我が家で超ヘビーに愛用されたものばかりです。
たくさんあるこのタイプのおもちゃのなかでも、ここでご紹介しているモジュールおもちゃの最大の特徴は、
電源のON・OFFがない
という点です。
どれも、しばらく使わないとスリープ状態になり(電源OFFにはならない)、おうたのボタンを押すと瞬時に起動しておうたが鳴りはじめます。
つまり、常に電源がONになっているのと同じ状態です。
これによって、「パネルを押せば必ず音楽が鳴る」という「モーダルでない操作系(特定の操作は常に同じ特定の結果につながって分かりやすい)」が実現しているわけです。
加えて、パネルも赤ちゃんの力に合わせて設計されているので弱い力でも押しやすいですし、頑丈にできているので少しくらい落としたり踏んだりしても簡単には壊れない(それでも最後には壊れますが)、など、まさに娘の特性にぴったりの「音楽おもちゃ」でした。
このモジュールおもちゃが非常によくできていたので、我が家では、娘の音楽の楽しみをこのモジュールおもちゃが担う期間が非常に長く続きました。
実際、これからお子さんにタブレットを使わせてみたい、と考えていらっしゃる、知的に重い乳幼児のお子さんの親御さんの場合は、いきなりタブレットにいくのではなく、このタイプのモジュールおもちゃで、「パネルを操作して反応が返ってくるのを楽しむ」という段階を取り入れるのは悪くない選択だと思います。
(次回に続きます。)