まず、1週間の午前・午後・夜のスケジュールを絵カードでまとめた「週間スケジュール」。
次に、学校から配布される、毎日の時間割がイラストで表示された「週間時間割」。
そして、出かける直前に、これからどこそこに行きますということを具体的に伝えるためのスケジュールボード。
時間割以外は、就学前の幼児期からずっと使っている(スケジュールボードは、もう6年選手!)ものですが、最近ではすっかり娘も理解してくれて、必要に応じて自分でスケジュールを見に行ったりして、見通しをたてる助けになっているようです。
そんななかで、最近、娘にとってもう1つの「見通しの不安材料」ができてしまったようです。
ここ最近(特に夏休みになって以降)、平日、私が会社に出かけようとすると、ちょっとしたパニックを起こすことが多くなりました。
何日か様子を観察していると、どうやら娘は、学校がなくなってから、休日か平日かを私が朝出勤するかどうかで判断して、かつ、毎朝「今日は休日なんじゃないか」と期待してはそれを裏切られてパニックしているようだ、ということがわかりました。
まあ、「休日」のほうが、遠くにつれていってもらえたり外食できたりして楽しいということなのでしょう。
とはいえ、もちろん毎日「休日」にするわけにはいきません(笑)から、ここは「見通し」を娘にたててもらって、納得してもらう方向で解決を目指すことにしました。
で、作ったのがこちらのボードです。
こちらの写真にあるように、ボード以外に、私と妻の写真(実際には実写のもの)、それぞれ通常の絵カードと赤いバツがついたもの、合計4枚の絵カードを作成しました。
ボードには「おうち」エリア(左下)と「ばいばい」エリア(右上)があって、それぞれにマジックテープがついています。
裏面には、使わない絵カードを格納できるようにしました。
↑ボードの裏面です。ひもとかはとりあえず手抜きで(笑)。そのうちちゃんと穴を開けます。
これをスケジュールボードのエリアに吊り下げて使います。
↑休日で、夫婦が二人とも家にいるときはこちら。(隣に、2006年から使っているスケジュールボードが写っています)
↑そして、平日で、私が会社にいくときはこちらになります。(妻が出かけて私が留守番のときは、夫婦の位置が逆になります)
ここで、いくつか工夫したことがあります。
まず、「おうち」と「ばいばい」はいずれも、語彙の少ない娘が理解できる数少ないことばから選んでいます。
加えて、ノーマルな絵カードと赤いバツのついた絵カードを使い分け、さらにそれらの絵カードを「貼る」位置にもビジュアル性と意味をもたせることで、
・ことばのほうで理解できても、
・赤いバツのありなしで理解できても、
・夫婦が同じ位置(おうち)にいるか、ばらばらの位置にあるか、という関係で理解できても、
どの部分で(だけ)理解できたとしても、なんとか、「私が家にいるか会社に行ってしまうか」をスムーズに理解できるようにしているわけです。
このボードを、毎朝、起きてきた娘に最初に見てもらうようにしています。
このボードを使うようになってから、私の出勤をトリガーにしていると思われる朝のパニックは、どうやら終息してきました。
まあ、それ以外でも朝はよくプチパニックを起こしているので、これだけで問題が解決したわけではないですが、一応効果はあるようなので、しばらく使い続けてみたいと思っています。
聴覚優先なのに、意味理解が弱いので、もう、お出かけについての見通しをあたえることをあきらめ、靴下はきなさいね、と具体的行動を誘導して、切り替えています。なにをてがかりにしてもいいので、絵カードもためそうかな?
ムスメがにがてなかみしばい対策になりそうです。
コメントありがとうございます。
娘は、まあどちらかというと視覚優位っぽいですが、絵カード等を使っても、「長い見とおしをもつこと」がとても苦手です。
なので、「短い見とおし」でもいいので、何とか見とおしをもってほしい、と思って、かなり小さい頃から「直後の予定だけを張り出すスケジュールボード」を導入していたりします。
療育は、マニュアルをベースにしつつ、実際には徹底的にカスタマイズしていくものだと思っていますので、私がエントリで書いている「療育例」は、本当にただの「例」でしかない、と思っています。
こんな風に応用している家族もいるんだな、くらいの参考にしていただいて、個々のお子さんへのカスタマイズのほんの少しのヒントになればいいな、というくらいの気持ちですね。