2012年07月23日

ツイスト キッチンタイマー(グッズレビュー)

Twitterで話題沸騰(笑)の「タイムタイマーっぽいキッチンタイマー」です。
ほんとうにタイムタイマーの代替品になるかどうか、届いたのでさっそく試してみます。


Twist アナログ ラバーキッチンタイマー

この商品が話題になったきっかけは、このツイートからでした。
タイムタイマーもどきのキッチンタイマー。924円。 pic.twitter.com/wVBjiSF8

このツイートを見て、これはタイムタイマーそっくりで、しかもとても(本家より)安い、ということで、多くのフォロアーの方がAmazonに殺到しました(私もその1人です)。
それでAmazonの在庫がなくなってしまったわけですが(笑)、注文を入れておけば、おそらくすぐに入荷されることと思います。

ちなみに、本家タイムタイマーはこちら。

タイムタイマー

値段がだいぶ違いますね。
(ただ、後で触れますが、さすがに専用の機器だけあって、よくできています。このタイムタイマーの値段が「高すぎる」ということは決してないと思います。)

我が家でも、この「タイムタイマー」を使っていました。
ただ、耐久性がそれほどでもないために故障してしまい、それ以降は、自作の電子タイマーを使っています。

今回、この「タイムタイマーもどきのキッチンタイマー」が手に入ったので、「本家」のタイムタイマーと比較しながら、レビューしてみたいと思います。


↑パッケージ。本体と1枚ペラの説明書が入っているだけの超シンプルな梱包です。

今回、私が買ったのは黒のモデルです。

最初にパッケージを見て思ったのは、「小さい!」ということです。
タイムタイマーよりも一回り小さい印象です。


↑左から、スマートフォン(4インチ液晶)、タイムタイマー、今回のキッチンタイマーです。

タイムタイマーが一辺約7.5cmの正方形(自立のための足の部分が5mmほどあるので、実際には7.5cm×8cm程度)なのに対して、このキッチンタイマーは、直径約6cmの円柱形をしています(奥行は3.5cmくらい)。
円柱形をしていて「足」がないので、このキッチンタイマーは、文字盤が垂直になる方向で自立しません。ころころと回転してどこかに行ってしまいます。文字盤が水平になる方向(つまり文字盤を「寝かせる」向き)で置かないと止まってくれないわけです。

で、じゃあ実際に時間をセットして試してみよう…と思ったら、どこを持って回したらいいか分かりません。
文字盤面はアクリルか何かの透明な板でカバーされていますし、サイドにもねじるための切れ目などが一切ありません。
一応、背面を手のひらを強く密着されて固定し、その状態でサイドの円柱部分を回せばタイマーは回るのですが、こんな風にしないと回せないのでは、あまりにも操作性が悪い…

と思って説明書を見てみたら、どうやらこのタイマー、基本的には「冷蔵庫に固定する」というのが正しい使い方のようです。



このタイマーの裏面は前面マグネットになっており、平らな冷蔵庫などの金属面に貼り付けると、ぴったりとくっついて固定されます。
この状態でタイマーのサイドの円柱部分(ラバーコーティングされており、滑らずにもてます)を時計回りにひねると、ずれずに簡単に回せてタイマーの時間をセットできるのです。


↑タイマーの裏面はこんな感じになっています。この裏面全体がマグネットになっており、金属面にがっちり固定できます。

うーん、この部分は、使いやすいんだか使いにくいんだかよく分からないなあ(笑)。
でも、たしかに冷蔵庫に貼り付けると非常に簡単に時間がセットできますが、貼り付けなくても、少し慣れればセットするのはそんなに難しくありません。(ただ、小さいお子さんが自分でセットするのは難しいかも。)

ともあれ、タイマーをひねると、文字盤の上に「赤いフィルムの帯」が出てきます。
この「赤い帯」が、残り時間を意味しており、時間がたつにつれて「帯」の領域がなくなっていき、領域がすべてなくなる=予定の時間になるとベルがなって時間の到来を知らせる、というシステムは、タイムタイマーとまったく同じです。

一方、タイムタイマーとの違いということでは、まず大きな違いとして、「タイマーの回転方向が逆」ということに気づきます。

タイムタイマーの「赤いフィルムの帯」は反時計回りに出てきますが、このキッチンタイマーでは時計回りに出てきます。直感的には、こちらのキッチンタイマーのほうが時計と同じ向きなので分かりやすい気がします。

次に、タイムタイマーは時間の経過中は無音ですが、このキッチンタイマーはかなり大きな「コチコチ音」がします(意図的に音が大きくなるように作られているように感じます)。
2mくらい離れていても普通に聞こえます。これは、近くにいると集中力をそがれてしまうリスクがちょっとあるかもしれません。

そして、タイムタイマーで時間が到来したときのアラームを鳴らすには電池を入れておく必要がありますが、このキッチンタイマーは、タイマーそのものを動かしているゼンマイの力それ自身を使ってベルを鳴らしています。
このため、電池要らずなところはありがたいですが、代償として「セットした時間がくる30秒前に鳴ってしまう」という現象が起こります。

これは逆にいうと、2~3分といった短い時間をセットする場合には誤差が大きくなりすぎるので向いていない、ということにもなるかと思います。

ちなみに、時間計測の精度も測ってみましたが、私に届いた個体の場合、およそ30分でセットして、29分20秒くらいで鳴ったので、ゼンマイ式のタイマーとして十分な精度だと思います(先にも書いたとおり、指定時間の30秒前に鳴る仕様なので、29分20秒で鳴ったということは誤差は10秒です)。

ちなみに、商品名に「ラバー」とありますが、本体のサイド面が、全面的にラバーコーティングされていることを意味しています。
ラバーといっても、単なる薄いコーティングですから、クッションになるほどの厚みではなく、落としたときの耐久性は(落としていませんが)それほど高いようには見えません。ごく一般的な「ゼンマイ式キッチンタイマー」と同程度の耐久性と思われます。

…というわけで、いろいろいじってみましたが、結論としては、タイムタイマーの代わりになるか?と言われれば「値段の割にはちゃんとタイムタイマーの代わりになりそうだけど、欠点もある」というのが答えになると思います。

値段が「本家」の数分の1というのは、確かに大きな魅力です。
タイムタイマーを試してみたいけど、本当に子どもに分かってもらえるか分からない状態で買うには高額すぎる、と感じられている親御さんは、まずこのキッチンタイマーでお試ししてみる、というのはとてもいいアイデアだと思います。
アラームの動力に乾電池を使っていないので、アラームを鳴らすのに電池切れの心配がない、というのも本家よりも優れている点です。

一方で、自立しないコチコチ音がする、冷蔵庫に貼り付けない場合は時間のセットが少しやりにくい本来のセット時間より30秒早い時間にアラームが鳴ってしまう、など、本家タイムタイマーにはかなわない点もいくつかあります。
このあたりは、やはり元来は「キッチンタイマー」であることから来るニーズの違いなのでしょう。

安くて気軽に使える今回のキッチンタイマーと、高額ではあるものの療育のニーズをしっかりと押さえた「本家」のタイムタイマー。

うまく使い分けていくのがいいと思います。
使い方次第では、安くてとても役立つ、いい「タイムタイマー代替品」です!
posted by そらパパ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル教材 | 更新情報をチェックする
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