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2007年01月20日 [ Sat ]

幼児期の療育を考える(37)

D時間
 時間の概念、先の見通しを持てるようにすることも重要です。
 ここでの3大目標は次の3つです。

 a. スケジュールが理解できること。
 b. 場面の切り替えが理解できること。
 c. 「待つ」が理解できること


 スケジュールを理解させるためには、絵カードによるスケジュール表を作るのが恐らく最も有効でしょう。絵カード1つが1つの活動を意味するようにして、上から下へ、または左から右へ、一定のルールでやるべき活動を順に並べて表示します。(理解できるのなら、もちろん文字を中心としたスケジュールを使ってもOKです。)
 活動を始めるときに、その活動に対応するカードをスケジュールからはがして特定の箱か何かに入れるようにしてから活動を開始するようにすると、活動とカードの対応への気づきが促進されるでしょう。また、「絵カードに慣れる」ということで言えば、スケジュールを導入する前にPECSを導入して、子どもが絵カードによる要求表現ができるようになっているのが望ましいと言えます。

 スケジュールが理解できるようになったら、ある活動から別の活動への「切り替え」をパニックなしでできるようにすることが次の目標になります。切り替えをスムーズにするためには、(a)「活動の終わり」を明確に提示する。(b)次の活動が何かという情報を提供する。(c)トランジションエリアを用意する。という3つの「構造化」を検討しましょう。
 活動の終わりを示すためには、タイマーを使う、終了の音を鳴らす(学校の終業チャイムのように)、あるいは課題自体が活動の終了を示す、といった方法が考えられます。最後の方法の例としては、例えば左のかごに入っている部品を組み立てて右のかごに入れるという課題を設定すれば、左のかごに入っている部品が全部なくなったときが課題の終わり、ということが分かります。
 先に行なっている活動が子どもにとって楽しいものである場合、それをやめさせて次の活動に移ることに抵抗する可能性が高くなります。このとき、活動の終わりを明確に提示するのとあわせて、次の活動が何であるのかをすばやく示すことで、次の活動に関心を移し、移行をスムーズにすることができるでしょう。具体的なやり方としては、スケジュール表のある場所に連れて行く方法や、次の活動で手に入る強化子(例えば次がボール遊びなら、ボール)を見せて、その強化子を渡しながら「次の活動の場所」に連れて行く、といった方法が考えられます。
 3つめのトランジションエリアですが、Aという活動エリアからいきなりBという活動エリアに移動すると、自閉症児は環境の激変に混乱する可能性があります。そこで、活動エリアと活動エリアの間に、特段の活動を行なわないニュートラルな「トランジションエリア」というのを設けます。このエリアは「これから別の活動に切り替えるよ」という意味だけを持ったスペースになります。TEACCHでは、教室にこのようなトランジションエリアを設け、そこにスケジュールを掲示することによって、切り替えのための気持ちの準備をととのえ、あわせて次の活動が何であるかを理解して心の準備もできるようになっています。
 家庭で「トランジションエリア」のためにわざわざ部屋を用意することは難しいと思いますが、スケジュールを掲示する場所をいつも同じにして、活動を切り替えるときに必ずそこに立ち寄らせるようにすれば、同様の効果を持たせることができるでしょう。

 自閉症児に「待つ」ことを教えるのは、非常に難しいと言われています。多くの自閉症児にとって、「待って」と言われるのは「ダメ」といわれることと同じで、区別がつけられません。
 当ブログで紹介しているのは、PECSの「待ってカード」というものです。これは、何かを子どもが要求してきたときに渡して、しばらく(最初は5秒程度)待ってもらい、それから子どもの要求をかなえてやる、という風に使います。つまり、この「待ってカード」を渡されている間は待っているように、ということを教えるわけです。そして、少しずつ待ち時間を伸ばしていきます。
 待ち時間が長くなってきたら、待ち時間を楽しく過ごすための補助具(例えば、病院の待合室で待つのなら絵本や小さなおもちゃなど)を用意することも必要になってきます。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 20:00 はてなブックマーク | コメント(2) | トラックバック(0) | そらまめ式
この記事へのコメント
はじめまして。
知的障害を伴う自閉症10歳女の子の母です。
3歳から横浜の療育センターに通いました。
今は個別支援学級にかよっています。
幼児期の療育は本当に大切だとしみじみ思います。その時こどもに変化がなくても無駄に思わないでください。繰り返しがとても大切です。
視覚で伝え事から娘は刺激性駆動と付いた病名でかなり手ごわく、何をやくのも初めが肝心で正しいことを泣いてもわめいても伝えることがとても大事でした。
療育は大事です。
Posted by 宮田君江 at 2007年01月21日 19:03
宮田様、はじめまして。

とても勇気付けられることばをありがとうございます。
確かに、幼児期の働きかけは、ときにいくら頑張っても思ったような反応につながってこず、時期によってはむしろ退行しているようにしか感じられないこともあったりして、なかなかモチベーションを維持するのが大変だと実感します。

そういうことが、ちゃんと「先につながってるんだ」と思えることが、前向きな気持ちを維持するためにはとても大切ですよね。

これからもよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2007年01月21日 22:45


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