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2007年01月18日 [ Thu ]

幼児期の療育を考える(35)

A認知力
 認知力の療育というのは、端的にいえば発達検査などで使われるような「課題」を解く能力を伸ばすことです。
 これも、ただ課題をやらせる、ということではなく、より高い認知スキルの基盤となるようなスキル、将来の生活に直結するスキルにつなげていけるようなスキルを中心に伸ばしていく必要があるでしょう。

 そう考えたとき、当面特に重要なのは「マッチング」と「模倣」だと思われます。

 マッチングというのは、同じもの、似ているもの、共通項があるものを組み合わせるという課題で、あらゆる認知スキルの基礎となるものです。
 この課題は比較的実施が容易なので、親御さん自身がABAによる療育をすすめるためのトレーニングとしても適しています。当ブログのフリーの教材として、「マッチングカード」というのがありますので、そちらも活用してください。
 模倣というのは、こちらがする動作を真似るという課題です。例えば、こちらが頭に手をやって、それを子どもが見て同じように頭に手をやることができれば「正解」です。このような模倣課題は「動作模倣」と呼ばれます。
 動作模倣は、1種類の簡単なものから始めて、いくつかマスターできたらそれらをランダムに混ぜ合わせる、複数ステップの動作や左右非対称の動作を加えるといった形で複雑にしていき、とりあえずの目標として「どんな動作でもアドリブで模倣できる」ことを目指します。
 それができるようになったら、難関である「音声模倣」に移ります。これも、最初は「口を開ける」「舌を出す」といった口に関連する動作模倣で「口に注目する」ことから始めて、次に「何でもいいから音を出せばOK」という課題に入り、さらには単一の音、単一の音のまぜあわせ、音節、単語といった順に進めていきます。もし「単語」まで進めれば、マッチングと組み合わせて、カードやものの名前を言わせる「音声マッチング課題」にチャレンジできます。

 それ以外に、ひも通しやパズルのような指先の微細運動を含んだ知的活動や、線を引く・色を塗るといった運筆スキル、ある程度知的能力の高いお子さんであれば単語や文章を読むことなども課題として織り交ぜていくのがいいでしょう。市販の知育用課題ドリルなどをうまく工夫して本来とは違った使い方をしたりすることで、いろいろな教材を用意することができます。

 これらの認知スキルを引き上げるための課題療育には、ABAのテクニックをフル活用する必要があります。こういった課題に本格的に取り組む前に、ABAに関する書籍をいくつか読むことをおすすめします。

B生活自立
 睡眠、食事、着替え、入浴、トイレトレーニングなどの生活自立のための訓練です。将来の集団生活、生活自立を考えると、とても重要な発達課題だといえるでしょう。子育てをする側の親の労力削減という観点からも意味があります。
 食事や着替えなど、体の動きを手順で覚えるような技法については、ABAのプロンプト、バックチェイニングなどの技法が有効でしょう。(プロンプトはできるだけ早く減らす(フェイディング)ことが必要だということは忘れないで下さい!)

 トイレトレーニングも、同様にABAの技法が活用できますが、尿意・便意に気づくことができて、かつ排泄をトイレまでがまんできるといった内的な発達要件が含まれますので、子どもの様子を観察しながら気長に取り組む必要があります。
 トイレトレーニングの大まかな流れは次のようになります。

 a. いつ排尿しているかを観察・記録する。
 b. 排尿のサイクル(何時間おきにするか、いつするかなど)を発見する。
 c. そのサイクルにあわせて、トイレ(またはおまる)に座らせてみる。
   最初はトイレに慣れてもらうくらいの気持ちで、焦らずに。座ること自体を強化するくらいでOK。
 d. 運良く排尿した場合は、強化する(この時点で社会的強化子が使えるようになっているといいですね!)
 e. トイレでの排尿ができるようになってきたら、定時排泄に移行する。
   定時排泄とは、いつも同じ時間にトイレに連れて行くことで排泄を習慣づけるやり方です。
 f. 次に目指すべきは、子どもが自主的にトイレに行こうとする「随時排泄」です。
   定時排泄を続けていて、子どもがそれ以外の時間に何らかの方法で尿意を伝えてきたときは、トイレに連れて行って排尿させ、強化します。随時排泄の頻度が上がってきたら、定時排泄の間隔を多少広げるのも有効かもしれません。絵カードなどを使うことも検討しましょう。
 g. 排便についても、上記のやり方に準じます。が、1日あたりの回数が少ないこともあり、排尿よりもかなり難易度が高いといわれています。


 睡眠障害については、感覚異常や多動などを引き起こす脳の障害とも複雑にからみますので、特に状態がひどい場合には医師の指導を仰ぐべきです。それに加えて、規則正しい生活、よく運動させる、静かな寝室環境を作るといった工夫も有効でしょう。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 21:43 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | そらまめ式
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