今回あたりから、純粋な意味での「療育本」からだんだん離れていきます。
そして、療育の「周辺」、あるいは障害全般にかかる本などのなかから、過去に「殿堂入り」した本をご紹介していきます。
まずは、療育の実践に役立つこの本(カテゴリ)から。
たのしい手あそびうた DVDブック(レビュー記事)
私が娘の療育にとりくみ始めたころ、まだ世間には「歌っている口の動きがちゃんと見える『うたのDVD』」がほとんどなく、音楽が好きだけど発話のまったくない娘のために、私はわざわざ音大の学生さんにバイトとして来てもらって、歌っている口もとを録画し、DVDにして娘に見せていました。(参考記事)
※もちろん「おかあさんといっしょ」などのDVDはありましたが、映像がアニメや着ぐるみのものや、歌っているシーン以外のものが多くて「発話につなげる」という意図からはやや遠いです。
私自身はこういった苦労をしたわけですが、その後、「DVDつきの手あそび歌の本」が不思議なくらいたくさん出版され、現在では、それらの中から好きなものを選べば、1500円程度という非常に安い値段で「おうたのDVD」が手に入るようになりました。
そんな「おうたのDVD本」のなかでも、突出したクオリティを誇るのがこちらになります。
歌や手あそびを見せてくれるのは、アニメ「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」のテーマソングを歌った井上あずみさんと、子ども向けのイベント等で活躍中の「TOY STAGE」の皆さんというプロの豪華メンバー。
明らかに「おかあさんといっしょ」のような子どもむけ歌番組を意識した作りになっており、安心して楽しく見ていることができます。収録曲数も42曲とボリュームたっぷりで、通して再生すると50分を超えます。オケ(伴奏)のクオリティも十分です。
歌と映像は同時収録ではないようで(いわゆる口パク)、わずかに映像の口の動きと歌がずれているのは残念なところですが、それ以外では文句のつけどころがない完成度だと言えます。
※ちなみに、なぜかAmazonのレビューでは「DVDのクオリティが低い」というコメントが散見されますが、これはDVDを利用する目的が違うからですかねえ。
確かに、いわゆる市販の子ども用DVDと比べれば、かけているコストが低い分、見劣りする部分もたくさんあるのですが、そういうのを本とセットで1500円というDVDに求めても仕方ないと思いますし、療育という観点からは、やはり私は「とてもクオリティの高いDVD」だと思います。
最後に、この本以外の「DVDつき手あそび本」もまとめてご紹介しておきます。
このなかでどれかおすすめを、ということだと、最後の「手あそび歌あそび―DVDのお手本つき」が完成度が高く、口パクがしっかり合っていて、「療育むき」だと思います。
これらのDVDつきおうたの本に関連するレビュー記事もご紹介しておきます。→ 記事1, 記事2, 記事3, 記事4, 記事5
(次回に続きます。)