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2006年11月19日 [ Sun ]

幼児期の療育を考える(5)

3)ファースト・アクション

さて、それでは、M-CHATのような自閉症の早期診断のためのセルフ・チェックの結果、自閉症である可能性がある、もしくは高いと考えられる場合、親としてはどのような対策をとるべきでしょうか。

先にも書いたとおり、最初の検討事項は、病院や公的な福祉施設にコンタクトし、必要なサポートを受けられるよう準備を進めるか、あるいは当面「様子見」するかを決めることでしょう。

言うまでもありませんが、正式な診断やそれに基づくサポートは子どもにとって必要なものであって、親自身の感情や損得勘定で選ぶべきものではありません。
ただその一方で、さまざまな不安や抵抗感から、当面はそういった行動を取りたくないと考える親御さんがいることも理解できます。

この問題に対する唯一の「正解」というのは存在しないと思います。

個人的には、是が非でもすぐに診断・公的療育の道を選ば「なければならない」とは思いません。むしろ、セルフ・チェックの結果で短絡的にパニックになるくらいなら、家庭での療育的な働きかけを始めながら、何か月か子どもを冷静に観察し、子どもにとってベストだと思える選択肢をじっくりと検討するくらいでもいいと思っています。
ただし、多くの自閉症療育施設は混雑していて、順番待ち(運が悪い場合は門前払い)が当たり前です。私も経験しましたが、「すばやく動くこと」「できるだけ早く順番待ちのリストに入ること」によって、より充実した療育環境を早期に得やすい傾向がある、ということは知っておいたほうがいいでしょう。

いずれにせよ、私がより重要だと思うことは、家庭での「療育的な働きかけ」をすぐに開始することです。
公的な支援を受けるかどうかの選択に多少の時間をかけてもいい、と言えるのは、幼児期は時間的にまだ余裕があるからというのが理由ではありません。それどころか、幼児期初期の働きかけが自閉症児の発達過程に大きな影響を与えるというのが研究者の間での共通認識になりつつあります。その重要さは、世に言う「早期英才教育」などの比ではありません。

それでは、なぜ支援を受けるかの判断に時間的余裕を認めるのかといえば、幼児期の自閉症児にとって決定的に重要なのは、公的な療育施設でたかだか月数回の療育を受けることよりもむしろ、子どもが生活の大部分を過ごす、毎日の家庭生活の中でどのような働きかけを行なうかにあるからなのです。

実際、2歳以下の段階で公的な支援を求めても、大抵の場合は月に数回程度の療育、あるいは数か月に一度の面談とアドバイスといった程度のサポートが精々でしょう。それどころか、3歳を過ぎて確定診断が下りるまでは(あるいはそれ以降も)療育的なサポートはほとんどないといった可能性も、残念ながらゼロではありません。
ですから、「意を決して」公的な支援を求めて病院や福祉施設にコンタクトしたのに、結果として貧弱なサポートしか受けられない、あるいは何か月も待たされることにがっかりするケースも少なくありません。

ですから、セルフ・チェックや一歳半検診の精密検査などで自閉症の疑いが認められたとき、第一に考えなければならないことは、「家庭での子育てをどう変えていくか」ということなのです。療育面でのサポートを受けることができている場合もそうでない場合も、子どもの生活の事実上ほとんどすべてを占める「家庭生活」で子どもにしっかり働きかけ、発達促進をサポートしていかなければ、療育の効果を上げることは絶対にできません。
つまり、「家庭での早期療育」こそが、この時期の自閉症児(の可能性のあるお子さん)に対するほとんど唯一かつベストの対応だと言えます。そしてそれは、早ければ早いほどいいのです。

でも、療育といっても、どんなことをどんな風にやればいいか分からないですよね。
それについては、既にこれまでの記事でいろいろ書いていますが、このシリーズ記事でも改めて整理していこうと思います。

※もちろん、ここで書いていることは、プロによるサポート、アドバイスを軽視するということではありません。自閉症児の療育は、脳障害に対する働きかけということでもありますから、プロの目がまったく届かない中での療育にはリスクもあります。プロの意見を聞く機会を積極的に作るべきだと思いますし、その意見にはしっかりと耳を傾けなければなりません。
 ここで強調しているのは、そういったものを受ける機会が得られない、もしくは長く待たなければならないというときに、ただ何もせずにいるのではなく、できることから「子育て環境」を変えていきましょう、ということなのです。
 また、プロのアドバイスを受けるときも、「この場(だけ)で何とかしてください」といったお願いをするのではなく、毎日の生活で気をつけることや、困っていることの対応について聞く、つまり家庭での療育についてのアドバイスを受ける、といった態度で接するほうが、いいアウトプットが得られると思います。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 22:00 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | そらまめ式
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