今回は、現地の物件見学で、実際に共用施設や部屋を見るときの注意点についてです。
5.現地見学する(続き)
現地のマンションでは、不動産業者の営業マンは、大浴場などの共用施設と売り出し中の部屋を案内してくれます。
まず、共用施設について。
大浴場(サウナ)、プール、テニスコート、フィットネスルームなどがあります。ひととおり見せてもらいましょう。
写真もどんどん撮るべきですが、大浴場は(特に利用可能時間帯は)撮影禁止の場合も少なくないと思います。
共用施設のチェックポイントは、「管理の状態」と「利用可能時間帯」です。
大浴場やプールの内壁に大きなひび割れがないか、天井がカビだらけでないか、使用禁止になっている洗い場のシャワーが何本もあったりしないか、脱衣場がしけってカビくさくなっていないか、各共用施設はきれいに清掃され器具などが破損していないか、消耗品は適切に交換されているか、管理状況はそういったところに現われます。
また、各施設の利用時間も確認します。特に大浴場については、朝や日中、特定の曜日などで利用できない場合がありますし、プールなどは利用できるシーズンが限定されていることが多いです。
続いて、居室です。
こちらはチェックすべきポイントがたくさんあります。
(0) 共用施設-居室間のルート
共用施設と居室との間を移動するときに、その間のルートをチェックします。特に、大浴場と居室とのルートは重要です。
例えば、風雨が吹き込むような外廊下を長々と歩く必要がある場合、実際にそのマンションを利用するとき「風呂上りに部屋に戻るときに、毎回そこを歩かなければならない」ことを意味します。
そもそも、居室と共用施設との距離が離れている物件は使いにくいです。
(1) カビ
既に一度書きましたが、まずは部屋に入ったら「カビのにおい」がどれくらいするかチェックします。
猛烈にカビ臭い部屋、じっとりしていて菌糸が浮遊しているような気がする部屋もたくさんあります。そういう部屋はもう無条件に検討対象外にしてしまってOKです。
ただ、「少しカビ臭い」程度は、利用頻度の少ないリゾート物件では割と普通なので、その場合は、以下の2点をまずチェックしましょう。
a.窓を開けて空気を入れ替えればすぐにカビ臭さがなくなるかどうか
b.カビ臭さの原因となっている場所はどこか
空気を入れ替えればすぐカビ臭さが消えるなら、その部屋は単に「しばらく利用されていないだけ」ですから、まず問題ありません。
また、カビ臭さの原因となっている場所(押入れ、和室の畳、キッチンや洗面所、トイレ、浴室などの水周りなどが主な「原因場所」です)が特定できれば、実際に部屋を購入した後の対処の方針も見えてきます。仮にその場所に「カビがびっしり生えていて取れそうにない」ような場合は、やはりその物件はパスしたほうが無難です。
とにかく、購入後の「カビ問題」はリゾートマンションでは深刻になりがちなので、カビのチェックは入念に行ないましょう。もちろん、カビが生えている場所があったら必ず写真を撮っておきます(以後、いちいち断りませんが、チェックポイントごとに写真撮影は必須です)。
(2) 眺望
リゾート物件では、眺望が非常に重視されます。
「海エリア」なら、ベランダや窓から海が一望できることは不可欠ですし、「山エリア」なら広々とした緑や見晴らしが広がっている景観が重要です。
マンションの外壁が眺望を邪魔していたり、美観のない歓楽街的な街並みが広がっていたり、圧迫感のある森に視界が遮られたりしているのはNGです。
私が見学で回った富士五湖エリアでも、「ベランダから見える富士山に電線がかかるか、かからないか」だけで、同じマンション・ほぼ同条件の部屋でも値段が大きく違いました。
(繰り返しになりますが、眺望などの条件を重視するのは、将来、売却して手放すときに支障がでないよう、「売りやすい」物件を選ぶことが非常に重要だからです。)
(次回に続きます。)