
前回と前々回の記事で、セカンドハウスを手に入れるにあたっての考えかた(元を取ろうと考えず、「付加価値」に注目する)と、セカンドハウス、とりわけリゾートマンションが最悪の不良資産になってしまう、非常に怖い流動性リスクについて書きました。
今回は、具体的な物件探しの話題に入る前に、中古のリゾートマンションを購入・維持するための費用についてまとめておきたいと思います。
前回までの記事で興味をもったとしても、具体的にどれくらいの費用がかかるのか分からないと、なかなか判断が難しいと思いますので、購入時と購入後にかかる費用をざっと整理します。
ただ、もしかすると情報が古かったり正確じゃなかったりするかもしれないので、あくまでも参考程度にご覧ください。(もし間違いなどあったらご指摘いただければ幸いです)
まずは、購入時にかかる費用から。
(1) 物件の売買代金(消費税は表示価格に含まれています)
新築マンションではないので値下げ交渉は普通にできます。
業者と相談して妥当な交渉額を聞き出し、そこからもう少しだけ踏み込んだ値下げ額あたりで交渉を開始します。そうすると大抵「そこまでは下げられない」という回答が返ってくるので、「では、金額は○○万円でいいので、代わりに家具を全部撤去してください」みたいな条件つきで譲歩する、といった作戦も可能ですね。
(2) 仲介手数料
物件価格200万円で10万円、400万円で18万円、400万円超だと売買代金×3%+6万円となるようです。別途消費税がかかります。
(3) 契約時諸費用
所有権移転の登記費用(原則として固定資産税評価額の2%だそうです)、収入印紙(500万円以下だと2000円、500万超~1000万円までは10000円)など。
(4) 精算金
これは、前オーナーが既に支払った固定資産税や管理費・修繕積立金のうち、売買契約成立日以降の日数分の日割額を、購入者が前オーナーに支払うというものです。購入時に支払うものではありますが、実質的には「維持費」にあたると考えていいでしょう。
(5) ローン諸費用
ローンを申し込む場合は、ローン申込手数料、信用保証保険料等が必要になります。火災保険についても加入を求められる場合が多いでしょう。
(6) 不動産取得税
登記から約3か月後に1回だけ支払う税金です。固定資産税評価額の3~4%とけっこう高額です。上記「登記費用」の約2倍というイメージです。
ただし、購入した物件が「別荘」ではなく「セカンドハウス」と認定されれば、居住用住宅同等の税減免措置が受けられます。
別荘とセカンドハウスの違いは分かりにくいですが、「オフシーズンなく、1年を通して週末にちょくちょく通っている」なら、セカンドハウスと認められる可能性が高くなります。
毎月の電気代などのレシート(基本料金以上に使っている=よく行っていることが分かるもの)を「確かに毎月通っています」という証明として集め、税務署に減免申請を行います。私も減免申請を行ない、「セカンドハウス」と認められて、負担がかなり軽くなりました。
全体として、居住用の中古物件を買うよりもやや多めに諸費用・税金がかかるものと考えておくといいでしょう。
物件の売買代金に加え、その3~4割程度の諸費用枠を想定しておく感じでしょうか。
もちろんそれ以外に、最低限の家具や寝具など、部屋の中の造作を購入する費用がかかるのは言うまでもありません。
また、実際に購入に至る前に、リゾートエリアに実際に行って物件を見学するために必要な交通費など、「購入前にかかる費用」もかかることを想定しておいたほうがいいでしょう。

(次回に続きます。)