2006年08月28日

スケジュールを取り外し式にしました。

前回予告していた、PECSスケジュールのさらなる作り替えですが、ようやくこの週末に作業をすることができました。

今回新たに作ったもの

今回新たに作ったのは、上記の写真に映っている2種類のツール?です。
どちらも、絵カードによるスケジュール表の機能を拡張するために作りました。

左の2本の板は、本来のPECSで複文(2枚以上のカードを使った文)を作るために使われる「センテンスストリップ」と同じようなもので、複数のスケジュール用の絵カードを並べて貼り付けられる(そしてさらに、この板自体も裏に貼ったマジックテープでスケジュール表に貼り付けられる)ようになっています。
この板を仮に「スケジュールストラップ」と呼びたいと思います。

長さが違う2本のスケジュールストラップは、貼り付けられるカードの数が違うだけ(短いほう:3枚、長いほう:4枚)で、機能的には違いはありません。

そして、写真の右側に写っているのは、「暫定カードスリーブ」(これも私が勝手に名づけたものですが)というもので、絵カードをプリントアウトした(あるいは何かの資料から切り抜いた)ばかりでまだラミネート処理できていないときに、そのカードをスケジュール表などPECSで暫定的に使えるようにするものです。

暫定カードスリーブの使い方
↑こんな風にラミネート処理がまだできていない絵カードを入れて使います。
 このスリーブにはマジックテープが貼り付けてあるので、このままPECSカードとして使えるようになります。

実は、このスリーブは、以前「障害をもっていますワッペン」を作るときにご紹介した、100円ショップのカードケースを切って作ったものです。


↑「暫定カードスリーブ」は、このカードケースを切って作りました。

ちなみに、カードケースの上についていた固定用のクリップは、「スケジュールストリップ」を車に取り付ける(後で出てきます)ための固定具として活用しました。

さて、「スケジュールストリップ」に戻りますが、これは外出時に、今日はどんなところに出かけるのか(そしてどんな活動をするのか)を順番に貼り付けて使います。

スケジュールストリップの使い方1
↑スケジュール表の下のほうにセンテンスストリップが貼ってあるのが分かると思います。

そして、ここからが新しいのですが、実際に外出するときは、このスケジュールストリップをスケジュール表からはがし、車のチャイルドシートの正面に掲示し(ここで、スケジュールストリップの固定には、先ほど「暫定カードスリーブ」を作るときに余った、カードケース用のクリップを流用しました。

スケジュールストリップの使い方2
↑チャイルドシートの前(我が家の車の場合、運転席の背面)に、スケジュール表からはがしてきたスケジュールストリップを掲示し、娘がいつも見えるようにします。

あとは、実際に経由地に着いて用事を済ませ、次の場所に移動するごとにスケジュールストリップからカードをはがしていき、全部カードがなくなったら家に帰ってくる、という風に使います。

この「スケジュールストリップ」を導入しようと思ったきっかけなどについては、回を改めて書いてみたいと思います。
posted by そらパパ at 22:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 実践プログラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
遅滞&自閉症傾向の娘の母です。
奥様のところから時々お邪魔しております。
まだ全ては読みきれていませんが、素晴しいパパさんですね。
ところで、是非お願い(リクエスト)があります。

●自閉症に変わる名称を、そらパパさんが考えるとしたらどんなものになるか・・・をやって下さい。
分裂病→統合失調症などはいくつか変更?されたのに、なぜ自閉症は変わらないのでしょうか。
私としては、ミーハーなのでオーチズムという横文字そのままかな、と思っています。いっそファッション的なノリです(すいません・・)軽くカムアウトしてそれから説明をじっくりと。なんていいかなと思っています。
しかし、英語のオーチズムはどの範囲だか不勉強ですが。

●スペクトラムの人の脳と、定型の人の脳。これをコンピュータに置き換えて、簡易的に説明がしてみたいのですが、良いたとえはないでしょうか。
例えば「マックとウィンドウズほどの得意分野の違いよ!」とか。
これも自分がコンピュータに疎い為、説明できないのですがうまく例えができれば
「ああ、そうか!」と想像力を使って?欠陥じゃない、システムが違う・得意分野が違うと納得してもらえると思うのです。

是非、お願い致します。
Posted by ゆっくりママ at 2006年08月29日 17:45
ゆっくりママさん、はじめまして。

妻のブログともども、よろしくお願いします。

自閉症の代替名称ですが、難しいですね。
実際には「広範性発達障害」という名前が既にありますね。自閉症というのは非常にあいまいで広い概念ですので、これ以外の名称を考えることはけっこう難しいと思います。
(あとは「カナー症候群」「アスペルガー症候群」というくらいでしょうか)

ただ、私は実際には「自閉症」でも別にいいんじゃないかと思っています。
このことばには、少なくとも著しい差別的なニュアンスは入っていないと思いますし、それに「広範性・・・」がさっぱり広まらずに、「自閉症スペクトラム」のほうが良く使われるのも、こちらのほうが言いやすく覚えやすいからだと思うんですね。

もう一つの例えばなしのほうも、なかなか難しいですね。
ただ、確か以前ご紹介した「俺ルール!」の中で、ニキリンコさんが「自閉っ子はデスクトップが狭い」みたいなことを書いていたような記憶があります(すみません、もう手放したのではっきりとは分かりません)。
コンピュータにたとえるとすれば、そういう感じなんじゃないかなと思います。(デスクトップが狭くて、ごみ箱がないようなイメージ)

あまりご期待に応えるような答えになっていないかもしれませんが・・・
Posted by そらパパ at 2006年08月29日 21:20
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