2006年08月21日

プールにて。(水との相互作用)

この土曜日は、ゴミ処理施設の熱を使って営業している、公営の室内プールに行ってきました。

考えてみると、娘を外のプールに連れて行くのは初めてでした。
プールというと、大抵は「おむつが取れていないと入れません」という決まりがあって、ここのプールもご多分に漏れずそうだったのですが、娘もようやく今年の2月におむつが(小のほうだけですが)外れたので、堂々と?連れて行くことができました。
ここは療育手帳を持っていくと本人と介助者2名まで無料になるので、私たち家族は全員無料で入れることになります。

いくつもプールがある中で、娘が特に気に入ったのは、娘の腰の上あたりまでしか深さのない幼児用プールでした。
そして、娘の動きと安全をサポートしつつ、娘が遊んでいる様子を見ていて、あることに気づき、感動というか、少し驚きのようなものを感じました

娘は自分からプールに積極的に入っていき、プールの中を歩きながら、いろいろなことを試す動きを見せました。
ひざを上げて大股で歩くような、わざと水の抵抗が増えるような歩き方を試したかと思うと、突然立てひざになって肩まで水につかったり、そのときに体を沈めすぎて水を飲んでしまったり、放水口の近くに近づいてから逃げてみたりと、あえて安定した「同じパターン」から外れるような動きをいろいろと見せてくれました。
さらには、幼児用プールのすぐ隣にあった温水のジャグジー(ほとんどお風呂)と幼児用プールを行ったり来たりして、水温の違いを楽しんだりもしていました。

それを見ていて、今まさに娘は環境との相互作用から何かを学んでいるし、こういった瞬間こそが、発達にとって極めて重要だと気がついたのです。

考えてみると、適度な深さの水というのは、適度に複雑で適度にシンプルなヒトに対する相互作用を持っています
普段の環境とは移動抵抗も違い、温度(水温)も違い、においも違います。水の中と水の外の間には「境界」があり、その境界の上と下では全く違う環境があり、さらにその境界には、水しぶきとか波といったさまざまな現象が生まれます。
そして、ヒトの働きかけ(中を移動する、バシャバシャやる等)に対して、ある程度予測可能な、でも細部にいたっては予測不可能な反応を返します。

娘がこんな風に「水」に対して積極的なかかわりを見せたのは初めてでしたが、恐らくその理由は、適度な深さと明るくて安心できる環境、余計なおもちゃなどがなくて水に集中できたことなどがうまく働いたからではないかと思います。
実際、浮き具をつけて深いプールに連れて行ったときは、それなりに楽しんでいるようには見えたものの、その動きはまったく受動的で、自分から水と「相互作用」するという態度は見られませんでした。

少し大げさにいえば、娘とこの幼児用プールという組合せがあって初めて、娘にとって適度に構造化され、かつ適度に新奇な「水と相互作用できる環境」が立ち現れたのだ、と感じたのです。(これが、感動のような驚きのような感情につながったのでした。)

ここでも、「いきなり難しい環境」ではなく、「身の丈に合った環境」(プールの場合はまさに文字通り「身の丈」ですね)を用意してあげることが、適切な相互作用を生み出し、ひいては子どもの側からの環境への積極的なかかわりを自発するのだ、という、学習・療育についての法則はやはり成り立っています。

そしてもう1つ興味深かったのは、そうやって幼児用プールで環境との相互作用を楽しんでいる間は、周りの子どもの動きのために顔に水がかかっても、我慢して落ち着いて水遊びを続けることができた、ということです。
普段、入浴させたりしているときは、顔に少しでもシャワーの水がかかると大騒ぎする娘ですが、この幼児用プールでは、ほとんど顔が水びたしになっても(しかも多少塩素が入っているのでお風呂のシャワーよりよほど目は痛いはずですが)、パニックせずに少し顔をこするだけで遊びに戻ることができたのです。
これも、受動的にそこにいるのではなく、自発的に環境との相互作用を行なっているときは、その中で起こるアクシデントにも十分対応できる、ということを示しているように思いました。

結局、行く前の予想よりも長い、約1時間ほどのプールの時間を楽しんで、心地よい満足感を感じて帰ってきました。
今日の妻のブログにも書いてあるとおり、最近の娘の状態は決していいとは言えないのですが、そんな中でも、こんな風に新しい発見があったり、娘の成長を感じたりできる瞬間があるというのは、とても嬉しいことですね。(^^)
posted by そらパパ at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
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