我が家では、娘に障害があると分かって以降も、積極的に外出・外食・外泊をするように心がけていました。それが子どもにとっての社会的な経験にもなると思っていたし、家族のリフレッシュにもつながると思っていたからです。
それに、子どもに障害あるからといって、「我慢しすぎる」人生を送る必要なんてない、という信念もありました。
その信念を現実として続けていくために、できるだけの創意工夫、場合によっては投資をやっていかなければならない、と考えていたわけです。
そんななか、2005年の秋、娘が3歳のときに本格的な2泊3日の箱根旅行に初めて挑戦しました。(記事)
このときは、娘は基本的に機嫌がよく(というか、まだ状況がよく分かっておらず「なされるがまま」だったのだと思いますが)、旅行は大きなトラブルもなく無事に終わりました。
それに味をしめて(?)、娘が4歳になったばかりの2006年の夏に、今度は山中湖に2泊3日の旅行に行った(記事)のですが、このときは前回とはまったく状況が違っていました。
娘が、初めての場所である宿泊先のホテルになじむことができず、部屋に入ったとたん大パニックを始めてしまったのです。
部屋だけでなく、初日は出かけた先の観光地でも泣いてばかりだったので、夫婦ともどもかなり凹み、「宿泊をキャンセルして帰ろうか」みたいな話まで出ましたが、1時間くらいホテルの部屋のなかをぐるぐる歩かせていたらなんとかパニックも治まり、その後はときどき崩れながらもなんとか最後まで日程を消化することができました。
この旅行のあと、夫婦でも話し合い、私自身もいろいろ考えました。
娘は成長するにつれて、社会との適応が良くなる側面と難しくなる側面、両方出てくるだろうけど、「外出・旅行する」ことについては、少なくともここ数年は「難しくなる」側面が強く出る可能性が高いだろう。娘には調子の波もあるし、旅行で新しいホテルに泊まるたびに混乱するかもしれない。
でも、旅行は外の世界とかかわる練習になるし、「家族で旅行する、外泊する」ということをやめてしまう・減らしてしまうのは忍びない。続けていきたい。
たとえば「なじみのある場所」に外泊できて、見通しが立てやすい形で旅行ができれば、娘も旅行や外泊を楽しめて、続けていけるのではないか・・・。
そういったことを考えていく過程で、「観光地に旅の拠点をかまえる」というプランが、徐々に具体化していきました。
そうすれば、泊まる場所を固定できるし、調子の悪いときは「旅行をやめる」という決断が簡単にできるし(逆もまた然り)、娘が今よりも一層「難しい時期」に入ったとしても、なんとか定期的に外泊ありの旅行に出かけられるんじゃないか、と考えたわけです。
ただ、この時点では、それを実現するための具体的な方法も、必要な資金のレベルもまったく分からず、いろいろ勉強し、実現可能性を検討するところから始めることになりました。
(次回に続きます。)
我が家は今月11日新築の家に引越しました。
以前住んでいた所からすぐ近くに新築したので、建築中ほとんど毎日のように娘を連れて見に来ていました。
引越し間近になって、療育の先生と話をした時「引越す前に沢山新しいお家に連れて行って下さいね!」と言われていましたが、ほぼ毎日行ってるし、それに、なぜそのようなことを言われるのかよく分かっていませんでした。
そして、引き渡しが終わったその日から新しいうちに寝泊りをするようになったのですが…(まだ引越しが完全ではないので…)
初日は問題なかったのですが、翌日から「新しいお家嫌。お家(以前の家)に帰りたい!」と言い出しました。
その時初めて療育の先生が言ってた意味が分かりました。
物凄い不安だったんだろうと思います。
旅行の時などはそんなに悲しそうになることはなかったので全く予想外でした。
些細なことでも不安なんだと改めて感じました。
引越して20日ほど経ちますが…まだ微妙に緊張はありそうです。
セカンドハウス購入はレジャーを充実させるための手段の一つですね。
重度の障害児がいる知人も子供の外泊がスムーズに行くように別荘(確かサンダンスリゾート?)を購入しました。
花mamaさん、
お子さんが新しい場所を急に怖がったりすると、親としても驚きますよね。我が家も、このエントリで書いているとおり、旅行先で急にパニックし始めたときにはかなり動揺しました。
どういう「新しい状況」に対して不安を感じるのかは、お子さんによって千差万別なんだろうと思います。
親としては、事前に予想できそうな場合は対策をとったり、急にパニック等を起こしてしまった場合は原因を推察して何とか対処したり、といったことくらいしかできないですね。
それでも、その新しい場所で「怖いことなんか何もない」という経験を積み重ねていけば、ゆっくりと「慣れて」いくだろうとは思います。
じっくりと対応していくほかないのではないかと思います。
まきさん、
我が家にとってのセカンドハウスは、レジャーを充実、というのももちろんですし、それに加えて、娘のSSTの場としての役割も考えて購入しました。
サンダンスリゾートというのは別荘というよりはリゾートクラブですね。
リゾートクラブは形態にもよりますが、泊まる部屋が固定されないので、通常の旅行と近い形態になるという特徴があると思います。
このあたりについては今後のエントリで少し触れることになるかもしれません。
よろしくお願いします。