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2006年08月03日 [ Thu ]

「自閉症児と絵カードでコミュニケーション」中間報告(2)

少しふっきれました。

この「自閉症児と絵カードでコミュニケーション」、確かに日本語訳に難があるのは事実ですが、逆にいえば、「何か論旨がおかしいなあ」と感じて原文に戻ると、そこにはほぼ100%の確率で明快で納得できる(日本語訳とは異なった)文章があるのです。

つまり、原本である「A Picture's Worth」がいかに論理的にかっちりと書かれているかということに英文に戻るたびに気づかされ、感銘を新たにしているのです。

本書の出版のために多大な努力をされた関連各位に非常に失礼なことをやっているのではないかという気持ちがここ何日かとても強かったのですが、やっぱり、この「A Picture's Worth」が本来持っている「力」というか、導こうとしている方向性をそのまま多くの人に正しく理解してもらいたいという自分の気持ちに正直になるしかない、と腹が据わってきました。

何しろ私自身にとっても、原本である「A Picture's Worth」との出会いは、娘への療育の取り組みの中で、「鏡の療育」の発見と並んで最も重要な出来事のひとつでしたし、だからこそ、日本語訳である本書も、「自信を持ってだれにでもおすすめできる」ものであってほしいと純粋に願っているのです。

今まで、奥歯にものが挟まったような書き方に終始してきましたが、この際はっきり書いてしまいましょう。

本書の原本である「A Picture's Worth」は「極めて優れた療育本」ですが、日本語訳が洗練されていないために、本書は現状のままでは「まずまずよくできた療育本」というレベルに留まってしまっています。(療育方法についても、実は一部ですが誤訳のためにやり方が変わってしまっている部分もあります。(この点、前回のコメントを修正します。))
その「ギャップ」を埋めるために、私がアマチュアとして「私製日本語訳修正案」を作ることで、本書が本来持っているはずの「極めて優れた内容」をよみがえらせたい、というのが今の率直な気持ちです。

どちらが正しい訳だ、ということは実はこの際あまり意味がなくて、私が理解する「A Picture's Worth」の内容はこっちだ、というスタンスで「修正案」を公開していきたいと思っています。
どちらがいいかは、皆さんに判断していただければいいと思います。

・・・というわけで、今日は第5章と6章です。6章には盛大に修正があります。

第5章 そらパパ版日本語訳「修正案」

P57 26行目 コミュニケーションに反応し → コミュニケ−ションに応えてやり

第6章 そらパパ版日本語訳「修正案」

P79 5行目 公式のコミュニケーションスキル → 定型的なコミュニケ−ションスキル
P86 21行目 1セット分 → ひと揃い
P91 16行目 「私は・・・が欲しい」 → 「私が欲しいのは・・・です」
P91 17行目 「私は」と「欲しい」の間に → 「私が欲しいのは」の後に
P101 19行目 一貫した方法で → 筋の通った戦略を持って
P101 21〜22行目 系統的に評価する別の方法も用意しておく必要があります → 複数の代替的なやり方を体系的に比較検討していけるようにしなければなりません。
P102 16行目 誤反応修正法 → 体系的な誤反応の訂正戦略(誤反応修正法)
P102 20〜21行目 コミュニケーションブックの中にある絵カードすべてを表紙に貼り、その中からの弁別を学習するようにします。 → コミュニケーションブックの中や表紙にあるすべてのカードを弁別することを学習するようにします。
P103 18行目 新しい語彙を加える際、 → 新しい語彙を加える際には
P103 20行目 置き換えていくことができます。 → 置き換えていくことができました
P108 21〜22行目 「最初は無償で与える」 → 「1つめだけ無償で与える」


ところで、上記の「91ページ」の修正案でも少し出てきますが、本書では「I want」のカードをそのまま「私が欲しいのは」と訳して、欲しいもののカードの前に持ってきます。(直訳型
それに対して、PECSトレーニングマニュアル日本語版のほうでは、カードも「ください」という名前に変えられ、日本語にあわせて語順を変えて(欲しいもののカードの後に「ください」カードを置く)います。(日本語語順型

どちらがベターかは難しいのですが、本書を「日本語語順型」にしようと思うと、かなりの部分に手を入れなければならず、内容が原文とかなり変わってしまいます。
ですので、「PECS日本語マニュアル」とは内容が変わってしまっていますが、もともと本書が採用しているとおり、私も「直訳型」でこの修正案を作っていきたいと思います。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 00:16 はてなブックマーク | コメント(2) | トラックバック(0) | 理論・知見
この記事へのコメント
 ご指摘の部分について、そらパパさんの訳が正しいことを確認しました。間違えようがない簡単な記述ですが(この本自体がPlain Englishで記載されている印象です。)えてして翻訳とはこのようなものです。私も翻訳で読んでいて、論理の展開がおかしいと感じたときには、原書を参照します。あまりにひどいと思ったときには、その旨を翻訳者に伝えますが、社会的地位の高い方ほど認めない傾向があるようです。<(_ _)>
 そらパパさんが公開しようとしている「修正案」とは、あくまでも全訳ではなく、部分訳と考えてよろしいのでしょうか。小生も自閉症児に関わっている立場から、日本語訳を購入し、「修正案」を公表しようかと考えましたが、著者の了解を得ないと著作権法上の問題が生じる可能性もあるので、逡巡しているところです。いささかでもお役に立てれば幸いです。
Posted by ウルトラマン at 2006年08月03日 23:15
ウルトラマンさん、

ありがたいお言葉ありがとうございます。

もちろん、私が考えているのは「部分訳」です。
実は、もしこういった計画(A Picture's Worthの日本語訳)が出てこないようであれば、私自身がこの本を訳して、原著作権者なり出版社なりに持ち込みでもやってしまおうか、と思っていたのです。

幸い?こんなに早く日本語訳が出てきて、とても喜んでいたところ、読んでみるとちょっと残念な部分がけっこうあったので、「日本語訳が早くでて嬉しい」という気持ちと、「洗練されていない日本語訳になってしまっていて残念だ」という気持ちの狭間に立たされてしまったという感じです。

著作権の部分も含めて、クレームをいただいた場合は真摯に対応したいと考えています。
Posted by そらパパ at 2006年08月04日 15:27


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