2011年07月05日

SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACROを全域マクロに改造する

最近恒例の、月曜以外のカメラネタエントリです。

さて、今回もレンズ改造の話題で、またまたこれまでとそっくりですが(笑)、違うレンズです。
しかも、今回は昔の銀塩レンズではなくて、現行バリバリの(いま買える)レンズの改造です。

それが、このシグマの「70-300mm F4-5.6 DG MACRO」です。



このレンズはこちらで新品を買うこともできます。(リンクはソニー用)



今回は、大胆にもこのレンズを分解、改造し全域マクロ化してしまおうという試みです。
(まあ、実はこのレンズを偶然オークションで安く落札できたのでこんなことができるわけで、そうじゃなければさすがに怖くてチャレンジはしにくかったですね。でも、一度成功したので、今後は自信をもって分解できそうです)

なお、よくみると現行のレンズは「SIGMA DG」という金色のロゴがレンズに入っており、私が分解したものはそれがないので、このレンズはマイナーチェンジしている可能性があります。

また、言うまでもありませんが、レンズの分解は自己責任でお願いします。

さて、まずはマウント側からネジを外していきます。
この部分は、これまでにご紹介した記事「DL MACRO」などの分解手順とほぼ同じです。○のついた場所のネジを外せばマウント部分が取り外せます。



続いて、シャフト(○印)とスペーサー(矢印)を取り除きます。



この辺りで、ズームリングのゴムを外していきます。ゴムははまっているだけなのでマイナスドライバーなどでこじっていけば外れます。



ゴムを外すと、上記のようにセロテープで固定された金属板が(いつものことながら)出てきますので、セロテープをはがして金属板を取り除きます。



すると、このようにブラシのような接点が出てきますので、ネジをはずして丁寧に取り外します。



またマウント側に戻り、○で示した4箇所のネジを外して鏡筒をもう一段階取り外します。



すると、上記のような状態になります。
たくさんネジが見えていて、基盤やギアなども固定されていて複雑ですが、これをよく見ると、「DL MACRO SUPER」とほぼ同じ構造になっていることに気づきます。
だとすれば、外すべきネジがどれかが見えてきます。



先ほどの分解段階と同じ段階を、真上から撮ったのが上記の写真です。
この写真にある、○印のネジを取り外せばOKです。
なお、オレンジの○のネジは基盤に隠れてちょっと外しにくいですが、うまく角度を工夫して外してください。
また、黄色の○のネジは他と長さが違いますので、別にして保管しておいてください。

さて、ここまで外すと、予想通りMACRO SUPERと同じことが起きました・・・



このように、鏡筒がごっそりと外れます。
鏡筒を外すとき、内側と外側がどの位置で組み合わさっていたかを、油性ペンで印をつけるなどして後で分かるようにしておいてください。(一応、分からなくなってしまった人のために文章で書いておくと、焦点距離を70mmにして、マクロ切り替えスイッチの位置とマクロ倍率表示の目盛りがほぼ同じ位置に来る場所が正しい嚙み合わせになります。)

さらに、ズームリングを70mmの位置よりさらに先まで回すと・・・



このように、ズームリングも外れます(矢印)。そして、いよいよマクロスイッチの金具にアクセスできる状態になります(○印)。

あとは、この金具の凸部分を切断すればOKなのですが、これがこれまでのレンズとは比較にならないほど難しいです。
これまでのレンズは、ペンチなどで折り目をつければ比較的簡単に金属疲労を起こさせて凸部分を折り取ることができたのですが、このレンズでは金具の下に隙間がないため、同じ手法をとることができません。
ペンチなどで「切る」ことが必要になると思います。



私もものすごく苦労して、何とか上記のように凸部分を折り取ることができました。

後は、これまでの手順を逆に戻っていって、レンズをくみ上げれば完成です。

これで、最新のレンズのマクロ性能を大幅に引き出すことができるようになりました。
また、シグマの古いミノルタ用レンズは、ソニーの最新のα33、55では使用できないのですが、このレンズは現在流通しているものであればα33や55にも対応していますから、それらの新しい機種に対応した「改造レンズ」に仕上げることも可能です。
posted by そらパパ at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
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